『ホタルの嫁入り』23話「こっちにおいで」は、蠟燭の薬で紗都子の幻を見た康太郎が、簪を自分の体に突き立てて正気を保ち、壁の向こうの進平と殴り合う回です。
止めに入った紗都子の前で、進平は康太郎が持ってきた金平糖の瓶を握りつぶします。血のにじむ手を差し出して、「こっちにおいで 紗都子」「俺が買い直してあげる」。
殴り合いの途中、進平の首を締め上げた康太郎は「俺は間合いに入った人間を絶対に放さない」と言い切ります。
腕にかみつかれて康太郎が手を離したあと、倒れた進平がつぶやいたのは「……放した…」でした。
首を締められていた側が、息を戻すなり相手の決め台詞を採点している。進平、そこだけ余裕あるの何なんですか。
※この記事は原作漫画第23話までのネタバレを含みます。24話以降の展開には触れません。
この記事でわかること
| 人物 | 22話までの状態 | 23話の関わり |
|---|---|---|
| 康太郎 | 紗都子を身請けしに来た用心棒。隣の部屋で、蠟燭に仕込まれた薬が効き始める | 紗都子の姿の遊女を罠と見抜き、進平と戦う |
| 進平 | 17話で刺された傷が癒えきらない殺し屋。遊女に針を見せて指示 | 壁の向こうにいて、康太郎と殴り合う |
| 紗都子 | 進平に「三日後までに」決めていいと言われ、布団で迷う | 目を覚まし、二人を止めに入る |
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『ホタルの嫁入り』23話のネタバレ|紗都子の幻と簪から、血まみれの「こっちにおいで」まで
23話は、紗都子の姿をした遊女に迫られる康太郎から始まり、金平糖の瓶を握りつぶした進平の「こっちにおいで」で終わります。
- 康太郎は紗都子の姿の女性を媚薬の幻と見抜くが、体が動かず突き放せない
- 「これは俺の欲望だ」と認めた康太郎が、遊女の髪の簪を自分の太ももと腕に突き立てる。遊女は部屋から逃げる
- 「いるんだろう… 出てこい」。康太郎が拳で壁を打ち抜くと、向こうに進平がいる
- 言い合いから殴り合いへ。康太郎が進平の首を締め上げ、「絶対に放さない」
- 進平は康太郎の腕の簪を押し込み、腕にかみついて抜け出す。倒れたまま「……放した…」と笑い、「俺が殺す…!」
- 紗都子が「やめて」と止めに入る。康太郎は薬を盛られたと話し、進平は「薬なんて知らないよ」
- 崩れた康太郎を紗都子が支えると、進平は「全部 俺だけにして」と迫る
- 進平が金平糖の瓶を握りつぶし、血のにじむ手を差し出して「こっちにおいで 紗都子」「俺が買い直してあげる」
第23話「こっちにおいで」は、マンガワンで2023年10月22日の深夜に先読みが始まり、Web版の通常公開は11月6日。単行本では4巻の75〜108ページに入っています。
更新日の朝、作者の橘オレコさんは、前夜にお知らせし忘れたと添えて更新を伝えています。
添えられたのは23話のカラー扉。向かい合う康太郎と進平に、大きく「激突!!!」の文字が乗っています。
本編の扉では、康太郎の指が進平の口元にかかり、進平は舌を出しています。22話は、蠟燭に薬を仕込んだ進平の「三日も生かしておけるかよ」で終わっていました。
扉では、じゃれ合いにも見える距離。本編で同じくらい近づいた時には、片方がもう片方の首を締めています。
「これは俺の欲望だ」|罠を見抜いた康太郎が、簪を自分に突き立てるまで
康太郎は早い段階で、媚薬と罠を見抜いています。それでも突き放せず、幻の出どころが自分だと認めてから、簪の痛みで戻ってきました。
種明かしを聞かずに、ほぼ言い当てる
第一声は「紗都子様 おやめください!」。けれど心の声では、すぐに薬のせいだと気づき、「これは紗都子様じゃない」と自分に言い聞かせています。
| 比べる点 | 22話の進平の仕込み | 23話の康太郎の読み |
|---|---|---|
| 薬 | 蠟燭に「素敵な夢を見られる薬」 | 「神経に作用する媚薬…それも相当強力な…!」 |
