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『ダンダダン』アニメの制作会社はサイエンスSARU|作画がすごい理由と、2期・3期の制作体制

2024年12月11日

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『ダンダダン』の制作会社・作画・2期と3期の制作体制を伝える見出しと、水彩調の作画道具を配したアイキャッチ。

『ダンダダン』のアニメを作っているのは、サイエンスSARUです。1期・2期に続いて、2027年放送の3期も同じスタジオが制作します。

監督は1期が山代風我さん。2期は山代さんにアベル・ゴンゴラ(Abel Gongora)さんが加わった2人体制で、監督が交代したわけではありません。

そして作画のすごさの正体は、線の多さとは別のところに。怪異ごとに画面を染める色、普通より速い会話、コマの間の小ネタ。この三つで、原作を読んだ後の濃さを映像にしています。

背景が急に真っ赤になるあれ、手抜きだと思っていた人もいるはず。実は、監督がわざわざ厳しめのルールを決めている部分です。

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『ダンダダン』アニメの制作会社はサイエンスSARU|1期・2期の監督とスタッフ

アニメーション制作はサイエンスSARU。原作は龍幸伸さんが「少年ジャンプ+」で連載中の漫画で、1期は2024年10月、2期は2025年7月に放送が始まりました。

役職1期2期
監督山代風我山代風我、Abel Gongora
シリーズ構成・脚本瀬古浩司続投
キャラクターデザイン恩田尚之続投
宇宙人・妖怪デザイン亀田祥倫続投
色彩設計橋本賢、近藤牧穂続投
美術監督/撮影監督東潤一/出水田和人続投
音楽/音響監督牛尾憲輔/木村絵理子続投
1期・2期のおもなスタッフ

並べてみると、2期で増えたのは監督欄の一人だけ。キャラクターも色も音も、同じ顔ぶれがそのまま続けて担当しています。

少し珍しいのが「宇宙人・妖怪デザイン」という枠です。人間のキャラクターは恩田尚之さん、怪異は亀田祥倫さんと、描く人をはっきり分けています。

亀田さんは『モブサイコ100』のキャラクターデザインや、映画『犬王』の総作画監督を務めた人。ターボババアやセルポ星人の気味悪さには、専門の担当がいるわけです。

原作者が憧れていたスタジオが、そのまま作っている。ファン目線でも、これ以上の組み合わせはなかなか思いつきません。声を当てたキャストと役作りは1期・2期の声優一覧へ。

サイエンスSARUはどんな会社?代表作と東宝グループ入り

サイエンスSARUの設立は2013年2月4日、本社は東京都武蔵野市です。湯浅政明監督の作品を数多く手がけたスタジオとして名前が広まりました。

湯浅監督は現在スタジオを離れていますが、近年は『平家物語』や『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』など、いろいろな監督の作品が続いています。

作品主な受賞・ノミネート
夜は短し歩けよ乙女オタワ国際アニメーション映画祭 長編部門グランプリ、日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞
夜明け告げるルーのうたアヌシー国際アニメーション映画祭 長編部門クリスタル賞
映像研には手を出すな!文化庁メディア芸術祭 アニメーション部門大賞
犬王ゴールデングローブ賞 アニメ映画賞ノミネート
スコット・ピルグリム テイクス・オフクリティクス・チョイス・アワード アニメシリーズ賞
きみの色上海国際映画祭 金爵賞アニメーション最優秀作品賞
サイエンスSARUの主な作品と、国内外の賞

監督の山代さんも、このスタジオで腕を磨いた人です。『映像研には手を出すな!』の副監督、『平家物語』の絵コンテ・演出、映画『犬王』の演出を経て、初監督が『ダンダダン』でした。

監督を打診された時の返事は「そんなのやるに決まっているじゃないですか」。即答が過ぎる。

『ダンダダン』の作画がすごい理由|描き込みの量より「色・テンポ・小ネタ」で密度を出した

龍さんの原作は、とにかく描き込みが細かい。あれをテレビアニメで線ごと再現するのは難しい、と山代監督自身が認めています。

そこで選んだのが、描き込みの密度ではなく、デザイン・演出・小ネタで画面の密度を上げるやり方です。

  • 色:怪異ごとにテーマカラーを決め、登場すると画面をその色で染める
  • テンポ:会話を通常の作品の1.25倍ほどの速さにし、シリアスでは尺を取る
  • 小ネタ:「龍先生だったらこうするだろう」という描写を、コマとコマの間に足す

