『薬屋のひとりごと』で羅漢(ラカン)が子昌(シショウ)を探るのは、第40話の茶会。後宮の壁を壊すのは第42話で、猫猫(マオマオ)の失踪を知ったことがきっかけです。
この二つは別の場面ですが、子昌への疑いと娘を助けたい思いが、やがて禁軍の出動につながります。茶会の駆け引きと壁破壊を分けると、羅漢の行動がぐっと追いやすくなります。
しかも、Web版で壁を壊す理由はアニメと少し違います。あの大騒ぎを「猫猫がさらわれたから」で一括りにすると、媒体によっては前後が逆になってしまうんですよね。
※アニメ第2期の第40~46話と、Web版「宮廷編2」の内容に触れます。
この記事でわかること
| 人物 | 読み | この話での役割 |
|---|---|---|
| 羅漢 | ラカン | 猫猫の実父。軍部の高官で、軍師と呼ばれる |
| 子昌 | シショウ | 宮廷の重臣で、子の一族の長 |
| 猫猫 | マオマオ | 失踪し、羅漢が探そうとする娘 |
| 羅半 | ラハン | 羅漢の甥で養子。金や物資の流れを調べる |
| 壬氏 | ジンシ | 羅半の報告を受け、禁軍を率いる |
| 羅門 | ルォメン | 猫猫の養父で、羅漢の叔父 |
子昌には笑って探りを入れるのに、猫猫のことになると壁へ突撃。羅漢の振れ幅、さすがに大きすぎます。
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羅漢は子昌をどう探った?第40話の茶会と飛発の図
第40話「巣食う悪意」の羅漢は、子昌をその場で捕らえようとしているわけではありません。飛発(フェイファ)の話を持ち出し、相手の反応をうかがう駆け引きをしています。
軍部の羅漢は「東の狐」、文官の子昌は「西の狸」。呼び名からして手ごわそうな二人ですが、向かい合ってするのはお茶の席での会話です。穏やかな形なのが、かえって落ち着かない。
子昌の娘は上級妃の楼蘭(ロウラン)。羅漢もまた猫猫の父です。ただ、二人を父親同士の世間話として眺めていると、羅漢が最初に出した物の不穏さを見落としてしまいます。
飛発の図は、狩りで起きた襲撃につながる
子昌が招いた第35話の狩りでは、壬氏たちが子の一族の治める地へ向かいました。その場所での襲撃を思い出すと、茶会に飛発の図を出す意味が重くなります。
| 羅漢が持ち出した話 | 子昌と向き合う場面の意味 |
|---|---|
| 飛発の図 | 狩りの襲撃に関わる武器を、子昌の前に出す |
| 妻との囲碁の話 | 武器の話から一転して、長い妻自慢へ脱線する |
| 果実水の色 | 緑色なのに赤と呼び、子昌の返答をうかがう |
武器の話を真正面からぶつければ、子昌にも身構える余地がある。ところが羅漢は、そこから妻との囲碁の話へ流れていきます。緊張して見ていた側まで、思わず肩の力が抜けそうな脱線です。
「そっちが本題なの?」と突っ込みたくなるほどの妻自慢。それでも、話がゆるんだ後に色の仕掛けが残っている。笑える会話の中にも探りがあるのが、狐らしいところですね。
第40話の公式切り抜きでも、飛発の話と妻自慢の落差を味わえます。子昌の前でこんな調子を崩さない羅漢、つかみどころがありません。
緑の果実水を「赤」と呼ぶ、小さな試し方
茶会の終わり際、羅漢は緑色の果実水について赤い色を話題にし、子昌はそのまま同意します。銃の図よりも小さなやり取りなのに、見逃すと二人の駆け引きが違って見える場面です。
原作者・日向夏さんの四巻までの人物紹介では、子昌は赤と緑を区別できない人物と説明されています。茶会の返答は、彼の血筋に関わるこの特徴へつながります。
ただし、色の見え方だけで襲撃犯だと決まるわけではありません。飛発への探りと、子昌自身の特徴への探りは別の手がかり。羅漢が一度のお茶で触れている範囲の広さが怖いんです。
茶会の時点では、まだ相手を読み、反応を引き出す余裕がある。その羅漢が次に猫猫の失踪を知った途端、お茶どころではなくなります。
羅漢が後宮の壁を壊したのは第42話|目的は猫猫の捜索
第42話「鬼灯」の壁破壊は、猫猫を探すために羅漢が後宮へ突入しようとして、門を壊した場面です。子昌の砦の城壁を攻める場面とは別です。
