『薬屋のひとりごと』の玉葉妃(ギョクヨウヒ)は、茘(リー)の西の端にある戌西州の都・西都の出身です。異国の商人が行き交う、交易と国境の街で生まれました。
父は西都を治めてきた玉袁(ギョクエン)、いちばん上の兄は玉鶯(ギョクオウ)。母は赤い髪と碧眼を持つ元踊り子で、玉葉妃のあの色彩は母譲りです。
玉袁は子を持てない体質で、妻たちが別の男性との間に授かった子を育てています。玉葉妃は戸籍の上では玉袁の娘でも、父とも兄・玉鶯とも血がつながっていません。
しかも兄の玉鶯は、異国の血を引く末の妹を疎んできた人物です。家族の顔ぶれを並べるほど、後宮で楽しそうに笑う玉葉妃の裏側が見えてきます。
家系図を確かめに来たら、家系図の前提そのものがひっくり返る。玉の一族、そう素直には読ませてくれません。
※原作小説8〜12巻と、Web版「西都編」「西都編2」「華佗編2」のネタバレを含みます。家族の細かな続柄や後日談はWeb版を基準に整理しています。
この記事でわかること
| 人物 | 読み | 玉葉妃との関係 |
|---|---|---|
| 玉袁 | ギョクエン | 父。ただし血のつながりはない |
| 玉鶯 | ギョクオウ | 家族としての長兄。実の父も母も玉葉妃とは異なる |
| 鴟梟・銀星・飛龍・虎狼 | シキョウ・インシン・フェイロン・フーラン | 玉鶯の子。玉葉妃の甥と姪 |
| 白羽・黒羽・赤羽 | ハクウ・コクウ・セキウ | 同郷の侍女の三姉妹 |
| 陸孫 | リクソン | 三姉妹の従兄。玉鶯の補佐役 |
| 雀 | チュエ | 壬氏(ジンシ)付きの侍女。玉鶯の妻と別の男性との娘 |
| 大海・幼達 | ダーハイ・ヨーダ | 玉袁の三男と七男。幼達は字(あざな) |
| 小紅・玉隼 | シャオホン・ギョクジュン | 玉鶯の孫。銀星の娘と鴟梟の息子 |
| 鈴麗 | リンリー | 玉葉妃と今の帝との娘 |
| 馬良 | バリョウ | 雀の夫。壬氏に仕える文官 |
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玉葉妃の出身は西都|交易と国境の街で育った「胡姫」
玉葉妃の故郷・西都は、茘の西方を占める戌西州の中心都市です。砂漠を越えてくる隊商や異国の品が集まる、西の交易の拠点として描かれます。
ただ、華やかな商都というだけでは終わりません。国境に近いぶん国を守るための負担が重く、作物も取れにくい。豊かさと危うさが同居した土地です。
| 項目 | 西都と戌西州の姿 |
|---|---|
| 場所 | 茘の西の端。砂欧(シャオウ)などの異国に近い |
| 商い | 東西を結ぶ交易の中継地。葡萄の栽培が盛んで、葡萄酒も作られる |
| 抱える事情 | 国境に近く国防の負担が重い。不作や蝗害にも苦しむ |
| 治めてきた家 | かつては女系の戌の一族。17年前の族滅の後は玉袁の家 |
この故郷は、後宮の翡翠宮にもちゃんと持ち込まれています。調度品には異国の品が多く、商隊がやってくると、故郷から来た侍女たちが懐かしそうに品物を眺める。
そして何より、玉葉妃本人です。赤い髪に翡翠の瞳を持つ姿から、作中では異国の血を引く姫「胡姫」と呼ばれます。母が西方から来た踊り子で、その色をそのまま受け継ぎました。
アニメ公式が2024年に公開したキャラクター紹介では、皇帝の寵愛が最も厚い貴妃で、聡明で思慮深い人物とされています。西都の家の事情を知ってから見ると、この落ち着きの重さが違ってきます。
