『アオのハコ』の蝶野雛が好きな人は、中等部からの親友・猪股大喜です。千夏との同居を知った胸の痛みと、自分を気遣う大喜への喜びが、雛に恋を自覚させました。
雛は原作43話で思いを伝え、76~77話で振られます。それでも終わらない。京都駅で自分のために列車を降りた大喜を見て、しまったはずの恋がまた動き出すんです。
いつもは大喜をからかう側なのに、彼が当たり前のように優しくすると、雛のほうが言葉に詰まる。その優しさに救われるたび、好きになるのが苦しくなる。そこが僕には忘れられません。
※アニメSeason 1の第25話より先、原作最終第250話までのネタバレを含みます。アニメだけを見ている方は、先の展開に触れる見出しの手前で読むのを止めてください。
この記事でわかること
『アオのハコ』雛の好きな人は猪股大喜|中等部からの親友が恋の相手に
雛が好きなのは、栄明高校男子バドミントン部の猪股大喜。中等部からの友達で、からかう時にも遠慮はいりません。ところが彼が毎朝目で追うのは、女子バスケ部の一学年上・鹿野千夏でした。
大喜の恋バナなら、雛は笑って聞ける。千夏を見つけてそわそわする彼を、いつもの調子でからかえたんです。その「応援する側」に、自分がいつまでもいられなくなる。親友同士だったからこそ、変化が痛い。
| 人物 | 大喜との関係 | 恋の向き |
|---|---|---|
| 蝶野雛 | 中等部から同じクラスの友人。新体操部 | 雛→大喜。のちに本人へ告白する |
| 鹿野千夏 | 一学年上の女子バスケ部員。大喜と同居する | 大喜→千夏。後に両思いとなる |
| 猪股大喜 | 男子バドミントン部員 | 雛の好意を知っても、千夏への思いを選ぶ |
千夏を蹴落とそうとして大喜を好きになった、という順番には見えません。気づけば大喜は自分の知らない時間を千夏と過ごしていて、雛は初めて「隣にいるのが自分じゃない」寂しさに触れたんだと思います。
中等部の新体操全国大会で4位の雛も、大喜の前では気の置けない友達でいられます。二人をアニメ公式の人物紹介が「腐れ縁兼親友」と呼ぶのも、あの軽口を聞けば頷けるんです。
競技の頑張りを知っているから、ただの「優しい友達」では済まない
雛は新体操、大喜はバドミントン。競技が違っても、毎日練習して試合へ向かう相手の姿は身近にあります。ふざけ合えるのに、頑張りだけは茶化さない。二人の軽口が心地よいのは、そこなんだと思います。
雛がどんなに強い選手でも、いつも平気とは限りません。足を痛めた日、いつもと違う彼女を大喜は放っておかない。気づいてほしい人に気づいてもらう喜びが、親友の距離を変えてしまいます。
千夏には憧れ、雛とは遠慮なく言い合える大喜。同じ体育館でも彼の顔は相手によって違います。大喜・千夏・雛の人物関係を知ると、雛との何気ない会話にまで片思いの色が混じって聞こえます。
小説『Prologue』にも残る、中3夏休みの「まだ恋人ではない」距離
高校で三角関係になる前、中学3年の夏休みには、雛が大喜と匡を誘って学校で宿題に取り組みます。「最後の夏の思い出を作ろう」と持ちかける相手が、この二人。まだ気負わず三人で集まれる時間でした。
大喜が部活を引退してもバドミントンを諦められない頃、雛は友達としてそばにいる。小説『アオのハコ Prologue』の中3夏休みも、後の恋へ続く時間として読みたくなるんです。
もちろん、中3のあの夏が恋の「開始日」と決まったわけではありません。大喜と笑い合えた時間が長いほど、千夏との同居を知った時の「自分だけ知らない」が痛い。同じ親友という言葉に、違う響きが生まれます。
雛が大喜を好きになったきっかけは?同居・ミサンガ・足首のけが
雛が最初に大喜を好きになった日付は、作中では示されません。でも高校で彼女の気持ちが表へ出る場面ははっきりしています。千夏と暮らす大喜を目撃することと、傷ついた自分を大喜が気遣うこと。この落差が大きい。
