『薬屋のひとりごと』(通称『薬屋』)の鳳仙(フォンシェン)は、緑青館(ろくしょうかん)の元売れっ子妓女で、猫猫(マオマオ)の実母です。碁で軍師の羅漢(ラカン)にも勝ちます。
三姫とは別の、梅梅(メイメイ)が幼い頃に仕えた先輩です。年齢は「四十路近く」という紹介や40代程度の推定があり、正確な数字とは分けて受け取りたいところ。
病床の姿から鳳仙を知ると、かつての強気な客あしらいに驚かされます。愛想を振りまくより、盤の上で相手を黙らせる。その人が猫猫の母なのか、と妙に納得してしまう。
※この記事はアニメ第1期第24話までの人物関係と、原作Web版の人物描写に触れます。書籍版・アニメとWeb版では、鳳仙の経緯に違いがあります。
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鳳仙のプロフィール|読み方はフォンシェン、猫猫の実母
鳳仙は、王都の花街にある妓楼・緑青館で名を馳せた妓女です。猫猫を産んだ母であり、かつて羅漢が対局に通った相手でもあります。
| 項目 | 鳳仙の基本情報 |
|---|---|
| 名前・読み | 鳳仙(フォンシェン) |
| 立場 | 緑青館の元売れっ子妓女 |
| 家族 | 猫猫の実母。猫猫の実父は羅漢 |
| 得意なこと | 囲碁と盤上の勝負 |
| アニメ第18話の暮らし | 緑青館の離れで療養している |
| アニメの声優 | 桑島法子さん |
| 年齢 | 具体的な年齢は確定せず。「四十路近く」という人物解説や40代程度という推定がある |
「ほうせん」ではなく「フォンシェン」と読む
人物名の読みはフォンシェンです。日本語の花の名前「鳳仙花(ほうせんか)」と並ぶので、初めて文字だけを見ると「ほうせん」と読みたくなりますよね。
原作Web版の「鳳仙花と片喰」でも、人物名には「フォンシェン」の読みが付きます。花の名前と人の名前で、同じ漢字でも読み方が変わるわけです。
その花の名は、強気で人を寄せ付けない鳳仙の印象とも重なります。柔らかく迎えてくれる人を想像していると、出会いの対局からさっそく予想を外される。
アニメでは病に臥せる妓女として登場する
第18話「羅漢」で、猫猫は緑青館の離れへ薬を届けます。療養する鳳仙の姿と、昔の緑青館の記憶が重なる回です。
離れで療養する鳳仙と、客を迎えていた頃の鳳仙。その間にある年月がつらい。薬を届ける場面から見返すなら、後の回想でどんな顔をして碁を打っていたかも気になります。
鳳仙役は桑島法子さん。2024年2月9日の追加キャスト発表では、人物名の読みとともに配役が告知されました。鳳仙の声が付く回として、第18話を覚えておきたいですね。
鳳仙は三姫の一人?梅梅が禿として仕えた先輩世代
緑青館の三姫は、白鈴(パイリン)・梅梅・女華(ジョカ)の三人。鳳仙はこの三人とは別の妓女で、梅梅が禿として仕えた相手です。
| 人物 | 主な芸・持ち味 | 鳳仙との位置付け |
|---|---|---|
| 鳳仙 | 囲碁の強さと、客に媚びない態度 | 梅梅が幼い頃に仕えた先輩 |
| 白鈴 | 舞踊を得意とする三姫の一人 | 鳳仙と同じ緑青館に縁を持つ妓女 |
| 梅梅 | 碁や象棋を嗜む知性派の三姫 | 鳳仙の禿だった。病床の鳳仙を見舞う |
| 女華 | 詩歌や教養に秀でた三姫の一人 | 鳳仙とは別の、三姫として名が挙がる妓女 |
原作Web版の宴では、三姫が三人そろって貴人の屋敷へ出向きます。呼び出された名前も梅梅、白鈴、女華。鳳仙はこの組に入っていません。
今では会うだけでも大金がかかる梅梅が、昔は鳳仙の禿。緑青館の回想、売れっ子までいきなり子供へ戻すんですね。
禿と大姐は、年齢差だけでなく教わる関係を表す
