『ダンダダン』50話「みんなでお湯を持とう」は、冷水で邪視、お湯でジジに戻る体質に備え、お湯を持ち歩くと決める回です。ラストでは、逃げた鬼頭ナキが地底人の正体を現します。
その間に、シャコ星人の本名が明かされ、翌日の車の後部座席ではモモとオカルンの手が触れ合う。後日談のはずの一話に、用事がぎっしり詰まっています。
いちばん引っかかるのは、36話で「ただの強ぇババア」と呼ばれ、46話でモモが守った鬼頭家のババアが、人間ですらなかったところです。
46話でモモが助けた相手が、50話のラストでモモへの復讐を誓っている。人助けの見返りとしては、最悪の部類です。
※原作漫画第50話までのネタバレを含みます。第51話以降の展開には触れません。
この記事でわかること
| 人物 | 49話までの状況 | 50話での関わり |
|---|---|---|
| 綾瀬桃(モモ) | 邪視を祓えず、ジジを家に置いている | ふざけるジジを蹴り、翌日は後部座席でオカルンと並ぶ |
| オカルン | 48話で溶岩から生還した | お湯の入った魔法瓶を持ち、車ではモモの隣に座る |
| ジジ(邪視) | 冷水で邪視、お湯でジジに戻る体質になった | 神越市から出られなくなり、病院で両親と再会する |
| 太郎 | 邪視をジジの体ごと閉じ込めた人体模型 | 体を貸したまま、花に会えないと星子に抗議する |
| 星子 | モモの祖母で、本物の霊媒師 | ジジたちに頭を下げ、神主と見張りを引き受ける |
| ターボババア | 招き猫に入った怪異 | 邪視は「山の怪」だと、皆の甘さを叱る |
| 鬼頭ナキ | 鬼頭家のババア。46・47話で邪視と戦った | 一族が捕まる中で逃げ、森で地底人の姿を現す |
『ダンダダン』50話のあらすじ|お湯の備えから、森で正体を現した鬼頭ナキまで
50話は、ジジが戻った綾瀬家から始まり、翌日の病院を経て、森の中の鬼頭ナキで終わります。
- 冷水で邪視、お湯でジジ。体質を整理したモモが、ふざけるジジを蹴り飛ばす
- 体をいつまで貸すのかと聞く太郎に、星子は花とは当分会わせないと告げる
- 星子が、邪視がいると知らずに三人を行かせたのは自分の責任だと頭を下げる
- ターボババアが、邪視は「神」と崇められる山の怪で、ジジは最高の器だと話す
- ジジは神越市から出ないことになり、モモとオカルンはお湯の魔法瓶を持つ
- モモたちがシャコ星人とチキチータを見送り、別れ際に本名を聞く
- 翌日、ジジの両親が入院する病院へ車で向かう。後部座席でモモとオカルンの手が触れる
- 病院のテレビが、山火事が収まったことと鬼頭家の逮捕、鬼頭ナキの逃亡を伝える
- 森に隠れた鬼頭ナキが人の姿をはぎ取り、地底人としてモモへの復讐を誓う
49話の最後は、おでんの熱さで太郎の中からジジが顔を出し、水とお湯で入れ替わると分かる場面でした。除霊が効かなかった回は49話のネタバレ感想・考察で振り返れます。
第50話「みんなでお湯を持とう」は2022年3月29日に少年ジャンプ+で公開された21ページの回で、単行本7巻の最初の話です。
アニメでは、49話と同じ第2期第17話「みんなでお泊まりじゃんよ」に入っています。この放送回は49話から52話の冒頭までをまとめて描いています。
担当編集の林士平さんも配信の日に、扉を含む4ページを添えて50話を告知しました。告知文の言葉は「転換スイッチは水とお湯」です。
扉のらんまと、星子の「すまん」|49話の「らんまかよ」に、ジジ本人が歌で返す
扉で、モモが「よーするに何?」と首をかしげます。並ぶのは、お湯でジジに戻るのか、冷水で邪視なのかと確かめ合う二つの顔。
その下のコマで、変顔のジジが歌い出すのが、アニメ『らんま1/2』のオープニング曲の出だしです。らんまみたいだと、本人がいちばん分かっていた。
