『ダンダダン』23話「気にしてるじゃんか」は、水に変わった校舎でネッシーとシャコの宇宙人に追われる回です。ネッシーは雇い主のセルポ星人まで撃ち、最後は敵が三体で合体します。
その逃げ回る最中に、オカルンがモモへ言い切ります。どうでもよくないなら、ちゃんとそう言ってほしい。綾瀬さんには誤解されたくない。
19話から続いたモヤモヤに、ようやく正面から触れた回です。
しかもオカルンの頼みのターボババアの力は、水の中ではまるで役に立ちません。告白めいた一言と、泳げない呪いの力が、同じ回に並んでいます。
ネッシーに追われている最中に、校舎裏の話を始めるオカルン。命の危険より、誤解のほうが急ぎらしい。
※原作漫画第23話までのネタバレを含みます。第24話以降の展開には触れません。アニメ第2期の第23話とは別の内容です。
この記事でわかること
| 人物 | 22話までの状況 | 23話での関わり |
|---|---|---|
| 綾瀬桃(モモ) | 19話の誤解を抱えたまま合流。「高倉健」の名前で念力が二度切れた | オカルンを念力で押し出して水中を進み、愛羅を助ける |
| オカルン | 本名は高倉健。20話から服がないまま | ターボババアの姿では泳げず、モモに誤解を解かせてほしいと迫る |
| 白鳥愛羅 | 20話でアクさらの力に目覚め、22話でオカルンと連携した | シャコの一撃で天井の水面へ飛ばされ、溺れかける |
| セルポ星人 | 三体でオカルンたちを襲い、シャコの宇宙人を薬で強化した | 雇ったはずのネッシーにやられ、残った一体が合体を選ぶ |
| シャコの宇宙人 | セルポ星人に雇われたボクサー。22話で強化された | 水中では強いパンチを放つが、息継ぎが必要 |
| ネッシー | 22話のラストで、水に変わった校舎の下を泳いでいた | 敵も味方も区別せず光線を撃つ |
『ダンダダン』23話のあらすじ|ネッシーの光線から、三体の合体まで
23話は、22話のラストで校舎が水に変わった直後から始まります。足のつかない水の中で、三人はずっと逃げながら戦います。
- 足元の巨大な生き物を、オカルンがネッシーだと見抜いて大はしゃぎ。三人はすぐに泳いで逃げる
- ネッシーの光線が、雇い主のはずのセルポ星人を真っ二つにする
- シャコの宇宙人の水中パンチで、愛羅が天井の水面へ飛ばされて気を失う
- シャコの宇宙人が息継ぎに上がった隙に、オカルンがターボババアの姿になるが、泳げずに沈む
- 愛羅の助け方でもめるうちに、校舎裏の一件が持ち出され、オカルンがモモに説明させてほしいと迫る
- 飛んできたパンチからモモをかばったオカルンを見て、モモが作戦を思いつく
- 念力で押し出したオカルンに乗って愛羅のもとへ。愛羅の体から水を抜き、水を吸う服を脱いで身軽になる
- 残ったセルポ星人がシャコの宇宙人とネッシーに体をつなぎ、三体で合体する
22話は、壁も天井も水に変わった校舎の下を、巨大な影が泳いでいくところで終わりました。そこまでのモモの崩れっぷりは22話のネタバレ感想・考察で追えます。
第23話「気にしてるじゃんか」は2021年9月7日に少年ジャンプ+で公開されました。単行本では、15話から23話を収めた3巻の最後の一話です。
担当編集の林士平さんも配信当日、Xで23話を告知しています。添えられた言葉は「獰猛UMA 急接近」「水中校舎で、未知襲撃」でした。
告知の煽りはUMAの襲撃一本。いざ読むと、そのUMAが真っ先に襲うのは雇い主の宇宙人です。
アニメでは、2024年11月28日放送の第1期第9話「合体!セルポドーバーデーモンネッシー!」に入っています。
泳げないターボババアと、肺呼吸のシャコ|水の中で崩れる、それぞれの得意技
23話の水中戦では、全員の得意技が水に合っていません。強い者ほど、水の中で何かが足りない。
| 誰 | 水の中で強いところ | 水の中で困ること |
|---|---|---|
| オカルン | ターボババアの脚力なら、水中でも速く動けそう | ターボババアは泳げない。変身したまま沈む |
| シャコの宇宙人 | パンチの威力が、水中では地上の10倍 | えらがなく、息継ぎに上がらないといけない |
| ネッシー | 水の中を自在に泳ぎ、光線で攻撃する | 敵と味方の区別がつかず、雇い主を撃つ |
