『薬屋のひとりごと』の玉葉(ギョクヨウ)妃は、皇帝とのあいだに二人の子を産んでいます。一人目は娘の鈴麗(リンリー)公主、二人目は男の子で、のちに「東宮」と呼ばれる皇子です。
二人目の出産は、アニメ第2期の第42話「鬼灯」で産気づき、第48話「はじまり」で男児の誕生が語られます。原作小説では4巻の出来事です。
ただ、この出産でいちばん胸に引っかかるのは別のところです。逆子を心配して手を尽くした猫猫(マオマオ)は、玉葉妃が産気づいた日、後宮から連れ去られていて、その場にいませんでした。
もぐさまで作って備えていたのに、本番には立ち会えない。代わりに玉葉妃のそばにいたのが、猫猫の養父・羅門(ルォメン)でした。
※この記事はアニメ第2期最終話までと、原作小説・Web版の後宮編以降のネタバレを含みます。
この記事でわかること
| 人物(読み) | 立場 | 出産との関わり |
|---|---|---|
| 玉葉妃(ギョクヨウ) | 翡翠宮の上級妃 | 二人目の男児を産み、のちに后となる |
| 鈴麗公主(リンリー) | 玉葉妃の娘 | 一人目の子。赤子の頃に毒で命を落としかけた |
| 猫猫(マオマオ) | 翡翠宮の毒見役 | 逆子に気づき、お灸の準備までした |
| 羅門(ルォメン) | 猫猫の養父で元医官 | 臨時の医官として出産を見守った |
| 紅娘(ホンニャン) | 玉葉妃の侍女頭 | 追放歴のある羅門を呼ぶことに反対した |
| 梨花妃(リファ) | 水晶宮の上級妃 | 同じ時期に懐妊していた |
| 壬氏(ジンシ) | 後宮の管理役 | 羅門を後宮へ招く橋渡しをした |
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玉葉妃の子供は誰との子?娘・鈴麗と二人目の男児はどちらも皇帝の子
玉葉妃の子供は二人で、どちらも皇帝とのあいだに生まれた子です。上が娘の鈴麗公主、下が東宮になる男の子です。
誰の子か、どの血筋かで物語が大きく動く作品なので、気になるのも分かります。でも、ここは迷わなくて大丈夫。玉葉妃の夫は皇帝で、子供の父親も皇帝です。
| 比べる点 | 一人目 | 二人目 |
|---|---|---|
| 性別・呼び名 | 女の子・鈴麗公主 | 男の子・東宮 |
| 生まれた時期 | 物語が始まる前 | アニメ第2期、原作小説4巻 |
| 命の危機 | おしろいの毒で衰弱する | 逆子の疑いがかかる |
| 助けになった人 | 猫猫の警告 | 猫猫のお灸と羅門の見守り |
一人目の鈴麗は、物語の始まりから命の危機にいました。皇帝の子が乳幼児のうちに次々と亡くなり、鈴麗も梨花妃の男児も、同じ原因不明の病で弱っていきます。
原因は、真っ白なおしろいに含まれた毒でした。猫猫は名前を伏せたまま、布に書いた警告を玉葉妃のもとへ届けます。鈴麗は持ち直し、梨花妃の男児は助かりませんでした。
Web版原作の序盤では、玉葉妃自身はおしろいを使っていませんでした。毒は、鈴麗の乳を補っていた乳母のおしろいから入りこんでいたんです。
母親の気づかないところから毒が届く。この後宮では、赤子を守るのは授乳一つ取っても気が抜けません。二人目の妊娠で玉葉妃が神経を尖らせるのも当然です。
玉葉妃は娘を救った猫猫を強く信頼していて、再び懐妊が分かると毒見役として呼び戻しました。一人目を救った縁が、二人目を守る布陣につながっています。
娘の命を救った名もない下女を、二人目の時にもう一度そばへ呼ぶ。玉葉妃、恩の返し方も人の使い方も上手すぎます。
第2期の新ビジュアルでも、玉葉妃は「最も皇帝の寵愛を受けている」と言われる妃です。寵妃が男児を産むかもしれない。その立場が、二人目の出産をいっそう重くしていきます。
結婚相手としての皇帝や、玉葉妃が后になるまでの流れは玉葉妃の旦那と結婚の経緯でも追っています。年齢や素顔が気になる人は玉葉妃のプロフィールもどうぞ。
