『薬屋のひとりごと』(薬屋)で女華(ジョカ)の声を担当しているのは、七海ひろきさんです。2023年の第1期から、2026年10月に始まった第3期まで続投しています。
七海さんは、宝塚歌劇団の星組で活躍した元男役スター。2019年に退団するまで、16年間、舞台で男を演じてきた人です。
その人の担当が、よりにもよって男嫌いの妓女。この配役、狙っていないなら出来すぎです。
キャスト発表時のコメントで七海さんは、猫猫(マオマオ)を「妹みたいに大切に思っていること」が伝わるよう演じたと語っています。ただし、表情にはあまり出さないまま。
その女華が第3期のキャラクターポスターでもらった一言は、「男なんてもの、いつ気が変わるかわかりゃしない」。男嫌いの愚痴に聞こえて、実は猫猫へ向けた忠告です。
2026年10月11日時点で、第3期は第50話「火鼠の皮衣」まで放送済み。女華は第1期第12話「宦官と妓女」などで、緑青館の三姫の一人として登場しています。
※この記事は、原作小説5巻とWeb版にあるアニメ未放送の場面に一部触れます。
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女華の声優は七海ひろき|三姫のキャストと第3期の続投
女華役は、第1期から第3期まで七海ひろきさんです。2023年10月2日の追加キャスト発表で、白鈴(パイリン)・梅梅(メイメイ)役と一緒に、三姫の声がそろって明かされました。
| 三姫 | 得意なこと・人柄 | 声優 |
|---|---|---|
| 白鈴 | 舞踊の名手。三姫の最年長 | 小清水亜美 |
| 梅梅 | 囲碁・将棋。妹分の猫猫に世話を焼く | 潘めぐみ |
| 女華 | 詩歌。妓女でありながら男嫌い | 七海ひろき |
踊りや盤上の勝負ではなく、言葉と教養で客の相手をするのが女華です。愛想は振りまかず、しかも男嫌い。売れっ子の条件を自分から外しているのに、三姫の一角です。
女華は、話についていけたら科挙に受かるとまで言われる才女。科挙は役人になるための試験。客からすれば、口説きに来たつもりで口頭試問を受けるようなものです。
第3期の放送を前にした2026年9月18日にも、公式Xが「cv.七海ひろき」として女華を紹介しています。配役は変わらず、緑青館の日常に戻った第3期でもあの声が聞けます。
碁打ちの姉貴分は梅梅役の潘めぐみさん、踊りと色気の最年長は白鈴役の小清水亜美さん。世話焼きと色好みに挟まれると、女華の冷たさがよけいに際立ちます。
七海ひろきとは?宝塚星組の男役スターから声優アワード新人声優賞へ
七海ひろきさんは茨城県水戸市出身。宝塚歌劇団を退団したあと、俳優・歌手と並んで声優の仕事を広げ、2025年には声優アワードの新人声優賞を受けています。
- 2003年:宝塚歌劇団に入団(89期)。宙組に配属される
- 宙組から星組へ:組替えを経て、星組の男役スターとして活躍する
- 2019年3月24日:宝塚歌劇団を退団。同年8月にキングレコードからメジャーデビュー
- 2023年:『薬屋のひとりごと』第1期で女華役。同年は『マッシュル-MASHLE-』にも出演
- 2025年3月:第十九回声優アワードで新人声優賞を受賞
新人声優賞は、2024年度の『マッシュル-MASHLE-』『烏は主を選ばない』『戦国妖狐』での演技が評価されたもの。宝塚歌劇団のOGがこの賞を受けたのは、七海さんが初めてでした。
受賞時の所属事務所の発表で、七海さんは退団後に本格的に目指した声優業を「想像より難しかった」と振り返り、思うような結果が出ない時期が続いたと明かしています。
大劇場に男役スターとして立ってきた人が、声の世界ではまだ駆け出しだと言う。そう言い切れる人の芝居は、それだけで信用したくなります。
七海さんの公式サイトのボイスサンプルには、「少年」「男子高校生」と並んで、「女性・カッコイイ」「若め女性・クール」まで用意されています。
少年から大人の女性まで、守備範囲がとにかく広い。女華に一番近い棚を選ぶなら、「若め女性・クール」でしょう。三姫の中で最年少なのに、いちばん冷めた目をしている人ですから。
2019年からは、地元のいばらき大使も務めています。2026年10月には茨城県と本作のコラボ観光ポスターが全国のJR主要駅に貼られ、猫猫・壬氏(ジンシ)・馬閃(バセン)・羅半(ラハン)が並びました。
いばらき大使が演じている女華が、茨城のポスターにはいない。そこ、一番の縁があるところでは?