后になってからは、この出身が政治の話にも変わります。隣国ともめた時、戌西州は国の盾になる土地。帝にとって、玉葉后の実家と仲良くしておく意味は小さくありません。
後宮いちばんの寵妃は、国境の街の娘でもある。
年齢や名前の読み、後宮での普段の顔は玉葉妃のプロフィールにまとめています。ここから先は、その笑顔の後ろにいる家族の話です。
父・玉袁とは?元戌の一族の商人が「帝の舅」になるまで
玉葉妃の父・玉袁は、ふっくらした顔に柔らかな笑みを浮かべた、人のよさそうな商人上がりの人物です。ところが経歴をたどると、見た目の印象がまるで当てになりません。
玉袁の生まれは、かつて西都を治めた戌の一族。男は外の世界へ出るという一族の決まりに従って家を離れ、商人として身を立てました。
戌の一族は女が長を継ぎ、男は大人になると外へ出て、商人や遊牧の民として西の地の情報を集める家でした。玉袁もその一人として外へ出て、商売の道へ進みます。
- 一族の外へ出る:戌の一族の男として育ち、決まりどおり家を離れる
- 西都の大商家へ:絹織物や焼き物を輸出し、玻璃細工や葡萄酒を扱って商いを広げる。妻を何人も迎える
- 戌の一族の族滅:17年前、謀反の疑いで一族が滅ぼされる。偽りの訴えには玉袁の家の印が使われていた
- 西都を治める立場へ:玉袁が宮廷へ直談判し、元戌の一族として西都を任される
- 帝の舅に:玉葉が後宮へ入り、東宮を産んで后になる
- 都の重鎮へ:都へ呼ばれ、帝から一族に「玉」の字を賜る。そのまま中央に残る
西都での玉袁の家は、「新しい楊さん」と呼ばれる新顔の商家でした。宮廷から一族の名を与えられた家柄ではなく、商売で大きくなった家です。
それが娘の入内で帝の舅になり、ついには一族として「玉」の字まで賜る。名もない商家から、宮廷の名持ちの家へ。一段ずつ、取りこぼしなく上がっていく。この手堅さ、見ていて少し怖いくらいです。
都に移った後の玉袁は、地方出身の官たちの支持を集め、「皇后派」とも呼ばれる一派の顔になります。作中でも、好々爺の見た目にだまされてはいけない、食えない人物として見られています。
8巻の序話で描かれる、母と父が教えた「笑顔」
小説8巻の序話では、兄の子どもたちに髪を引っ張られ、泥を投げられる幼い玉葉が描かれます。母は正妻ではなく、兄は母と同じくらいの年齢。家の中での立場の弱さが伝わってきます。
| 教えた人 | 幼い玉葉に伝えたこと |
|---|---|
| 母 | 笑顔でいること。玉葉が日々を過ごすための支えになる |
| 父・玉袁 | 玉葉の可能性を認め、国で一番にすると約束する。絶望せず、楽しいことを探す生き方を教える |
父は娘についた泥を拭い、頭をなでます。いじめられている子に、国で一番になる未来を約束する。その大きな話を、玉葉はちゃんと心の支えにしていくんですね。
後宮の玉葉妃は、いつも面白い話を待っていて、よく笑う人です。その笑顔が、逆風の中で身につけた生き方でもあったと分かると、少し胸が詰まります。
あの屈託のない笑い方、生まれつきの明るさだけじゃなかったんですね。猫猫(マオマオ)をからかって楽しそうにしている場面まで、ちょっと違って見えてきます。
小説8巻の序話を読んでから翡翠宮の場面に戻ると、玉葉妃の笑い声に、母と父の教えや幼い日の踏ん張りが重なって聞こえてきます。
玉葉妃と玉袁に血のつながりはない?家族に隠された出生の秘密