第42話では、猫猫が行方不明になって十日が過ぎています。壬氏が手がかりを追う中、ついに実父の羅漢にも失踪が知られてしまいます。
茶会では相手を煙に巻いていたのに、今度は竹筒を握りつぶすほどの怒り。娘の所在が分からないと聞いた時の反応は、ゆっくり相手を観察していた姿とまるで違います。
- 猫猫が行方不明だと知り、持っていた竹筒を握りつぶす。
- 娘を助けようと部屋を飛び出し、後宮へ突撃する。
- 門の破壊が、後の羅半の修理代交渉へつながる。
思わず笑ってしまう大騒ぎですが、羅漢が求めているのは娘の居場所。壬氏の捜索を待てず、まず後宮へ入ろうとするところに、父親としての焦りが見えてしまいます。
第42話の公式切り抜きは、猫猫の失踪を知った羅漢の急変を描いています。子昌を前にした駆け引きから、この一直線の突進へ。落差がありすぎて、壬氏の頭痛まで伝わってきそうです。
壁破壊だけで、猫猫の居場所が分かったわけではない
父親の勢いはすさまじいものの、後宮の壁を壊したことで娘を取り戻せたわけではありません。入ろうとした場所と、猫猫が連れ去られた先は違うからです。
力ずくで突破しようとする羅漢と、消えた人物や物資の流れを追う捜索。娘を助けたいという思いだけでは、今いる場所まで届かない。このもどかしさが後の羅半の出番を際立たせます。
壁破壊は、子昌に対する正式な討伐とは別の行動です。猫猫を捜すための後宮への突入と覚えておくと、砦を攻める展開と混ざりません。
しかも、壊した分は請求される。父親の怒りで話が終わらず、修理代まで追いかけてくるのが『薬屋のひとりごと』らしいですね。
漫画でこのあたりをたどるなら、子昌を探る茶会と、猫猫のことで突撃する父の落差に注目したいところ。軍師の顔と父親の顔が、同じ人の中にあるのがよく分かります。
壁の修理代と処分はどうなった?羅半の交渉と原作者の補足
壊した門には修理代が発生し、羅半が壬氏へ値引きを頼みます。重罪にならず弁償で済む理由については、原作者が現帝と羅漢の関係を補足しています。
宮廷の不穏な動きを説明していた羅半が、急に養父の修理代を持ち出す。この切り替わり、ずるいですよね。国に関わる話を聞いていた壬氏の前へ、今度は家の出費が差し出されます。
第42話の羅半は、金や物資の流れをさらに調べられると持ちかけ、引き換えに修繕費の額を下げてほしいと頼みます。持ってきた情報は、ちゃんと交渉の材料でもあるわけです。
| 修理代・処分の疑問 | 答え |
|---|---|
| 壊したままで済んだ? | 修理代が発生し、羅半が見積もりの額を交渉する |
| 羅半は何を持ちかけた? | 物資や金の流れを詳しく調べること |
| なぜ重罪にならない? | 原作者は、即位後の現帝への羅漢の助力を理由に挙げる |
羅半の持ち込んだ情報が捜索に役立つ一方、修理費は現実の負担として残ります。「養父がやらかしました」で頭を下げるだけで終わらないあたり、数字に強い養子は抜け目がない。
弁償で済むのは、現帝への助力があるから
後宮へ強引に入ろうとして壁まで壊したのに、それで済んでいいの? そんな疑問には、日向夏さんが第42話の放送日に答えています。
日向夏さんは、羅漢が重罪にならず弁償になっている理由を、即位後の現帝をいろいろ手伝っており、帝が羅漢に頭が上がらないためと説明しました。
あの暴走の後ろには、帝も頭が上がらないほどの助力がある。現帝との関係が処分の軽さにつながり、修理代は別に残る。立場の強さと懐の痛さが同居しています。
羅半の「勉強して」は、値引きのお願い
見積もりを出して羅半が頼む「少し勉強していただけないでしょうか」は、額を少し安くしてほしいという意味。あの言い方、国の疑惑を説明していた時とはずいぶん違いますよね。
あれだけ自信ありげに物資の流れを話した直後に、低姿勢で値引きをお願いする。計算ができる人なのに、養父の勢いだけは帳簿の中に収まってくれないんですね。
羅漢が壊した壁の請求は、養子にも頭の痛い問題。修理代を安くしようと動く羅半まで見てこそ、この父子の騒動を楽しめます。
羅半の才能や猫猫との家族関係は、羅半の人物解説でも追えます。修理代の値引きにまで数字の才を使うところ、初登場から忘れがたいです。