二人目の出産はアニメ何話?懐妊を伏せた第25話から男児誕生の第48話まで
二人目の出産は一話で完結しません。第2期の第25話から第48話まで、ほぼ1シーズンかけて少しずつ進みます。しかも途中から、猫猫の失踪と同時進行です。
そもそも二人目の懐妊は、はじめ伏せられていました。原作では、一人目の懐妊が分かった頃に二度も毒を盛られ、毒見をした侍女の一人は手足が動かなくなっています。
妊娠に不都合な相手なら、いちばん流れやすい時期を狙う。だから公表しないことが、そのまま母子を守る手段でした。
Web版原作では、皇帝も翡翠宮へ通う回数を減らしません。娘と遊び、玉葉妃とたわいない話をして帰る。いつもどおり通ってくる皇帝が、そのまま一番の目くらましです。
- 第25話「猫猫と毛毛」:猫猫が翡翠宮の毒見役に戻り、玉葉妃の食事を見張る日々が始まる
- 第37話「湯殿」:大浴場の妃たちから、上級妃の懐妊がうわさとして聞こえてくる
- 第39話「氷菓」:猫猫が玉葉妃のお腹の子が逆子かもしれないと気づく
- 第40話「巣食う悪意」:出産に備えて、羅門が臨時の医官として後宮へ入る
- 第41話「狐の里」:猫猫が後宮から連れ去られ、行方が分からなくなる
- 第42話「鬼灯」:猫猫不在のまま十日が過ぎ、玉葉妃が産気づく
- 第48話「はじまり」:男児の誕生と、玉葉妃が后になったことが語られる
伏せていたはずの懐妊も、第37話の頃には湯殿のうわさ話にまで広がっています。口止めしても、後宮の女たちの耳はごまかせない。
こうして並べると、出産の山場と猫猫の失踪がちょうど重なるのが分かります。翡翠宮でいちばん頼りになる毒見役が、いちばん大事な時期にいなくなるんですから、たまったものではありません。
逆子の疑いで羅門が後宮へ|第39・40話で猫猫が打った手
第39話で猫猫は、お腹の子が逆子かもしれないと気づきます。そこで、お灸で向きを戻す手と、腕の確かな羅門を呼ぶ手の両方を打ちました。
きっかけは、玉葉妃のふとした一言でした。引っかかった猫猫はお腹に触れて確かめ、断言はできないものの逆子の可能性があると伝えます。
| 心配なこと | 猫猫が考えた手 |
|---|---|
| 本当に逆子なのか | お腹に触れて向きを確かめる |
| このまま向きが戻らない | 花街でも行うお灸や軽い運動を勧める |
| 逆子のまま出産を迎える | お腹を切る処置まで考えなければならない |
| 後宮にその腕の医官がいない | 出産の経験が豊富な羅門を外から呼ぶ |
逆子のまま産むことになれば、母子とも命に関わります。それなのに、いまの後宮には頼れる医官がいない。そこで猫猫が真っ先に思い浮かべたのが、養父の羅門でした。
ただし羅門は、かつて後宮を追放された元医官です。侍女頭の紅娘が反対するのも無理はありません。妃の出産に、罪を負って去った人を呼ぶんですから。
それでも最後に決めたのは玉葉妃でした。猫猫の説明を聞いて、壬氏に羅門を呼んでもらうと決めます。迷う侍女頭の前で、主が腹をくくる。翡翠宮らしい決まり方です。
紅娘の反対は、主を思えばこそ。そのうえで玉葉妃は「腕」を取る。この二人の役割分担、見ていて本当に安心します。
第39話は、題名だけ見ると友人のために氷菓子を作る回です。その後半に、こんな大きな話が控えているのがずるい。
第40話「巣食う悪意」で、羅門は後宮の医局にやってきます。すぐに後宮の問題点を書き出し、手習所の女官たちが書き写せる手本まで作りました。
その裏で猫猫は、玉葉妃のお灸に使うもぐさを作っています。羅門に任せきりにせず、自分にできる準備を黙々と続けているところが猫猫らしい。
羅門が翡翠宮専属ではなく医局勤めになったのも、壬氏の配慮です。懐妊しているのは玉葉妃だけではありません。梨花妃のお腹にも子がいました。
侍女たちが羅門をどう見ていたのか、紅娘たちの顔ぶれは玉葉妃の侍女まとめで詳しく紹介しています。