血のつながりはありません。玉袁は子を持てない体質で、長男の玉鶯から末っ子の玉葉妃まで、子どもたちは全員が玉袁の実の子ではないのです。
この秘密を打ち明けたのは玉袁本人。相手は、族滅を生き延びたばかりの戌の一族の少年で、当時13歳の陸孫です。都へ向かう馬車の中での告白でした。
- 最初の妻との間に子ができない:6年たっても玉袁との子は生まれない
- ほかの妻とも同じ結果:自分の体質だと悟り、実の子をあきらめる
- 身ごもった寡婦を探す:賢く気丈な母親に、生まれる子を玉袁の子として育てる話を持ちかける
- 書面で契約を結ぶ:子の養育と将来を約束する代わりに、母は秘密を守り、才覚を家に提供する。子は戸籍上も玉袁の子になる
理由は、商人が子を作れないのでは格好がつかないから。家族の話を聞いていたはずが、途中から契約書の話になっている。玉袁、どこまでも商人です。
ではなぜ、それほど大勢の妻がいたのか。陸孫は幼い頃、玉袁を女好きなのかと不思議に思っていました。実際は、才覚ある母親たちと子どもごと結んだ契約だったわけです。
| 比べる点 | 玉葉妃 | 兄・玉鶯 |
|---|---|---|
| 母 | 玉袁のいちばん新しい妻。赤い髪と碧眼の元踊り子 | 玉袁の最初の妻。風読みの一族の出で、砂欧で奴隷にされていた女性 |
| 実の父 | 母の前の夫ではないか、と玉袁は考えている。Web版のこの告白では名前は不明 | 砂欧のどこかの誰か、と玉袁は見ている |
| 戸籍の上 | 玉袁の娘で、子どもたちの末っ子 | 玉袁の長男 |
| 異国の血 | 西方の血が色濃く、見た目にもはっきり出ている | 玉袁は実父を砂欧の人物と推測する。顔立ちは茘の人に近い |
玉葉妃と玉鶯は、同じ父を持つ実の異母兄妹ではありません。家族としては兄妹でも、実の父も母も異なる。玉袁を父とする家系図と、血縁だけの図は一致しないのです。
Web版で玉袁が出生の秘密を語る時点では、玉葉妃の実父の名前や素性は分かりません。戸籍に手掛かりがあるかもしれない、という玉袁の推測です。
しかもその戸籍が、ある人物の手に渡ってしまいます。玉鶯の死後、陸孫は雀に、彼女が手に入れた戸籍を処分してほしいと頼みました。后の父がどこの誰か分からないと知れれば、宮廷は面倒な騒ぎになるからです。
雀の返事は、上司に相談するというもの。この場面だけでは、戸籍が実際に処分されたとは分かりません。出生を隠したい陸孫と、情報を握った雀。それぞれの立場が残る終わり方です。
国母になる人の出生が、紙切れ一枚に乗っている。読んでいて背中がひやっとしました。
Web版「四十八、軍師の采配」では、玉袁がこの秘密を馬車の中で語り切ります。頭を抱えていた小太りの男が、ずさんな勅令を逆手に取る算段を語り出した途端、したたかな商人の目へ変わる。この落差が怖いくらいです。
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兄・玉鶯とは?玉葉妃を疎んだ長兄と、その最期
玉鶯は玉袁の長男で、玉葉妃とは親子ほど年の離れた兄です。玉袁が都へ移ってからは、西都の仮の主として政務を仕切っていました。
西都での評判は悪くありません。気さくで平民にも声をかけ、芝居の英雄になぞらえたあだ名まで付けられていました。ただ、一つだけ譲らない考えがあります。
玉鶯は異国人を嫌い、異国人はいずれ西都を脅かすと子どもたちに教え込んでいました。赤い髪の末の妹は、そのいちばん近くにいた標的です。