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羅半の帳簿は何を暴く?飛発の出所から子昌へ
羅半が追うのは、飛発につながる金や物資の流れです。第42話では国庫の出納帳から穀物や鉄の不自然な値動きを指摘し、子昌側の動きを調べる足がかりを渡します。
壁を壊した父親の後に、帳簿を読む養子。派手さは正反対ですが、娘の捜索を前へ進めるにはこちらの仕事が要る。何も壊さず数字を差し出す羅半が、一気に頼もしく見えてきます。
Web版では、穀物と鉄の上がり方の違いが細かい
Web版の「三十一、羅半」で羅半が比べるのは、穀物の国庫での支出と市井の価格。鉄の値からは別の動きも探ります。同じ値上がりでも、疑う筋道が違うのが面白いところです。
| 物資 | Web版での不自然さ | 疑われる動き |
|---|---|---|
| 穀物 | 市井の値は安定しているのに、国庫側の金額が増える | 差額を横領している可能性 |
| 鉄 | 国全体で金属の価格が上がっている | どこかで金属を大量に必要としている可能性 |
穀物の量が膨大なら、少しずつ増えた差額も大きな金になります。値段の数字だけを眺めるより、外の相場と照らして読む。羅半の怖さは、そこから隠れた金の動きへ届くことです。
鉄の話になると、今度は物の使い道が気になってきます。大きな像のような事業も例に挙がりますが、飛発の出所を探している最中だからこそ、武器へ向く疑いが重くなるんですよね。
穀物は支出と相場の食い違い、鉄は需要の増加。二つの数字を同じ「値上がり」で済ませないと、羅半がどこを怪しんだのか見えてきます。
大切なのは、金と鉄がどこへ集まったか
もちろん、値上がりを見つけた瞬間に子昌の謀反が確定するわけではありません。疑わしい数字を、流れの先まで追う必要があります。羅半はその続きを引き受けられると持ちかけます。
やがて羅半は、金や鉄が子北州へ集まる動きを突き止めます。茶会で反応を探る羅漢とは違う道から、子昌の側へ近づいているんですね。
壁へ突撃しても、敵の居場所はつかめない。羅半の調査は、羅漢の怒りを正式な討伐へつなぐための仕事でもあります。
修理代を値切る場面で笑っているうちに、実は話が国の危機へ進んでいる。羅半の登場は、父の騒ぎの後始末と、子昌へ近づく調査の両方を担っています。
Web版とアニメで違う点|壁破壊は猫猫の失踪前
アニメ第42話では失踪が引き金ですが、Web版「宮廷編2」では猫猫が後宮で療養している間に羅漢が突入を試みます。Web版の壁破壊は、誘拐より前です。
同じく娘を案じた行動でも、「どこへ消えた?」と「具合を見に行きたい」では状況が変わります。アニメの記憶でWeb版を読むと、ここで前後が入れ替わりやすいんですよね。
| 比べる点 | アニメ第42話 | Web版「三十一、羅半」 |
|---|---|---|
| 猫猫の状況 | 行方不明になっている | 後宮で安静にしている |
| 羅漢が後宮へ向かう理由 | 失踪した娘を探すため | 娘の病状を見るため |
| 破壊と誘拐の順番 | 失踪後に後宮の門を壊す | 突入と壁の修理代の話が先に来る |
Web版の宴では、子昌への向き合い方も違う
Web版の「二十九、炙りだし」では、宴の毒見で猫猫が倒れた後、羅漢が杯を握りつぶして子昌らを指します。アニメ第40話の茶会より、娘の危険と怒りが直接結びついた場面です。
アニメの茶会では、妻自慢までして相手の様子をうかがう余裕がある。Web版の宴では、猫猫が倒れると手を傷つけるほど杯を握りつぶす。同じ子昌への探りでも、怒りが前へ出るタイミングが違います。
その後のWeb版「三十二、誘拐」では、羅門も猫猫に、羅漢が心配して後宮へ入り込もうとしたことを話します。娘が嫌な顔をしても、叔父には父親の心配が伝わっているんですね。
- 「二十九、炙りだし」:猫猫が宴で倒れ、羅漢が子昌らを指す。
- 「三十一、羅半」:猫猫の療養中に羅漢が後宮への突入を試み、壁の修理代が話題になる。
- 「三十二、誘拐」:その後に猫猫の誘拐へ進む。
Web版の突入には火薬への言及もあります。一方、アニメの壁破壊を、Web版の記述だけからそのまま火薬による爆破と読むと、媒体ごとの描写を混ぜてしまいます。
