『無職転生』のレイダ・リィアは、水神流の頂点に立つ「水神」で、イゾルテの祖母兼師匠。しかも「レイダ」は、一代限りの名前ではありません。
六十を過ぎた老婆なのに、「強いおばあちゃん」では収まらない。若い頃、初恋、家族、剥奪剣界、そして次代への継承まで全部つながります。
アニメ3期では横尾まりさんが担当し、第1・2話の「エリス修行編」から登場。原作の先へ進むと、この祖母が水神の名を孫へ残すところまで物語は続きます。
※ここから先は『無職転生』原作Web版、アニメ3期、本編後の蛇足編を含む重大なネタバレがあります。
| 人物 | レイダとの関係 | 押さえたい点 |
|---|---|---|
| イゾルテ・クルーエル | 孫・弟子 | のちに水神レイダを継ぐ |
| ダリウス・シルバ・ガウニス | 少女時代の初恋相手 | 命を救われた恩が晩年まで残る |
| タントリス・クルーエル | イゾルテの兄 | 両親を失ったイゾルテを育てる |
| ガル・ファリオン | 三大剣術の頂点同士 | エリスの対水神流修行でレイダを招く |
| オルステッド | 過去にも接触した強敵 | 最後は剥奪剣界を正面突破される |
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無職転生の水神レイダ・リィアとは?60代でも頂点にいた剣士
レイダは三大剣術の一角・水神流の頂点です。Web版で姿を見せた時には六十を過ぎていますが、「老いたから一線を退いた」どころか、まだ水神そのものです。
服を替えれば、安楽椅子で編み物をしていそうな老女。それなのに剣士が見ればどこにも隙がない。この落差、最初から怖い。
しかも本人は、剣の聖地で全盛期と変わらないつもりでいます。強がりで笑えないのは、後進が誰も水神の座を奪えていないからです。
「レイダ・リィア」は個人名だけではない|水神が受け継ぐ名前
この老婆が何者かは、ニナ・ファリオンの反応が一発で教えてくれます。「レイダ・リィア」と名乗った瞬間、さっきまでの態度が変わるんです。
その名を堂々と名乗れるのは、世界に一人、水神流トップの「水神」だけです。
さらに水神流の宗主は、男ならレイダル、女ならレイダを名乗ります。つまり「レイダ」は本人一代で閉じる名前ではないんです。
Web版の間話「狂犬の、剣は重いか鋭いか」では、名乗りを聞いたニナの反応だけで、水神の名が持つ重さまで伝わってきます。
アニメ3期では横尾まりが担当|第2話でイゾルテと剣の聖地へ
アニメ3期のレイダ役は横尾まりさん。イゾルテの師匠であり祖母として、剣の聖地へ孫を連れて現れます。
アニメ公式の新キャラクター発表では、横尾まりさんがレイダの小柄で可愛らしい一面にも触れています。
横尾さんのコメントには、弟子が頑張るから自分は楽をしている、という茶目っ気まであります。小柄な老婆と「水神」の重さが同居する。そりゃ気になります。
3期第2話「吠えよ狂犬」では、レイダが連れてきたイゾルテをエリス、ニナへぶつけます。水神流の「受ける強さ」が、説明より先に身体で分かる回です。
エリスを鍛えに来たはずが、孫のイゾルテまで剣神流へぶつける。片方だけ伸ばして帰る気がない。師匠として、かなり容赦がありません。
レイダ・リィアの若い頃は?旧ゲームで現在より若い姿が登場
「若い頃」でまず目に見える答えは、旧スマホゲーム『無職転生 ~ゲームになっても本気だす~』です。老婆になる前のレイダが、実際にゲーム用ビジュアルになっています。
2021年11月のグランドフェスでは、「若かりし頃の姿」で来臨した「〖水神〗レイダ」が登場しました。
ただ、若い姿があるからといって「20代」など具体的な年齢まで決まるわけではありません。分かるのは、現在より若いレイダが描かれたことまでです。
ゲームは2022年8月31日15時でサービス終了済み。今からアプリを起動して若いレイダを新規確認することはできません。
若い姿があると、つい「じゃあ何歳?」まで埋めたくなります。でも、数字がなくても十分です。少女時代まで戻ると、レイダの人生は見た目よりずっと騒がしい。
ゲーム版はパウロ世代の過去も補完した
同ゲームには、原作者・理不尽な孫の手さん完全監修の「パウロ外伝」もありました。少年時代のパウロなど、本編では薄かった過去を広げる企画です。
運営元ビーグリーの発表でも、パウロ外伝は原作で深く語られなかった幼少期・少年期を描くゲーム独自ストーリーと案内されています。
パウロ外伝の時系列まで重ねると、このゲームが「別衣装を楽しむだけ」の作品ではなかったことが分かります。過去の空白へ踏み込んでいたんです。
だから若いレイダも、単なる若返り衣装で片づけるには惜しい。今の老婆からは見えない時間を、外見から想像できる一枚でした。サービス終了で触れにくいのが惜しい。