後に玉鶯の長女・銀星は、父の教えを真に受けて、異国の血を持つ者なら虐げていいと思い込んでいたと打ち明けます。
猫猫に「玉葉后にも?」と聞かれた銀星が返したのは、否定ではなく沈黙でした。
しかも銀星から見れば、玉葉妃は年下の叔母です。姪が、年下の叔母をいじめていた。家の中で、異国の血がどれほど居心地の悪いものだったかが伝わってきます。
この告白の場面がまた苦い。銀星の娘・小紅(シャオホン)は、根元の明るい髪を黒く染めて暮らしていました。
蝗害で染料が手に入らず、地毛が伸びてきたところで、いとこの玉隼(ギョクジュン)に手を出されたのです。
異国の色を持つ叔母を虐げていた人が、今は明るい髪の娘をかばう側にいる。猫猫が勘で聞いただけの一言が、そりゃ深く刺さりますよ。
- 17年前:戌の一族を陥れる。玉袁の家の印が使われた訴えで族滅が起き、陸孫の母と姉を手にかけたのも玉鶯だった
- 西都の仮の主に:玉袁が都へ移り、その補佐として中央から陸孫が送られてくる
- 後宮へ娘を送り込む:養女を入内させたいと壬氏へ直接申し入れる
- 蝗害のあと:食糧難を背景に、砂欧の港を狙う戦を進めようとする
- 公所での最期:刃を向けた農民を返り討ちにした直後、陸孫に命を奪われる。表向きは賊に討たれたとされた
この最期の流れはWeb版です。事件に関わる人物の設定や経緯は、書籍版と同一とは限りません。それぞれの版の物語として読んでください。
この最期の場所がまた皮肉です。玉鶯が執務室にしていたのは、もとは戌の一族の屋敷で、陸孫の母が使っていた部屋。17年前に自分が踏み込んだ場所で、玉鶯は倒れます。
もう一つの皮肉が、玉鶯自身の血です。異国人を嫌った玉鶯の実の父も、砂欧の人物ではないかと玉袁は考えていました。
玉袁は、玉鶯が母の過去を知って自分の出生を疑っていたと語ります。陸孫も、玉鶯の砂欧攻めの裏に、自分の血の元を消したい思いを見ていました。
異国の色を隠せない妹を疎んだ兄が、実は自分にも異国の血を抱えていた。同情までは行きません。でも、あれだけ赤い髪にこだわった理由が見えてしまうと、何とも言えない気分になります。
玉鶯を討った陸孫が何者で、西都でどう生きていくのかは陸孫の正体と本名で追えます。玉葉妃の家族の話は、陸孫の過去と切り離せません。
玉葉妃の家系図|兄姉・甥姪と侍女の三姉妹までつなぐ
玉葉妃は玉袁の家の末娘で、男兄弟には七男までいます。兄姉、甥姪、その子どもまで世代が重なり、甥や姪の中には玉葉妃より年上の人も。年齢順に並べると、かえって続柄を見失いそうです。
「玉袁の家の親子・兄妹」と「実際の血縁」を分けるのが、この家系図の読み方です。以下の表はWeb版の続柄で、名前や出番のある人物を世代ごとに並べています。
玉袁の妻と子どもたち|玉葉妃は家の末娘
玉葉妃の母と、玉鶯の母は別の女性です。どちらも玉袁の妻ですが、実父まで同じという意味ではありません。次男の陸運、三男の海運、三女の醸造、七男の牧畜と、兄姉は商いを分担しています。

| 人物 | 玉葉妃から見た続柄 | どんな人か |
|---|---|---|
| 玉袁 | 父 | 戸籍上の父。元戌の一族の商人で、玉葉妃との血縁はない |
| 母 | 母 | 玉袁のいちばん新しい妻。赤い髪と碧眼の元踊り子 |
| 玉鶯の母 | 父・玉袁の最初の妻 | 風読みの一族出身。玉葉妃の母ではない |
