『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』は、猫猫(マオマオ)が主人公の小学館・サンデーGX版の漫画です。作画は倉田三ノ路さん。ねこクラゲさんが描く『薬屋のひとりごと』も、同じ日向夏さんの小説から生まれた漫画です。
謎解きの筋道を追いながら先の物語へ進みたいなら「猫猫の後宮謎解き手帳」。表情や人物同士のやり取りをじっくり味わいたいなら、ねこクラゲ版が選びやすいです。
書店で『薬屋』が二列並んでいると、一方が続編なのか、違う話なのかと手が止まりますよね。結論はどちらも本編。同じ事件でも見せる手掛かりや人物の表情が違います。「同じ話なら片方で十分」と棚を離れる前に、そこを見てほしい。
表紙に猫猫が二人。最初は棚の並べ間違いかと思うくらいややこしい。でも、この二冊を並べると、猫猫の観察眼をどの角度から見せるかが変わるんです。
この記事でわかること
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「猫猫の後宮謎解き手帳」は小学館版|ねこクラゲ版との見分け方
まず表紙と奥付で見るべきなのは副題と作画者名です。「猫猫の後宮謎解き手帳」が付く方は倉田三ノ路さんのサンデーGX版。副題のない『薬屋のひとりごと』は、ねこクラゲさんが作画し、七緒一綺さんが構成を担当するビッグガンガン版です。
| 見分ける軸 | 猫猫の後宮謎解き手帳 | ねこクラゲ版 |
|---|---|---|
| 単行本の題名 | 『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』 | 『薬屋のひとりごと』 |
| 作画 | 倉田三ノ路 | ねこクラゲ |
| 出版社サイトの構成欄 | 記載なし | 七緒一綺 |
| 掲載誌・出版社 | 月刊サンデーGX・小学館 | 月刊ビッグガンガン・スクウェア・エニックス |
| 共通の原作 | 日向夏の小説 | 日向夏の小説 |
「猫猫漫画」で探すと両方出てくるのも当然です。表紙が違っても、猫猫と壬氏(ジンシ)が別世界で出会い直す話ではありません。薬師の猫猫が後宮の謎に食いつき、解き明かしていく。出発点は同じです。
小学館のサンデーGX作品ページは倉田三ノ路さんの作画、スクウェア・エニックスのビッグガンガン作品ページはねこクラゲさんの作画と七緒一綺さんの構成を掲げています。二作とも猫猫の後宮での最初の事件から始まる、と出版社の紹介を並べると一目で分かります。
「サンデー版は外伝で、ガンガン版を読んでから」なんて順番は要りません。最初に気になった方の1巻を開いて大丈夫。買う前に副題と作画者名だけ見れば、別の版を選ぶ心配も減ります。
ややこしいのは題名だけです。「猫猫の後宮謎解き手帳」まで書いてあれば倉田三ノ路さん。ここを覚えると、検索結果で迷子になりません。
同じ事件でも焦点が変わる|芙蓉妃と梨花妃で見る漫画2種類の違い
二作の違いは「片方だけ事件の結末が別」というものではありません。同じ事件で、どの情報を先に見せ、どんな表情で引っ張るかが変わります。比べるなら序盤の同じ事件を一つ選ぶのが早い。猫猫と一緒に何を見ているかが、くっきりします。
芙蓉妃の事件は、結末が同じでも追いかける手掛かりが違う
夜の城壁で踊る芙蓉妃(フヨウヒ)。怪談めいた姿の裏で、猫猫が拾うのは「なぜ踊るのか」という人間の事情です。恋する武官との行く末を知ると、夜の舞は不気味な噂から、切実な願いへ見え方を変えます。
専門媒体のアニメイトタイムズによる二作比較は、結末は共通としたうえで、芙蓉妃が幼なじみの武官に下賜されるための武功をサンデーGX版の方が詳しく描くと指摘しています。ここに謎解きの面白さがある。答えを知った後も、「その答えへ至る条件」が見えると、芙蓉妃の覚悟まで読み直せるんです。
サンデーGX版は、事件の背景や条件を拾って読みたい人と相性がいい。謎が解ける瞬間だけでなく、解けるまでの情報が欲しいなら試す価値があります。
「芙蓉妃はなぜ踊ったのか」を知っていても、幼なじみが彼女を迎えるには何が必要だったのかまで戻ると、場面の重さが増します。単にサクサク進む漫画という説明では、この版のよさを取りこぼします。
梨花妃の事件は、猫猫の怒りがどこへ向くかを見たい
梨花妃(リファヒ)を苦しめる白粉の事件も、読み比べる入口です。猫猫が侍女へ厳しく出る。あれは病の原因を見抜いた頭脳の見せ場だけで終わりません。治したい人を前に、もう黙っていられない薬師の顔が出ます。
MANGA Watchの読み比べでは、ガンガン版からは侍女の愚かさへの怒り、サンデー版からは治療者としての怒りをより感じる、と書き手が受け止めています。これは筋書きの相違ではなく、表現を見た人の印象です。二作を優劣に押し込めず、猫猫の同じ行動から違う温度を受け取れるところが面白い。
