『ダンダダン』78話「ときめきナイトじゃんよ」は、部屋にこもったモモに、窓の外の「オカルン」が告白する話。声の主は偽物で、モモは「ジジさん」の一言で見破ります。
星子の言いつけで、夜10時から朝5時まで部屋を出られない夜。カーテンの向こうの声は、見張りを申し出て、「好きだから」とまで言ってきます。
ラストは、家の外壁に張りついた王冠と手鏡の大女。同じ「好きです」「会いたいです」を、今度は家を叩きながら繰り返します。
いちばん聞きたかった言葉を、いちばん聞きたくない相手から聞かされる夜。題の「ときめき」が、こんなに怖い意味になるとは。
※この記事は原作漫画第78話までのネタバレを含みます。78話はアニメ化されていない話で、79話以降の展開には触れません。
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『ダンダダン』78話のネタバレ|夜10時の籠城から、家を叩く大女まで
78話は、カシマレイコから隠れるために、モモとバモラがモモの部屋で一夜を過ごす話です。外へ出なければ勝ち、のはずの夜でした。
- 星子が部屋の戸口に水を入れたコップを置いて手を合わせ、鏡には布をかぶせさせる。夜10時から朝5時まで、何があっても部屋を出るなと言い渡す
- 「楽勝」と言ったモモは眠れず、床の布団のバモラは先に熟睡
- 窓をノックする音と、オカルンの声。借りた漫画を返しに来て星子から事情を聞いたので、呪いが終わるまで外で見張ると言う
- 帰ってと頼むモモに、声は「好きだから」と告白する
- 「明日ちゃんと面と向かって言って」と返したモモは、こらえきれずに「会いたい…」。はんてんを羽織って部屋の戸へ向かう
- ドアノブに手をかけたまま、明日ジジと遊ぶ予定を聞く。返事の「ジジさん」で偽物だと分かり、ベッドへ戻る
- 窓を叩く音が始まり、家の外壁には王冠と手鏡の大女。「綾瀬さん 好きです」と言いながら家を叩き続けて、78話は終わる
第78話「ときめきナイトじゃんよ」は、2022年10月18日0時に少年ジャンプ+で公開されました。本編は19ページで、単行本では10巻に入っています。
公開と同時に、担当編集の林士平さんが扉と冒頭のページを添えて告知しています。文面の話数は「第77話」ですが、添えられた4枚は78話のものです。
扉のアオリは「カシマレイコから隠れ逃げおおせるか!?」。隠れるモモにとって危なかったのは、外の大女より自分の恋心でした。
前の77話で、星子は廃墟の大女を「カシマレイコ」と呼び、一週間は夜10時以降に外へ出るなと言っていました。78話は、その外出禁止の夜です。
77話の中庭と星子の説明は、77話のネタバレ感想・考察で書いています。
「寝れればな」|鏡に布をかぶせた星子と、眠れないモモ・熟睡するバモラ
星子の準備は、77話の注意をそのまま夜の手順にしたものでした。そして「寝てればいい」と軽く考えたモモに、最初の難題が来ます。眠れないのです。
| 77話で星子が言ったこと | 78話の夜の備え |
|---|---|
| 一週間、夜10時以降は外に出ない | 夜10時から朝5時まで、モモの部屋から出ない |
| 知っている人間の声で呼ばれても出ない | 「なにがあっても絶対に出るなよ」と念を押す |
| 窓から外をのぞくのもダメ | カーテンを閉めた部屋で、布団に入って時間が過ぎるのを待つ |
| (75話で、大女は手鏡に二人を閉じ込めた) | 部屋の鏡はしまうか、布をかぶせる |
鏡に布をかぶせる理由は、75話を読んでいれば一目で分かります。大女は鏡に映った相手を手鏡の中へ引き込み、モモとバモラも一度閉じ込められました。
朝5時までと聞いたモモは「楽勝じゃね!? 寝てればいいじゃん」。星子の返しは「寝れればな」でした。
婆ちゃん、その一言でもう半分オチを言ってます。
その通り、モモは眠れません。いつもなら5秒で寝られるのに、頭が冴えて仕方がない。一方、床の布団のバモラは、口を開けてよだれまで垂らして熟睡中です。
モモの心の声は「なんでこいつは寝れんだよ ハラ立つわー」。狙われている二人のうち、眠れないのは片方だけです。
部屋の壁にはUFOと人影のポスター。コメント欄には、前は高倉健さんのポスターだったのに宇宙人に変わっている、と気づいた読者もいました。
「好きだから」「なにが?」|カーテン越しの告白に、モモは「面と向かって言って」