ゲームの若い姿はもう触れにくい。でも、少女時代のダリウスから晩年の選択まで一本で追うなら、原作小説がいちばん話を切らさず進めます。
少女時代のレイダとダリウス|初恋より重く残った「命の恩」
レイダの若い頃で本当に効いてくるのは、ゲームの見た目より本人が語る少女時代です。ここで出会うダリウスが、何十年も後の選択まで残ります。
ダリウス・シルバ・ガウニスはレイダの夫ではありません。少女時代に命を救った、レイダの初恋相手です。
幼いレイダは剣の才能を褒められ、かなり調子に乗っていました。同年代の貴族の少年を道場で倒し、その報復で大勢に囲まれる。才能があるぶん、危なっかしい。
その窮地へ飛び込んだのが少年時代のダリウスです。レイダの記憶には、見た目よりずっと真っすぐな正義感のある少年として残りました。
ところが水王となり、王国の剣術指南役として再会すると景色がひっくり返る。ダリウスは汚職にまみれ、しかもレイダを覚えていません。
初恋の再会としては、だいぶ地獄です。昔の王子様が立派になっていた、ではなく「覚えてもいない」ですからね。恋が終わるには十分すぎます。
恋は終わっても、助けられた事実だけは消えなかった
恋はここで終わっています。なのに、レイダは過去まで捨てない。失望した相手と、命を救ってくれた少年を、同じ箱へ乱暴に押し込まないんです。
レイダの中では、恋の失望や恨みと命を救われた恩は別勘定。だから晩年まで「返していない借り」だけが残ります。
そこへ夢の中で、「もう一度、水神として王宮へ仕えれば恩を返せる」という道が差し出される。ヒトガミは、レイダの弱点ではなく義理の芯を突いてきます。
Web版第185話「ルーデウスの戦場」では、初恋の終わり、命の恩、夢のお告げ、そして最期までがレイダ本人の回想で一本につながります。
善人だから助けるんじゃない。昔好きだったからでもない。「借りたものは、自分の基準で返す」。この頑固さが、最後までレイダを動かします。
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弟子イゾルテとの関係は?祖母と孫、そして「水神レイダ」の継承
レイダとイゾルテ・クルーエルは、祖母と孫であり、同時に師匠と弟子です。そして孫は、技だけでなく後に「レイダ」の名まで継ぎます。
剣の聖地へ来たイゾルテは水王。礼儀正しく祖母を「お師匠様」と呼びます。落ち着いて相手を受ける水神流のイメージだけなら、むしろ孫の方が教科書っぽい。
祖母は口が荒くて自由、孫は生真面目な優等生。それでも頂点は祖母なんです。流派を極めたら性格まで同じになるわけじゃない。この師弟、そこがいい。
イゾルテの人物像まで重ねると、エリスとニナに挟まれていた若い水王が、祖母の死後に背負う名前の重さまで一気に増します。
エリスを水神流へ変えるのではなく、「水神流と戦える剣士」にした
ガルがレイダを呼んだのは、エリスへ水神流を習わせるためではありません。オルステッドとの再戦へ向け、カウンター型の剣と実際にぶつからせるためです。
レイダはイゾルテをぶつけ、三人を競わせます。エリスはニナに勝ち、ニナはイゾルテに勝ち、イゾルテはエリスに勝つ。
この三すくみが気持ちいい。エリスだけの特訓にせず、自分の弟子にも剣神流の圧を浴びせる。言葉は乱暴なのに、稽古の組み方はかなり合理的です。
レイダは最後にイゾルテへ「自分を斬れ」と道を残した
もっと凄いのはアスラ王国です。イゾルテが現れた時、レイダは自分とオーベールを悪人に仕立て、孫に自分を討たせる筋書きまで口にします。
狙いは、イゾルテを英雄にして水神流を存続させること。自分の名誉より、流派が次へ残る方を選びます。
いや、方法はめちゃくちゃです。孫に祖母を斬らせて「これで流派は残る」と考える。でも、そこまでして残したいものがレイダにはあった。
本編後の蛇足編では、イゾルテが実際に「水神レイダ」を名乗り、水神流の頂点に立ちます。
イゾルテのその後では、名を継いだ先の人生まで続きます。祖母と同じ名前になっても、祖母と同じ生き方にはならない。そこが継承としていい。
レイダ・リィアの家族や夫は?ダリウスを夫と混同しない
レイダには夫がいましたが、その氏名や詳しい人物像は本編・蛇足編では描かれていません。ダリウスは夫ではなく、少女時代の初恋相手です。
ダリウスとの過去が濃いので混ざりやすいですが、「初恋相手」と「夫」は別です。ここを一緒にすると、イゾルテへ続く家系まで崩れます。
夫について見えるのは、水神流の婚姻慣習です。水神と結婚する伴侶は家を捨て、苗字を持たない。結婚まで流派の都合が入り込んできます。
蛇足編第7話「婚活のイゾルテ 前編」では、祖母レイダもこの水神流の慣習に従ったことが語られています。
イゾルテの父は苗字なし、「クルーエル」は母方の姓