七海ひろきの代表作|少年役から、凛とした姫・生徒会長まで
代表作は、声優アワードの評価対象にもなった『マッシュル-MASHLE-』のアビス・レイザー、『戦国妖狐 千魔混沌編』の千夜、『烏は主を選ばない』の浜木綿です。
| 作品 | 役 | どんな役か |
|---|---|---|
| 『マッシュル-MASHLE-』(2023年) | アビス・レイザー | 魔法学校の精鋭「七魔牙」の第二魔牙。左目の魔眼で相手の魔法を封じる |
| 『戦国妖狐 千魔混沌編』(2024年) | 千夜 | 千魔混沌編の主人公となる少年 |
| 『烏は主を選ばない』(2024年) | 浜木綿 | 若宮の后候補として集められた4人の姫の一人 |
| 『負けヒロインが多すぎる!』(2024年) | 放虎原ひばり | 生徒会長。背が高く迫力があるのに、天然な一面も持つ |
| 『かげきしょうじょ!!』(2021年) | 里美星 | 架空の歌劇団「紅華歌劇団」の男役トップスター |
並べると、少年や青年の役と、背が高く凛とした女性の役がほぼ半々。女華は、浜木綿や放虎原ひばりと同じ「凛とした女性」の側に入る役です。
ゲームでは『ポケモンマスターズ EX』のオモダカ役も担当。2026年10月時点では、TVアニメ『魔法の姉妹ルルットリリィ』でうぐいす役を演じています。
そして『かげきしょうじょ!!』の里美星は、架空の歌劇団で男役のトップに立つ人物でした。
元男役スターに、男役トップスターの役。ここまで来ると、もはや履歴書の朗読です。
ただ、女華の格好よさは男役の凛々しさとは別物。男を拒みながら、客の前には座る。冷たさと色気が、同じ一人の中に同居しています。
少年も姫も演じてきた声で、今度は男嫌いの妓女。
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アニメで女華の声が聞ける場面|第12話の宴から第3期の緑青館まで
女華の出番は、ほぼ緑青館まわりに集まっています。三姫として名前が出る第1期第12話「宦官と妓女」が、まず見返したい回です。
- 第12話・宴へ:後宮を解雇されて緑青館へ戻った猫猫が、白鈴・女華・梅梅の供として客の待つ屋敷を訪れる
- 第12話・宴のあと:屋敷で壬氏と鉢合わせた猫猫を、三姫がしつこく問い詰める
- 第13話:宮廷へ戻ることになった猫猫を、三姫が緑青館を出るまで可愛がる
- 第3期第49話:緑青館の朝、趙迂(チョウウ)がいなごを平気で口にし、三姫がそろって顔をしかめる
第12話の宴は、一晩の酌で一年分の銀が消えるという三姫を、まとめて呼びつけた豪勢な席でした。詩歌も二胡も舞もできない猫猫は、作り笑いでひたすら酒を注ぎます。
原作Web版の「終 宦官と妓女」では、宴の前、若い男たちを眺めて舌なめずりする白鈴の脇腹を、横の女華が黙って小突きます。
白鈴の暴走を、言葉ひとつ使わずに止める。三姫には、ちゃんと止め役がいるんです。
宴の夜に猫猫が鉢合わせた相手は、ほかでもない壬氏。第12話で猫猫が解雇されたいきさつを知っていると、宴のあとの三姫の追及がしつこくなるのも無理はありません。
第3期を前にした2026年8月15日には、三姫を含む10人の新キャラクタービジュアルも公開されました。新しい相関図でも、女華は三姫の並びにしっかり入っています。
第49話の朝の場面は、第49話「蝗」の感想・考察で趙迂の騒動と一緒に追えます。三姫と猫猫の距離をまとめて知るなら、猫猫の姉・三姫との絆へ。
第12話の宴に三姫が並ぶ夜や、緑青館を出る猫猫の見送りは、漫画でも読めます。アニメでは一瞬で過ぎる三姫の表情も、コマなら止めてじっくり見比べられます。
七海ひろきが語る女華|「表情に出さない」妹分への愛情と牡丹のビジュアル
七海さんが女華について最初に語ったのは、2023年のキャスト発表時です。猫猫の痛快さに触れたうえで、女華を「猫猫が可愛くて仕方がない」人として受け止めていました。
演じるうえで大事にしたのは、表情にはあまり出さないけれど、猫猫を妹のように大切に思っていることでした。
第1期公式サイトのキャストコメントでは、三姫の中の「クールな才女」として、作品に華やかな色を添えたいとも語っています。
「可愛くて仕方がない」と「表情に出さない」。正反対の言葉が一つのコメントに並んでいて、それがそのまま女華の取扱説明書になっています。
それから約2年後、第2期最終話の放送を終えた2025年7月4日の深夜に、七海さん本人がXへ投稿しています。猫猫が花街へ戻るこの回に寄せた言葉は、「女華として猫猫に思いをはせられて幸せでした」。
