『ダンダダン』42話「脱出! 多段式!」は、邪視に体を奪われたジジとの蹴り合いから、モモだけを地上へ逃がす回です。オカルンが椅子ごと蹴り上げ、モモが念力で跳ぶ。地上に出たモモは、ジジの家に火をつけます。
ラストは、地下でオカルンの前に邪視ジジが現れ、地上には消防車が近づいてくるところ。上と下で、同時に次の勝負が始まります。
いちばん面白いのは、41話で「許さない」と言い放ったオカルンが、42話でまずやることが「逃げる」ところです。
許さないと宣言して、話をまたいだ最初の行動が撤退。オカルン、キレていても段取りだけは冷静。
※原作漫画第42話までのネタバレを含みます。第43話以降の展開には触れません。
この記事でわかること
| 人物 | 41話までの状況 | 42話での関わり |
|---|---|---|
| ジジ(邪視) | モモの幼なじみ。遊ぶ約束をした直後、鬼頭家に生贄にされた少年の霊・邪視に体を奪われた | オカルンと蹴り合い、モモが逃げた後の地下でオカルンの前に現れる |
| 綾瀬桃(モモ) | 邪視に蹴られ、殴り飛ばされた | 椅子と念力で地上へ。ジジの家に火をつける |
| オカルン | モモを殴った邪視に怒り、蹴りを足で受け止めた | モモを抱えて逃げ、変身して椅子を蹴り上げる。自分は地下に残る |
| モンゴリアンデスワーム | 呪いの家の球に貫かれ、天井の土の中へ逃げた | 土に隠れたまま毒を噴き、地下を毒で満たしていく |
『ダンダダン』42話のあらすじ|蹴りの激突から、消防車が近づくまで
42話は、41話ラストの蹴りの激突から始まり、地上に消防車が近づくところで終わります。前半は地下の脱出、後半は地上のモモの一人作戦です。
- 邪視ジジとオカルンの蹴りがぶつかる。弾かれたオカルンは、そのままモモを抱えて逃げ出す
- 土に隠れたミミズが毒を噴き、地下が毒で満ちていく。弱点は太陽の光だが、ここは地下
- オカルンは、モモ一人なら地上へ逃がせると考え、ジジのことは自分がなんとかすると引き受ける
- 椅子に乗ったモモを、変身したオカルンが下から蹴り上げる。モモは念力で跳び、穴の縁をつかんで地上へ
- 脱出を喜ぶオカルンの前に、邪視ジジが現れる
- 地上のモモは、つないだカーテンを穴へ垂らすが、まるで届かない
- 幼いころジジと見た干からびたミミズを思い出し、雑誌をガスコンロで燃やして家に火をつける。火事を知らせると、消防車が近づいてくる
オカルンが邪視の蹴りを受け止めるまでは、41話のネタバレ感想・考察で追えます。42話の扉は、その蹴りと蹴りがぶつかった瞬間から始まります。
配信当日には、担当編集の林士平さんもXで42話を告知しました。添えられた扉のアオリは「殺蹴り合い!」です。
扉の下の段には、涙目で口を開けたモモ。蹴り合う男二人の真下で、見ている側がいちばん追い詰められた顔をしています。
第42話「脱出! 多段式!」は2022年2月1日に少年ジャンプ+で公開されました。単行本では6巻、41話のすぐ後に入っています。
アニメでは、2025年7月放送の第2期第15話「ゆるさねえぜ」が、モモの脱出から地上の作戦までを描いています。
「許さない」の次は撤退|オカルンがジジを引き受けた一言
41話のラストで、モモを殴られたオカルンは邪視を許さないと言い放ちました。42話で最初にしたのは、そのモモを抱えての撤退です。
応援コメント欄では「だが逃げるッ」という書き込みに3,600件を超える「いいジャン」。怒りの宣言から背中を見せるまでの切り替えに、読者が飛びつきました。
逃げる理由ははっきりしています。土に潜ったミミズが毒を噴き、地下の空気はどんどん悪くなる。今は邪視を倒すより、モモを地上に出すほうが先です。