49話のコメント欄では、「らんま二分の一」という書き込みが5万8,000件を超える支持を集めていました。その翌週に、本人の歌です。
50話の書き込みでも、らんまのオープニングを歌って笑ったという声に3万2,000件超、先週は「らんまかよ」、今週は「らんまの自覚あったんかよ」という声に2万1,000件超の支持。
『らんま1/2』のアニメが始まった1989年のオープニング曲は、西尾えつ子さんの「じゃじゃ馬にさせないで」です。
目の前で歌われたモモは、笑いません。ふざけるなと、ジジを蹴り飛ばします。痛いのは自分だと抗議したのは、ジジの体ごと閉じ込めている太郎でした。
| 言った人 | 相手 | 言ったこと |
|---|---|---|
| 太郎 | 星子 | 痛いのは自分。いつまで体を貸すのか。これでは花とイチャイチャできない |
| 星子 | 太郎 | 花とは当分会わせない。うちの門限は10時で、深夜に変な男とは会わせない |
| 星子 | ジジ・モモ・オカルン | 邪視がいると分かっていたら、三人だけで行かせなかった。自分の責任だ |
| モモ | 星子 | やめてよ、らしくない |
| ジジ | 星子 | 頼んだのは自分だから、謝らないでほしい |
花は、30話で太郎が告白した女性の人体模型です。31話で綾瀬家に引き取られてから、星子にとっては、もう綾瀬家の子の扱いです。
邪視を体ごと閉じ込めた功労者に出たごほうびが、門限10時。太郎、蹴られた痛みまで自分持ちです。
その星子が、急に頭を下げます。邪視がいると知っていたら行かせなかった、ワシの責任だ、と。
モモの返事は「らしくないし」。ジジは、頼んだのは自分だから謝らないでくださいと返しました。
誰も責めていないのに、大人のほうから先に詫びる。ふだん口の悪い星子だから、なおさら効きます。
「山の怪」と「最高の器」|ターボババアの忠告と、二人が飲んだお湯
謝る星子と、やめてと返すモモとジジ。その空気を、招き猫のターボババアが「ったく あまちゃんだぜ」で切ります。
邪視を抑え込めているとでも思っているのか、と。そこからババアが話す邪視の正体は、笑えない内容でした。
- 邪視はもともと「山の怪」。山の怪は「神」と崇められるほどの存在
- 並の人間が取り憑かれたら、気がふれて細胞が壊れて死ぬ
- だから、霊力の高い人間だけを狙う
- そういう意味で、ジジは最高の器
41話でも、ターボババアはジジを霊能力の天才で、体も強いと言っていました。41話の「天才」が、50話では「器」という言い方に変わる。褒め言葉に聞こえないところが怖い。
しかも邪視は、まだ生まれたばかりで、これから強くなる。ジジの中にいるのは、育ちざかりの神さまです。天才の意味が分かる回は41話のネタバレ感想・考察に。
ババアの説明の途中には、野原の向こうでくねる白い影のコマがあります。コメント欄には、公開直後から「くねくねだ」という声が上がりました。
くねくねは、2003年頃からネットで広まった怪談です。田んぼの向こうでくねくね動く白いものの正体を知ると、正気を失うとされています。
ババアが口にしたのは「山の怪」という言葉です。それでも「気がふれて」と並べると、読者がくねくねを思い出してゾッとした理由はよく分かります。
そのうえで、備えは三つに決まりました。
- ジジは神越市から出ず、冷たい水に近づかない
- 星子と神主の満次郎が、ジジを見張る
- モモとオカルンは、お湯を入れた魔法瓶を持ち歩く
題の「みんなでお湯を持とう」は、この備えのことでした。ところが魔法瓶を受け取った二人は、かける練習をした後、カップに注いだお湯をそのまま飲んでしまいます。
アニメ第17話の公式ショートでも、魔法瓶にお湯を注ぐ場面が切り出されています。
