『薬屋のひとりごと』第24話で猫猫(マオマオ)が城壁の上で舞ったのは、身請けされた鳳仙(フォンシェン)を花街の習わしに沿って見送るためです。相手は、猫猫がずっと距離を取ってきた実の母でした。
鳳仙を身請けしたのは実父の羅漢(ラカン)。再会への道を作った猫猫は、最後まで二人の隣へ行かずに踊ります。送り出したい。でも近づけない。祝福にその距離まで残るから、この舞は見ていて苦しい。
きらびやかな衣で舞う姿だけを見ると、急に別人になったようにも見えますよね。でも、踊る理由をたどると、薬師としての猫猫と花街で育った猫猫が同じ人間だと分かってきます。
あの舞、ただ「猫猫が綺麗!」で通り過ぎるには惜しすぎます。誰を、どこから見送っているのかを知ると、城壁の距離まで刺さるんですよ。
※この記事はアニメ第1期第23・24話の結末に触れます。原作小説・漫画の先の重大展開には踏み込みません。
この記事でわかること
| 人物 | この舞との関係 |
|---|---|
| 猫猫 | 身請けを祝う舞を、城壁で一人舞う |
| 鳳仙 | 羅漢に身請けされた、猫猫の実母 |
| 羅漢 | 鳳仙と再会し、身請けを決める実父 |
| 梅梅(メイメイ) | 羅漢を鳳仙のもとへ導き、猫猫へ衣を贈る |
| 壬氏(ジンシ) | 舞のあと、城壁で猫猫を見つける |
『薬屋のひとりごと』をアニメで見るなら
気になる場面や話数をアニメで確かめたいなら、DMM TVで『薬屋のひとりごと』が見放題です。
初回14日間無料体験から始められます✨
※初回14日間無料体験には適用条件があります。
※3期は10月3日(土) 00:00 より配信開始予定
猫猫はなぜ踊った?鳳仙の身請けを祝う「見送りの舞」
答えは、花街の見送りです。妓女が身請けされて妓楼を出る時、残る者たちは舞って送り出す。羅漢に選ばれた鳳仙のため、緑青館で育った猫猫もその舞を踊りました。
舞の相手は鳳仙、意味は身請けを祝う見送り。猫猫は花街へ戻って大勢と踊る代わりに、後宮の城壁から一人でその役目を果たします。
この「一人で」が効くんですよね。鳳仙は実の母でも、猫猫には母娘として暮らした記憶がありません。羅漢を父と呼ぶ気もない。それなのに、知らせを受け取ったあとで身体を動かして見送るのです。
猫猫の前に、拍手を送る観客はいません。花街の方を向いて確かに祝っているのに、宴の輪には加わらない。こんな離れ方を選ぶのか、と胸がぎゅっとなる。でも猫猫が無理に笑って宴へ出る姿より、ずっと彼女らしい。
漫画版第8巻でも、この場面は「身請けを祝う、見送りの舞」として紹介されています。短い一文ですが、踊りの目的はここでまっすぐ伝わります。
ただし、祝う相手が母親だからといって、猫猫のそれまでの痛みが消えるわけではありません。鳳仙との間にあるものは、舞一つで「仲のよい親子」へ塗り替えられるほど単純ではない。
踊れるほど近いのか、城壁からでないと踊れないほど遠いのか。両方あるから、あの姿から目が離せないんですよね。
鳳仙がどんな人で、猫猫がなぜ距離を置いてきたのかは、猫猫の正体と実父・実母の関係を合わせると見通しやすくなります。ここでは、その関係が舞へどうつながったかを追いましょう。
羅漢と鳳仙の再会まで|猫猫は道を作り、梅梅が扉を開いた
見送りの舞に至る前、猫猫は羅漢と象棋で勝負し、勝ったら緑青館の妓女を一人身請けするよう約束させました。実父との対決なのに、要求の中心は「自分を娘にしてほしい」ではない。最初から視線が別の所にある。
羅漢はかつて鳳仙と離れ離れになり、彼女はもう死んだと思っていました。そこへ届く、枯れた青い薔薇。咲いていた頃へは戻れないけれど、花はまだ形を残している。この贈り方、猫猫は本当に回りくどい。
それでも猫猫は、鳳仙の部屋へ羅漢を直接連れていきません。勝負で緑青館へ向かわせ、扉の先は羅漢に任せる。最後まで案内してよ、と言いたくなる。でも、それは猫猫が肩代わりできない選択です。
- 猫猫が条件を出す:羅漢との勝負に、緑青館の妓女の身請けを賭ける
- 羅漢が緑青館へ行く:並ぶ妓女から選ぶ場面で梅梅の前に立つ
- 梅梅が扉を開ける:奥から聞こえる鳳仙の歌声が羅漢を動かす
- 羅漢が鳳仙と再会する:彼女を見つけ、身請けを決める
- 猫猫が知らせを受ける:後日、身請けを知り、城壁で見送りの舞を舞う
ここで忘れたくないのが梅梅です。羅漢が自分へ手を伸ばしかけた時、彼女は扉を開け、鳳仙の声を届かせる。猫猫が作った入口を、梅梅が最後まで押し開いたのです。