放送の締めくくりに選んだ言葉が、自分の見せ場ではなく「猫猫に思いをはせる」。演じている側まで、女華と同じ方向を向いています。
2026年4月22日の「猫猫の日」には、牡丹を雑に渡す女華と、慌てて受け取る猫猫の一枚が公開されました。牡丹は、客から贈られたらしい大輪の花です。
男の客が贈った大輪の牡丹を、雑に猫猫へ横流し。贈り主がこれを見たら泣きますよ。
花の扱いは雑。でも、渡す相手は猫猫。さっきの取扱説明書どおりの一枚です。
男嫌いの理由や、怒ると詩を書き散らす癖まで知りたいなら、女華のプロフィールへ。教養のある人の嫌味は、そのぶん手強いのが分かります。
この「表に出さない」愛情が、珍しく言葉になる夜が原作小説5巻にあります。窓を開けた女華が猫猫へ向ける一言は、第3期で声が付く前に一度読んでおきたい場面です。
第3期で聞きたい女華の言葉|ポスターの一言は原作5巻の窓辺から
第3期のキャラクターポスターで女華に添えられた一言は、原作では猫猫の「好みの男」を絵にする夜に出てきます。声が付けば、女華の一番の見せ場になりそうな場面です。
※ここから原作小説5巻と、Web版「市井編」の内容に触れます。
公式Xは2026年9月16日、第3期のキャラクターポスターとして女華の一枚を公開しました。台詞は「男なんてもの、いつ気が変わるかわかりゃしない」です。
第3期は第49話「蝗」、第50話「火鼠の皮衣」と、原作小説5巻の章題どおりに進んでいます。ポスターの一言が出てくる夜は、その5巻の少し先です。
- 好みの男を描く:絵の得意な趙迂が猫猫の好みの男を描くことになり、やり手婆と白鈴、女華が野次馬に集まる
- 「却下」:煙管を吸っていた女華は、描かれた男を見るなり「なにこれ、却下」と切り捨てる
- 二人きりの部屋:恋の話にならないと分かった白鈴たちが出ていき、残ったのは女華と猫猫だけ
- 窓辺の忠告:窓を開けた女華が、男の気は変わるもので、力を持つ男ならなおさらだと猫猫に告げる
- 「あたしより」:白鈴のような性格なら止めないが、猫猫はどちらかといえば自分寄りだと言い切る
まず「却下」が早い。女華の目には、大抵の男が最初から不合格です。描いた趙迂からすれば、たまったものではありません。
ただ、窓辺の言葉は男嫌いの愚痴では終わりません。「力を持つ男ならなおさら」と付け足した時点で、猫猫が誰の話か分かってしまう忠告になっています。
白鈴のような性格なら止めない、とまで言うのも女華らしい。猫猫を、自分と同じ側の人間として見ているからこそ止めているんです。
最後に女華は、自分は女郎で、猫猫は女郎の子だと突き放します。冷たい言い方なのに、ここまで踏み込んで言う相手は猫猫だけです。
「あたしより」と言われて、猫猫は言い返さない。……分かってるんですよね、自分でも。
Web版の「九、絵姿」では、皆が出ていったあと、女華が煙管の灰を落として葉を詰め直すまでが描かれます。言葉の合間の仕草まで、ずっと静かです。
七海さんの言う「表情に出さない」愛情に、これほど合う場面はありません。ポスターにこの一言を選んだ以上、第3期のどこかでこの夜が来ると見ています。
仙女の噂には「けっ」|灸を据えられながら毒づく女華
原作5巻の「白蛇仙女」では、女華と梅梅が、白い髪に赤い目をした「仙女」の噂を猫猫の前で話します。梅梅の碁の相手をした客が、三姫より珍しい娘がいると教えていったのです。
Web版の「十、白蛇仙女 前編」では、猫猫に灸を据えてもらいながら、女華がその噂に「けっ」と吐き捨てます。才女の毒づき方が、妙に生活感たっぷりです。
噂の仙女は、第3期で上田麗奈さんが演じる白娘々(パイニャンニャン)。白娘々の正体と仙術のトリックを知ると、女華の「けっ」もあながち的外れではありません。
女華自身の出自が動くのは、さらに先の原作14巻。翡翠の牌をめぐる女華の正体と父親、身請けとその後まで追うと、男嫌いの女華が自分の生き方をどう決めるかが見えてきます。
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まとめ|女華の声優は七海ひろき。男嫌いの冷たさと、猫猫への隠れた愛情
女華の声優は七海ひろきさんです。宝塚星組の元男役スターで、2025年に声優アワード新人声優賞を受けた人が、第1期から第3期まで女華を演じています。
男の客には言葉で線を引き、猫猫にだけは窓辺で本気の忠告をする。嫌いと好きの出し方が、どちらも不器用なほどまっすぐなのが女華です。
男を16年演じた人が、男嫌いの妓女として、男の客の牡丹を猫猫へ横流しする。この配役、やっぱり出来すぎです。
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