もらってすぐ二人で飲んでいて笑った、という書き込みにも1,100件を超える支持。貴重なはずのお湯です。
邪視からジジを戻す切り札が、配られた直後に二人のおなかの中。備えとしては、まだ練習が要ります。
本名を聞いても「シャコ星人」|見送りと、牛のそばでの新しい暮らし
シャコ星人とチキチータも、ここで綾瀬家を離れます。47・48話で宇宙船ごと駆けつけてくれた親子に、見送るモモがまず礼を言う。オカルンと愛羅も一緒です。
別れ際、モモは本名を尋ねます。返ってきたのは、地球の発音で言うと、という前置き付きの名前。電撃オンラインが記事の題で伏せ字にしたほどの下ネタで、ここにもとても書けません。
聞いた三人は、そのまま「シャコ星人」と呼んで見送りました。本名を知ったうえで、誰も呼び方を変えない。
地球の発音まで添えて名乗ったのに、一度も呼ばれずに見送られる。シャコ星人、それはそれで不憫です。
その本名をそのまま書き込んだコメントが、50話のコメント欄で最も多い4万8,000件超の支持を集めています。
| 話数 | シャコ星人親子と牛 |
|---|---|
| 27話 | 星子の知り合いの酪農家から牛を一頭もらい、自分の星へ帰る |
| 49話 | 星では牛の乳を搾れず、息子を連れて地球へ戻ってきた |
| 50話 | 近くの酪農家に住み込みで働くことにして、帰っていく |
牛をもらって帰った親子が、今度は牛の世話をする側に回る。息子に毎日要る牛乳の、すぐそばです。宇宙人を働き手に迎えた酪農家の心の広さに、驚く声もありました。
牛一頭をもらった日は27話のネタバレ感想・考察で、乳が搾れずに戻ってきた事情は49話で読めます。
後部座席の指と、両親の前で泣いたジジ|48話の抱擁から、車の中の指先へ
翌日、星子、モモ、オカルン、太郎の中のジジは、神主の満次郎が運転する車で、ジジの両親が入院する病院へ向かいます。
後部座席にはモモとオカルン。手が触れたところで、モモの指がオカルンの手の上でちょこちょこといたずらを始めます。二人そろって赤くなる。
48話では、溶岩の底から戻ったオカルンを、モモが抱きしめていました。全身で抱きしめた相手と、50話では指先だけでやりとりしている。
距離が縮んだのか、照れて一歩引いたのか。どちらにも読めるのが、この車内のいいところです。
その空気を壊すのが、前の席のジジです。太郎が自分の声に合わせて動いてくれない、とモモに訴えて割り込みます。
前の席では声と体がかみ合わず、後ろの席では指がかみ合っている。同じ車で、温度差がすごい。
指でトントンする場面が尊い、という書き込みは2万9,000件を超える支持。連載5周年の公式エピソード投票でも、50話はラブコメ部門で34位に入りました。
病院で泣いたジジと、ゲッツとワカチコ
病院に着くと、ジジは無事な両親を前に涙ぐみ、抱きつきました。38話でジジの頭によみがえったのは、両親が自ら命を絶とうとした日の光景でした。
その二人が、病室で元気に迎えてくれる。この再会は、笑いに変えずに読みたい。
読者が気づいたのは、泣いても邪視にならないこと。涙は体温で温かいから、という説まで出ていました。両親の件の始まりは38話のネタバレ感想・考察で読み返せます。
ただし、しんみりしたままでは終わりません。モモに言われて、太郎がジジの言葉に合わせて体を動かすことになります。
両親の前でジジは「ゲッツ」のつもり。ところが体は「ワカチコ」だった、とコメント欄からツッコミが飛んでいます。
「ゲッツ!」はダンディ坂野さんの持ちネタで、2003年に新語・流行語大賞にノミネートされました。「ワカチコ」は、ゆってぃさんがネタの締めに使う言葉です。
地底人だった鬼頭ナキ|36話の「ただの強ぇババア」と、46話でモモが守った相手