梨花妃の治療で使うサウナのくだりなど、採り上げる細部にも差があります。「コマ数が多い方が丁寧」で片づけたくない。片方では立ち止まらなかった場面が、もう片方を読むと急に立体的になる。あの驚きが楽しいんです。
猫猫はただ正解を当てて気持ちよく帰る探偵じゃないんですよね。病人のそばでは容赦なく怒る。その怖さが、描き方を変えると別の理由から胸に刺さります。
序盤の二つの事件なら、先の大きな展開を知らなくても比べられます。まず同じ1巻近辺を試し読みし、説明を追う楽しさと表情を読む楽しさのどちらが自分を先へ連れていくか確かめてみてください。
芙蓉妃の舞と梨花妃の治療。二つとも猫猫の「気づき」が軸なのに、読み比べると引っかかる細部が変わります。漫画版を手に取るなら、書影と作画者名を確かめて、同じ事件をもう一度開いてみてください。
2026年9月時点の最新刊と到達点|巻数だけで比べない
いま続きを読むなら、物語の進み具合も大切です。2026年9月27日に確認した刊行済み単行本は、サンデーGX版が22巻、ビッグガンガン版が17巻。5巻の差を原作小説5巻分と数えるのは早計です。漫画では事件の区切り方も、1巻に入る内容も違います。
| 2026年9月27日時点 | サンデーGX版 | ビッグガンガン版 |
|---|---|---|
| 刊行済み | 22巻 | 17巻 |
| 最新巻の紹介にある出来事 | 猫猫が「仙女」の噂を追い、皇弟として表に立つ壬氏から文が届く | 子の一族の砦編が完結し、原作小説4巻のクライマックスを収録 |
| 先を読む判断 | 砦編後の事件へ進みたい人向き | 砦編をもう一つの描き方で味わいたい人向き |
ここは差がはっきりしています。ビッグガンガン版17巻は、子の一族との砦での決着へ。出版社は原作小説4巻のクライマックスを収録すると案内しています。サンデーGX版22巻では、猫猫が羅半(ラハン)と「仙女」の噂を追い、壬氏からの文を受け取る。砦を越えた猫猫の次の事件が、もう始まっています。
ビッグガンガン版17巻の砦編の区切りと、サンデーGX版22巻の「仙女」を追う導入は、それぞれの出版社の巻紹介で確認できます。最新巻へいきなり飛ぶと当然前提を取りこぼすので、続きから読みたい場合も前の巻とのつながりを確かめてください。
砦の顛末を知ったあと、猫猫は次に何へ食いつくのか。その切り替わりを漫画で追いたいならGX版が先です。砦での猫猫と壬氏を別の画面でもう一度受け止めたいなら、ガンガン版17巻へ。速さだけで勝負を決めるのはもったいない。
※最新刊の比較には原作小説4巻以降の出来事を含みます。各漫画の単行本紹介を基準にしたもので、雑誌の最新掲載分まで含めた到達点ではありません。
サンデーGX編集部は2026年8月の公式Xで、猫猫たちが西都へ進んだ第104話「西都 二日目」を案内しています。単行本22巻で連載も止まっているわけではありません。
とはいえ、いま選ぶ一冊の比較では刊行済み単行本を基準にするのが分かりやすい。雑誌の話数を先に調べすぎると、新刊で出会うはずの事件まで知ってしまいますからね。
ちなみにアニメ第2期の砦での猫猫救出を思い出したい人は、猫猫が連れ去られてから救出されるまでの流れを先に整理すると、この表の「砦編」がどの山場を指すかつかみやすいはずです。
続く「仙女」の噂は、猫猫がまだまだ不思議なものに食いつくことを教えてくれます。砦の大事件を越えても、気になる話を聞けば足が向く。その変わらなさ、少し安心しませんか。
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アニメはどちらの漫画版?原作小説との関係を整理
アニメから入った人なら、「アニメに近い方を買えば話がつながる?」と考えますよね。アニメが公式に原作として掲げるのは、日向夏さんの小説。二つの漫画もそこから生まれています。アニメの続きに進むための「唯一の漫画版」はありません。自分の目が追いたいものから選べます。
アニメは第1話の入口から小説と違います。先に猫猫の薬師時代や花街を見せて、後宮へ連れていく。監督はさらに先の要素も少し盛り込んだと語っています。いきなり「この漫画のこのコマがアニメの正解」と探すより、それぞれの媒体が何を先に見せるかを追う方がずっと面白い。
長沼範裕監督の公式インタビューを読むと、猫猫の目線から始まり、壬氏の立場を映すために画面を引いていくというアニメならではの設計が分かります。漫画のどちらかとコマを一対一で対応させる見方だけでは、この工夫を見逃します。