| 比べる点 | 41話のラスト | 42話 |
|---|---|---|
| 邪視への言葉 | モモを殴ったことを許さない | 許さないという言葉は引っ込めない |
| 体の使い方 | 邪視の蹴りを、自分の足で受け止める | モモを抱えて逃げ、椅子ごと地上へ蹴り上げる |
地上へ出られるのはモモ一人。ジジを置いていくことを気にするモモに、オカルンはジジのことは自分がなんとかすると引き受けます。
31話では恋のライバルとして戦うと言った相手です。32話のネタバレ感想・考察で追った電車の道中で、オカルンはもう嫌いになれなくなっていた。
42話では、その相手を地下から連れ帰る役を、自分から買って出ています。
許さない相手と、連れて帰る相手が、同じ体に入っている。オカルン、42話でいちばん面倒な仕事を自分で引き取った。
MBS animation公式のショートの題は「オカルンがモモに、モモがオカルンに“お願い”すること」。守るだけの場面ではなく、頼み事が一往復しています。
題の「多段式」の中身|椅子とオカルンの蹴りとモモの念力
題の「多段式」は、モモを地上へ打ち上げるやり方のことです。天井の大穴は高く、一回の跳躍ではとても届きません。
| 段 | 押し上げる力 | 起きたこと |
|---|---|---|
| 1段目 | 変身したオカルンの蹴り | モモを乗せた一人掛けの椅子を、下から蹴り上げる |
| 2段目 | モモの念力 | 椅子の勢いが止まったところで、念力で跳ぶ |
| 3段目 | もう一度、モモの念力 | まだ届かない縁まで体を運び、手でつかんで地上へ |
本物のロケットが何段にも分かれているのは、燃え終えた機体を切り離して身軽になり、速度を上げていくためだとJAXAは説明しています。
42話の1段目は、椅子とオカルンでした。椅子は蹴られた勢いで役目を終え、オカルンは地下に残る。切り離された1段目が、そのまま邪視の前に立っているんです。
応援コメント欄の最上位も、この打ち上げの直前です。変身しながらの「じゃあモモちゃんいくぜぇ……」に、3万4,000件超の「いいジャン」が付きました。
ふだんの一人称は「ジブン」なのに、蹴り上げる瞬間は「いくぜぇ」。オカルン、点火と同時に口調まで変わる。
アニメでこの打ち上げを切り出した公式ショートの題は、そのものずばり「3、2、1、ゴーーーーーー」です。
読者の中には、27話を思い出した人もいました。阿部寛のものまねを続けたまま玄関へ出たモモが、繰り返していたのが「ロケットエンジンバルブ!」。そのドアの向こうにいたのが、初登場のジジです。
「まさかこの章最初のロケットエンジンバルブが伏線になるとは」という書き込みも。作者がどこまで狙ったかは分かりません。
それでも、ジジを出迎えた日にロケットと叫んだモモが、15話後にはジジの家の地下から自分で飛んでいる。その出迎えは27話のネタバレ感想・考察で振り返れます。
ものまねのままジジを出迎えた27話も、オカルンがジジを嫌いになれなくなった32話も、単行本4巻。42話でオカルンが連れ帰ると決めた相手と、どう出会ったかが読めます。
地上のモモが家に火をつけるまで|届かないカーテンと干からびたミミズ
地上に出たモモは、ここから一人で動きます。オカルンたちを引き上げる綱づくりから、火をつけるまでの順番はこうです。
- 部屋のカーテンを全部外して結び、穴へ垂らす。まるで届かない
- 毒を止めるか、ミミズを倒すか。考え込んだモモは、幼いころジジと二人で見た、地面で干からびたミミズを思い出す
- スマホを探すが、持っていないことに気づく
- 散らばった雑誌をガスコンロで燃やし、家に火をつける