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玉葉妃が産気づいたのは第42話|その日、猫猫は後宮にいなかった
第42話で玉葉妃は産気づきます。けれど、その時点で猫猫は十日も行方が分からないままでした。出産の山場に、いちばん備えていた人がいない。
第41話で猫猫は、翠苓(スイレイ)に捕らえられ、子翠(シスイ)と一緒に後宮の外へ連れ出されていました。翡翠宮には何の手がかりも残っていません。
- 急な知らせ:予定日より早く陣痛が始まり、早産も心配される
- 羅門がつきっきりに:臨時の医官として、玉葉妃のそばで容体を見守る
- 陣痛がいったん治まる:玉葉妃に疲れた様子もなく、生まれる時期はまだ読めない
- 逆子の心配が消える:猫猫のお灸が効き、自然に産めそうだと分かる
逆子を救ったのは、その場にいない猫猫の手でした。
第39話で気づき、第40話でもぐさを作り、お灸を続けた。その積み重ねが、本人のいない翡翠宮で効いてくるんです。報われたのに、肝心の猫猫はそれを知らない。
一方で第42話「鬼灯」の壬氏は、羅門が玉葉妃を見ていることに少しだけ安心し、すぐ猫猫の捜索へ戻ります。先帝のお手付きとなった女性たちが眠る墓所で、一人の女官に行き当たりました。
そこから第47話で保護されるまで、猫猫は雪に囲まれた砦に囚われています。出産の行方が語られるのは、すべてが片づいた第48話です。
第48話では、男児が生まれて玉葉妃が后になり、年明けには東宮のお披露目まで行われます。羅門も花街へは戻らず、宮廷に残ることになりました。
Web版原作「花街の薬屋」では、生まれたのは赤毛の男児。普通なら大騒ぎで祝うところを、玉葉妃はひっそりと後宮を出ます。猫猫はその知らせを、花街の薬屋で受け止めました。
母親ゆずりの赤毛と聞いただけで、ほっとします。そして猫猫は、あれだけ気にかけた出産を、遠い花街で知るんですよね。
猫猫が連れ去られてから戻るまでの流れは猫猫救出までの経緯で、第42話そのものは42話「鬼灯」の感想・考察で詳しく振り返っています。
玉葉妃のひと言に猫猫が引っかかり、羅門を呼ぶと決まるまで。この流れは漫画でも一続きで読めます。お灸が実を結ぶと知ってから読み返すと、あの触診の場面がまた違って見えますよ。
生まれた男児が「東宮」になった意味|玉葉后の誕生と壬氏・梨花妃
東宮は、皇位を継ぐ第一の候補のこと。玉葉妃の男児は、生まれてすぐ次の皇帝候補の筆頭になりました。母の玉葉妃も后となり、「玉葉后」と呼ばれます。
実は物語の中で、東宮の座は二度入れ替わっています。最初の東宮は梨花妃の男児。その子が亡くなったあと空いた席にいたのは、壬氏と深く関わる人物でした。
| 時期 | 東宮 | そのときの状況 |
|---|---|---|
| 物語の始まり | 梨花妃の男児 | おしろいの毒で衰弱し、亡くなる |
| 男児の死後 | 皇帝の弟(皇弟) | 顔を見せない「不遇の東宮」と見られていた |
| 玉葉妃の出産後 | 玉葉妃の男児 | 母が后となり、年明けにお披露目される |
この皇弟こそ、壬氏の本来の身分です。第3期の第49話では、壬氏が皇弟であることを公にし、正式に政へ加わっています。
皇帝に男児がいない間、壬氏は表向き東宮の立場にいました。玉葉妃の男児が生まれて、東宮の座は皇弟から皇帝の男児へ移ったわけです。
Web版原作「縁」には、出産前の皇帝が猫猫にこっそり「腹の子の性別が分かる方法はないか」と尋ねる場面があります。猫猫は首を振るしかありませんでした。
鈴麗を膝に乗せて風車で遊ぶ姿は、どこから見てもいい父親です。それでも男児を望まずにいられないのが、皇帝という立場。この一場面に、後宮の出産の重さが詰まっています。
では、なぜ后は梨花妃ではなく玉葉妃だったのか。Web版原作では、二つの理由が語られています。
- 玉葉妃は西方の戌西州の出身で、隣国と争いになれば重要な土地になる