| 女性 | 紗都子と同じ柄の着物の遊女 | 「紗都子様に背格好の似た女性を使って」 |
| 狙い | 「三日も生かしておけるかよ」 | 「俺を油断させ殺すつもりか!」 |
ここまで分かっていても、体は動きません。口づけをされて、語りは「突き放せない」。
続く言葉は「紗都子様の幻覚を見てしまっているのは… 俺自身…か……」、そして「これは俺の欲望だ、」。
進平が用意したのは、薬と着物まで。その顔を紗都子にしたのは自分だと、康太郎本人が認めています。
「このまま溺れてしまえたら」の次に、おさげの少女
1ページ大のコマに、向かい合う二人と「このまま溺れてしまえたら———…」。危ういところまで来た次のコマに、帽子をかぶったおさげの少女が、笑って手を振っています。
その直後、康太郎は遊女の髪の簪を自分の太ももに突き立てます。女性が二重に見えると、今度は腕へ。遊女は部屋から走って逃げていきました。
この間ずっと、床には巻貝が転がっています。20話の回想で、子どもの康太郎が紗都子から受け取って持ち帰った巻貝です。
22話の康太郎は、この巻貝を握って「もう二度と紗都子様を危険に晒すようなことはしない」と誓っていました。その巻貝が、23話では床に落ちたままです。
コメント欄にも「p10 思い出の貝殻落ちてしまってたんや!」と、読み返して気づいた声がありました。誓いの品が、本人の足元で踏まれそうになっています。
紗都子を傷つけまいとする男が、最初に刺したのが自分の太もも。この人、自分にだけは手加減というものがない。
「俺は間合いに入った人間を絶対に放さない」|壁の向こうの進平と、「……放した…」
正気を取り戻した康太郎は、壁を打ち抜いて進平を引きずり出します。締め技で「絶対に放さない」まで追い込みますが、手を離させたのは進平の方でした。
「外道が…!」と、桐ヶ谷家の敷居
遊女が逃げた部屋で、康太郎は「いるんだろう… 出てこい」。静まり返った中で耳を澄ませ、拳で壁を打ち抜くと、崩れた向こうに進平がいました。
康太郎の「外道が…!」に、進平の第一声は「あれほどの薬を使っても自我を保てるのか 大したもんだよ」。仕掛けた側の、素直な感想です。
康太郎は「貴様は殺す」「桐ヶ谷家の敷居を跨ぐことなど絶対に許さない」。22話で紗都子に用心棒の話を出された時も、「敷地に入れることなど絶対にできません」でした。
ところが進平の返事は、「桐ヶ谷家? そんなの興味ないね」。紗都子はこの島で一生自分と暮らす、と続けます。
| 比べる点 | 康太郎 | 進平 |
|---|---|---|
| 守りたいもの | 桐ヶ谷家と、紗都子の夢 | この島での紗都子との暮らし |
| 相手の見立て | 「ろくでもない男だとすぐに気付いた」 | 「無口なスカシ野郎かと思ってたよ」 |
| 戦い方 | 投げて首を締め上げる | 康太郎の腕の簪と、自分の歯 |
| 体の状態 | 薬が残り、太ももと腕に簪の傷 | 17話の傷に包帯。そこから血がにじむ |
「絶対に放さない」から、4ページ後の「……放した…」
進平を投げた康太郎は、首を締め上げて「紗都子様の前から消えるか このまま絞め殺されるか 選べ」。大きな吹き出しで「俺は間合いに入った人間を絶対に放さない」と続けます。
進平の手が伸びたのは、康太郎の腕に刺さったままの簪でした。「しっかり押さえとけよ」と押し込み、さらに腕へかみつく。康太郎の手が離れます。
倒れたまま「クククク」と笑った進平の一言が、「……放した…」。宣言を、宣言した本人の目の前で回収してみせます。
「放さない」という言葉は、15話にも出ていました。崖から落ちかけた紗都子の手首を進平がつかみ、進平の顔のコマに続いて「安心して」「絶対に 放さないから」。
あの時の「放さない」は、つかんだ手で守る言葉でした。23話の「放さない」は首を締める側の言葉で、しかも4ページ後には破られます。
コメント欄でも「23ページの「放した」とか最高」と、この一言がページ番号つきで挙がっていました。
「紗都子って呼ぶな」と、「お前は例外だ」