- 火事だと知らせると、消防車が近づいてくる
カーテンの綱には「一生懸命作ったのにめちゃくちゃ短いの可愛い」という声。カーテンのおかげで穴の高さがよく分かった、という声もありました。
多段式が必要だった理由を、地上側から測ったことになります。
幼なじみとの思い出をヒントに、幼なじみの家に火をつける。家主のジジ、いま地下で体ごと留守にしてる。
電話がなくても、火事なら向こうから来る。42話はそこで終わり、火の先に何を狙うのかは、まだモモの口から語られません。
| 話数 | 相手とモモの手 | その話での結果 |
|---|---|---|
| 6話 | カニの地縛霊を温泉へおびき寄せ、熱い湯を念力で浴びせる | 動きが鈍り、逃げる時間を稼ぐ |
| 24話 | シャコの腕を持つ合体怪物に殴られる瞬間、念力で周りの水を退ける | 水のない場所で打ったパンチで、怪物の腕が自分で砕ける |
| 42話 | 土に隠れたモンゴリアンデスワームを前に、ジジの家に火をつけて火事を知らせる | 消防車が近づいてくるところで、42話は終わる |
どれも、念力で殴り勝つ作戦ではありません。24話のネタバレ感想・考察で見た、水を取り上げてシャコの腕を自滅させた一手。今回の火も、同じ系統に見えます。
コメント欄にも、シャコの時と同じく力押しでなく頭で倒すのが好きだという声に2,200件超。読者もあの水の一手を覚えていました。
熱い湯でカニを止めた逃走劇は、6話のネタバレ感想・考察から読み返せます。あのころは時間稼ぎが精一杯。42話のモモは、地上から盤面ごと動かしにかかっています。
応援コメント欄の42話|「いくぜぇ」とミミズの生態とブリーフ
42話の応援コメントは1,700件余り。上位は、オカルンの格好よさと、なぜかミミズの生態の話で埋まりました。
| 場面 | 読者の受け止め |
|---|---|
| 変身しながらの「いくぜぇ」 | 3万4,000件超で最上位。オカルンがすっかり主人公をしている、という声も |
| 干からびたミミズの記憶 | 雨の日に土から出て、アスファルトで干からびるミミズの解説に2万2,000件超。子どものころの水攻めを思い出す声も |
| 邪視ジジの格好 | 最初のコマのブリーフに目が行った、ブリーフと半裸なのを忘れるほどのバトル、という声がそれぞれ1万件前後 |
| モモとオカルンが向き合うコマ | 身長がほぼ同じで、正面から目が合うのがいいという観察 |
| 地上の火事 | ジジの家が燃えているのに笑ってしまう声、田舎なのに消防車が早いというツッコミ |
| 読者の戸惑い | モモの髪の色が変わっていないか、ターボババア(招き猫)はどこへ行ったのか |
髪の色には、ミミズの粘液が乾いたせいだと答える読者も。モモが粘液で動けなくなっていたのは、ほんの少し前の話です。
ミミズの解説が3位に入るのは、この回ならでは。モモが思い出した干からびたミミズは、読者にも見覚えのある光景でした。怪物退治のヒントが、子どものころの道端に落ちていた。
42話は単行本6巻に入っています。読者が「縦の構図」と褒めた打ち上げの場面を、椅子が蹴り上がるところから、モモの手が穴の縁にかかるまで確かめられます。
まとめ|42話は、怒りを抱えたまま二人が上と下に分かれる回
『ダンダダン』42話「脱出! 多段式!」は、オカルンが多段式でモモを地上へ逃がし、地下で邪視ジジと向き合う一方、地上のモモがジジの家に火をつけて消防車を呼び寄せる回でした。
地下では許さない宣言、地上では家に火。42話の二人、穏便な手を一つも使っていない。
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