『ダンダダン』22話「モモちゃんまだモヤモヤしてます」は、駆けつけたモモが加わって三人とセルポ星人たちの戦いになる回です。最後は戦いそのものが水に飲まれ、足元を巨大な影が泳ぎます。
ようやく三人そろったのに、足を引っぱるのは敵ではありません。愛羅が口にした「高倉健」という本名で、モモの念力が抜けてしまうんです。
一方の宇宙人側では、シャコの宇宙人が無理やり強化され、給料まで下げられる。笑いどころの渋滞を抜けた先に、ネッシーの影が待っています。
宇宙人三体の念力には耐えたのに、名前ひとつで崩れる。モモの弱点、敵にだけは知られちゃいけない。
※原作漫画第22話までのネタバレを含みます。第23話以降の展開には触れません。
この記事でわかること
| 人物 | 21話までの状況 | 22話での関わり |
|---|---|---|
| 綾瀬桃(モモ) | 19話の誤解を抱えたまま、21話でオカルンたちのもとへ駆けつけた | 念力でセルポ星人を押さえるが、「高倉健」の名前に二度崩される |
| オカルン | 本名は高倉健。20話から服がないまま | 裸のまま変身し、シャコのパンチを見切って愛羅を動かす |
| 白鳥愛羅 | 20話でアクさらの力に目覚め、21話で変身が解けた | モモに共闘を持ちかけ、オカルンを譲らないと宣言する |
| セルポ星人 | 念力を合わせた「すごいゾーン」でオカルンたちを押さえ込んだ | 倒れていたシャコの宇宙人を、薬で無理やり強化する |
| シャコの宇宙人 | セルポ星人に雇われたボクサー。21話で天井に頭が刺さった | 強化された姿で離れた所からパンチを飛ばし、給料を下げられる |
『ダンダダン』22話のあらすじ|モモの合流から、校舎が水に変わるまで
22話は、21話のラストでモモが駆けつけた場面から続きます。水に沈んだ校舎の中で、三人がそろって宇宙人たちと戦う一話です。
- モモとの再会をセルポ星人たちが嘆き、喜ぶ裸のオカルンは、モモにこっちを見るなと言われる
- 助けられたことに不満そうな愛羅が、それでも共闘を持ちかけ、オカルンは譲らないと宣言する
- 愛羅が口にした「高倉健」の名前でモモの力が抜け、念力が切れて二人がまた押さえ込まれる
- セルポ星人が、嫌がるシャコの宇宙人に薬を打って強化。離れた所からのパンチが動けない二人を襲う
- 立ち直ったモモが念力を押し返し、変身したオカルンと愛羅が連携してシャコに打ち込む
- 固まって戦うなと注意したモモが、オカルンの健さんらしい一言でまた崩れる。シャコは給料を下げられる
- 足元から水があふれて戦いが止まる。壁も天井も水に変わり、下を巨大な生き物が泳いでいく
21話は、裸のオカルンが「モモちゃん会いたかったぜぇ」と叫んで終わりました。愛羅の初陣とすごいゾーンの絶体絶命は、21話のネタバレ感想・考察で追っています。
第22話「モモちゃんまだモヤモヤしてます」は2021年8月31日に少年ジャンプ+で公開され、単行本では15話から23話を収めた3巻に入っています。
龍幸伸先生も公開当日、Xで22話の更新を知らせています。シャコが薬を打たれて減給までされる回なのに、告知の文面は落ち着いたものです。
アニメでは、2024年11月28日放送の第1期第9話「合体!セルポドーバーデーモンネッシー!」に含まれます。原作21話から25話の途中までを一気に描いた回です。
「高倉健様」で力が抜けるモモ|1話の「不器用」と、2話の名前禁止
22話のモモは強い。セルポ星人三体の念力を、ひとりで押し返せます。崩したのは敵の攻撃ではなく、味方の愛羅が口にした「高倉健」の名前でした。
愛羅は共闘を申し出ながら、オカルンを譲る気はないと宣言します。その宣言に、本名の「高倉健」が入っていました。
聞いたモモはへなへなと後ろへ倒れ、念力が切れる。押さえ込まれたオカルンと愛羅は、変身も解けて床に突っ伏します。
愛羅としては恋敵への宣戦布告。結果は、自分を守っていた念力まで止めています。
この弱点は、22話で急に生えたものではありません。モモがどうして「高倉健」に弱いのかは、1話と2話にさかのぼると分かります。
| 話数 | 「高倉健」をめぐる出来事 |
|---|---|