千夏といる大喜を見ると胸がざわつくのに、自分を心配してくれるとほっとする。同じ人の優しさが、相手によって痛みにも救いにもなる。雛自身も戸惑ったんじゃないでしょうか。
- 千夏と大喜の同居を知る――自分が知らない時間を二人が共有していると気づく
- ミサンガを見る――大喜と千夏が互いの競技を応援する結びつきが形になる
- 足首を痛めた自分に大喜が寄り添う――相手を見て生まれる感情から、相手と話して動く感情へ変わる
アニメ6話|千夏が大喜の家へ帰るのを見てしまう
千夏の忘れ物を届けようと後を追った雛は、先輩が猪股家へ帰り、大喜に迎えられる場面を見てしまいます。体育館なら自分も彼らと会える。でも同じ家へ帰っていく二人の時間には、雛は入れません。
大喜にとっては普段の「おかえり」。なのに雛には、今まで知らなかった二人の近さを突きつける一言になる。こんな日常の挨拶が、胸に刺さるのか……。
雛だって大喜が練習に打ち込む姿をずっと見てきたんです。けれど千夏は、その続きの時間まで一緒に過ごしている。自分の知らない大喜が、千夏には日常になっている。雛の置かれた距離が、ここで急にはっきりします。
アニメ第6話で二人の同居を知る雛。彼女がつらいのは、千夏と大喜のどちらかを嫌いになったからではないんですよ。彼の恋を応援してきた自分と、隣にいたかった自分が、同じ胸の中でぶつかってしまう。
原作3巻17~18話|ミサンガから、雛自身の痛みへ
原作17話で雛が見たのは、大喜の脚のミサンガ。千夏から贈られたと知り、二人が競技の目標まで支え合う間柄だと思い知らされます。小さなひも一本で、見たくなかった距離が見える。
雛も新体操のために体をつくり、練習を積んでいます。だから、千夏の願いが大喜の足元に残り、彼の努力と一緒に持ち歩かれているのを見るのは、ただのプレゼント以上にこたえたんじゃないでしょうか。
ミサンガ一本で急に恋が始まった、と決めつけることはできません。ただ、千夏の贈り物を見て雛が涙を流すと、もう「大喜の恋を応援する友達」の顔だけではいられないのが伝わります。あの涙はごまかせない。
17話のミサンガから18話へ進むと、雛自身が弱さを見せます。原作3巻のこの連続した二話で、千夏を見て苦しくなった雛が、今度は大喜の優しさに救われる。この並びが胸に来るんです。
足を痛めた雛へ大喜が寄り添う|「もう痛くない!」の二重の意味
雛は新体操が思うようにいかない中、足首まで痛めてしまいます。試合へ向けて体を使いたいのに動かしづらい。そのうえ大喜と千夏のことまで頭を離れない時、大喜がやってきて彼女の話を聞くんです。
大喜は困っている友達を助けた。それだけのつもりでも、雛には会いたかった人が自分の弱さを見つけてくれた時間です。うれしい。でも、このあと親友の顔へ戻るのは難しくなる。
雛の「もう痛くない!」は足首のことだけを言っているようで、そう聞こえません。さっきまで胸に詰まっていたものまで、大喜と話すうちに少しほぐれた。あの明るい一声には、二つの痛みが重なっています。
雛役の鬼頭明里さんも、足の痛みと大喜への気持ちのもやもやが晴れる、二つの意味がある台詞だと語っています。選手としての不安と片思いの不安が、同じ「痛い」に入っていたと思うと、あの笑顔がいっそう愛おしい。
あの「もう痛くない!」が、足首だけの話じゃなかったとは。鬼頭明里さんの「足の痛みも、気持ちのもやもやも晴れた」というコメントを知ると、大喜に向けた雛の笑顔が、少し違って見えてくるんです。
千夏と暮らす大喜を見て胸が痛み、自分を心配する大喜にはほっとする。悲しさと安心を両方知った雛は、もう友情だけでは説明できない気持ちを抱えてしまう。大喜は変わらず優しいのに。
「もう痛くない」って、やっと笑えたのに……。このあと大喜が優しくするたび、別の痛みまで大きくなるんですよ。大喜、もう少し手加減してくれ!