眠れないモモに届いたのは、窓をノックする「コン」と、カーテンの向こうの「綾瀬さん!」。オカルンの声でした。
「ジブンが守りますから」から、「綾瀬さんが」まで
声の説明はこうです。借りた漫画を返しに来たら、星子から外に出られないと聞いた。だから呪いが終わるまで外で見張る。何かあったら「ジブンが守りますから!!」。
モモはお礼を言いつつ、帰ってと頼みます。オカルンが外にいると思うと、申し訳なくて逆に眠れない。断る理由まで、オカルンへの気づかいです。
声は引きません。「いたいんです…」「ジブンは…」と言いよどんでから、「好きだから」。
心臓の音がドキドキと鳴るなか、モモが返したのは「…なにが?」。返ってきた答えが「綾瀬さんが」で、モモは布団で口元まで隠してしまいます。
「なにが?」で、主語まで言わせた。モモ、照れながら確認だけは抜かりがない。
この声の吹き出しには、オカルンの顔の小さな絵が添えてあります。読んでいるこちらまで、外にいるのはオカルンだと思わされます。
「不器用なんで」で布団の中じたばた。でも「会いたい…」
モモの「なんで… 今言うのそれ…」に、声は「すいません… ジブン… 不器用なんで…」。モモは布団の中で手足をじたばたさせます。
オカルンの本名は高倉健。モモが1話から好きだと言っているのも、俳優の高倉健さんです。そして高倉健さんといえば、日本生命のCMの「自分、不器用ですから」。
高倉君の口から、高倉健さんの名台詞そっくりの言葉。モモに効かないはずがありません。
じたばたの後、モモは「今の 全然聞こえない」。続けて「明日ちゃんと面と向かって言って」。カーテン越しの告白は、受け取らずに明日へ回しました。
声は素直に「…わかりました」と引き下がり、「おやすみなさい…」。ところがモモのほうが、もう眠れません。
布団にくるまって起き上がり、「会いたい…」。ちゃんと聞かないと寝られない、とまで言います。返ってきたのは「ジブンも 会いたいです」。
「聞こえない」と言った告白で、眠れなくなっている。モモ、全部しっかり聞こえてました。
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「ジジさんとは呼ばねぇ」|77話のタメ口で偽物を見破ったモモ
モモが偽物に気づいた決め手は、ジジの呼び方でした。オカルンは、ジジにだけはタメ口で話す。モモがそれを知ったのは、77話の中庭でした。
はんてんを羽織ったモモは、戸の前まで行きます。戸には「絶対に外に出るな!!」の貼り紙。ドアノブに手をかけたまま、モモは何気なく聞きました。
明日、ジジと遊ぶ予定ある? 返事は「ありませんよ? ジジさんとは」。モモはノブから手を離し、黙ってベッドへ戻ります。
| 比べる点 | 77話の本物のオカルン | 78話の窓の外の声 |
|---|---|---|
| ジジへの話し方 | タメ口。敬語だとジジが無視するから | 「ジジさん」と呼ぶ |
| モモへの話し方 | 「ふつうにしゃべって」と頼まれても「無理ですね」 | 敬語のまま「好きだから」 |
77話のモモは、ジジにだけタメ口のオカルンに「ウチも敬語嫌なんだけど」とすねていました。そのすねた理由が、すぐに命綱になりました。
布団に戻ったモモは、目を閉じたまま言い放ちます。「ジジだけにはタメ口なんだよボケナス」。
ドアノブを握ったまま、さりげなく本人確認。ときめいている最中でも、モモは尋問の手を止めていませんでした。
声の主は、星子のことも、借りた漫画のことも知っていた。なのに、タメ口だけ知らない。
読者の間では、モモが廃墟で鏡に閉じ込められた時点の記憶を使っているから、という読みが多く出ていました。
声の主がどうやってオカルンの事情を知ったのかは、78話では描かれていません。鏡の記憶の説は、読者の読みです。
「綾瀬さん 好きです」|窓の外の大女と、読者が思い出した牡丹燈籠・八尺様
見破られても、声は呼びかけをやめません。窓をバンバンと叩く音が始まり、家の外壁には、王冠をかぶり手鏡を持った大女が張りついていました。
大女の口から出るのは「綾瀬さん 好きです」「会いたいです」。さっきまでカーテン越しに聞いていた言葉を、同じように繰り返します。
最後は屋根の上から「出てきてください!!」と家じゅうを叩き、モモは布団の中で頭を抱える。夜はまだ明けないまま、78話は終わります。
偽物だと分かっても、聞いた言葉は消えません。ときめいた「好きです」が、そのまま恐怖の呼び声に変わるのが78話のいちばん怖いところです。