禿(かむろ)は、妓女の身の回りを手伝う幼い子です。梅梅にとって鳳仙は、血縁の姉ではなく、幼い頃に仕えていた「大姐」でした。
梅梅は大人になっても、病床の鳳仙を見舞っています。三姫として客を迎える今の梅梅と、鳳仙のそばにいた幼い頃の梅梅が、ここでつながります。
売れっ子になっても、昔仕えていた人の部屋へ行く。梅梅が鳳仙を気にかける姿には、同じ館の同僚というだけでは届かない近さがあります。
猫猫から見た三姫は、姉のように慕ってきた人たちです。母の鳳仙と姉貴分の三姫を分けると、緑青館の家族に似たつながりも追いやすくなります。
緑青館では、美貌だけでなく芸が客を呼ぶ
鳳仙も梅梅も、盤を挟んで客と向き合う妓女です。踊りや歌だけが芸ではなく、相手の一手を読み、勝負そのものを楽しませる頭のよさも商売になる。
花街には、身を売る妓女と、芸を売る妓女がいます。売れっ子ほど多くの客を取る、という単純な仕組みではありません。
会うために銀を払い、会えたら碁で負かされる。それでもまた行きたい客がいる。鳳仙を迎える席、客の機嫌より腕前で勝負しているのがいい。
鳳仙の客あしらいを、碁盤と表情の両方で追うなら漫画版も。歓迎の笑顔より先に、勝負を持ちかける人だと分かるのが面白い。
鳳仙はどんな性格?羅漢を碁で負かす、媚びない才女
鳳仙の強みは、碁で羅漢を圧倒した腕前と、相手が客でも態度を丸めないところです。美人という紹介だけでは、この人の怖いほどの切れ味が伝わりません。
- 羅漢は、評判の妓女である鳳仙と碁の勝負をする
- 鳳仙は大きな差をつけて勝ち、羅漢はその負け方に笑ってしまう
- 鳳仙は禿に別の盤を持ってこさせ、次の勝負を持ちかける
好きなのは、勝った後に愛想で場を収めないところ。相手が笑い出しても、次の盤を用意する。客を喜ばせるより先に、まだ勝負を続ける気なんですよ、この人。
原作Web版の鳳仙は、初めての顔見せでは声さえ聞かせません。次の勝負も、言葉で誘う代わりに盤を用意させます。
会話はお預け、対局はおかわり。接客の入口から、鳳仙のルールが強い。
囲碁では鳳仙が圧勝、将棋では羅漢に分がある
鳳仙が初対局で圧勝するのは囲碁です。碁と将棋がどちらも登場するからこそ、棋種ごとの得意不得意は分けておきたいところ。
| 勝負 | 原作Web版での二人 | 人物像として分かること |
|---|---|---|
| 囲碁 | 初対局では鳳仙が羅漢を大きく上回る | 羅漢の自信を崩すほどの腕前を持つ |
| 将棋 | 羅漢は自分に分があると考えている | 棋種によって、二人の得意が分かれる |
| 対局の時間 | 二人は碁と将棋を繰り返して会う | 鳳仙との時間は、芸を鑑賞するだけの席とは違う |
羅漢は大きく負けても、悔しがるより笑ってしまう。勝った鳳仙はそっけなく、負けた男は楽しそう。勝負の後の顔まで正反対なのが、好きです。
愛想のなさも、鳳仙を選ぶ客には魅力だった
鳳仙のきつい対応は万人向けではありません。それでも彼女を好む客がいて、人気が出るにつれて会える機会は減り、値も上がっていきます。
誰にでも好かれることと、指名したくなることは別。気軽な会話を求める客には困るでしょうが、盤の上で真っ向から向き合いたい相手には、あの無愛想さまで気になる。
羅漢がなぜ鳳仙に惹かれたのか。二人の背景を振り返る入口になるのが、TOHO animationの「Web特別PV ‐羅漢編‐」です。
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鳳仙の年齢は何歳?「四十路近く」と40代の推定を分ける
鳳仙の年齢は、正確な数字を一つに決められません。人物解説には「四十路近く」という紹介と「40代くらい」という推定があり、同じ確度の情報として並べると混乱します。
