『ダンダダン』58話「交響曲第6番」は、音楽室の肖像画との戦いが本番に入る回です。「田園」の一声で音楽室は田んぼに変わり、音符の爆弾が降り注ぎます。
休符に触れて止まったオカルンを立て直したのは、52話で聴いた囃子のリズムでした。最後は、オカルンに救われた愛羅が指揮者を倒します。
いちばん効いてくるのは、邪視を祓うために鳴った囃子の演奏が、6話後にオカルンの戦い方になるところ。途中で止まったあのお祓いに、こんな続きがありました。
クラシックの巨匠6人を相手に、オカルンが頼ったのはお祓いのビジュアル系バンド。夜の音楽室で、ジャンルの殴り合いが始まりました。
※原作漫画第58話までのネタバレを含みます。第59話以降の展開には触れません。
この記事でわかること
| 人物 | 立場・直前の状況 | 58話での関わり |
|---|---|---|
| オカルン | 本名は高倉健。ターボババアの力で変身して戦う。57話で、1拍に2回しか動きを切り替えられないと言われた | 休符に触れて止まった後、囃子のリズムを思い出して反撃に出る |
| 白鳥愛羅 | アクさらの力を持つ同級生。57話で、自分も強くなりたいと特訓に加わった | 音符をよけ続け、最後は指揮者を倒す |
| ターボババア | オカルンの力の元になった怪異。57話でオカルンを夜の音楽室へ連れてきた | 集中しろと叱り、知っている曲のリズムに乗れと助言する |
| 音楽室の肖像画 | 57話で、下手なピアノに怒って動き出した6人の音楽家 | 「田園」で音楽室を田んぼに変え、音符の爆弾を降らせる |
『ダンダダン』58話のあらすじ|「田園」の叫びから、愛羅が指揮者を倒すまで
58話は、肖像画の音楽家が曲名を叫ぶ扉から始まり、愛羅が指揮者を倒すところで終わります。1話まるごと、田んぼの上の弾幕戦です。
- ベートーヴェンらしき肖像画が「『田園』だコラァア!!」と叫び、音楽室が一面の田んぼに変わる
- 音楽家たちが音符の爆弾を降らせる。愛羅はリズムよくよけるが、オカルンはそのよけ方に気を取られる
- オカルンが休符に触れて動けなくなり、止まったところへ音符が降り注ぐ
- 愛羅は攻撃を引きつけて走り続けるが、曲はどんどん速くなり、爆発で耕された田んぼに足を取られる
- ターボババアが、愛羅もいつまでもはよけられない、知っている曲のリズムに乗れとオカルンを叱る
- 音楽をほとんど聴かないオカルンが、囃子の演奏を思い出す
- そのリズムで弾幕をかわし、愛羅を爆発から救い出す。ターボババアもこれを褒める
- オカルンの助けで距離を詰めた愛羅が、指揮者を倒す
57話は、下手なピアノに怒った肖像画たちが、音符と休符の弾幕を撃ち始めたところで終わりました。夜の学校へ連れ出されるまでは57話のネタバレ感想・考察で追えます。
第58話「交響曲第6番」は2022年5月24日に少年ジャンプ+で公開された19ページの回で、単行本では7巻の最後の一話です。
アニメでは、2025年8月に放送された第20話(第2期第8話)「がんばれオカルン」の前半にあたります。BGMには本物の「田園」が流れました。
アニメで音符を飛ばすたびにベートーヴェンが繰り返す「死ねー!」は、アニメで加わった台詞です。原作の肖像画たちは、別の方向に口が悪い。
「田園」だコラァで田んぼになった音楽室|作曲家6人の口の悪さと元ネタ
58話は扉からもう叫んでいます。ピアノに覆いかぶさった音楽家が「交響曲第6番!!」「『田園』だコラァア!!」。
担当編集の林士平さんは、2025年8月のアニメ第20話の放送に合わせて、この扉とアニメの同じ場面を並べて投稿しています。好きだと挙げたのも、この荒い台詞でした。
叫んだ直後、音楽室は一面の田んぼに。曲名が「田園」だから、本当に田んぼが出てくる。発想が一直線です。
肖像画たちは58話の中で名乗りません。ただ口ぶりがそれぞれの作曲家の有名な話をなぞっていて、コメント欄ではすぐに正体探しが始まりました。
| 肖像画(読者の見立て) | 58話での口ぶり | 元になったと読まれる話 |
|---|---|---|
| ベートーヴェン | 「『田園』だコラァア!!」と叫んで曲を始める | 交響曲第6番「田園」の作曲者 |
| シューベルト | 「おとーさん」を連呼する | 歌曲「魔王」で、息子が父親に訴え続ける |
| ドヴォルザーク | 「6番線電車入りまーす」と駅の案内をする | 鉄道ファンとして知られる |
| モーツァルト | 下品な言葉を連呼する | 手紙にも下ネタを書いたという逸話 |