「ターボババアは泳げません」の一言には、コメント欄でも笑いが集まりました。5話から7話で二人をしつこく追い回したババアの脚が、水の中では沈む重しになる。
22話のオカルンは、その速さでシャコのパンチを見切って愛羅を動かしていました。一話前の勝ち筋が、足場が水になっただけで丸ごと消える。
鬼ごっこであれだけ速かったババアが、泳ぎだけはからっきし。陸上部に入ったら、エースのまま水泳の授業だけ見学するタイプ。
シャコの宇宙人は、水中のパンチは地上の10倍と言っておきながら、自分も息継ぎに上がっていきます。「肺呼吸かよ」のツッコミに、コメント欄で2万件超の「いいジャン」。
本物のシャコは、泳ぐのに使う葉っぱのような腹肢に、枝分かれしたえらがついています。平凡社の世界大百科事典にもある、水の中で暮らす甲殻類のつくりです。
つまりこの宇宙人、シャコのパンチは借りても、肝心のえらは借りてこなかった。水中戦の専門家みたいな見た目で、水の中にいられないんです。
ネッシーも負けていません。光線でセルポ星人を撃ったあとに浮かべるのは、「?」の顔。雇い主を撃っておいて、本人がいちばん不思議そうです。
「気にしてるじゃんか」|19話で聞いてもらえなかった説明と、23話の「誤解されたくない」
23話の中心は、水中戦のど真ん中で始まる二人の言い合いです。19話から続いたモモのモヤモヤに、今回はオカルンのほうから踏み込みます。
| 話数とサブタイトル | 誤解をめぐる二人 |
|---|---|
| 19話「なんかモヤモヤするじゃんよ」 | 愛羅に覆いかぶさる姿を見たモモが、オカルンの説明を聞かずに教室へ戻る |
| 22話「モモちゃんまだモヤモヤしてます」 | 宇宙人と戦いながらも、モモのモヤモヤは片づかない |
| 23話「気にしてるじゃんか」 | オカルンが、どうでもよくないならそう言ってほしいと迫り、誤解されたくないと伝える |
きっかけは、愛羅の助け方です。オカルンが自分が引きつけるからモモは愛羅を、と持ちかけると、モモは渋る。そこから話が、校舎裏の一件へ転がります。
モモはその件を、どうでもいいと突き放す。でもオカルンは引き下がりません。どうでもよくないなら、よくないとちゃんと言ってほしい。そして、綾瀬さんには誤解されたくない、と。
19話のオカルンは、説明しに追いかけて断られました。23話は、聞いてもらえるまで引かない側に回っています。
サブタイトルの「気にしてるじゃんか」も、ここで意味が通ります。「どうでもいい」と言うモモの言葉より、モモの態度のほうを信じた一言に聞こえる。
アニメ第9話のこの場面は、MBS animation公式のショートで「綾瀬さんに誤解されるのは嫌だ!!…キュンとくるじゃんよ」と切り出されています。公式まで、題名でキュンを認めている。
ただし説明は最後まで届かず、シャコのパンチで話は途切れます。気持ちは伝えたのに、校舎裏で何があったかはまだ言えていない。
19話は聞いてもらえず、23話はシャコに邪魔される。オカルンの弁明、毎回なにかに遮られてる。
モモが説明を聞かずに去った昼休みは、19話のネタバレ感想・考察で振り返れます。あの日から4話分、オカルンはずっと言いそびれたままでした。
オカルンを船にしたモモ|2話の「天才っすか」と、23話の「知ってる」
話が途切れた直後、オカルンは飛んできた衝撃からモモをかばって水中へ潜ります。その動きを見て、モモが作戦を思いつきます。
作戦は、オカルン自身を乗り物にすること。念力の手でオカルンの体を握って押し出し、水の中を一気に進ませます。モモはその背に乗ったまま天井の水面へ向かい、愛羅をつかまえます。
さらに念力で愛羅の体から水を抜き、息を吹き返させる。敵を押さえる力が、今回は仲間を運び、仲間を蘇生させる力になっています。
MBS animation公式のショートは、題でオカルンを生きのいい魚にたとえています。読者はバナナボートやロケットと呼びました。どれで呼んでも、乗られているのはオカルンです。
この作戦を思いついた時のやりとりが、2話とそっくりです。
| 比べる点 | 2話 | 23話 |
|---|---|---|
| 相手 | まわしを締めた、相撲取りのような巨人 | ネッシーとシャコの宇宙人がいる水の中 |
| モモのひらめき | 巨人の手を地面につかせれば勝ち | オカルンを念力で押し出して、速く泳ぐ |
