アニメ『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』(沖ツラ)で、比嘉夏菜を演じる声優はファイルーズあいさんです。かーなーの愛称で親しまれる、ひーなーの親友ですね。
喜屋武飛夏のうちなーぐちを、中村照秋に訳してあげる女の子。ところが、その照秋を好きなのが夏菜本人です。人の会話を助ける役なのに、いちばん届けたい気持ちは胸にある。
声を知りたくなるのも、この二つの顔があるからでしょう。本人が語った方言の練習、原作PVからの出演、代表作をたどると、かーなーの台詞で耳を向けたいところが増えてきます。
通訳をお願いした相手まで、恋の当事者。てーるー、その会話、比嘉さんにはなかなかの難問です。
比嘉夏菜の声優はファイルーズあい|プロフィールと原作PVからの縁
TVアニメの比嘉夏菜役はファイルーズあいさんです。アニメ化より前のコミックス発売記念PVにも、同じ役で出演していました。声との縁はTV放送より前からです。
夏菜は、うちなーぐちのわからない照秋を助ける飛夏の親友。照秋への片思いも、最初から抱えている役です。通訳の出番と恋の出番を、別々に切り離せない役なんですよね。
| 項目 | ファイルーズあいさんの基本情報 |
|---|---|
| 担当キャラクター | 比嘉夏菜(かーなー) |
| 出身地 | 東京都 |
| 誕生日 | 7月6日 |
| 所属事務所 | マウスプロモーション |
所属事務所のプロフィールには、『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』などの出演歴も並びます。東京都出身の人が、沖縄で暮らす夏菜の声を作っています。
方言だけの役ではありません。ひーなーの言葉を説明する聞き取りやすさと、恋をしている高校生の戸惑い。その両方を、一人の会話の中で受け持つところが気になります。
原作PVでは、夏菜だけでなく照秋も担当していた
アニメイトタイムズの鼎談でファイルーズさんは、アニメ化前のPVで夏菜と中村照秋の両方を演じていたと明かしています。TVアニメの照秋役は、大塚剛央さんです。
| 媒体 | 比嘉夏菜 | 中村照秋 |
|---|---|---|
| コミックス発売記念PV | ファイルーズあい | ファイルーズあい |
| TVアニメ | ファイルーズあい | 大塚剛央 |
夏菜を演じる人が、夏菜の好きな相手まで演じていた。恋の両側に声を付けていたんですね。TV版の三人の掛け合いとは、また違う楽しみがある出演歴です。
原作PVから続く出演についての本人の話では、沖縄にルーツのない立場で演じる不安も語られています。原作者やスタッフの後押しを受け、方言へ向き合った経緯です。
くらげバンチ漫画チャンネルのコミックス発売記念PVは、アニメ化前の声に触れられる一本。夏菜の声を目当てに開くと、照秋の担当まで気になる、少し珍しい入口です。
方言の役作り|同じ文字でも違う音を、矢印とガイド音声で覚える
ファイルーズさんが苦労したのは、難しい方言の単語だけではありません。普段と同じ言葉に見えても、音の高低が違う。夏菜の話し方には、そんな難しさがありました。
ひーなーは話す側、かーなーは訳す側。訳す人の台詞は標準語だから簡単そう、とも思えます。でも標準語とうちなーぐちが混じること自体が難しいのだそうです。
台本の文字の横に、音の高低をメモ
本人が語った方言の準備では、台本の横に矢印で高低を書き、読むたびに頭の中で変換していたといいます。見慣れた文字でも、そのまま口に出せるわけではないんですね。
| 練習で向き合ったこと | 本人が語った工夫 | かーなーの声で気になる点 |
|---|---|---|
| 普段の言葉と微妙に違う音 | 文字の横へ矢印で高低をメモ | 単語だけでなく、上がり下がり |
| 標準語とうちなーぐちの混在 | 両方を使う中で、方言に引っ張られる難しさを意識 | 説明する台詞にも残る沖縄の響き |
| 慣れていない言葉の定着 | ガイド音声を繰り返し聴く | 会話の流れの中で返す言葉 |
好きなのは、見た目はいつもの言葉なのに、音は覚え直すという話です。珍しい単語なら身構えられるけれど、知っているつもりの言葉ほど、普段の言い方が先に出てきそう。
画面の中では、てーるーに教えてくれる比嘉さん。その声を作る現場では、演じる人が一つずつ習っていた。この順番を知ると、何気ない説明の台詞も、素通りしにくくなります。