キャラクターデザインの恩田尚之さんは、線をぎりぎりまで減らしつつ、龍さんの描く顔のまま動かせる形にしています。減らした線の分を、色と速さで取り返しているわけです。

背景が赤や青に染まるのは手抜き?怪異ごとのテーマカラー

戦闘になると背景が一色に染まるので、手を抜いているのではと首をかしげた人もいるようです。答えは逆で、色の切り替えは最初から決めてあったルールです。

対象色決めた理由
妖怪暖色系土地に根づいた存在として見せる
宇宙人寒色系妖怪との性質の違いを画面で分ける
ターボババア赤登場した場面を、その色で支配させる
セルポ星人青宇宙人側の寒色の代表
邪視(2期)青紫赤を持つオカルンと正反対の関係を色でも示す
怪異ごとに割り当てられたテーマカラー

山代監督の言葉を借りれば、舞台でカラースポットを浴びている感じ。その怪異が出てきた瞬間、画面ごとそいつの縄張りになります。

しかも監督は、格好いいからやったわけではないと念を押しています。狙いは、日常から非日常へ踏み込んだ感覚を一瞬で伝えることでした。

つまりあの赤は、ターボババアの名刺。出てきた瞬間に画面ごと名乗ってくるんだから、そりゃ忘れられません。

会話は通常の1.25倍速|コメディとシリアスを一瞬で切り替える

会話は通常の作品より1.25倍ほど速いテンポ。アクションとコメディは速く回し、シリアスが来ると尺を長めに取ります。

声優陣へのお願いは「情緒不安定な感じで」。ふざけた次の瞬間に真顔になる、あの忙しさは指示どおり。声が付くまで、監督本人も成立するか心配だったとか。

お手本にしたのは、コメディが初期の宮藤官九郎作品、怪奇が円谷プロ。『木更津キャッツアイ』のような笑いと真面目の急な切り替えに、『ウルトラQ』の昭和の怪しさを混ぜています。

1話にも、気づくと楽しい仕掛けがあります。前半はオカルンに出会う前のモモの退屈な毎日、後半は対等な二人の関係を、画面の作りで見せています。

  • 教室:モモの場面が、同じポーズで始まって同じポーズで終わる
  • 廊下:歩くカットが、毎回同じアングル
  • 探索:モモとオカルンのカット割りを同じようにそろえる
  • 雑誌とズボン:前半で雑誌を渡す場面と、最後にズボンを渡す場面の構図・芝居を合わせる

雑誌で始まった距離が、ズボンで縮まる。小道具まで二人を運んでいます。

1話にはもう一つ、冒頭で防がれたモモの蹴りが、その夜にもう一度決まる仕掛けもあります。

1期7話「優しい世界へ」はこう作られた|原作より長い回想と、直しのいらなかったラスト

7話は、アクロバティックさらさら(アクさら)がアイラに執着した理由を描く回です。絵コンテと作画監督を榎本柊斗さんが一人で兼ね、演出は松永浩太郎さんが担当しました。

榎本さんはこの回が絵コンテデビュー。原作の回想はそれほど長くないのに、山代監督がシナリオの段階でアクさらを軸に大きく膨らませていたそうです。

場面作り方と裏話
連れ去られた娘を追ってアパートを飛び出す絵コンテの段階からBlenderで3Dレイアウトを用意し、完成の画を見越して組んだ
髪の毛を使うバトルアクさら自身が髪に囚われている印象が出るよう、構図を考えた
階段を降りるアクさらの主観カット演出の松永さんが「どうすればいいんだ」と頭を抱えた難所
ラストの「忘れない。絶対」コンテを描く時から伊藤香奈さんに原画を頼むと決め、上がった原画は修正の必要がなかった
1期7話の主な場面と、その作り方

いちばんぐっと来るのは、ラストの原画に直しが入っていないところ。回の最後の最後を、コンテの時点で一人に預けていた。あの余韻は、たまたま出た一枚ではありません。

「本当に完成させられるのか」と不安だった人の、絵コンテデビュー作があの7話。初登板でいきなり大一番を任されるの、心臓に悪すぎます。

原作の過去編は、台詞をほとんど使わずに進みます。原作16話の感想と並べると、アニメが何を足したかが見えてきます。

その過去編でアクさらの息遣いを演じたのが井上喜久子さんです。アクさら役に込めた記憶を知ると、7話の声がまた違って聞こえます。

7話の次の8話で、作画が落ちたと感じるのはなぜ?