包帯から血を流す進平を見て、康太郎は「その傷でよく動く…」。続けて「紗都子様も厄介な男に目をつけられたものだ」と口にします。
進平が黒い大きな吹き出しで返したのは「紗都子って呼ぶな」。康太郎は「様」までつけているのに、です。コメント欄にも「沙都子って呼ぶな!は理不尽すぎだろ笑」とありました。
進平は続けて「誰も殺さないって約束したから 直接殺るつもりなかったのに」「お前は例外だ」「俺が殺す…!」。
19話の進平は、追っ手を誰も殺さずに済んで「約束 守ってたもん」と喜んでいました。22話で遊女に針を見せて頼んだのは、自分の手を使わない方法です。
「直接」の二文字で、22話の手口に説明がついてしまった。約束の抜け道を、本人が大声で教えてくれています。
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「俺が買い直してあげる」|紗都子の「やめて」と、金平糖の瓶を握りつぶした進平
紗都子が止めに入ると、進平の言うことは康太郎の前とは反対になります。最後は康太郎が持ってきた金平糖を握りつぶし、「こっちにおいで」と手を差し出しました。
「傷開いちゃった 痛いよぉ」と「三日後に決めてって」
戸口に立った紗都子の「やめて」で、殴り合いは止まります。「説明して どうしてこんなめちゃくちゃなの!?」と康太郎に寄り、腕の簪に気づいて「これは 簪…?」。
康太郎は「……あまり私に近づかないでください」「盛られた薬の影響がまだ…」。そこへ割り込むのが、進平の「紗都子ぉ 見て見て 傷開いちゃった 痛いよぉ」です。
薬の残る康太郎は「近づかないで」、傷の開いた進平は「見て見て」。同じ部屋で、紗都子の引っぱり合いがもう始まっています。
紗都子が進平に向けたのは「三日後に決めてって言ったじゃないですか…!」。22話で進平自身が「三日後までに決めてくれればいいよ」と言った約束です。
進平は「そうだよ 待つつもりだったよ」と認めたうえで、こいつが紗都子に「ベタベタベタベタ」するから我慢できなかった、と言い張ります。
| 比べる点 | 康太郎と二人の時 | 紗都子が来てから |
|---|---|---|
| 薬 | 「あれほどの薬を使っても自我を保てるのか」 | 「薬なんて知らないよ」 |
| 殺す | 「お前は例外だ」「俺が殺す…!」 | 「違うよ!」「俺 言いつけ破らないよ!」 |
| 傷 | 包帯から血を流しながら笑う | 「傷開いちゃった 痛いよぉ」 |
康太郎の「…だから殺そうと?」に「違うよ!」と返した進平へ、康太郎は「よくもまぁそんな嘘を」。進平は「お前は黙ってろ」で片づけます。
「死んでほしくないってそういうことだよね?」
「嘘をつかないでください… ちゃんと説明して!」と詰め寄られても、進平は説明しません。返したのは「…紗都子 俺と一緒にこの島で暮らそう」でした。
「俺 こんな奴に紗都子を渡したくないよ」に続けて、「紗都子も俺を愛してくれてるでしょ? 死んでほしくないってそういうことだよね?」。
| 話 | 進平の問い | 紗都子の答え |
|---|---|---|
| 3話 | 「俺が死ぬの いや?」 | 「ご勝手に」 |
| 8話 | 「俺に死んでほしくない?」 | 「その質問には答えませんってば」 |
| 16話 | 「俺に死んで ほしくない?」 | 「死んでほしくないです!」「絶対に…!」 |
| 23話 | 「死んでほしくないってそういうことだよね?」 | 答える前に、康太郎が崩れ落ちる |
このあたりの進平の心の声が、黒い吹き出しの「考えただけで 体中の血が 沸騰しそうだ」。口では「俺が紗都子を守るからさ!」と明るく言いながら、です。
崩れ落ちた康太郎に、紗都子が「康太郎…!」と駆け寄って支えます。それを見た進平は「…なんで?」「なんでそんなにそいつを庇うの?」。
「俺以外に触らないで 話しかけないでよ」。そして「怒るのも ワガママ言うのも 頼るのも」「全部 俺だけにして」。