| 年齢の説明 | 出典と扱い |
|---|---|
| 四十路近く | ABEMA TIMESの鳳仙の人物記事で紹介されている年齢表現 |
| 40代くらい | 同媒体の年齢一覧で、三姫が禿だった頃に妓女だったことから推定されている |
| 具体的な数字なし | 原作Web版「登場人物紹介2」の鳳仙欄には、年齢の数字がない |
ABEMA TIMESでは、鳳仙の人物記事と年齢一覧で説明の仕方が異なります。後者の40代は、年齢が明かされていない人物についての予想です。
「40歳」と確定したプロフィールではありません。「四十路近く」は40歳に近い年代、「40代」は40~49歳の幅なので、言葉の意味まで同じにしない方がすっきりします。
鳳仙の若い頃の対局と、猫猫が薬を届ける頃の姿の間には、長い年月があります。どの時期を見ているかを外すと、回想の鳳仙と療養中の鳳仙の年齢まで一緒になってしまう。
確かな手掛かりは、梅梅が幼い禿だった頃には鳳仙が客と向き合う妓女だったことです。今の三姫の同僚として横に並べるより、その一つ前の世代と捉える方が人物関係に合います。
原作Web版の「登場人物紹介2」でも、鳳仙は猫猫の母と紹介されますが、年齢の数字はありません。娘や禿だった梅梅との年齢差も明らかではなく、鳳仙の出産年齢までは分かりません。
鳳仙と猫猫・羅漢・梅梅の関係|母、対局相手、大姐という三つの顔
鳳仙は猫猫には実母、羅漢には対局を重ねた相手、梅梅には幼い頃に仕えた大姐です。同じ緑青館の人でも、誰から見るかで距離が違います。
| 人物 | 鳳仙との関係 | 押さえたい違い |
|---|---|---|
| 猫猫 | 鳳仙と羅漢の間に生まれた娘 | 実母との血縁と、育ててもらった相手は分ける |
| 羅漢 | 客として対局に通った、猫猫の実父 | 碁の腕と、人の感情を理解することは別の問題 |
| 梅梅 | 幼い頃に鳳仙の禿として仕えた妓女 | 大姐という呼び方は、血縁の姉という意味ではない |
| 羅門(ルォメン) | 猫猫の養父で、鳳仙の診察にも関わる | 娘を育てた役割と、鳳仙の母としての立場は違う |
猫猫の実母でも、単純に温かい母娘像には収まらない
鳳仙が実母であることと、猫猫の育ちを支えた人が誰かは別です。薬師としての猫猫には羅門がいて、緑青館には姉貴分の三姫もいました。
猫猫は鳳仙に薬を届けます。けれど、その行動だけで母娘が何もかも分かり合っていたと読むのは早い。第18話では、目の前の世話と、昔の記憶の重さが同じ時間にあります。
母と呼べば、距離が近くなるとは限らないんですね。娘が薬を飲ませているからこそ、そこまで来る前に何があったのかが気になります。
猫猫の出生と実父・実母、育ての親の違いは、猫猫の正体と出生の秘密で詳しく追えます。母の鳳仙だけで、猫猫の家族すべてを説明できないところが大事です。
羅漢との関係は、碁の強さから始まった
羅漢が鳳仙と会い続けるきっかけは、対局での出会いです。人の顔を見分けにくい羅漢にとって、鳳仙の顔が見えた出来事は、ただ強い相手に負けた話では終わりません。
鳳仙の側には、羅漢を遠慮なく負かす一局がある。羅漢の側には、その後に見えた顔がある。同じ対局でも、二人の出会いをどちらから見るかで焦点が変わります。
第24話では、梅梅が開けた扉から歌声が届き、羅漢は鳳仙へたどり着きます。対局で出会った人を、今度は歌声から見つける。姿が見える前に届くのが、その人の声なのか。
二人が離れ離れになった経緯や身請けまでを続けて読むなら、羅漢と鳳仙の関係へ。勝負では遠慮のない二人が、気持ちまで言い合えるわけではなかったのが苦い。
梅梅には、今も見舞う大姐だった