アニメで好きだったのが猫猫の「考えがつながる瞬間」ならGX版。壬氏との距離や表情の変化ならガンガン版を、まず試してみる。同じ場面に着いても、自分の目が追うものが違う。そこに別媒体を開く楽しさがあります。
「アニメの絵はどっち由来?」だけで決めると惜しいんです。猫猫が謎を見つけた瞬間、自分は手掛かりを追いたいのか、その顔を見たいのか。そこで選ぶ方がしっくり来ます。
ガンガン版の雰囲気も、スクウェア・エニックスが公開する公式PVで見比べられます。ふたつの公式動画を行き来するだけでも、同じ猫猫を描く線の印象が違うと分かるはずです。
アニメの先の時期や配信を知りたい場合は、漫画版の比較とは分けてアニメ第3期の放送・配信情報を確認してください。漫画の新刊日と放送予定を混ぜると、せっかくの読書計画がずれてしまいます。
どっちから読む?迷った人の選び方は「同じ事件を試す」
一冊目に迷うなら、序盤の同じ事件を両方で試し読みするのが早いです。猫猫が最初の異変に気づくところを見れば、説明を追う気持ちよさと、人物を見つめる気持ちよさのどちらに引かれるか分かります。
倉田三ノ路さんのサンデーGX版1巻と、ねこクラゲさんのビッグガンガン版第1話には、それぞれ出版社の試し読み入口があります。同じ始まりを並べて見られるのは、この作品ならではです。
- 推理の経緯や事件の条件を追いたい:倉田三ノ路さんのサンデーGX版を先に
- 猫猫や壬氏の表情、やり取りを味わいたい:ねこクラゲさんのビッグガンガン版を先に
- 漫画で砦編より先へ進みたい:刊行済み単行本ではサンデーGX版の進行を確認
- 同じ場面の解釈の違いを楽しみたい:芙蓉妃か梨花妃の事件を両方で
芙蓉妃の事件は結末を知っても、条件の見せ方に目が止まります。梨花妃の事件では猫猫の怒りの受け取り方が変わる。同じ話を二度たどって、二度目に拾うものがある。好きな一冊を選んでから、もう一冊へ戻る楽しさまであるんです。
最初は1巻ずつで十分。猫猫が後宮で異変に気づくところを比べてみてください。薬の知識へ目が行くか、彼女の顔へ目が行くか。自分が好きな『薬屋』の輪郭が、そこで少しはっきりします。
「どっちが上?」より、「この場面で何を見たい?」。猫猫の毒への目の輝きが好きなのか、謎の糸をたぐる手つきが好きなのか。答えは案外、最初の数ページにあります。
漫画版を探す時は、商品リンク先の書影と作画者名を最後にもう一度。この記事で中心に扱った『猫猫の後宮謎解き手帳』を選ぶなら「倉田三ノ路」、もう一方なら「ねこクラゲ」です。好きな一冊へ迷わず進んでほしい。
よくある疑問|「猫猫の後宮謎解き手帳」は続編?
題名に副題が付いているせいで、二作の順序を取り違えやすいところです。買う前に残る疑問を短く片づけます。
ねこクラゲ版の続きが「猫猫の後宮謎解き手帳」?
いいえ。どちらも日向夏さんの小説を最初から漫画化した独立のシリーズです。副題は作品を見分ける目印で、続編を示す番号ではありません。サンデーGX版だけで1巻から読み始められます。
二つの漫画で結末も変わる?
今回確認した序盤の同一事件では、芙蓉妃の結末など大筋は共通です。違いとして挙げられるのは手掛かりの詳しさ、取り上げる細部、人物の見え方。今後の未刊行分まで「全場面が同じ」と言い切る話ではありません。
どちらか一方だけ読めば話は分かる?
分かります。二作とも猫猫の後宮での事件を1巻から描いているため、片方がもう片方の必修編という関係ではありません。気に入った方で物語を追い、好きな事件だけもう一方へ戻る読み方もできます。
『薬屋のひとりごと』を見返すなら
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まとめ|「猫猫の後宮謎解き手帳」は同じ原作を別の角度から楽しめる漫画
『薬屋のひとりごと~猫猫の後宮謎解き手帳~』は、倉田三ノ路さんが描く小学館の漫画版です。ねこクラゲさんの漫画の続編ではなく、二作とも日向夏さんの小説を原作にしています。
芙蓉妃の夜の踊りも、梨花妃を前にした猫猫の怒りも、答えを知ったら終わりではありません。もう一方を開くと、さっきは通り過ぎた手掛かりや表情で足が止まる。猫猫が謎を見直すように、同じ場面を見直せます。
まず一冊。気に入ったら同じ事件をもう片方で。知っているはずの猫猫が少し違って見える瞬間、二種類あることが一気にうれしくなります。
※当サイトで使用しているイラストは、記事内容を補足するイメージです。特定の著作物・キャラクター・場面の再現を目的としたものではありません。本記事は作品公式および関係各社とは関係のない非公式記事であり、感想・考察には当サイトの見解を含みます。
※本記事の情報は2026年9月27日時点で確認しています。放送・配信状況、料金、特典、キャンペーン、商品情報などは変更される場合があるため、最新情報は各公式サイト・販売ページをご確認ください。