ガイド音声を繰り返し聴いていた
ABEMAの放送直前特番の報告でも、ファイルーズさんはガイド音声を繰り返し流していたと話しています。アフレコ前夜には、枕元でうちなーぐちが聞こえてくるほどだったそうです。
意識のある間はガイド音声、前夜は枕元でもうちなーぐち。耳だけ、先に沖縄へ行ってしまいそうです。
言葉の背景まで気になる、という楽しみ方
QABの取材でお気に入りに挙げたのは、「くすけーひゃー」。くしゃみをした人にかける言葉で、ファイルーズさんは、その背景から文化を知りたくなる面白さを話しています。
言葉の直訳だけなら驚いて終わるところを、なぜそこで使うのかまで気にする。発音を覚える仕事の話から、土地の暮らしを知る楽しさへ進んでいるのがいいですね。
ひーなーの強いうちなーぐちと、標準語も交えるかーなー。二人の違いには、使う単語だけでなく、誰へ話す役なのかも関わっています。
ひーなー側の話し方や役作りも気になるなら、喜屋武飛夏を演じる鬼頭明里さんの役作りへ。二人の担当を並べると、やり取りの両側へ耳を向けられます。
二人がうちなーぐちを題材に話す、くらげバンチ漫画チャンネルの特別インタビューも公開されています。方言に挑んだ本人たちの話へ、もう少し触れてみたいときの一本です。
アニメのしまくとぅば指導を担当するのは、譜久村帆高さん。役者が音を覚えるだけでなく、作品として沖縄の言葉を扱うための担当も置かれています。
比嘉夏菜の演技で注目したいのは、通訳する言葉と本人の本音
かーなーの声は、その一言を誰のために話しているのかも聴きどころ。ひーなーを訳す言葉も、てーるーに伝える本人の願いも、同じ夏菜から出てきます。
ファイルーズさんは鼎談で、夏菜を、外からはクールに見えても内面は純粋で表情の豊かな子と受け止めています。落ち着いた一面だけで役を捉えない、その見方がしっくり来ます。
| 場面 | 夏菜が向き合うこと | 言葉を聴くときの手掛かり |
|---|---|---|
| ひーなーのうちなーぐちを訳す | 親友と照秋の会話を助ける | 説明が誰へ届く言葉なのか |
| 第4話、通訳の負担を気にされる | 照秋ともっと話したい気持ちが言葉になる | 他人の説明から本人の願いへ |
| 第5話、夏休みを迎える | 照秋に会えないことに思い悩む | 普段会えていた時間の大きさ |
第4話の「もっと話したいから」で、言葉の主語が変わる
第4話「指笛鳴らそう美ら海(ちゅらうみ)で!」では、照秋が通訳を頼んで迷惑をかけていないかと気にします。そこで夏菜が口にしてしまうのが、「もっと話したいから」です。
ひーなーが何を言ったか、ではなく、夏菜がどうしたいかが言葉になる。この違いは大きい。てーるーには気遣いへの返事でも、夏菜の恋を知る側には、もう一つの意味が聞こえます。
「もっと話したい」までは、本人の言葉で言えた。けれど、相手には別の好きな子がいる。その短さに、先を言ってほしい気持ちと、今は止まってほしい気持ちが両方残ります。
続く第5話では、夏休みに入って照秋に会えないことに悶々とします。学校に行けば会える、という日常がなくなるだけで困る。まだ特別な約束のない恋だから、会う理由が難しい。
個々の恋の場面や行動をさらに追いたいときは、通訳役の恋心から見る比嘉さんの魅力もどうぞ。声を聴く目当てが、次はその一言が出るまでの出来事へ広がります。
ひーなーとの掛け合いには、親友としての時間もある
ひーなーと夏菜は、てーるーの好きな人と、てーるーを好きな人。それと同時に、仲のよい親友同士です。夏菜が何を言うかを考えるとき、この近さも外せません。
鼎談で本人が語っていたのも、年を取っても仲よくしていそうな二人への思いでした。三人でいる安心感と、なかなか近づけないもどかしさ。両方を作品の好きな点に挙げています。
比嘉さんの台詞は、恋心だけで聴かなくていい。ひーなーに返す言葉、てーるーを助ける説明、本人の願い。返す相手を追うと、三人の会話に別々の楽しみがあります。
ファイルーズあいの代表作|ひびき・徐倫・えりぴよと比べる楽しみ
代表作には、紗倉ひびき、空条徐倫、えりぴよを演じた三作品があります。夏菜から興味を持ったなら、同じ人がどんな相手に、何を伝える役を演じてきたかも気になります。
| 作品 | 担当キャラクター | 比嘉夏菜と並べて気になるところ |