雛は大喜と話すたび元気を取り戻します。でも彼が好きなのは、やっぱり千夏。救ってくれた本人が、同時に片思いの相手でもある。僕はここから雛の笑顔を見るたび、その後に来る寂しさまで気になってしまいます。
夏祭りの雛はなぜ大喜を誘う?「かわいい」の一言で変わる距離
高校で雛が大喜を花火大会へ誘うのは、中1の祭りで彼と仲良くなった思い出があるから。前は友達として距離を縮めた夜へ、今度は好きな人と二人で行けるかもしれない期待を持って戻ろうとします。
雛がアニメ第11話で誘い、祭り当日の第12話では匡が来られず二人で歩くことに。中1の頃なら、気楽に並んで夜店を回れたはず。今の雛には、同じ二人きりがうれしくて落ち着かないんです。
昔一緒に行った祭りへ、今の大喜も誘う。「また行こう」は友達にも言えるのに、今の雛が言うと「もう一度、好きな人として隣にいたい」に聞こえる。普段の言葉が急に難しくなるんですよ。
大喜に「かわいい」って言われて、もう一回お願いする雛! 普段はからかう側なのに、好きな人の一言には素直におかわりするのか。そりゃ、かわいいよ……!
鬼頭明里さんも公式コメントで「もう一回言って!」を胸キュン場面に挙げています。大喜が何気なくくれた「かわいい」を、雛は一度きりで終わらせたくない。ずっと親友だった相手からだから、なおさらです。
その「かわいい」を胸に、二人で祭りを歩けたはずなのに。雛の夜には、彼の言葉を何度でも思い出したくなる時間と、一人で待つ時間の両方がやってきます。
祭りの途中、大喜は千夏と出会って一緒に迷子の子を送り届け、雛は一人で待ちます。原作5巻で続くこの寄り道がつらいのは、千夏といる時も、大喜がいつもどおり親切だからです。
雛を待たせているのに、迷子の子を助ける大喜を責めきれない。千夏だって何も悪くない。それでも「かわいい」をもう一度聞きたかった雛が一人なのは、悔しいんだよ……!
中1の祭りで友達になった二人が、高校の祭りでは「かわいい」の一言を抱えて離れてしまう。花火の映像を見返したくなるのに、僕は雛が一人で待つ時間を思うと、再生する手が止まります。
中1の夜には友達が増えた。高校の夜には、好きな相手の言葉が一つ増えた。でもそのあと、大喜は千夏と一緒に歩く。同じ祭りに戻っても、同じ気持ちのままではいられない。雛の夏が甘いだけで終わらない理由です。
来られなかった匡も、あの祭りで二人を気にかけていました。小説『アオのハコ Interlude』には、風邪で欠席した彼の側から雛と大喜を見つめるエピソードも。三人の友情まで思い出すんです。
雛が誘った時の軽やかさと、当日一人で大喜を待つ姿。その落差がきつい。第11話「ダサいぞ!!」のあらすじ・感想で誘いの場面を思い返すほど、祭りの夜に雛が待つ時間が長く感じられます。
雛は大喜に何話で告白し、なぜ振られた?43話のブランコから76~77話の返事へ
雛は原作43話で大喜に告白します。でも秋の合宿、76~77話で返ってくるのは交際を断る言葉。雛に魅力がないからじゃない。大喜が好きなのは千夏だからという、誰の頑張りでも動かせない答えです。
大喜が千夏を好きだと知りながら、雛は親友のまま黙る道を選びませんでした。勝ち目を信じきれない恋でも、口にするしかなかった。その勇気も、返事を待つ時間も、見ていて胸が詰まります。
原作5巻43話|ブランコと靴飛ばしから、友達の言葉が告白に変わる
インターハイで新体操3位になった雛は、公園で大喜とブランコに乗り、靴を飛ばして遊びます。いつもの二人の勝負だ、と笑っていたら、次に雛が始めるのは勝ち負けを競えない告白。ここの切り替わり、心臓に悪い。
雛は大喜に好きだと伝え、今すぐ返事はいらないと言います。千夏を好きな彼を知ったまま、自分の思いも知ってほしかった。靴を遠くへ飛ばす遊びから、戻せない一言を自分で投げるところへ進むんです。
返事を急がせなかった雛も、伝えたあとでは以前と同じ軽口だけではいられません。千夏を好きな大喜に、自分も好きだと知ってほしい。ブランコの上で、その二つを抱えたまま話すのが痛い。