| バッハ | 父親の話ばかりするなと怒る | 「音楽の父」と呼ばれる |
| カラヤン(指揮者) | もっとスピードを上げろと急かす | テンポの速い指揮で知られる |
コメント欄の上位にも、作曲家たちが持ち歌になぞらえて罵ってくるのがいい、という声が並びました。オカルン以外の台詞がみんな暴言、というツッコミ付きで。
「田園」が第6番なら、ドヴォルザークの入線案内も6番線。巨匠たち、番号の揃え方だけは律儀です。
本物の「田園」は、ベートーヴェンが1808年に完成させた交響曲です。毎日のように歩いたウィーンの森の緑が、そのまま聴こえてくると語られる曲でもあります。
楽章には「小川のほとりの情景」「雷雨、嵐」といった題が付き、本人は初演で使われたパート譜に「絵画描写というよりも感情の表出」と書き添えました。
絵ではなく気持ちの曲だ、と本人が書き添えた「田園」。それが58話では、絵として田んぼを一枚出してきます。しかもウィーン郊外ではなく、日本の田んぼ。
音符の爆撃で耕されていく58話の田んぼ。楽章で言えば、小川のほとりを飛ばして、いきなり嵐からです。
休符で止まったオカルン|57話の1拍に2回が、田んぼの上で試される
57話でターボババアがピアノで示したのは、1拍の間に動きを切り替えられる回数でした。オカルンは2回、愛羅と邪視は4回。58話は、その差がそのまま田んぼに出ます。
| 比べる点 | 57話(音楽室のピアノ) | 58話(田んぼの弾幕) |
|---|---|---|
| 愛羅 | 1拍に4回切り替えられる、と言われる | リズムよく音符をよけ、攻撃を引きつけて走り続ける |
| オカルン | 1拍に2回、と言われる | 愛羅のよけ方に気を取られ、休符に触れて止まる |
| ターボババア | ピアノを鳴らして、手数の差を数えてみせる | 止まったオカルンを、集中しろと叱る |
しかもオカルンを止めたのは休符。切り替えの回数を問われていた男が、楽譜の「休み」の記号に触れて、回数ごと止められる。2回どころか0回です。
コメント欄には「よりにもよって”全休符”食らうなよ!」という書き込みも。休符の種類まで見分けて、その最上位を引いたことにツッコんでいます。
止まったところへ、音符の爆弾がまとめて降ってくる。自分だけよけられないことに、オカルンは落ち込みます。
敵は音符で地面を耕し、指揮者らしき肖像画はもっと速くと急かす。足場は悪くなる一方で、曲だけが速くなっていきます。
音符はよけろ、休符には触るな。楽譜の読み方を、命がけで覚えさせられる高校生がいます。
囃子のリズムで反撃|52話のお祓いのヘドバンが、オカルンの戦い方になる
止まったオカルンを立て直したのは、ターボババアの一喝でした。愛羅もいつまでもはよけられない。知っている曲のリズムに、体を乗せろ。
ところがオカルンは、音楽をほとんど聴かない。そこで頭に戻ってきたのが、52話で聴いた囃子の演奏です。
知ってる曲を聞かれて、出てくるのがお祓いの一曲だけ。オカルンの音楽の引き出し、中身が偏りすぎてる。
囃子は、邪視を祓うために星子が呼んだビジュアル系の4人組。霊感はないのに、演奏はあの世まで届く本物でした。
| 比べる点 | 52話 | 58話 |
|---|---|---|
| 演奏の役目 | ジジの体から邪視を出すお祓い | オカルンが弾幕をよけるための戦闘のリズム |
| 鳴っていた場所 | 綾瀬家のお祓いの場 | 田んぼの上、オカルンの記憶の中 |
| 聴いた人の動き | モモ、オカルン、愛羅、星子までヘドバン | オカルンがヘドバンしながら音符の中を駆け抜ける |
| コメント欄の声 | 擬音がないのに音が聞こえる、「紅」が流れる | 擬音がないのに音が聞こえる、「紅」が鳴りやまない |
しかもあのお祓いは、最後まで鳴り切っていません。52話から58話までを並べると、止まった曲と、強くなると言った本人がここで合流します。
- 52話:星子が呼んだ囃子の演奏で、邪視を祓うお祓いが始まる
- 53話:ジジが邪視を殺さないでと泣き、星子がお祓いを止める。オカルンは、邪視を抑えられるくらい強くなると申し出る
- 57話:ターボババアの特訓が始まり、オカルンは1拍に2回しか動きを切り替えられないと言われる
- 58話:止まったお祓いの曲のリズムで、オカルンが弾幕を抜ける
本来の仕事を果たせなかった演奏が、強くなると言った本人の足に乗った。つながり方がきれいすぎる。