7話の後には、8話の作画が気になったという声も出ました。テレビアニメは回ごとに絵コンテや演出、作画監督が替わり、8話のコンテ・演出は錦織博さんです。

8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」は、戦いを終えて学校生活へ戻り、アイラの恋心から三人の気持ちが交錯し始める回です。泣かせた7話から、一気にラブコメへ戻ります。

担当が替われば、線や画面の雰囲気が変わることはあります。7話が特別な布陣だったぶん、次の回との差が大きく見えた面もありそうです。

どちらが上かより、回ごとに違う人の手が入るのもテレビアニメの面白さ。1期全体の面白い派と微妙派の評判も、見る人の好みの幅を教えてくれます。

アクさらの過去を原作で読むなら、16話が入った3巻です。ほとんど言葉のないページをめくってから7話を見直すと、アニメが足した回想の長さに改めて驚きます。

気になる場面を、原作でじっくり読む。

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2期は監督2人体制|「監督交代」ではなく、アベル・ゴンゴラとのタッグ

2期のクレジットは「監督 山代風我、Abel Gongora」。山代監督が降りたのではなく、1期のオープニング映像を手がけたアベル・ゴンゴラさんが加わった形です。

理由は制作の時期にあります。2期は1期と同時に進んでいた部分があり、1期後半で手いっぱいだった山代監督がアベルさんに手伝いを頼みました。

アベルさんは『スター・ウォーズ:ビジョンズ』の『T0-B1』や『スコット・ピルグリム テイクス・オフ』の監督です。

しかも子どもの頃は、母親が読むスペイン版『ムー』のようなオカルト雑誌を横からのぞいていたそうです。

母親のオカルト雑誌をのぞいていた子が、大人になってオカルンの物語を撮る。オカルンが聞いたら、握手を求めに行きそう。

2期から監督に加わる前に、アベルさんが手がけていたのが1期のオープニング映像です。曲そのものの話は主題歌「オトノケ」の記事へ。

アベルさんいわく、二人は前から同じ作品に参加していて、遠近を強くきかせた構図も、表情と芝居を豊かに描きたいところも好みが同じ。似た者同士の監督コンビです。

2期で作画が変わったと感じるのは、温泉編の色にも理由がある

2期が始まってすぐ、「なんか作画変わった?」という感想も見かけました。ここで効いてくるのが、2期序盤の温泉編をアベルさんが丸ごと担当したことです。

温泉編は市川崑監督の『犬神家の一族』のような印象を狙い、いつもより浅い彩度で進めていました。

1期の終わりに温泉編の入り口を入れたため、2期もその色に合わせる必要がありました。1期12話「呪いの家へレッツゴー」で、温泉街のジジの家へ向かった続きです。

2期序盤は、担当する監督も色の方針も、1期の大半とは違う区間です。1期と見比べて別物に感じた人がいたのも、作り手の側から見れば不思議ではありません。

制約付きで走り出させたことを、山代監督は「すごく申し訳なかった」。言われたアベルさんは笑っていたそうで、監督2人の距離感がちょうどいい。

温泉と鬼頭家の場面は、原作では34話から。34話の感想には、崩れた露天風呂にターボババアが浸かる場面まで入っています。

邪視の青紫と、髪でつながる地下|原作にない2期の表現

邪視のテーマカラーは、アベルさんが提案した神秘的な青紫です。ターボババアの力を持つオカルンの赤とぶつけて、正反対の二人を色でも分けています。

場面仕掛け誰の案
温泉編(2期序盤)いつもより浅い彩度山代監督の方針を、担当のアベル監督が引き継ぐ
邪視の登場テーマカラーを青紫にアベル監督の提案
ジジの家の地下埋められた古い家が、すべて髪の毛でつながる絵コンテで二人が相談
邪視の回想時間がたつほど髪が伸びていくアベル監督が描写を追加
2期で加わった主な色と表現

