『呪術廻戦』3期の初回1時間SP、第48話「執行」と第49話「もう一度」。一言でまとめるなら、乙骨憂太が虎杖を本当に一度殺し、反転術式で生き返らせる回です。
第48話は、乙骨の刀が虎杖の胸を貫いて終わります。そこから第49話で種明かしが来る。この30分の「間」が、とにかく心臓に悪い。
しかも同じ1時間の中に、禪院直哉(ぜんいんなおや)の最悪な初登場、脹相(ちょうそう)の新技「超新星」、額に縫い目のある母親まで詰め込まれています。
見終わった直後、情報量に殴られて放心しませんでした? 怖い、ムカつく、笑う、ゾッとする、を1時間で全部やらされるんですよ。
※この記事はアニメ第48話・第49話と、対応する原作16巻~17巻のネタバレを含みます。
この記事でわかること
第48話「執行」感想:主人公が主人公に刺されて終わる30分
第48話は、渋谷事変で壊れた東京を虎杖と脹相が黙々と歩くところから始まり、乙骨が虎杖の心臓を刺して終わります。救いのある場面が、本当にひとつもない。
冒頭、虎杖が手に付いた血を無言で洗い流す場面はアニメオリジナルです。台詞がないぶん、渋谷で起きたことを虎杖がまだ一人で抱えているのが刺さります。
OP明けには、車椅子の津美紀と、その姉に背を向けて去る伏黒の姿もアニメオリジナルで足されています。この二人がなぜ動くのか、第49話への仕込みがもう始まっていました。
第48話「執行」のタイトルが指すのは、再開した虎杖の死刑執行。その執行人に選ばれたのが、よりによって虎杖の先輩・乙骨です。
禪院直哉、登場した瞬間から「ドブカス」
先に現れたのは禪院直哉です。渋谷で死んだ父・直毘人の遺言で、五条悟が死亡または意思能力を失った場合、禪院家の当主は伏黒恵になると決まりました。
当主の座を取られた直哉は、伏黒を消すために東京へ来ます。家督のために親戚の高校生を殺しに行く。動機からして、もう清々しいほどクズです。
公式が劇場先行上映のころから「禪院家当主は俺や」と打ち出していたキャラクターで、声は遊佐浩二さん。はんなりした京都弁で人を見下す声が、びっくりするほどハマっています。
放送直後のXには「ドブカスが世に放たれてしまった」という声まで出ていました。登場初回で愛称がそれになるの、ある意味すごい才能です。
乙骨の呪力量は五条悟以上、それが敵として向かってくる
そして乙骨が降りてきます。着地しただけで周りの地面が砕けるほどの呪力。直哉はすぐに手を組もうと持ちかけ、乙骨もそれに乗ります。
乙骨自身が語る通り、呪力の量だけなら五条悟より上。六眼を持つ五条の方が燃費がよく、性能では五条が一番という整理です。
脹相はその差を一瞬で見抜き、直哉を引き受けて虎杖を逃がします。「勝つ」ではなく「逃がす」を選ぶ時点で、相手がどれだけヤバいかが伝わってくる。
乙骨の強さの細かい中身は、乙骨の術式と領域展開「真贋相愛」を知ると、この初戦がまだ全力でもないことが分かってゾッとします。
そもそも乙骨は、映画『0』で里香の呪いに振り回されていた少年です。あの頃を知っていると、この温度のない顔と声が余計に怖い。
『0』で里香への純愛を貫いた少年が、今度は後輩を殺しに来る。緒方恵美さんが同じ喉から、ここまで感情を抜いた声を出してくるのが恐ろしいです。
七海の言葉で立ち向かい、リカに押さえられて刺される
逃げていた虎杖は、七海の言葉を思い出して足を止めます。拾ったナイフに呪力を込め、乙骨の刀を折るところまで食らいつきました。
でも、そこでリカが顕現します。巨大な腕に押さえつけられた虎杖の胸へ、乙骨の刀が入る。そして一言。
「ごめんね。虎杖君。」
謝りながら刺すんですよ。怒鳴るでも嘲るでもなく、申し訳なさそうに。ここで第48話が暗転します。
1時間SPで本当によかった。これで1週間待たされていたら、しばらく寝られなかったと思います。
第49話前半:脹相vs直哉、「お兄ちゃん」が禪院家を殴り倒す
第49話は、虎杖を逃がした脹相と直哉の決着から。脹相は新技「超新星」で直哉を倒し、自分の血の毒で動けなくします。
直哉の術式は父と同じ投射呪法。1秒を24分割した動きを先に作り、その通りに体を動かすことで異常な速さを出します。
| 比較 | 禪院直哉 | 脹相 |