このページで「涙」と書いた読者もいました。並んでいるのは、どれも紗都子が誰かに向ける気持ちです。怒られるのも、わがままを言われるのも自分がいい、と進平は言っています。
16話の「死んでほしくないです!」も、15話の崖の「絶対に 放さないから」も単行本3巻です。23話で持ち出された言葉が、最初はどんな場面で出たのか読み返せます。
金平糖の瓶と、「こっちにおいで」
進平が取り出したのは、金平糖の瓶でした。「金平糖… この島にも売ってるよ」。紗都子は「どうしてそれを… 枕元に置いたはず…」と息をのみます。
22話で康太郎が「金平糖お好きでしたよね!」と持ってきて、紗都子が喜んだ瓶です。進平はその瓶を、手の中で握りつぶしました。
「この島にも売ってる」。進平、問題は売っている場所じゃなくて、誰が持ってきたかなんですよ。……いや、だから割ったのか。
最後の1ページは、血の滴る手を差し出して笑う進平。「こっちにおいで 紗都子」「俺が買い直してあげる」が、23話の題になった言葉です。
「買い直してあげる」には、金平糖のことだけでなく紗都子のことでは、と読んだ書き込みが並びました。21話で康太郎は「身請け金を納め 正式な手続きを踏んだ」と話しています。
康太郎がお金を払って連れ帰ろうとしている紗都子に、進平は「買い直してあげる」。菓子の話にしては、言葉の選び方が物騒です。
23話の読者の反応|いいね最多は「戦い方がもう恋愛漫画の次元を越えてる」
23話のコメントは3,700件を超えます。いいねの上位には、この回が恋愛漫画から格闘漫画へ振り切れたことへの驚きが並びました。
マンガワン公式Xも、先読みの更新をこう告知していました。
告知の一言は「愛のため、全力で、男たちが激闘!!!」。読者の書き込みも、ほぼ同じ温度です。
| 書き込み | いいね |
|---|---|
| 「戦い方がもう恋愛漫画の次元を越えてるのよ」 | 19,421 |
| 「こないだまで読んでたマンガと違うかも(白目)」 | 18,467 |
| 「読者達が正気に戻って草」 | 16,398 |
| 「康太郎絶対進平に勝てないだろと思ってたけどどっちも相当なレベルで人間辞めてんな」 | 13,711 |
| 「え、これ進平とくっつく未来ある? 数話前が幻かと思っちゃう泣」 | 10,452 |
上位5件は、どれも2023年10月22日の23時53分から56分の書き込み。先読みが始まってすぐ、読者は言葉を失ったり笑ったりしていました。
康太郎には「想像の10倍強くてムキムキでびびった!」を含む書き込みに7,000件超のいいね。4位の「人間辞めてん」と並んで、康太郎の強さへの驚きが上位に入りました。
進平への受け止めは割れています。「ちゃんと愛し愛された経験がないから、どうしたらいいのかもう、わからないんだと思う」には6,000件超のいいねが付きました。
一方で「ホタル集めてくれた時のあの人はどこへ、、、笑」にも3,000件超。「ヤンデレ」という言葉を使った書き込みは300件を超えます。
康太郎にも厳しい声はあります。「紗都子様も厄介な男に目をつけられたものだ」を挙げて、さらわれたのは康太郎の失敗のせいで、その男は命の恩人だ、と書いた読者もいました。
23話は単行本4巻に入っています。簪の「ドスッ」も、壁が崩れて進平が現れるページも、血の滴る「こっちにおいで」の1ページも、4巻のコマで確かめられます。
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まとめ|23話は、康太郎の「絶対に放さない」が進平に破られ、金平糖の瓶が割れる回
『ホタルの嫁入り』23話「こっちにおいで」は、簪で正気を保った康太郎と進平の殴り合いが紗都子に止められ、進平が血の手で彼女を呼ぶ回でした。
22話で進平がくれた「三日」の猶予は、その夜のうちに本人が使い切りました。紗都子、もう待たずに決めていいと思います。
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