雛は原作5巻収録の第43話「どういう文脈?」で大喜に本音を告げます。いつもからかってきた相手に「好き」と言う。僕も簡単に「頑張ったね」では済ませられません。
文化祭では大喜が白雪姫の王子役に|近づいた距離と、恋愛の返事は別
文化祭前日、白雪姫の衣装を着た雛から大喜は目をそらし、彼女も立ち去ります。アニメ第19話のこのぎこちなさは、花火の夜の「かわいい」がもう気楽な冗談ではないと分かる、何とも落ち着かない場面です。
白雪姫の王子役なんて、雛の片思いを知っていたら期待せずにいられないですよ。なのに舞台で隣に立つことと、大喜が雛を恋人として選ぶことは、どうしても同じにはならない。
本番直前、王子役のけがで大喜が代役を引き受けます。皆の練習を無駄にしないための決断でも、第20話で舞台に立つ二人を見たら、僕まで一瞬、舞台の王子様が本物になったような気がしてしまう。
ところが幕が下りた後、二人の間に生まれたのは恋人同士の約束ではなく、周囲の噂でした。舞台で近づいた二人を見た人たちのほうが、本人たちより先に恋の結末を決めたがる。これはきつい。
大喜と雛の交際の噂が広まり、第21話では千夏の耳にも届いてしまいます。本人たちの返事より先に、噂が千夏の心へ入っていく。見ているこちらも落ち着きません。
原作9巻76~77話・アニメ24~25話|雛への「ごめん」は千夏を選ぶ返事
秋の合同合宿、キャンプファイヤーの夜。雛はまだ返事を待ちたいと伝えます。でも大喜は、もうその期待に甘えられない。千夏を好きなまま、雛へ「待っていて」とは言えないんです。
公園で伝えた「好き」が、秋には「ごめん」で返ってくる。原作の告白は43話、返事は9巻の第76~77話。アニメは14話で告白し、24話終盤から25話にかけて返事の後まで描きます。
雛はまだ待てる。けれど大喜は待たせられない。二人とも相手を思っているのに、気持ちの向かう先はそろいません。あの夜の雛の涙を見ていると、どちらかを悪者にして気持ちを軽くすることさえできないんです。
雛は努力を積み、新体操で全国3位まで届きました。でも恋は、練習しても大喜の心を動かせない。一人で磨ける演技と、相手の答えが要る恋。頑張れる雛だから、余計につらい。
アニメの第24話で返事を待ちたがる雛から、第25話の返事の後へ。返事を受け取った雛が日常へ戻っていくのが、僕には一番つらい。泣いた夜にも、翌朝は来るんです。
ブランコでの告白も、秋の返事も、雛はずっと大喜の前で自分の気持ちをごまかしていませんでした。雛の告白・失恋とその後までたどると、振られた後も親友であろうとする彼女が、いっそういとおしくなります。
※ここからはアニメSeason 1で描かれていない原作25巻以降の重大な展開です。アニメ初見で先を知りたくない方は、この先の本文を読まないでください。
あの秋、雛は「待ちたい」、大喜は「待たせたくない」。返事を出したからといって、すぐ昔の友達には戻れません。その不器用な時間があったことも、僕は忘れたくないんです。
失恋後の雛はなぜ再び大喜を好きに?京都駅205話から218話のキスへ
雛の恋が再び揺れるのは、25巻の公園より前です。修学旅行の帰り、京都駅で取り残された雛のため、大喜は自分も新幹線を降りる。原作205話のこの優しさが、彼女のしまったはずの気持ちをまた動かします。
原作23巻204~206話|京都駅で乗り遅れた雛のため、大喜が列車を降りる
修学旅行の帰り、雛は京都駅で同級生を探すうちに新幹線に乗り遅れます。慣れない場所で一人取り残されるなんて、それだけで心細い。ところが発車前に彼女がいないと気づき、大喜まで列車を降りていたんです。
大喜は親友を置いていけなかったのでしょう。でも雛には、足首を痛めたあの日と同じ。一番困っている時、会いたかった人がまた来た。しまった恋が、胸の奥で起き上がってしまいます。
えっ、大喜、お前まで降りたの!? もう一度好きにならないようにしてきた雛に、そんなことするのは反則だって……!