| オカルンの反応 | 「天才っすか」 | また天才かと驚く |
| モモの返し | 「知ってた」 | 「知ってる」 |
2話で巨人に歯が立たなかった時も、23話で水に手も足も出なかった時も、打開策を出すのはモモで、驚くのはオカルン。役割分担まで同じです。
違うのは、2話の作戦は巨人を転ばせるためだったこと。23話の作戦は、オカルンがモモをかばった動きから生まれています。言い合いの直後に、かばわれた側が思いつくのがいい。
さっきまで「どうでもいい」と言い合っていた相手に、今は全力で乗っている。モモ、切り替えの速さも天才。
相撲の巨人を二人で転ばせた2話は、2話のネタバレ感想・考察で読めます。モモの「知ってた」が飛び出したのも、この相撲の場面です。
そして水を吸う服が動きの邪魔だと見るや、モモは自分から脱ぎ、渋る愛羅にも脱がせます。
服のないオカルンの背に、下着姿の二人がまたがる。20話から一人だけ服がなかったオカルンに、周りのほうが合わせてきた。
ラストの合体|三人が組んだ直後に、敵も三体で一つになる
ラストは敵側の場面から始まります。三人が組み直している間に、宇宙人側は数を減らしていました。
- シャコの宇宙人が、近くを泳ぐセルポ星人に、もう少し時間をくれと頼む
- ところがその相手は、ネッシーにやられて首だけになっていた
- 残った一体のセルポ星人が、シャコの宇宙人とネッシーに体のケーブルをつなぎ、互いの力を使うために三体で一つになる
- オカルンの背にモモと愛羅が乗った三人が、もう一度潜ろうとして、真下の巨大な怪物に気づく
三体いたセルポ星人のうち、二体はネッシーにやられたことになります。雇った側が、雇ったUMAに数を減らされている。
こちらは三人で一つの乗り物に、向こうは三体で一つの体に。合体対合体で3巻が終わります。
コメント欄で2万件を超える支持を集めたのは、最後の三人の顔でした。「なんやこれ???」と言いたげな表情がかわいい、という声です。
ネッシーを持ち込んだのも、ネッシーに仲間をやられたのも、最後にネッシーと一つになったのもセルポ星人。この宇宙人たち、ネッシーの扱いだけは最後まで迷走してる。
コメント欄の23話|「現在の状況」と、同じ月に戻ってきたABBA
23話の応援コメントは2,600件超。最多の4万件超の「いいジャン」は、全裸の少年に下着姿の少女が2人またがる「現在の状況」を実況した書き込みでした。
| 場面 | 読者の受け止め |
|---|---|
| 三人の格好 | 実況の書き込みが最上位。服を脱ぐ・脱がないで飛び出した「チュッパチャプスでチャラ」の言葉選びにも3万件超 |
| オカルンの言葉 | こんなにはっきり気持ちを言えるのがかっこいい、告白じゃないかという声 |
| シャコの宇宙人 | 「肺呼吸かよ」に2万件超。19話の授業のシャコがここでつながったと沸く声も |
| ネッシー | 雇い主を撃った後の「?」の顔が、怖いのにかわいいという声 |
| 水中戦の絵 | 校舎の廊下で水中戦を描く発想と、週刊でこの奥行きを出す作画への驚き |
強化されたシャコの宇宙人は、ABBAの「チキチータ」を思わせる歌も口ずさみます。ABBAの活動再開はダンダダンのおかげ、という書き込みまで出ました。
実際にABBAが約40年ぶりの新作アルバムと再結成を発表したのは、2021年9月のこと。23話の公開とほぼ同じタイミングでした。
22話のシャコはリゲインのCMソングを思わせる歌でした。23話は1979年のABBA。シャコの宇宙人、選曲だけは二話続けて親世代向けです。
シャコの宇宙人「ドーバーデーモン」のプロフィールも、単行本3巻に載っています。
23話はその3巻の最終話。19話のモヤモヤから「誤解されたくない」まで一冊で追えて、巻末では合体した怪物が待っています。
まとめ|23話は、水の中でオカルンが誤解に踏み込み、敵が一つになる回
『ダンダダン』23話「気にしてるじゃんか」は、水に変わった校舎で全員の得意技が崩れる中、オカルンがモモの誤解に正面から触れ、最後は敵が三体で合体する回でした。
誤解されたくないとは言えた。でも校舎裏の説明はまだ。言いそびれた話を抱えたまま、二人を背中に乗せて、もう一度潜ろうとするオカルンです。
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