- 梨花妃は皇帝の遠縁で、血が濃くなると子が病弱になりやすいと羅門が話していた
寵愛の差というより、国を守るための選択です。梨花妃もそれを分かったうえで受け止めている、と描かれているのが救いでした。
その梨花妃も、のちに二人目の男児を産みます。一人目の子を亡くして抜け殻のようだった妃が、元気な赤子を抱いている。Web版でその姿を猫猫が見る場面は、何度読んでもじんときます。
最初の東宮を失ったのが梨花妃だったことを思うと、この赤子の顔色がいいというだけで、もう十分なんです。
后になった理由や梨花妃との関係は玉葉后とは?皇后になった理由で、東宮だった壬氏の本当の出自は壬氏の正体と赤子入れ替えの秘密で掘り下げています。
后になった玉葉妃と東宮、二人目を産んだ梨花妃が、その後の宮廷でどう動くのか。アニメの先にあたるこの続きは、原作小説で一足先に読めます。
玉葉妃の出産は原作小説・漫画の何巻?第3期で描かれるのは「玉葉后」から
原作小説では4巻で、逆子の心配から出産までが描かれます。漫画は2種類あり、逆子に気づいて羅門を呼ぶ場面はビッグガンガン版が14巻、サンデーGX版が15巻です。
| 媒体 | 逆子に気づき羅門を呼ぶ | その後の展開 |
|---|---|---|
| TVアニメ第2期 | 第39・40話 | 第42話で産気づき、第48話で男児誕生 |
| 原作小説 | 4巻 | 同じ4巻で出産を迎える |
| 漫画(ビッグガンガン版) | 14巻 | 15巻で猫猫が隠れ里へ連れ去られる |
| 漫画(サンデーGX版) | 15巻 | 16巻で猫猫が行方不明になる |
小説4巻は、湯殿の幽霊騒ぎ、玉葉妃の逆子、猫猫の連れ去りがひと続きで押し寄せる巻です。息をつく暇がありません。
Web版原作には逆子の話は出てきません。猫猫は「子を取り上げた経験が豊富な元医官」として、羅門を推しています。
Web版の猫猫は「罪人ですが、腕はたしかです」と言い切ります。書籍やアニメの逆子の流れと比べると、羅門を呼ぶ理由の組み立てがだいぶ違って面白いところです。
アニメ第3期は2026年10月2日に始まりました。第49話の時点で猫猫は花街へ戻っていて、出産はもう終わったあとの物語です。
つまり第3期で会えるのは、后になったあとの玉葉妃です。出産そのものを見返したいなら、第2期の第39話から第48話までを続けて見るのがいちばん分かりやすい。
第3期の始まりは3期49話「蝗」の感想・考察で、第2期を見返せる配信先はアニメ第3期はどこで見れる?でまとめています。
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まとめ|玉葉妃の二人目の出産は、猫猫のいない場所で実を結んだ
玉葉妃は皇帝とのあいだに、娘の鈴麗公主と、のちに東宮となる男児を産みました。二人目の出産はアニメ第2期の第42話で産気づき、第48話で誕生が語られます。
一人目の鈴麗は、猫猫の名もない警告で命をつなぎました。二人目は、猫猫が気づき、もぐさを作り、羅門を呼んだ準備に守られます。
玉葉妃の二人の子は、どちらも猫猫の知識に救われています。その二回とも、猫猫は表に出ないまま。そこが何とも猫猫らしい。
そして生まれた男児は東宮になり、壬氏が背負っていた立場まで動かしていきます。翡翠宮の一つの出産が、宮廷の順番そのものを書き換えた形です。
いちばん頑張った人が、いちばん大事な瞬間にいない。悔しいのに、ちゃんと間に合っている。この出産、何度思い返しても胸が温かくなります。
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※本記事の情報は2026年10月5日時点で確認しています。放送・配信状況、料金、特典、キャンペーン、商品情報などは変更される場合があるため、最新情報は各公式サイト・販売ページをご確認ください。