このバンバンには、ふだん効果音をほとんど使わない漫画だから余計に怖い、と書いた読者が何人もいました。静かな告白の後だけに、音の圧がすごい。
そしてバモラは、家ごと叩かれても眠ったまま。最後まで目を覚ましません。
今夜いちばん安全なのは、たぶんバモラです。何も聞いていないので、だまされようがない。
中に入れない怪異が、中の人を呼び出す
78話を読んで、古い怪談を思い出した読者も少なくありません。はてなブックマークで名前が挙がったのが『怪談牡丹燈籠』でした。
| 比べる点 | 『怪談牡丹燈籠』 | 『ダンダダン』78話 |
|---|---|---|
| 訪ねてくる者 | 新三郎に恋い焦がれて亡くなったお露の幽霊が、毎夜通ってくる | 大女が、オカルンの声で「好きだから」と言う |
| 中の守り | 海音如来と護符で、新三郎に近づけない | 戸口の水のコップと、布をかけた鏡。部屋から出ない約束 |
| 守りの崩し方 | 伴蔵にお札をはがしてほしいと頼む | モモ自身に「出てきてください」と呼びかける |
左の列は、松竹の歌舞伎美人にある『怪談牡丹燈籠』のあらすじから。三遊亭円朝の怪談噺で、今も歌舞伎で上演される演目です。
お露は恋した相手のもとへ通い、78話の大女は恋の言葉で呼び出そうとする。どちらも、守りの内側にいる人の心を入り口にしています。
コメント欄やはてなブックマークには、ネット発の怪談「八尺様」を挙げる声も目立ちました。夜中に身内のふりをして外へ誘い出す話で耐性がついていた、という書き込みもあります。
ただ、牡丹燈籠のお札は人がはがしました。78話で部屋の戸に手をかけたのは、モモ自身です。止めたのも、77話で聞いたタメ口の話でした。
78話の読者の反応|いいジャン上位は「怖すぎ」と、利用された恋心
ジャンプ+の78話の応援コメントは4,300件を超えます。上位には、ホラーとしての怖さと、偽物の告白へのときめきが並びました。
| 書き込み | いいジャン |
|---|---|
| 「笑いなしのホラー、怖すぎ」 | 54,832 |
| 「カシマレイコがこんなキュンキュンな台詞考えて言ってると思うと笑えてくる」 | 47,988 |
| 「恋心が利用されてるのが可哀想なのにモモちゃんの恋が可愛すぎて…!!」 | 32,667 |
| 「女子のパジャマ会って何か良いよね。」 | 22,379 |
| 「おいおい怖すぎて夜しか寝れねぇじゃねぇか」 | 18,880 |
1位は公開1分後の書き込みです。2位は、あの告白の言葉を大女が考えていたと思うと笑える、という一言。怖さと可笑しさが、同じ夜に同居しています。
見破ったモモへは「オカルンのこと大好きやん、見分けがついちゃってる」に1万1,000件超のいいジャン。「オカルンのフリしてる口裂け女を見破るモモ、嫁すぎる」にも9,800件超。
9位は「俺たちの高倉はこんなにあっさり告白しないんだよなぁ」で、1万件を超えるいいジャン。読者のほうも、口調ではなく性格でオカルンを見分けていました。
「地味にジジとの友情感じられて好きです」という声もありました。思えば、偽物を見破った鍵も、オカルンとジジの仲の近さです。
77話でモモがすねたタメ口の場面と、78話の「ボケナス」は、同じ10巻に入っています。2話続けて読むと、「ジジさん」の一言がどれだけ決定的だったか分かります。
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まとめ|78話は、偽物の告白をタメ口で見破り、家を叩かれる夜
『ダンダダン』78話「ときめきナイトじゃんよ」は、窓の外の偽オカルンの告白にモモがときめき、「ジジさん」の一言で偽物と見破る回でした。
77話で「無理ですね」と断られたタメ口が、78話ではモモを守る合言葉になりました。うらやましがっておいて、正解でした。
※当サイトで使用しているイラストは、記事内容を補足するイメージです。特定の著作物・キャラクター・場面の再現を目的としたものではありません。本記事は作品公式および関係各社とは関係のない非公式記事であり、感想・考察には当サイトの見解を含みます。
※本記事の情報は2026年11月6日時点で確認しています。放送・配信状況、料金、特典、キャンペーン、商品情報などは変更される場合があるため、最新情報は各公式サイト・販売ページをご確認ください。