梅梅は、病床の鳳仙へ声をかける人でもあります。幼い頃に仕えた相手のもとへ、大人になった今も足を運ぶ。その時間は、三姫という今の肩書だけでは見えてこない。
梅梅自身の読み方や性格、鳳仙のそばにいた過去は、梅梅のプロフィールでもたどれます。鳳仙を知ることは、今の梅梅の芸と人との距離を知ることにもつながります。
鳳仙と羅漢が、盤を挟んで何を伝え合っていたのか。原作小説で二人の時間を追うなら、甘い言葉より先に出てくる「碁がやりたい」という短い一言が気になります。
鳳仙と「夜鷹」の意味|名妓の呼び名ではなく、追い込まれた境遇
鳳仙の過去に出てくる「夜鷹」は、人気妓女に与えられる称号ではありません。日々の銭のために客を取る、厳しい境遇を表す言葉として使われます。
一般語の夜鷹(よたか)には、鳥の名のほか、江戸で夜間に街頭で客を引いた私娼という意味があります。作品の文脈で関わるのは、後者の意味です。
ただし、『薬屋のひとりごと』は架空の国の物語です。日本の歴史上の制度や金額まで、そのまま緑青館に当てはまるわけではありません。
売れっ子ほど客が少ない、という花街の仕組み
花街では、会いやすさと人気がそのまま比例しません。名妓は芸や教養で客を惹きつけ、会える機会を絞ることで、さらに高い値で迎えられます。
| 立場 | 客との向き合い方 | 会う機会の意味 |
|---|---|---|
| 人気の高い妓女 | 芸や教養で客をもてなす | 多くの客を取らず、会いにくさが値を上げる |
| 売れっ子だった鳳仙 | 碁の腕と独特の客あしらいで評判を得る | 人気が高まると、羅漢も会いにくくなる |
| 夜鷹と呼ばれる境遇 | その日の銭のため、頻繁に客を取る | 会う機会を絞って値を保つ余裕がない |
原作Web版の「価値」で猫猫が語るのも、上位の妓女と、その日の銭に苦しむ夜鷹の違いです。忙しく客を取れるほど成功している、という話ではないのが、花街の厳しさです。
鳳仙が会いにくくなった時期には、彼女を選んで高い銀を払う客がいました。後の境遇は、その人気をもう一段上げた結果ではなく、会いにくさを保てなくなった側の話です。
「夜鷹のごとく」は、かつての才女との落差を表す
原作Web版では、鳳仙は信用を失い、夜鷹のように客を取るほかなかった境遇へ追い込まれます。かつての評判を保ったまま働き方を変えたのではなく、選べる道がなくなった。
- 鳳仙は碁の腕などで人気を得て、会うための値が上がる
- 身請けの話が進む一方で、羅漢との間に猫猫を身ごもる
- 身請け話が破談になり、緑青館と鳳仙の信用が落ちる
- 以前のように客を選べず、夜鷹のように客を取る境遇へ追い込まれる
ここでいう「価値」は、花街で付けられる値や信用のことです。鳳仙の知性そのものが消えた、人として価値がなくなった、という意味ではありません。
同じ人の芸が、同じようには売れなくなる。強気に碁を打っていた鳳仙を知った後だと、客の求める条件で人生まで変わる仕組みの方が、ずっと冷たく感じられます。
あの一局で羅漢を負かした腕前は、本物だった。その事実まで、後の境遇に押し流されたくはない。
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まとめ|鳳仙は、三姫より前の世代を知る碁の名手
鳳仙は、猫猫の実母であり、梅梅が幼い頃に仕えた名妓です。読み方はフォンシェン。三姫とは別の人物で、年齢の説明は確定した数字と推定を分ける必要があります。
猫猫の母だと分かったら、若い頃の対局へ戻る。娘のそっけなさが浮かんだら、負かされて笑う羅漢にも目を向けたくなります。鳳仙の強気を、あんなふうに楽しめる人もいたんですね。
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