そのため、イゾルテの父には苗字がありません。「クルーエル」は母方の姓です。水神の家系は、名前の継ぎ方からして普通の家とは少し違います。
イゾルテには兄タントリス・クルーエルもいます。兄妹は早くに両親を失い、祖母レイダも多忙だったため、兄が親代わりになりました。
タントリスは水神流上級。レイダから聖級昇格を勧められても、自分には実力が足りないとして断っています。
祖母が水神、妹が水王、兄も上級。文字だけなら華やかな剣術一家です。でも実際は、両親を失った兄妹を兄が支えた家でもあります。
水神の名、結婚、姓、兄妹の暮らしまでつなぐと、レイダの家族は「強者の家系」だけでは終わりません。原作で追うほど、流派が生活へまで食い込んでいたと分かります。
レイダの強さは?奥義「剥奪剣界」が動く相手を封じる
レイダの強さを一つだけ選ぶなら、独自奥義「剥奪剣界」です。五つある水神流の奥義のうち三つを修め、さらに難度の高い二つを組み合わせました。
剥奪剣界は、範囲内で少しでも動いた相手へ反応する範囲カウンター。身体だけでなく、魔力の動きにも反応します。
光輝のアルマンフィが動いた瞬間に斬られ、会場の強者たちまで止まる。水神一人で「動くな」が成立するんです。これは嫌すぎる。
ただし完全に静止した相手は斬れず、射程も作中のパーティ会場ほど。何でも斬れる魔法ではないからこそ、剣術として輪郭がはっきりします。
原作者の第185話感想返しでは、剥奪剣界の反応条件や射程、オルステッドが素手で受けても無傷だったことまで補足されています。
「六つ目の奥義」はレイダ自身が編み出した
水神流には初代が作った五奥義があり、そのうち三つを使えることが水神の基準です。レイダも三つ。ここだけなら、同じ地点へ届いた剣士は他にもいました。
それでもレイダが頂点だった決定打は、最難関級の二奥義を組み合わせ、自分で剥奪剣界を作ったことです。
だから「後継者が弱くて、老婆が居座っていた」ではないんです。奥義三つへ届いた水帝級がいても、レイダの座を奪えないだけの理由がちゃんとある。
オルステッドの能力と並べると、この水神を真正面から突破する龍神が、同じ「強者」の物差しには収まりません。
オルステッドは剥奪剣界を素手で弾きながら前進した
そのオルステッドへ、レイダは剥奪剣界を展開します。歩けば斬撃が飛ぶ。それでもオルステッドは素手で弾き、止まらず距離を詰めました。
ここで下がるのはレイダの評価じゃない。直前まで会場を止めた水神を置いてから、それでも龍神は止まらないと見せる。比較がえげつない。
しかも剥奪剣界には攻略余地があります。原作者の補足では、剣神ガルの「光の太刀」はレイダの剣より先に届く。絶対防御ではないんです。
レイダはなぜヒトガミの使徒になった?最期まで「自分の筋」を通した
レイダがヒトガミ側へ立った直接のきっかけは、ダリウスへの命の恩を返せるという夢のお告げです。ただ「操られた人」で終わらせると、本人の厄介さが消えます。
レイダは以前オルステッドと会った時、ヒトガミの使徒ではなかったため見逃されたと語っています。相手の危険を知らなかったわけではありません。
それでもダリウスを逃がす側へ立つ。善人か悪人かではなく、自分がまだ「借り」を返していないかで決める。そこが怖い。
水神流は相手の動きへ応じる剣なのに、本人の人生はびっくりするほど我が道を行く。剣と生き方が噛み合わないのが、妙にレイダらしい。
剣士として完成していても、人間として「正解」ではない
ここで僕は、レイダを「全部正しかった達人」にはできません。ダリウスへの恩返しはあまりに個人的で、その選択にイゾルテまで巻き込まれます。
今のダリウスを見ても、そこまで返すのかよ――とは思う。でも、その違和感まで消して美談にしたら、レイダの頑固さまで消えてしまいます。
それでも剣士として残したものは別です。独自奥義を作り、水神流を守り、最後には自分が倒れる先まで使ってイゾルテへ流派を渡そうとした。
受け継がれたのは祖母の判断全部ではありません。剣と水神の名は残り、イゾルテはイゾルテの人生を進む。そこまで含めて継承です。
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まとめ|レイダ・リィアは「受け継がれる水神」の名を背負った剣士
レイダ・リィアは、水神流の頂点であり、イゾルテの祖母兼師匠です。若い頃から最期までつなぐと、「強い老婆」だけでは絶対に収まりません。
才能に浮かれた少女、初恋に失望した剣士、恩を返すため危険側へ立った水神。その先で孫へ残したのは、剣と名前であって、同じ人生ではありません。
最初は「強いおばあちゃん」でいいんです。でもダリウスとイゾルテまで知ったあとだと、あの荒っぽい口調が、ただ豪快なだけには聞こえなくなります。
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