|---|---|---|
| 術式 | 投射呪法(1秒を24分割して動く) | 赤血操術(自分の血を操る) |
| この戦いの切り札 | 術式による圧倒的な速度 | 「赫鱗躍動・載」と独自技「超新星」 |
| 兄弟への態度 | 兄たちを見下している | 九相図の長兄として弟を守る |
| 声優 | 遊佐浩二 | 浪川大輔 |
速さでは直哉が上です。脹相は「赫鱗躍動・載」で身体能力を引き上げ、血を撒いて間合いと視界を支配し、やっと速さに追いつきます。
超新星と「呪いの血」、直哉は人間の相手をしていなかった
最後に放たれたのが「超新星」。圧縮した血の塊を一気に炸裂させ、星屑のように直哉へ浴びせる、脹相が自分で編み出した技です。
決め手は威力だけではありません。脹相は呪胎九相図の受肉体で、その血は人間にとって毒になります。
血を浴びた直哉は、視界が歪んで吐くほど弱ります。速さでは上だったのに、相手が人間ではなかったことで負ける。この逆転が気持ちいい。
「悪いが兄弟を愛せなかったオマエの気持ちはわからん」
兄たちを見下して当主の座を狙う直哉に、弟のために体を張る脹相がこれを言う。ただの勝ち台詞じゃなく、二人の生き方の差そのものなんですよね。
「お兄ちゃんかっけえええ」って叫んだ人、正直に手を挙げてください。はい、全員ですね。
3期で戦いを解説するナレーションは榊原良子さん。公式発表の通り、天元とナレーションの二役です。
つまり、戦いを解説していた声と、第49話の終盤で姿を現す天元の声が同じ。気づいた瞬間、ちょっと背筋が冷えました。見守られていたのか、観察されていたのか。
原作では、この決着は第142話「お兄ちゃんの背中」。サブタイトルからもう脹相のための回です。超新星の血の散り方を、紙の上でコマごと追うのも楽しいですよ。
第49話中盤:乙骨は虎杖を本当に殺して、本当に生かした
乙骨は最初から虎杖の味方でした。五条先生に後を頼まれていたうえで、上層部との縛りを守るため一度だけ本当に殺し、反転術式で治したのが種明かしです。
直哉を倒した直後の脹相の前に、乙骨が虎杖の体を抱えて現れます。ここはまだ、虎杖が死んだとしか見えない。
毒に苦しむ直哉へ「治しましょうか?」、目撃者を共犯者にする
乙骨は毒で動けない直哉に「治しましょうか?」と声をかけます。ただし条件付き。
条件は、虎杖の死を直哉自身の口からも上層部へ報告すること。執行人だけでなく禪院家の人間にも死を証言させます。
第48話で「組もう」と言ってきた直哉を、そのまま偽装工作の証人に変えるわけです。直哉からすれば、利用するつもりが利用されていた。
組もうと持ちかけた時点で、直哉は乙骨を自分と同じ側だと思っていたはず。腹の読み合いで乙骨に負けてるの、ちょっと笑ってしまいました。
「だから一度殺した」、その後の「よかった~」で全部持っていく
目を覚ました虎杖に、乙骨は事情を明かします。五条先生は以前から「嫌な予感がする」と、自分に何かあった時の後輩たちを乙骨へ託していました。
一方で乙骨は、執行人として上層部と縛りを結んでいた。だから心臓を止めたのは芝居ではなく本物で、止まった瞬間に反転術式で一気に治しています。
「一度殺した」は比喩ではありません。縛りを破らずに生かすため、殺すことと治すことを同時にやるという発想です。
そして全部を話し終えた乙骨が、肩の力を抜いて「よかった~~~~」。第48話の、あの温度のない執行人と同じ人です。
公式がこの一言だけを切り出してショートにしているの、完全に分かっています。30分かけて積み上げた恐怖が、この数秒で溶ける。
怖かったのは、優しい人が本気で「殺す役」をやり切ったからなんですよね。だからこそ「よかった~」が効く。乙骨先輩、役者すぎます。
乙骨が引き受けた役目と五条先生との約束は、乙骨が虎杖を殺そうとした理由を追うと、第48話の一挙一動まで違って見えてきます。
第48話で虎杖を押さえつけたリカも、映画『0』で解呪された里香とは同じ存在ではありません。リカちゃんの正体と完全顕現の条件まで知ると、あの巨大な腕の意味が変わります。
第49話後半:母・香織の縫い目、「まずは俺を助けろ」、そして「兄貴」
後半は、虎杖の出生、伏黒の頼み、脹相の歓喜が立て続けに来ます。気持ちが底まで沈んで、最後に一気に笑わされる並びです。