「なぜ壊したのか」と「どう壊したのか」を分けると、娘への心配は共通で、置かれた状況や描き方は違うと分かります。共通する父の思いと、異なる事件の順番を見比べたいですね。
書籍版を読むなら、小説4巻の事件へ
小説4巻では、後宮の事件を調べる猫猫がさらわれ、国を揺るがす事態へ巻き込まれます。一人の娘の危険と、宮廷を動かす大きな事件が重なる巻です。
アニメでは後宮の門が壊され、Web版「三十一、羅半」では後宮の壁の修理代が出てきます。場所の呼び方にも違いがありますが、どちらも子昌の砦を攻める場面より前の出来事です。
小説で子の一族の事件をたどるなら、娘を案じる羅漢の行動が、政治の大きな動きとどこで重なるかを追いたいところ。アニメの茶会や壁破壊が好きなら、別の順で進むWeb版との比較も楽しめます。
第44話で子昌討伐を頼む羅漢|壁へ突撃した父が礼を尽くす
第44話「砦」で羅漢は、子昌を討つために軍を動かしてほしいと壬氏へ頼みます。壁へ突撃した父が、今度は相手の前で膝をつく。娘を助けたいからこそ、頭を下げる場面です。
最初からおとなしくお願いに来たわけではありません。娘をさらわれた父として壬氏へ文句を言う羅漢を、叔父の羅門が諭します。羅漢にも、ちゃんと話を聞く相手がいるんですよね。
- 羅漢が、猫猫の失踪について壬氏に文句を言う。
- 羅門が割って入り、けんかになる前に礼をもって伝えるよう促す。
- 羅漢が膝をつき、子昌討伐のため軍を動かしてほしいと頼む。
- 羅半も礼を取り、子の一族が新型の飛発を製造していることを伝える。
娘が心配なことは変わらないのに、態度は一変する。壊してでも通ろうとした父が、今度は礼を尽くして道を開く。この切り替えがあるから、ただ暴走する人では終わらないんです。
第44話の公式切り抜きでは、羅漢の討伐の願いと、壬氏を皇族として扱う場面が見られます。第42話の大騒ぎを思い出すほど、このかしこまった姿の重みが増しますね。
軍師の羅漢と、禁軍を率いる壬氏は役割が違う
羅漢は軍部の高官ですが、子昌への討伐で動かすのは帝直轄の禁軍です。娘を助けたいからといって、羅漢がそのまま禁軍の指揮官になるわけではありません。
| 人物 | 討伐へ向けて担うこと |
|---|---|
| 羅漢 | 子昌を討つために軍を動かすよう頼む |
| 羅半 | 子の一族の金・物資や飛発について調べる |
| 壬氏 | 皇族として決断し、禁軍を率いる |
第44話の羅漢が礼を向けたのは、皇族としての壬氏。「宦官の壬氏」のままでは果たせない頼みを、帝の弟へ差し出しています。
子昌を探る時には茶会、娘のことで焦れば壁へ突撃、討伐を頼む時には膝をつく。どれも羅漢の行動なのに、相手と目的でここまで変わる。その切り替わりを追うのが、この一連の場面の面白さです。
第46話「禁軍」では、紫紺の甲冑をまとった壬氏が軍を率いて砦へ向かいます。羅漢の願いは、正式な討伐と猫猫の救出へつながっていきます。
砦へ向かう禁軍と壬氏の姿をさらに味わうなら、第46話「禁軍」の感想・考察へ。猫猫の連れ去りから再会までの順番は、猫猫救出の経緯で追えます。
猫猫のことになると止まらない父に、羅門の言葉が届く。羅半の調査が支えになる。あの壁への突撃が、ほかの人の力を借りて娘を助ける行動へ変わっていくのが、なんともいいんです。
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まとめ|羅漢と子昌の駆け引き、壁破壊は娘への焦り
羅漢は茶会で子昌を探り、猫猫の失踪を知ると後宮へ突撃します。二つは別の場面ですが、子昌側の動きを調べる仕事と娘を案じる思いが、後の討伐へ重なっていきます。
壁破壊の大騒ぎだけでも忘れがたいのに、その後には修理代、帳簿、皇族への礼が続く。羅漢の怒りがどう捜索や討伐へつながるかまで追うと、軍師と父親の顔がどちらも見えてきます。
子昌相手ならお茶で探る。猫猫の危険を知れば壁へ走る。それでも最後は膝をついて頼む。あの父親の必死さ、笑って終わらせられませんね。
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