| 1話 | 元彼を選んだ理由は、顔が俳優の高倉健に似ていたから。最後はオカルンの硬派な一言に動揺し、本名が高倉健だと知る |
| 2話 | 冒頭で「ヤダ!! 絶対認めない!!」。本名を認めず、オカルト好きだから「オカルン」と呼び始める |
| 22話 | 愛羅に本名を、オカルンに健さんらしい台詞を言われ、戦いの最中に二度崩れる |
2話でモモが本名を封じたのは、ただの照れ隠しに見えました。22話まで来ると、呼ばれるたびに力が抜けるから封じたようにも読めてきます。
しかもオカルンのほうは、それを知らない。固まって戦うなとモモに注意されて、素直に感心した返事が健さんふうの台詞になる。悪気ゼロで、二度目のとどめを刺しています。
2話の名前禁止の場面は、2話のネタバレ感想・考察で振り返れます。1話の最後に「高倉健」と名乗られた時から、モモの弱点は始まっていました。
サブタイトルも19話とつながっています。19話は「なんかモヤモヤするじゃんよ」。愛羅ともみ合うオカルンを見て、モモが弁明も聞かずに去った回です。
3話たって、22話の題は「モモちゃんまだモヤモヤしてます」。宇宙人と戦っている最中でも、モヤモヤは片づいていません。
薬を打たれたシャコの宇宙人|給料カットとリゲイン、「たいぐーアパカッ」
宇宙人側の見せ場は、21話で天井に刺さったシャコの宇宙人です。単行本では「ドーバーデーモン」の名で紹介されている、セルポ星人に雇われたボクサーでした。
嫌がる彼の頭に、セルポ星人は器具を突き刺して薬を打ち込みます。強化された姿は、掲載直後の読者が「バルタンじゃねーか!」と叫んだ見た目です。
しかも変身ついでにかけたサングラスは、すぐに飛んでいく。かっこつけの持ち時間が短すぎます。
強化後のシャコは、離れた場所からでもパンチの衝撃を飛ばしてきます。その最中の掛け声が「たいぐーアパカッ」。格闘ゲームのアッパーカットを思わせる叫びです。
ところがこのシャコ、同じ回で給料を下げられます。働きが悪いという理由で、雇い主から減給です。
叫ぶ技は「たいぐー」なのに、待遇は上がらず給料は下がる。この宇宙人の職場、21話より悪化してます。
口ずさむ歌も、1989年に流行した栄養ドリンク「リゲイン」のCMソングを思わせるもの。こき使われる宇宙人が、猛烈に働くサラリーマンの歌を歌う。ネクタイ姿にも急に意味が出ます。
| 比べる点 | 原作22話 | アニメ第9話 |
|---|---|---|
| 歌 | CMソングを思わせるフレーズを口にする | リゲインのテーマ曲「勇気のしるし」をしっかり歌う |
| 商品名 | 出さない | 「リゲイン」まで口にする |
アニメから原作へ読み返しに来た読者の「原作の方がマイルド」という声は、この差から。今回ばかりは、アニメのほうが攻めています。
殴る宇宙人がシャコなのも、実物を知ると納得です。実在のシャコは、獲物の貝を殴り割る甲殻類。捕脚を打ち出す速さは、ピークで秒速23メートルほどと報告されています。
カリフォルニア大学バークレー校の2004年の発表は、巻貝の殻を割るこの一撃を、捕食者の中でも最速級の攻撃として紹介しています。時速にすると80キロを超える計算です。
19話の午後の授業の題材も、なぜかシャコでした。コメント欄には、ここでシャコのパンチの速さが回収されたと沸く声も。授業の題材だったシャコが、22話では薬で強化されて殴りかかってきます。
見えるオカルンと、跳ぶ愛羅|20話・21話から変わった二人の戦い方
モモが念力を押し返したところで、オカルンと愛羅がもう一度変身します。今度は二人で、強化されたシャコに向かっていきます。
ターボババアの力を持つオカルンには、シャコのパンチが見えている。「見えちゃうぜぇ こいつのパンチがよぉ」です。
オカルンが愛羅を攻撃の外へ動かし、空いたところへ愛羅が跳び込んで急所に打ち込む。
| 話数 | シャコとの戦い方 | 結果 |
|---|---|---|
| 20話 | オカルンが愛羅をつかんで攻撃の外へ逃がし、下がらせて一人で相手をする | セルポ星人の念力で、オカルンの変身が解ける |
| 21話 | 変身した愛羅がほぼ一人で戦い、シャコの頭を天井に刺す | 念力と拳で、愛羅の変身が解ける |
| 22話 | オカルンが見切って愛羅を動かし、愛羅が急所を打つ | 二人の連携で、強化されたシャコに打ち返す |