赤ん坊の記憶に出てきた母・香織の額に、あの縫い目
死の淵で、虎杖は赤ん坊のころの記憶を見ます。祖父が父・仁に「あの女」について警告し、「死ぬぞ」とまで言う。
そこへ現れた母・香織の額に、羂索と同じ縫い目がある。虎杖の母親の体に、羂索が入っていたことを示す一瞬です。
アニメでは香織役に林原めぐみさん、父・仁役に豊永利行さんがキャスティングされています。
祖父が最期に言った「オマエは強いから人を助けろ」。あの言葉を残した人が、息子にはこんな警告をしていた。優しい家族の記憶に、いきなり黒い染みが落ちてきます。
香織の縫い目が何を意味するのか、虎杖の出生の全体像は虎杖の母親・父親・祖父の正体と家系図でつなげて読むと、ここからの話がぐっと見やすくなります。
伏黒の「まずは俺を助けろ」が、自分を責める虎杖を動かす
目覚めた虎杖は「俺のせいで大勢死んだ」と自分を責めます。乙骨がいくら味方だと言っても、生き残ったこと自体を受け入れられない。
そこへ伏黒が現れ、高専へ戻れと言います。虎杖が首を縦に振らないと見るや、伏黒は言い方を変えました。
「まずは俺を助けろ」「オマエの力が必要だ」
「オマエは悪くない」と慰めても、今の虎杖には届かない。だから伏黒は、許しではなく役目を渡したんです。この不器用さ、伏黒らしくて泣きそうになる。
理由は姉の津美紀です。死滅回游(しめつかいゆう)に、津美紀も泳者として巻き込まれていた。第48話のOP明けに足された病室の場面が、ここで効いてきます。
伏黒の説明と一緒に、死滅回游の総則が画面いっぱいの文字で次々と流れます。これが本当に速い。リアルタイムで読み切れた人、いるんでしょうか。
「とりあえず俺の……兄貴ってことで」脹相、叫ぶ
高専へ戻った一行を、火傷の痕が残る真希が迎えます。脹相を見た真希の「誰だ」に、虎杖が少し間を置いて答えました。
「とりあえず俺の……兄貴ってことで……」
「とりあえず」ですよ。かなり控えめな紹介です。なのに脹相は「悠仁ーーー!!!!」と絶叫。声がデカい。そして虎杖は、それを流して「行こう」と出ていきます。
さっきまで血の超新星を撃っていた人と同一人物なんですよ。「兄貴」の一言で、この1時間の重さがちょっとだけ軽くなりました。
その後、脹相は弟たちの気配をたどって、天元のいる薨星宮への扉を見つけます。直前まで笑わせておいて、道案内は兄弟の遺骸という重さ。ここがまた呪術廻戦です。
「存在しない記憶」から始まった二人の関係は、虎杖と脹相が兄弟である理由を知ると、あの「とりあえず」の重みがかなり違って聞こえます。
香織の縫い目も、伏黒の「助けろ」も、「兄貴」も、原作では17巻冒頭の第143話・第144話に入っています。アニメで一瞬だったルールの文字も、漫画ならじっくり止まって読めます。
OP「AIZO」とED「よあけのうた」:名画オマージュと虎杖の夜明け
OPはKing Gnu「AIZO」、EDはjo0ji「よあけのうた」。OPは元ネタ探しが止まらない情報の塊、EDは虎杖の歩みに寄り添う静かな映像です。
「死滅回游 前編」のPVでも「AIZO」が流れます。放送前にこれを見ていた人ほど、本編で乙骨が敵として出てきた時のショックが大きかったはず。
OP「AIZO」:クリムトに攻殻機動隊、オマージュが多すぎる
OPは、名画やアニメのオマージュがとにかく詰め込まれています。一時停止した視聴者が次々に見つけていった元ネタが、こちら。
- クリムト『接吻』:乙骨と特級呪霊・黒沐死という最悪の組み合わせ
- ミレー『オフィーリア』:水に沈む禪院真依
- シーレ『死せる母』:香織のお腹の中の虎杖
- ムンク『叫び』:叫ぶ人物の構図
- 『攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG』OP:天元や虎杖たちが白背景に並ぶ構図
『死せる母』は、第49話の香織の縫い目を見た後だと全然違って見えます。初見ではきれいな絵、本編後は背筋が冷える絵。OPの時点で答えを見せていたんですね。
攻殻の構図に天元が立つのも、榊原良子さんが『2nd GIG』で茅葺総理を演じていたことを思うと、声優つながりの遊び心として読みたくなります。