|---|---|---|
| ダンベル何キロ持てる? | 紗倉ひびき | 食欲と目標に引っ張られる高校生の会話 |
| ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン | 空条徐倫 | 役の強さだけに寄せない、本人の役作り |
| 推しが武道館いってくれたら死ぬ | えりぴよ | 好きな相手に、全力で向かう言葉と歌 |
『ダンベル何キロ持てる?』紗倉ひびき|食べたい、でも変わりたい
紗倉ひびきは、食べることが大好きな女子高生。ダイエットを決意してトレーニングジムへ足を運び、筋トレの世界に入っていきます。目標ができても、食べる楽しみは消えません。
夏菜と同じ高校生でも、日常を動かす悩みはずいぶん違います。恋の相手に会いたい子と、体を変えようとジムへ行く子。二人が並んだら、まず相談の中身から違いそうです。
ひびきが何に困り、相手にどう返すかも聴きたいところ。かーなーの通訳とは違う、本人が新しい世界に入っていく側の会話です。
『ストーンオーシャン』空条徐倫|好きすぎる役を、演じるために見直す
空条徐倫は、空条承太郎の娘である主人公です。冤罪で刑務所へ収容され、過酷な状況へ立ち向かいます。かーなーの高校生活からは、ずいぶん遠い出発点です。
徐倫の名前で、強く戦う姿を思い浮かべる人もいるでしょう。ところが演じる人にとっては、その格好いい印象こそ、いったん見直す必要がありました。
徐倫役の本人インタビューでは、好きなあまり徐倫を理想化し、序盤の弱さを出すことが難しかったと振り返ります。原作を読み返し、泣くところや口の悪さも捉え直したそうです。
好きな人ほど、格好いいところばかり覚えてしまう。その人を演じるために、好きだからこそ見落としていたところへ戻る。この話、ファンとしてもちょっと耳が痛い。
かーなーも、面倒見がよいだけの子ではありません。外から見える落ち着きと、内側の豊かな表情がある。役は違っても、一つの印象で人物を閉じないという聴き方を持って帰れます。
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』えりぴよ|好きの向かう先が、ずっと一人
えりぴよが夢中なのは、地下アイドルグループChamJamの市井舞菜。赤いジャージとサーモンピンクのキンブレを手に、好きな相手へ全力で向かいます。
夏菜が好きな人の前で言葉を探すなら、えりぴよは推す相手へ生活ごと向かっていく。恋とファン活動は違うけれど、好きな人で日常が変わる二役です。
通訳して相手の話を進めるかーなーから、推しのために走るえりぴよへ。役名だけを並べるより、言葉が誰へ向かうのかで選ぶと、次に見る作品の目当てもはっきりします。
キャラクターの声は、歌でも聴ける
えりぴよ名義では、EDテーマ「♡桃色片想い♡」も歌唱しています。会話の芝居で知った人の声を、キャラクター名義の歌へたどれるのもうれしいところです。
『沖ツラ』でも、鬼頭明里さんとファイルーズさんが、ひーなー&かーなー名義でEDのカバーを担当。夏菜だけを追っていた耳が、また親友との組み合わせへ戻ってきます。
カバー集には、かーなーのソロ版も収録。二人で歌う版と、一人の声を聴ける版があるので、歌声を目当てにするなら、ここはうれしい違いです。
- 「島人ぬ宝」
- 「あなたに」
- 「Best Friend」
曲名を見て懐かしくなる人も、夏菜の声から初めて触れる人もいるはず。同じ曲を二人版とソロ版で行き来できると、台詞で気になった声を、今度は一曲ぶん聴いていられます。
本編では通訳を挟んでつながる二人が、歌では並んでいる。二人を好きになったら、二人が歌うEDと沖縄ゆかりの選曲も気になるはず。台詞以外にも、声を聴く目当てが増えます。
まとめ|比嘉夏菜の声を作るのは、ファイルーズあいの細かな準備
比嘉夏菜の声優はファイルーズあいさんです。音の高低を矢印で覚える方言の準備と、通訳する側にも恋があるという役柄を知ると、かーなーの一言を聴く目当てが具体的になります。
「もっと話したいから」。通訳に必要な説明は何一つないのに、この短い言葉で比嘉さんのことがぐっとわかる。音の高低に向き合った人が、この本音も声にしているんですよね。
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