20話のオカルンは、愛羅をつかんで逃がし、後ろへ下がらせました。22話でも愛羅を動かしますが、意味が違う。逃がすための動きが、愛羅に打たせるための動きになっています。
速さで見切るオカルンと、小回りで打ち込む愛羅。掲載当時の読者からは、フィギュアスケートのペアやバレエのようだという声が出ています。
後ろで念力を張るモモは、二人に固まって戦うなと注意します。作戦としては正しいのに、愛羅にはヤキモチと受け取られてしまう。モモは否定します。
前では裸の同級生が女子と組んで舞い、自分は後ろで念力の裏方。モモ、戦況より配置のほうが気になってそう。
そしてオカルンが素直に感心して返した一言で、モモの念力がまた途切れる。同じ崩れ方をもう一度見せる「高倉健」の天丼に、掲載当時の掲示板では悔しがりながら笑う声が並びました。
校舎が水に変わったラスト|19話の長い首と、3話の「ネッシーの力」
ギャグの天丼から一転、ラストは静かです。足元の水が急にせり上がり、三人とセルポ星人たちの戦いがそのまま止まります。
モモはオカルンと愛羅を連れて水面に顔を出します。ところが壁も天井も、もう水。足をつく場所も、逃げ込む壁もありません。
その水の下を、巨大な生き物が泳いでいきます。モモが前に出くわした、あの生き物です。19話のラストで、ひとりの教室にいたモモの方へ泳いできた長い首の影でした。
MBS animation公式のショートは、アニメ第9話で校舎に水が押し寄せる場面を「ついにアイツが…きた」と題して切り出しています。19話から見え隠れしてきた影が、戦場ごと持っていく。
3話で星子が担いでいたバットには、「ネッシーの力」の文字がありました。それが19話で影になり、22話では水に変わった校舎の下を泳いでいる。流れは19話のネタバレ感想・考察から追えます。
名前ひとつで足元をすくわれ続けたモモが、最後は本当に足場をなくす。22話、モモの足元に厳しすぎる。
気になるのは、この生き物とセルポ星人の関係です。戦いの冒頭、セルポ星人たちはモモの登場を見て、足止めに出した手下がしくじったとがっかりしていました。
掲載当時の読者も、ネッシーは宇宙人の手下なのか、それとも別の勢力なのかで割れていました。22話の時点では、水に変わった戦場と、その下を泳ぐ影が残るだけです。
コメント欄の22話|「全部ダンダダン」と、世代を分けた元ネタ
22話の応援コメントで最多の「いいジャン」4万7,000件超を集めたのは、おすすめの漫画を何のジャンルで聞かれても「ダンダダン」と答える、という書き込みでした。
| 場面 | 読者の受け止め |
|---|---|
| モモの崩れ方 | 高倉健で「あっ♡」となる設定を思い出した、「不器用」もだめなのかという声が2位 |
| シャコの宇宙人 | バルタン星人、リゲイン、格闘ゲームの技がそろう渋滞ぶりへの笑いと、減給への同情 |
| オカルンと愛羅 | パンチが見えるオカルンと、踊るように跳ぶ愛羅の連携をほめる声 |
| ラスト | 水の中の巨大な影が怖い、最後のページでゾクッとしたという声 |
| 21話ラストの見え直し | 「会いたかったぜぇ」が、あの格好のまま言っていた台詞だと分かって笑う声 |
元ネタの年代に気づいた人も多く、「アラフォー以上じゃないと意味不明」という書き込みまで。2024年のアニメ放送後には、親子で見て親だけが一瞬で分かったという声も加わりました。
3年たっても、同じ元ネタで世代が分かれている。ウルトラ怪獣とCMソングと格闘ゲームを、一体のシャコにまとめた回でした。
22話は単行本3巻に入っています。19話のモヤモヤから22話の「まだ」まで続けて読むと、モモの崩れ方に笑いながら、最後の水の静けさで一気に冷える流れが味わえます。
まとめ|22話は、名前で崩れるモモと、水に飲まれる戦場の回
『ダンダダン』22話「モモちゃんまだモヤモヤしてます」は、三人がそろった戦いをモモの弱点がかき回し、最後は戦場ごと水に変わる回でした。
三人がそろい、宇宙人とシャコとネッシーまで集まった22話。それでもオカルンの服だけは、今回も誰も持ってきてくれない。
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