地下の髪は、最初の生贄になった邪視から上へ伸びています。呪いが家に根を張っているイメージで、髪は根っこに見えるよう描かれています。

原作のテーマは、邪視の呪いがたくさんの人と土地をつなぎ留めていること。それを、髪という物で文字どおりつないで見せたわけです。

手間は想定以上、でも「すごい試みができた」。アベルさん、苦労話のはずが、ほぼ自慢話になっています。

邪視の過去が明かされるのは原作39話です。39話の感想では、牢の中から村の子どもたちを見ていた少年の話を追っています。アニメでは2期14話「邪視」にあたります。

アニメが髪で描き足す前の、邪視の過去そのものは5巻で読めます。縄をほどけなかった少年の場面を先に知っておくと、アニメの髪が伸びる回想の重さが変わります。

気になる場面を、原作でじっくり読む。

3期も制作はサイエンスSARU|2027年放送と、作画が評価された記録

3期は2025年9月19日に制作が決まり、12月21日に2027年放送と発表されました。制作は引き続きサイエンスSARUです。

3期の監督やスタッフは、2026年11月2日時点ではまだ発表されていません。制作会社が同じでも、誰がどの回を受け持つかはこれからです。

2期の最後は、宇宙怪獣のファスナーから出てきた美少女がオカルンにキスして、それをモモが目撃したところで終わり。そこから2027年まで待て、は長い。

作画と演出は、海外の賞でも名前が挙がった

『ダンダダン』のアニメは、国内だけでなく海外の賞でも評価されています。監督の仕事そのものが候補に挙がったのが、アニー賞です。

  • 第53回アニー賞:テレビ/メディア部門 監督賞ノミネート
  • Crunchyroll アニメアワード2025:最優秀キャラクターデザイン賞、最優秀オープニング賞、最優秀アニソン賞
  • ABEMA 日本アニメトレンド大賞2024:日本アニメトレンド大賞、オープニングアニメーション賞
  • ABEMA 日本アニメトレンド大賞2025:エンディングアニメーション賞
  • TVerアワード2024:アニメ特別賞

制作の裏側は「ダンダダン」Animation Works展でも見られる

展示は【絵コンテ・設定】【作画・3DCG】【美術・色彩設計・撮影】【音楽・音響】の4ゾーン。内覧会でモモ役の若山詩音さんは「山代監督のアイデアノートが凄い」と話していました。

次の会場は新潟。2026年11月20日から12月27日まで、新潟市マンガ・アニメ情報館で開かれます。

アイデアノートに、怪異の色の話まで書いてあるのか。赤と青紫の決め手が残っているなら、真っ先にそのページを探したい。

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まとめ|『ダンダダン』の作画は、色とテンポで原作の濃さを運んでいる

『ダンダダン』のアニメは、1期から2027年の3期までサイエンスSARUが制作します。監督は1期が山代風我さん、2期は山代さんとアベル・ゴンゴラさんの2人です。

『ダンダダン』アニメの制作と作画

  • 制作会社はサイエンスSARUで、2027年放送の3期も引き続き担当する
  • 2期は監督交代ではなく、山代風我さんにアベル・ゴンゴラさんが加わった2人体制
  • 背景が一色に染まるのは、怪異ごとにテーマカラーを決めた演出
  • 会話は通常の1.25倍ほどの速さで、コメディとシリアスを切り替えている
  • 1期7話は榎本柊斗さんが絵コンテ・作画監督を兼ね、原作より回想を膨らませた

描き込みの量で張り合わず、色と速さと小ネタで、読み終えた後の濃さを作る。2期の温泉編で色を落とした場面まで含めて、どの画面にもちゃんと理屈がありました。

3期の謎の美少女には、何色が割り当てられるのか。2027年は、画面が最初に染まる色から当てにいきます。

※当サイトで使用しているイラストは、記事内容を補足するイメージです。特定の著作物・キャラクター・場面の再現を目的としたものではありません。本記事は作品公式および関係各社とは関係のない非公式記事であり、感想・考察には当サイトの見解を含みます。
※本記事の情報は2026年11月2日時点で確認しています。放送・配信状況、料金、特典、キャンペーン、商品情報などは変更される場合があるため、最新情報は各公式サイト・販売ページをご確認ください。

  • この記事を書いた人
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アキラ

アニメ歴20年以上。年間100本以上を視聴し、原作との違いや感情の動きを大切にレビューを執筆。 作品の背景や演出意図にも目を向け、「観た人の心に残る言葉」で作品の魅力を深掘りします。 「作品がもっと好きになる」体験を届けたくて、本ブログを運営しています。

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