『アオのハコ』アニメ第11話「ダサいぞ!!」は、雛が友達の位置から一歩出ようとして、その一歩だけが大喜に届かない回です。
誘うことには成功した。でも大喜は、恋の誘いだと受け取らない。雛、勇気を出した直後に一番つらいズレが来るんですよ。
中1の花火大会とりんご飴を振り返り、「ダサいぞ!!」で大喜を押し返し、大学練習を経て、ラストは浴衣姿の雛との待ち合わせまで進みます。
花火大会を二人で回る本編は第12話。第11話は、雛が関係を動かそうとして何度も勇気を使う、その直前までの一話です。
※この記事はアニメ『アオのハコ』第11話「ダサいぞ!!」と、第12話へつながる範囲のネタバレを含みます。
この記事でわかること
『アオのハコ』アニメ第11話「ダサいぞ!!」のあらすじ
始まりは、千夏と距離を置こうとして一人でぎこちなくなる大喜。終わりは、花火大会の待ち合わせに浴衣姿の雛が現れる場面です。
この両端だけでも二人の向きが真逆なんですよね。大喜は恋で引こうとし、雛は怖がりながらも今までの関係を動かそうとします。
アニメ公式の第11話あらすじでも、中1の花火大会が二人が話すきっかけになり、雛が今年も一緒に行こうと誘う流れを紹介しています。
- 夏休み初日の朝:大喜は「距離を置く」を意識するが、千夏はいつも通りに接する
- 図書館で宿題:大喜と雛は来週の花火大会を知り、中1の頃の思い出へ話が戻る
- 雛が花火大会へ誘う:勇気を出したのに、大喜は二人きりの誘いだと受け取らない
- 「ダサいぞ!!」:千夏との関係に弱気になる大喜を、雛が真正面から押し返す
- 大学のバドミントン練習:大喜は兵藤から助言を受け、格上の環境でも前を向く
- 花火大会当日:匡が体調を崩して参加できなくなり、待ち合わせには浴衣姿の雛が現れる
恋では後ずさる大喜が、競技では格上へひるまず食らいつく。その落差まで見せるから、雛の「ダサいぞ!!」がただの一喝で終わりません。
雛は好きだから甘やかすんじゃない。自分が惹かれた大喜なら、ここで逃げるなと押し返す。しかも向かわせる先は恋敵の千夏です。いや、そこまでやるか。
中1の花火大会とりんご飴|大喜と雛が話すきっかけになった夏
今年の花火大会が急に恋の舞台になったわけじゃありません。第11話は、二人がまだ今ほど親しくなかった中1の夏まで一気に戻ります。
雛は新体操の練習で遅れて合流。着いた頃には、楽しみにしていたりんご飴が売り切れていました。そこで大喜が入ってきます。
大喜は、雛が食べたがっていたりんご飴を買って残していました。公式あらすじが「二人が話すきっかけ」とするのが、この中1の花火大会です。
ただ、ここをそのまま恋の原点にすると少し違います。少なくともこの時点で、今の雛のような恋心まで描かれているわけではありません。
むしろ後から効くのは、大喜が狙って優しくしていないこと。何気ない気遣いだった記憶が、好きになった後では特別な記憶に見え直す。
昔はただのりんご飴だったのに、今見ると大喜の優しさまで一緒に思い出してしまう。これ、好きになった側にはかなり効きますよ。
作品公式Xでも、第11話のこの記憶は「りんご飴食べたい」と切り出されています。雛の現在の恋を、中1の夏へ引き戻す合図がりんご飴なんです。
原作で読み返すなら第30話「お近づきに」。今年の誘いだけでなく、中1の大喜がどれだけ自然にりんご飴を渡しているかまで続けて見たいところです。
その流れを4巻で通して読むと、雛だけが変わったようで、大喜は昔からほとんど同じなんですよ。変わったのは、雛がその優しさを見る目の方です。
雛の花火大会への誘いはなぜ大喜に伝わらなかった?