ノンクレジット版で止めながら見ると、秤金次や星綺羅羅、そして妙に楽しそうな半裸の男・高羽史彦まで映っています。
初見だと「誰?」となる顔ぶれですが、どれも死滅回游で本格的に出てくる泳者たちです。特に高羽は、シリアスな映像の中で浮きまくっているのが気になって仕方ない。
ED「よあけのうた」:夜明けの歌が、いちばん暗い回の後に流れる
EDはjo0jiさんの「よあけのうた」。本編で人を殺した罪を背負い込む虎杖を見た直後に、この静かな曲が来るのがずるいです。
jo0jiさん自身も、アニメの曲をやるのが夢で、その最初が大好きな作品だったことを放送当日にXで書いています。
公式のEDテーマ発表と一緒にノンクレジットED映像も公開されました。呪術師としての虎杖の歩みを、夜明けへ向かって描いていきます。
OPで上げて、本編で落として、EDで静かに泣かせる。3期、初回からこちらの感情の逃げ場を一切用意してくれません。
よくある質問:原作の範囲・死滅回游のルール・続き
見終わって「で、原作だと何話?」「あのルール何だった?」となった人向けに、残りやすい疑問へ即答していきます。
Q. 48話・49話は原作の何巻何話?
A. 原作16巻後半~17巻冒頭にあたります。
| 原作 | サブタイトル | 主な内容 |
|---|---|---|
| 第140話(16巻) | 執行 | 乙骨が執行人として登場し、虎杖を追う |
| 第141話(16巻) | うしろのしょうめん | リカ顕現、虎杖が刺される |
| 第142話(16巻) | お兄ちゃんの背中 | 脹相の「超新星」で直哉に決着 |
| 第143話(17巻) | もう一度 | 乙骨の種明かし、香織の縫い目、伏黒の頼み |
| 第144話(17巻) | あの場所 | 「兄貴」発言、天元のもとへ |
第48話の前半、直毘人の遺言や直哉の登場は、第140話より少し前の話も含んでいます。サブタイトルは第140話と第143話から取られています。
Q. 死滅回游のルールを簡単に言うと?
A. 結界の中で術師たちが殺し合い、点数を集めるデスゲームです。
泳者は他の泳者を殺すと点数を得て、100点でルールを1つ追加できます。虎杖たちの狙いは、津美紀を助けるルールを追加することです。
総則の中身は、次の第50話「死滅回游について」で天元の口から説明されます。第50話の感想とルール解説で、一瞬で流れた文字を落ち着いて確認できます。
Q. アニメの続きはいつ?
A. 3期「死滅回游 前編」は2026年1月~3月に放送され、第4期「死滅回游 後編」の制作が発表されています。
第4期は3期で副監督を務めた佐藤威さんが監督を担当します。本記事の確認時点で、具体的な放送開始日はまだ発表されていません。
3期を頭から見返したくなったら、呪術廻戦の配信先から死滅回游の入口へ戻れます。乙骨の「ごめんね」、2回目は全然違って聞こえますよ。
まとめ:48話・49話は、乙骨の「執行」から虎杖が「もう一度」立つまでの1時間
第48話で乙骨は虎杖を刺し、第49話でそれが五条先生との約束を守るための「本当の死と蘇生」だったと明かされます。その間に、脹相が直哉を倒していました。
振り返ると、この1時間でいちばん救いだったのは、誰も虎杖を「許さなかった」ことかもしれません。乙骨は役目を果たし、伏黒は助けを求め、脹相は兄として叫ぶ。
自分を責めて止まりかけた虎杖を、慰めではなく「必要だ」という言葉が立たせた。第49話の「もう一度」は、そういう意味だったんだと思います。
刺されて、生き返って、兄貴と呼んで、地獄の入口に立つ。死滅回游、初回からこの密度です。ここから先、心の準備をしておいてくださいね。
※当サイトで使用しているイラストは、記事内容を補足するイメージです。特定の著作物・キャラクター・場面の再現を目的としたものではありません。本記事は作品公式および関係各社とは関係のない非公式記事であり、感想・考察には当サイトの見解を含みます。
※本記事の情報は2026年9月26日時点で確認しています。放送・配信状況、料金、特典、キャンペーン、商品情報などは変更される場合があるため、最新情報は各公式サイト・販売ページをご確認ください。