| 玉鶯 | 長兄 | 西都の仮の主。異国人を嫌い、玉葉妃を疎んだ |
| 次男 | 兄(次男) | 陸運の商いを担当する。飛龍からは、祖父の二番目の息子として紹介される |
| 大海 | 兄(三男) | 海運を担当する。娘が玉鶯の死後の入内候補になる |
| 名前の出ない三女 | 姉 | 西都で酒の醸造所を営む |
| 幼達 | 兄(七男) | 牧畜を営む。男兄弟ではいちばん下 |
| 三つ編みの姉 | 姉の一人(出生順は不明) | 玉葉后のもとを訪れ、父・玉袁への報告役を務める |
兄姉たちは、酒造りや牧畜など、それぞれの分野で西都に根を張っています。母親たちが才覚を家へ提供する、という玉袁の契約を思い出すと、この顔ぶれにも納得がいきます。
Web版「十六、理人国」では、次男が陸運、三男が海運を担うと分かります。玉鶯が家の顔だったとしても、西都の商いを支える兄弟はほかにもいるのです。
玉鶯の子どもと孫|小紅と玉隼はもう一つ下の世代
玉鶯と妻の子は、鴟梟・銀星・飛龍・虎狼の4人です。小紅と玉隼はその子どもたち。玉葉妃から見ると、甥姪の子にあたります。表の年齢はWeb版「西都編2」の序盤時点です。
| 人物 | 玉葉妃から見た続柄 | Web版「西都編2」での姿 |
|---|---|---|
| 鴟梟 | 甥(玉鶯の長男) | 25歳。家を離れて鏢局を営み、跡継ぎ問題の中心に立つ |
| 銀星 | 姪(玉鶯の長女) | 24歳。玉葉妃を虐げていた過去を持つ |
| 飛龍 | 甥(玉鶯の次男) | 23歳。兄を支える真面目な補佐役 |
| 虎狼 | 甥(玉鶯の三男) | 18歳。跡継ぎ争いの裏で動く |
| 小紅 | 姪の娘(銀星の娘) | 明るい地毛を黒く染めていた少女。猫猫が気にかける |
| 玉隼 | 甥の息子(鴟梟の息子) | 猫猫の上司の医官に手を上げた暴れん坊 |
玉鶯の跡継ぎは、単純に長男へ決まりません。鴟梟は遺産を拒み、飛龍と虎狼は兄を支える力を持つ。そこへ玉袁のほかの子どもたちの意見も加わるので、家系図がそのまま西都の勢力図になっています。
雀は玉鶯の娘ではない|妻が異国で産んだ異父きょうだい
雀の母は玉鶯の妻です。ただし、雀の父は玉鶯ではなく、母が異国で暮らしていた時の別の男性。鴟梟・銀星・飛龍・虎狼とは、母が同じで父が違う異父きょうだいになります。
| 人物・関係 | 雀を含めた家族のつながり |
|---|---|
| 玉鶯の妻 | 中央の豪商の娘として玉鶯と結婚。巳の一族として西都を探る役目も持つ |
| 鴟梟・銀星・飛龍 | 妻が異国へ渡る前に、玉鶯との間に産んだ3人 |
| 雀 | 妻が異国で別の男性との間に産んだ娘。玉鶯とは血縁がない |
| 虎狼 | 妻が西都へ戻った後に玉鶯との間に産んだ子。雀より年下 |
| 馬良と子ども | 雀が中央で結婚した夫と、二人の間に生まれた子。玉鶯の実の孫にはあたらない |
母は西都へ帰る際、雀とその父を置いていきます。雀は母と同じ巳の一族へ進みましたが、諜報の師は別の人物。巳の一族の継承も、親から実の子へとは限りません。
Web版「三十一、後継者」では、雀の出生と馬良との結婚がつながります。玉鶯の妻にとって、雀は置き去りにした娘。その娘が、母より上の序列を目指しているのが苦いところです。
入内する大海の娘と、侍女になる玉鶯の養女は別人
後宮につながる若い女性の枝は二つあります。玉鶯が送り込みたかったのは自分の養女。その後、別の枝から選ばれるのが、弟・大海の娘です。