最初は足首を痛めた時、今度は京都駅で。雛が困ると大喜は親友として動く。彼はいつもどおりでも、雛にはその優しさがもう恋と切り離せません。
原作23巻の第204~206話で京都駅の二人を知ると、公園での再告白が突然には思えません。振られても大喜は雛を一人にしない。救われるから、また好きになる。その繰り返しが胸に来るんです。
217~218話|今度は雛が大喜の苦しさを見つける
京都駅では大喜が雛を見つけました。今度は競技に悩む大喜の元気のなさに、雛が気づき、自然公園へ連れ出します。救われてきた側が、相手を支えたい側へ回る。この順番が、僕には大切です。
雛は、強く見える父親にも弱い時があったと話し、大喜の苦しさを受け止めます。新体操で努力してきた彼女は、安易に「頑張れ」とは言わない。強い人も立ち止まる、と知っているんです。
あんなに大喜の優しさへ助けられてきた雛が、今は彼の弱さを見つけて支えている。だからこそ胸に残っていた恋まであふれてしまうのが、苦しい。親友としてそばにいた時間が、二人の役割をそっくり入れ替えました。
原作25巻の第217~219話では、雛が大喜を励ましてから頬へのキスへ進みます。京都駅で彼が雛を置いていかなかったことを思い返すと、公園で今度は雛が大喜の心細さを放っておけないのが胸に来るんです。
218~219話|頬へのキスは、恋人になる合図ではない
218話で雛が大喜の頬にキスして、219話では「まだ好き」って……! 親友でいようとしてきたのに、支えたい思いと一緒に恋まであふれてしまったんだな。
大喜にはもう千夏という恋人がいます。雛の苦しさを思うと胸が痛む。でも千夏を考えると喜べない。雛の支えも、キスで越えた境界も、どちらも消せません。
頬へのキスで大喜と雛が両思いになったわけではありません。雛が抑えてきた恋が表へ出たことで、大喜と千夏が築いてきた関係に、雛自身がどう向き合うかまで問われることになります。
大喜を助けたい気持ちから始まった公園の時間なのに、最後には自分の思いまで伝えてしまった雛。僕には、キスそのものより、その後も千夏と大喜の前で親友として生きていけるのかが気がかりでした。
京都駅では大喜が雛を置いていかなかった。公園では雛が大喜の苦しさを見過ごさなかった。助け合える親友だからこそ、恋の線を引き直すのも難しい。頬へのキスは、その長い時間の先にあります。
修学旅行から親友への再出発まで、恋が動いた順番
- 第204~206話/原作23巻:修学旅行の帰路で雛が新幹線に乗り遅れ、大喜が一緒に降りて助ける。ふたをした気持ちが揺れる
- 第217~219話/原作25巻:今度は雛が大喜を励まし、頬へのキスと再告白へつながる
- 第227~228話/原作26巻:恋人にはならず、越えてしまった境界と向き合い、親友としての関係を選び直す
京都駅で思いが揺れ、公園で恋があふれたあと、雛はどう親友としての距離を取り戻すのか。次の227~228話で、その難しい続きを選びます。
雛の好きな人は最終的に誰?親友への再出発・晴人の告白・250話の結末
227~228話で雛と大喜は親友として歩き直します。234話では晴人の告白を断り、最終250話には答辞を読む。その翌日、雛を待つのは日本代表としての海外遠征です。
大喜をあれほど好きだった雛。次の恋人が気になる気持ちも分かります。でも答辞のあと遠征へ向かう彼女を見たら、恋人の有無だけで結末を測りたくない。雛には新体操があるんです。
227~228話|好きだった過去を持ったまま、もう一度親友になる
227話「変化」から228話「これからまた」で、雛と大喜は親友としてやり直します。雛は頬へのキスが千夏との関係へ踏み込んだことを謝る。好きだったから仕方ない、で終わらせないんです。
中等部の頃と同じ顔で、何もなかったことにはできません。告白も失恋も、京都駅も公園も知ったうえで、それでも友達として向き合い直す。昔に戻るより勇気のいる選択です。
僕は雛が、恋をした自分まで否定しなかったのがうれしい。好きだった事実は消さず、これから相手とどう接するかを自分で選ぶ。大喜の返事だけで終わらず、自分の答えを持つところまで来たんですよ。
原作26巻の第227話「変化」から第228話「これからまた」で雛は過去の恋を消さず、親友であることを選びます。告白した時の雛も、また大喜と笑おうとする雛も、同じ彼女なんだと思うと胸に来ます。