病院のテレビが、ジジが住んでいた村のニュースを流します。山火事は収まり、鬼頭家は警察に逮捕された。ただ一人、鬼頭ナキだけが逃げている。
49話では姿を見せず、どうなったのかと読者が気にしていた鬼頭家のババア。その鬼頭ナキの名前が、年齢不詳という扱いでニュースに流れます。報道のほうも、年を測りかねている。
そして最後のページ。森に隠れたナキは、人の姿をはぎ取って本当の姿を現します。鬼頭家のババアの正体は、地底人。その一族を背負うように、モモへの復讐を口にします。
アニメ第17話の公式ショートでも、正体を現したナキがモモの名前を叫ぶ場面が切り出されています。
| 話数 | 鬼頭家のババアとモモ |
|---|---|
| 36話 | 人間離れした動きと技「穴根打」で、モモを壁ごと吹き飛ばす。何者かと聞くモモに、ターボババアは「ただの強ぇババア」 |
| 46話 | 邪視に狙われたババアを、モモが助ける。ジジに人殺しをさせないため |
| 50話 | 一族が逮捕される中で一人逃げ、地底人の正体を現してモモへの復讐を誓う |
46話でモモがババアを助けたのは、ババアのためではなく、ジジに人を殺させないためでした。その守った相手が、そもそも人ではなかった。
「ただの強ぇババア」の「ただの」、50話でいちばん外れていた言葉です。
なんでただのババアが強いのか、への完璧な答えだ、という声もありました。邪視の攻撃を受けて致命傷にならなかった時点で怪しかった、と振り返る人も。
読者の読みが広がったのは、邪視の恨みの向け先です。人柱を捧げてきた側の中心が地底人なら、憎むべき相手は人間ではなかったのでは、と。作中で答えはまだ出ていません。
36話の技名「ぢぇにふぁろぺす穴根打」を、地底人が繰り出していたと思うと笑える。そんな書き込みもありました。
モモが吹き飛ばされた回は36話、モモが助けた場面は46話のネタバレ感想・考察で読み返せます。
モモがババアを邪視から引き寄せた46話と、穴根打が邪視へ向く47話は、どちらも単行本6巻です。地底人と知ってから読むと、あの共闘の相手が別の顔に見えてきます。
応援コメント欄の50話|本名、らんま、指、そして地底人
50話の応援コメント欄は3,700件を超えます。上位に並んだのは、本名とらんまと指でした。
| 書き込みの中身 | 1件への「いいジャン」 |
|---|---|
| シャコ星人の本名を、そのまま書き込む | 4万8,000件超 |
| らんまのオープニングを歌い出して笑った | 3万2,000件超 |
| 指でトントンする場面が尊い | 2万9,000件超 |
| ババアが地底人、山の怪はくねくね、本名、両親と全部を挙げる | 2万4,000件超 |
| 先週「らんまかよ」、今週「らんまの自覚あったんかよ」 | 2万1,000件超 |
| チキチータと遊ぶ愛羅がかわいい | 1万3,000件超 |
最大の衝撃だったはずの地底人は、4位の書き込みの中に入っています。本名とらんまと指に押されて、正体の発覚が単独で上位に立てない。
「1話の情報量じゃないんよ」という書き込みにも1,000件を超える支持。体質の整理、謝罪、見送り、お見舞い、正体の発覚までが、21ページに入っています。
50話は単行本7巻の最初の話です。邪視の一件が6巻で区切られ、7巻はお湯の魔法瓶と、地底人の宣戦布告から始まります。
まとめ|50話は、お湯を持ち歩く日々と、地底人の宣戦布告が始まる回
『ダンダダン』50話「みんなでお湯を持とう」は、お湯を持ち歩く備えを決め、シャコ星人を見送り、ジジの両親を見舞った後で、鬼頭ナキが地底人の正体を現す回でした。
魔法瓶が一本と、敵が一人。50話で、モモたちの荷物はどちらも増えました。
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