| 人物 | 家のつながり | Web版での行き先 |
|---|---|---|
| 玉鶯の養女 | 玉鶯が養女に迎えた女性。玉鶯の実の娘ではない | 妃にはならず、玉葉后の侍女になる |
| 大海の娘 | 玉袁の三男・大海の娘。家族として玉葉妃の姪 | 入内候補となり、後の「華佗編2」では中級妃として入内済み |
Web版「十二、種まき」では、大海の娘の入内が皇后派の動きと結びつきます。玉葉后と同じ家から妃を送るにも、兄の養女が侍女に収まった後は、別の候補が必要になるわけです。
玉葉妃の夫と子ども|鈴麗公主と東宮
そして玉葉妃自身の家族も、家系図の大事な枝です。夫は今の帝で、子どもは鈴麗公主と赤い髪の男児。男児を産んだ後、玉葉妃は皇后になります。
| 人物 | 玉葉妃との関係 | 家系図での表記 |
|---|---|---|
| 今の帝 | 夫 | 鈴麗公主と東宮の父 |
| 鈴麗公主 | 娘 | 玉葉妃が後宮へ入って産んだ女児 |
| 東宮 | 息子 | 赤い髪で生まれた男児。「東宮」は個人名ではなく皇太子を指す呼び名 |
帝と玉葉妃を結び、その下に娘と息子を並べると、玉袁の家と皇室をつなぐ枝が見えてきます。玉葉妃の旦那である帝との関係も、ここを起点にすると分かりやすいです。
侍女の白羽・黒羽・赤羽は、戌の一族の娘だった
血縁の外で、玉葉妃の過去にいちばん深く絡むのが侍女の三姉妹です。白羽・黒羽・赤羽は、滅ぼされた戌の一族の娘で、陸孫の従姉妹にあたります。
| 家族の枝 | 母と子のつながり |
|---|---|
| 陸孫の母 | 戌の一族の女性。陸孫と、その姉の母 |
| 陸孫の母の末の妹 | 白羽・黒羽・赤羽の母。陸孫から見れば叔母 |
| 白羽・黒羽・赤羽 | 年子の三姉妹。白羽が長女、黒羽が次女、赤羽が三女 |
| 玉葉妃と母 | 三姉妹とその母を助けた側。三姉妹の実の家族ではない |
玉袁も陸孫も戌の一族に属しますが、それだけで二人の続柄や玉葉妃との血縁は決まりません。三姉妹の母は陸孫の叔母。この関係からつなぐと、親子を取り違えずに読めます。
- 族滅の日:暴徒が戌の一族の屋敷へ押し寄せ、陸孫の母が、末の妹と子どもたちを裏口から逃がす
- 逃げ込んだ先:玉袁のいちばん新しい妻の家。赤い髪の女性が裏口へ招き入れる
- 小さな女の子:赤い髪に緑の目の娘が、泣く三姉妹をなでて奥の部屋へ連れていく
- その後:三姉妹と母親は、戌の一族と気づかれないまま赤い髪の女性のもとに残る
赤い髪の女性は、玉葉妃の母。母に「葉」と呼ばれて三姉妹の手を引いた女の子が、幼い日の玉葉妃です。
后と侍女になる前に、泣いている小さな子の手を引いた日があった。翡翠宮に三姉妹がいる意味が、ここで一気に変わります。
のちに三姉妹は、后の故郷から来た侍女として翡翠宮へ上がります。玉葉妃の侍女たちの顔ぶれの中でも、この三人だけは西都の過去ごと仕えているわけです。
陸孫の過去までたどると、玉袁の秘密、玉鶯の罪、三姉妹の生い立ちが、一つの族滅の日から枝分かれしていたことが分かります。翡翠宮で並ぶ侍女たちの姿にも、助かった日の記憶が重なります。
玉葉妃の家族はどこで描かれる?アニメ・小説・Web版の範囲
アニメは2026年10月2日から第3期が放送中です。玉袁と子どもたちの血縁、玉鶯の最期、後継者争いまで知りたいなら、小説とWeb版で西都の物語を追うことになります。