「友達に戻ろう」って一言で済む話じゃないんですよ。あのキスも、好きだった自分も消えないまま、それでもまた大喜と話したい。雛、よくその一歩を踏み出したな……。
234話|遊佐晴人の「IHに行けたら付き合って」を雛が断る
地方新聞の取材で雛と話す晴人は、兄の柊仁と比べてしまう苦しさをこぼします。雛はその怒りを否定しない。結果を求めて競技に向かう人の焦りを、きれいごとで片づけないんです。
- 大喜への最初の告白:雛は自分が好きだと伝え、返事を急がせず待ちたいと願った
- 晴人からの告白:雛は「IHへ行けたら」という条件を聞き、その場で交際を断った
晴人は「インターハイへ行けたら付き合ってほしい」と告げます。でも雛は即座に断る。かつて大喜の答えを待った彼女が、今は相手を待たせず自分の答えを返す側になりました。
インターハイは晴人が自分の競技で目指す大きな目標です。でも、結果を出せば雛の気持ちまで手に入るわけじゃない。雛がその場で答えたことで、彼の勝敗と相手の気持ちは別々に残ったんです。
雛は234話で晴人に「付き合わない」と答えています。この返事は、晴人との交際が成立しなかったという事実。将来の雛が誰を好きになるかまで、この一場面で決まったわけではありません。
最終250話|雛は卒業生代表の答辞へ。恋の「次の相手」は確定しない
最終250話で雛は卒業生代表として答辞を読みます。全国の大舞台で演技してきた彼女でも、式の後は緊張から解放されてぐったり。あの雛が人前で言葉を届ける時にはこんなに気負うのか、と少し笑ってしまいました。
雛の答辞だけで話が閉じないのが、僕にはうれしい。にいなの話では、翌日から約一週間、日本代表として海外遠征です。片思いが終わっても、雛の競技者としての時間は続く。
234話では晴人の告白を断り、最終250話にも新しい恋人との交際成立は描かれません。一方で大喜と千夏の恋は続き、雛は新体操の遠征へ。三人がそれぞれの場所へ向かう結末を、僕は静かに見送りたくなります。
好きな人と恋人になれなかった三年間も、雛の中には残ります。京都駅で一人だった子が卒業式では皆の前に立ち、翌日には日本代表として海を渡る。彼女の世界は恋だけで決まりません。
よくある質問|雛の恋心はいつから?アニメと原作の対応は?
雛が恋を自覚した回と、実際に告白した回は別です。アニメで序盤から追うなら第6話、告白の場面なら第14話。原作とアニメでは通しの話数も違います。
雛はいつから大喜を好きだった?
雛が大喜に恋をした「最初の一日」は明示されていません。原作3巻17~18話付近、アニメ6話では、千夏との同居で胸を痛め、大喜に気遣われて恋を意識する様子が描かれます。
雛の告白・失恋はアニメ何話?
告白はアニメ14話/原作43話、返事はアニメ24~25話/原作76~77話です。恋心の自覚を追うなら、アニメ6話/原作17~18話付近から始まります。
雛は最後に晴人と付き合う?
234話で晴人は雛に告白しますが、雛は断ります。最終250話でも新しい相手との交際成立は描かれず、雛は卒業生代表の答辞を務め、翌日から日本代表として遠征へ向かいます。
まとめ|雛の好きな人は大喜。きっかけは優しさ、結末は選び直した友情
雛が好きになったのは、親友の猪股大喜。千夏と暮らす彼を見て胸を痛め、足首を痛めた自分に向けられた優しさで恋に気づく。同じ大喜が、雛には悲しみの相手にも救いの相手にもなる。それが最初の恋の形でした。
序盤は大喜に気遣ってもらっていた雛が、後半では悩む彼を公園へ連れ出して支えます。もう一度恋があふれても、最後には彼と親友でいる道を自分で選び直す。助けられるばかりの子では終わらないんです。
「もう痛くない!」と笑った雛が、京都駅でまた大喜に救われ、最後は自分の足で世界へ向かう。大喜を好きになった話であり、恋だけでは語れない雛の話。序盤のあの笑顔まで違って見えます。
ブランコで告白した雛が、卒業式では皆の前に立つ。大喜と恋人になれなくても、あの勇気はなくなっていないんですよ。雛、次の舞台でも思いきり跳んでくれ!
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※本記事の情報は2026年9月22日時点で確認しています。放送・配信状況、料金、特典、キャンペーン、商品情報などは変更される場合があるため、最新情報は各公式サイト・販売ページをご確認ください。