ヘドバンしながら駆け抜けるページは、見開きが二連続。コメント欄には、擬音がないのに音まで聴こえてきた、という声もありました。52話の見開きに付いた感想と同じです。
そのリズムで、オカルンは爆発の中から愛羅を抱えて救い出します。ターボババアもこれは褒めました。コメント欄いわく、褒め方まで口が悪い。
みんなで首を振ったお祓いの夜は52話のネタバレ感想・考察、お祓いが止まった理由は53話のネタバレ感想・考察で振り返れます。
指揮者を倒した愛羅|24話の髪の道から、入れ替わった二人の役目
オカルンに救われた愛羅は、そのまま反撃に出ます。音楽家たちとの距離を詰め、髪と攻撃で指揮者を倒した。58話はここまでです。
この形、24話を思い出します。合体した怪物の首を愛羅の髪がつかみ、オカルンがその髪を道にして走り、怪物を貫いて決めた回です。
| 比べる点 | 24話 | 58話 |
|---|---|---|
| 道を作った側 | 愛羅。髪で怪物の首をつかむ | オカルン。弾幕を抜け、愛羅を救い出す |
| 決めた側 | オカルン。髪の上を走って怪物を貫く | 愛羅。距離を詰めて指揮者を倒す |
| オカルンが抱えた相手 | 怪物を倒した後、モモを受け止める | 爆発の中から、愛羅を抱えて救う |
24話は愛羅が道を作ってオカルンが決め、58話はオカルンが道を開けて愛羅が決める。同じ二人の連携で、役目だけがそっくり入れ替わりました。
最後のページは愛羅の立ち姿。添えられたお嬢様言葉の台詞には、「お舞踏」と書いて「パーティー」と読ませるルビが付いています。
コメント欄には、反撃はこれからという締め方なのに、お嬢様言葉のせいでシリアスになりきらないと笑う声も。
同じ最後のページへの感想で、愛羅は「かっこいい」、オカルンは「微妙に気持ち悪くて好き」。愛羅を救ったのはオカルンなのに、この扱いです。
髪の道を駆け抜けた決着は24話のネタバレ感想・考察で追えます。
24話は単行本4巻の最初の一話。愛羅が道を作り、オカルンが決めた形を読んでおくと、58話で役目が入れ替わった瞬間がもっと気持ちいい。
応援コメント欄の58話|「囃子に意味があってよかった」と、作曲家への笑い
58話の応援コメントは2,600件を超えます。最も多くの「いいジャン」を集めたのは、あの囃子にちゃんと意味があってよかった、という一言でした。
| 書き込みの中身 | 1件への「いいジャン」 |
|---|---|
| ちゃんとあの囃子に意味があってよかった | 4万500件超 |
| 作曲家たちが自分の曲になぞらえた台詞で罵倒しているのがいい | 3万1,000件超 |
| シューベルトの「お父さんお父さん」に笑う | 2万7,000件超 |
| オカルン以外の台詞がみんな暴言 | 1万4,000件超 |
| まさかヘドバンが役に立つ時が来るなんて | 1万1,000件超 |
| 音符で田んぼが耕された、人生で使うことのない言葉 | 5,800件超 |
| ターボババアの顔が風圧に負けて後ろへ流れる絵が好き | 5,000件超 |
| オカルンにとってロックのリズムが「ダンダダン」なのか | 3,400件超 |
上位に並ぶのは、囃子の回収への安心と、作曲家への笑い。1位の書き込みは、お祓いが止まったままならキャラが濃いだけで終わっていた、と続きます。
表の最後の一件は、57話の上位にあった「ダンダダン」というリズムの話の続き。58話の時点では、どちらも読者の見立てです。
戦うターボババアの顔にも声が集まりました。風圧で顔の肉が後ろへ流れて、ジェットコースターに乗った人みたいでかわいい、と。
速さが売りの怪異が、自分の速さに顔を持っていかれている。ターボの名前で風圧に負けるの、ずるいでしょう。
ベートーヴェンがピアノに耳をくっつけて弾いている、と気づいた人も。45歳の頃には完全に聴力を失ったとされる人が、ピアノに耳を寄せながら叫ぶのが「コラァア」。
58話は単行本7巻の最後の一話。52話のお祓いから57話の特訓、58話の反撃までが同じ巻に入っていて、あのヘドバンが戦い方に化けるまでを続けて読めます。
まとめ|58話は、お祓いの曲でオカルンが弾幕を抜ける回
『ダンダダン』58話「交響曲第6番」は、田んぼになった音楽室で休符に止められたオカルンが、52話の囃子のリズムで反撃に出て、愛羅が指揮者を倒すまでの回でした。
全休符で止まった男が、ロックの拍で走り出し、愛羅の反撃までつないだ58話。休みのすぐあとに、いちばん熱い小節が来ました。
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