雛は今年も一緒に行こうと口にする。ここまでは出せました。ところが大喜の頭には、最初から友人たちも一緒に行く花火大会しかありません。
大喜が鈍い、と笑うのは簡単です。でもこのすれ違い、二人が遠いからではなく、近い友人として出来上がりすぎているから起きています。
大喜にとって雛は、気兼ねなく話せる近い友人として定着しすぎている。だから同じ「一緒に行こう」でも、恋のサインへ変換されません。
そして雛も、そこで二人きりだと言い直せない。誘うだけで力を使い切り、断られたら全部駄目になる怖さまで口にします。
誘えたのに、恋の誘いとしては届いていない。しかも大喜に悪気はない。相手を責められないぶん、雛だけが静かにダメージを受けるんです。
TMSアニメ公式も、第11話のこの場面を「うまく誘えなかった…」としてショート化しています。雛が一歩出した直後のズレを、そのまま切り取った場面です。
関係を変えたい雛と、変わり始めたことにまだ気づいていない大喜。同じ花火大会へ向かっているのに、二人の出発点がもう違います。
「ダサいぞ!!」の意味|雛は好きな大喜を千夏から逃げさせない
「ダサいぞ!!」が出るのは、大喜が千夏との関係を壊すのを怖がり、距離を置く方へ逃げようとした時です。
ここ、雛の立場だけ考えると黙っていた方が得なんですよ。大喜と千夏が離れれば、自分の恋には追い風になる。それでも黙らない。
雛が優先したのは、自分に都合のいい展開ではありません。怖くても前へ進む、大喜の格好いいところを守る方でした。
好きな人に、恋敵のところから逃げるなと言うんですよ。雛、それ勝ち筋を自分で細くしてるから! でも、ここで得を選ばないのが雛です。
さらに痛いのが、同じ言葉が雛にも返ってくること。大喜には前へ出ろと言えたのに、自分は二人きりで行きたいと伝え直せていません。
「ダサいぞ!!」は大喜だけを刺す言葉じゃない。恋になると怖がる雛まで、同じ一言の射程に入ってしまう。
だから、その直後に大喜が雛の真剣な表情へ目を止めるのが効きます。告白ではないのに、いつもの雛とは違う温度だけは届くんです。
雛役・鬼頭明里さんの公式5周年コメントでは、『アオのハコ』の魅力として繊細な心理描写や目の表情が挙げられています。第11話の雛は、まさにそこを見たくなる回です。
蝶野雛がかわいい理由を考える時も、第11話は外せません。浴衣や表情だけでなく、好きな相手に都合よく振る舞えない不器用さまで出るからです。
兵藤との大学練習も重要|恋で引く大喜がバドミントンでは前へ出る
この回がうまいのは、雛の「ダサいぞ!!」を恋愛の台詞だけで終わらせないこと。大喜を大学のバドミントン練習へ放り込みます。
そこで再登場するのが兵藤将太です。針生が公式戦でまだ勝てていない「最大の壁」でもある兵藤が、大喜のプレーを見てスマッシュへ助言します。
格上から助言された大喜は、ためらうより先に試す。恋で見せた後ずさりが嘘みたいに、競技では前へ出るんです。
しかも兵藤は現実も甘くしません。来年のインターハイ枠では針生と遊佐が大きく先を走る。それでも大喜は、目標そのものを下げません。
原作第33話のタイトルは「大穴が勝ちをさらう展開」。兵藤は大喜を本命扱いしません。それでも、可能性が低いからこそ面白いと見ているのが気持ちいいんですよ。
恋では迷惑かもと引くのに、競技では今は敵わない相手を普通に追いかける。雛が大喜へ腹を立てるの、そりゃそうなんですよ。
この大学練習があるから、雛の「ダサいぞ!!」が単なる恋の説教で終わらない。視聴者も、大喜が本来どんな時に前へ出る人間かを直後に見せられるからです。
アニメ第11話は原作漫画の何巻?4巻#30~#33が中心