- 原作小説8巻:序話で、幼い玉葉の日々と母・父の教えが描かれる
- 原作小説11巻:蝗害下の西都が舞台。玉鶯の野心と陸孫の過去に関わる物語
- 原作小説12巻:玉鶯の死後の後継者問題。鴟梟・飛龍・虎狼、孫たち、雀の正体を追う
- Web版「四十七、風は泣く 後編」:族滅の日と、幼い玉葉が三姉妹を迎える場面
- Web版「七、小紅」:銀星が、玉葉妃を虐げていた過去に触れられる
- Web版「四十八、軍師の采配」:玉袁が陸孫に、子どもたちとの血縁がないと語る
- Web版「三十一、後継者」:玉鶯の妻、雀、虎狼のつながりと、雀の夫・馬良との暮らし
- Web版「十二、種まき」(華佗編2):大海の娘の入内と、玉鶯の養女のその後
書籍版とWeb版は、同じ場面や設定とは限りません。Web版の続柄・年齢・出来事を、書籍版の全巻に共通する情報としては扱わないようにしてください。
小説12巻では、玉鶯の三人の息子の後継者問題に猫猫たちが巻き込まれます。父がいなくなっても、家の問題は終わらない。甥姪や孫まで追いたいなら、この巻も外せません。
玉葉妃と三姉妹の縁は、後宮へ入るよりずっと前から続いていました。今の笑顔だけを見ていると、その始まりが命懸けの逃避行だったとは思えません。
Web版「四十七、風は泣く 後編」は、陸孫の視点で族滅の日を追う話です。地獄のような一日の途中に、幼い玉葉が三姉妹をなでる短い場面がある。ここだけ空気が柔らかくて、かえってつらい。
アニメで玉葉妃を見ているなら、今はまだ翡翠宮の楽しそうな寵妃の顔が中心です。放送日や配信先は第3期はどこで見れるかをまとめた記事で確かめてください。
先に家族の事情を知ってからアニメを見ると、玉葉妃が猫猫に向ける好奇心や、故郷の話をする時の顔が、また別の色に見えてきます。
Web版「七、小紅」では、猫猫の一言で銀星が言葉を失います。玉葉妃本人は出てこない場面なのに、幼い頃の居心地の悪さがいちばん生々しく伝わる回です。
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まとめ|玉葉妃は西都の末娘で、家族とは「契約」でつながっていた
玉葉妃は茘の西の交易都市・西都の出身で、玉袁の子どもたちの末っ子です。ただし父の玉袁とも、長兄の玉鶯とも、血のつながりはありません。
血のつながらない兄からは疎まれ、母と父の言葉に支えられて笑顔を覚えた。玉袁の家では、血縁だけでは測れない契約や親としての選択が、玉葉妃の人生を形作っています。
その中で玉葉妃は、異国の色を隠さないまま、国の女性の頂点にまで上がりました。
族滅の日に泣く子の手を引いた小さな女の子が、今はその子たちを侍女としてそばに置き、笑っている。家系図をたどった最後にこの並びが残るのが、なんだかうれしいです。
玉葉妃の笑顔を見るたびに、あの赤い髪の小さな女の子を思い出してしまいそうです。
※当サイトで使用しているイラストは、記事内容を補足するイメージです。特定の著作物・キャラクター・場面の再現を目的としたものではありません。本記事は作品公式および関係各社とは関係のない非公式記事であり、感想・考察には当サイトの見解を含みます。
※本記事の情報は2026年10月5日時点で確認しています。放送・配信状況、料金、特典、キャンペーン、商品情報などは変更される場合があるため、最新情報は各公式サイト・販売ページをご確認ください。