アニメ第11話の中心は、原作漫画4巻の#30「お近づきに」から#33「大穴が勝ちをさらう展開」までです。
集英社の『アオのハコ』4巻書誌情報では、#26~#34の収録話と、雛が大喜を花火大会へ誘う巻の概要を確認できます。
| 原作話 | 主な内容 | 第11話での役割 |
|---|---|---|
| #30「お近づきに」 | 夏休み開始、中1の花火大会とりんご飴、今年の誘い | 大喜と雛の過去と現在をつなぐ |
| #31「おデートでしょうか」 | 雛の誘いが二人きりだと伝わらず、気持ちが揺れる | 友人と恋の認識差を広げる |
| #32「ダサいぞ!!」 | 弱気になる大喜を雛が叱咤する | 雛が好きな「大喜らしさ」を示す |
| #33「大穴が勝ちをさらう展開」 | 大学練習、兵藤の助言、花火大会当日の待ち合わせ | 恋と競技の「前へ出る」を重ねる |
この4話、恋愛と部活を交互にやっているようで、実は同じ問いを回しています。大喜も雛も、怖い時に一歩出られるか。そこが第11話の芯です。
原作4巻には次の#34「女の子って」も収録されています。アニメでは、そのタイトルがそのまま第12話へ引き継がれました。
アニメは#30~#33を一本へまとめますが、原作では雛の迷いと大喜の切り替えをコマの間でも追えます。4巻で見比べると、第11話の呼吸がまた違って見えます。
第11話はどこまで?浴衣の雛で締め、第12話から花火大会本編へ
第11話のラストは、花火大会の待ち合わせに浴衣姿の雛が現れるところ。ここでやっと、二人で祭りへ向かう形がそろいます。
その直前には、匡が体調を崩して参加できなくなったことも示されます。雛は二人きりで誘えなかったのに、状況の方が二人きりへ転がっていく。うわ、そう来るか。
アニメ公式の第12話「女の子って」あらすじでも、匡が急病で来られず、大喜と雛が急きょ二人で花火大会へ行く流れが示されています。
| 話数 | 花火大会をめぐる到達点 |
|---|---|
| 第11話「ダサいぞ!!」 | 中1の回想、雛の誘い、認識のズレ、大学練習、匡の欠席、浴衣の雛との待ち合わせ |
| 第12話「女の子って」 | 大喜と雛が二人で会場を回り、花火の中で千夏とも予期せぬ接点が生まれる |
第11話の感想に、会場を二人で回る場面や千夏との鉢合わせまで入れると第12話の内容が混ざります。浴衣の雛が現れたところが大きな区切りです。
だから第11話は花火大会デートそのものの回ではありません。二人きりになるまでに、雛の勇気とすれ違いを限界まで溜める回です。
誘うだけで力を使い切って、好きな人を恋敵へ押して、それでも最後は浴衣で待ち合わせに来る。雛、1話の中で感情の消費カロリーが高すぎます。
まとめ|第11話「ダサいぞ!!」は雛の恋と大喜らしさがぶつかる回
第11話は、雛の恋と大喜らしさを別々に描いた回ではありません。雛が大喜のどこを好きになったのかを、過去と競技まで使って見せる回です。
僕がこの回で惹かれるのは、雛が自分の恋だけを優先できないところです。好きな人が逃げようとすると、自分が不利になると分かっていても押し返す。
ところが、その雛自身も恋では怖くて言い切れない。大喜を叱れるのに、自分の一言は言えない。このねじれが、雛の恋を痛いほど身近にします。
花火はまだ上がっていないのに、雛の気持ちはもう振り回されっぱなしです。第12話へ行く前からここまで苦しくするの、青春ラブストーリーとして容赦ないですよ。
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