第24話「壬氏と猫猫」では、羅漢が梅梅の手を取ろうとしたところへ歌声が届きます。相手を選ぶはずの場面で、先に「忘れられなかった人」が羅漢の耳へ帰ってくる。この順番がたまらない。
羅漢が鳳仙のもとへ走っても、失った年月は戻りません。鳳仙の今の姿に向き合い、かつて手を取れなかった自分にも向き合う。会えてよかった、と言いたいのに、それだけでは喉を通らない再会です。
猫猫が羅漢を動かし、梅梅が鳳仙へ続く扉を開け、最後の選択は羅漢がした。舞はその選択を知った後に始まります。
親子三人の絆を一気に修復した話として読むと、梅梅の行動も猫猫のためらいも薄くなってしまいます。誰か一人の善意で丸く収まる話ではないからこそ、見送りの舞には重さが残る。
小指に刻まれた過去まで含めて知ると、猫猫がこの再会へ踏み出す難しさも変わって見えます。猫猫の小指と鳳仙の指切りは、その痛みを扱う記事です。
漫画版8巻を読み返すなら、舞の美しさだけでなく、羅漢がどこで鳳仙を探し始め、梅梅がいつ一歩引くかを続けて見てほしいです。あの見送りは、一人で起こした奇跡ではないのですから。
祝福だけではない|母を遠くから送る猫猫の複雑な気持ち
猫猫は、羅漢が実父だと知っても、育ててくれた羅門(ルォメン)との「父」の位置を譲りません。鳳仙にも母親らしい思い出はない。その二人を見送るのだから、単純な親孝行とは呼べません。
鳳仙は、幼い猫猫を傷つけた人でもあります。それでも猫猫は、苦しい状態の鳳仙を見捨てきれず世話をしてきた。小指を見れば過去は消えない。それなのに、目の前の鳳仙も消せない。きっぱり切れないのがつらい。
第18話で鳳仙を見た猫猫の言葉には、母への苛立ちと、自分も関わり続けることへの苛立ちが重なります。あの冷たい一言も、第24話の舞のあとでは違って聞こえる。
第18話を振り返ったアニメ制作側のメイキング解説は、猫猫が実の両親を完全には切り分けられず、二人が結ばれることを無意識に望んでいたのかもしれない、と読み解いています。ここは制作側の見解で、猫猫が明言した本音ではありません。
舞を「親を許した証拠」と受け取ると、猫猫の痛みが急に軽くなってしまう。でも、どうでもいい相手なら夜の城壁で踊りはしないでしょう。名前を付けられない気持ちのまま、見送りだけはやり遂げる。
祝える。でも、そばへは行けない。その両方を城壁の上で引き受ける。
しかもこの舞は、鳳仙だけでなく、再び向き合うことになった二人へ贈られたものでもあります。羅漢を嫌う猫猫が、羅漢の選択まで祝う。そこに簡単な和解はないのに、やったことは確かに優しい。
普段の猫猫なら、気持ちを言葉で説明しろと言われたら身構えそうです。でもここでは、衣をまとって舞う姿が先に来る。言えない気持ちが身体の動きに出てしまうようで、胸が詰まります。
「許した」「恨んだ」の二択へ入れたくないんですよね。あの夜の猫猫は、どちらか一つで済むほど軽いものを背負っていません。
アニメ版『薬屋のひとりごと』を楽しむなら
文字だけでは伝わらない、声や音楽、キャラクターの動きまで楽しむなら、DMM TVで『薬屋のひとりごと』が見放題です。
DMM TVでは、初回14日間無料体験も利用できます✨
※初回14日間無料体験には適用条件があります。
※3期は10月3日(土) 00:00 より配信開始予定
城壁の舞が忘れられない理由|衣、振付、挿入歌の仕事
城壁での舞は第1期第24話「壬氏と猫猫」の終盤にあります。後宮の夜、遠くの花街へ向けて猫猫が一人で踊る。祝宴の輪の中ではなく、少し離れた場所で舞う構図がまず心に残ります。
梅梅から届いた衣を猫猫がまとっているのもいい。梅梅は羅漢を鳳仙へ向かわせた人です。その梅梅が贈ったものを身に着けて猫猫が舞うと、緑青館にいる人と城壁にいる人の行動が一本につながる。
猫猫はふだん、踊りを自分の売り物にしていません。薬や毒を前に目を輝かせる姿の方がずっと馴染み深い。だからこそ、踊る所作の確かさに驚くと同時に、花街で身につけた時間がふっと見えるんです。
第24話の舞について、制作側はモーションアクターのMaoさんが振付とダンスを担当し、3D背景と2D作画を組み合わせたと説明しています。二人へ捧げる舞として、映像の手触りまで作り込まれていました。
衣が大きく翻るたび、夜空の広さが目に入ります。その広さの中に踊り手は一人だけ。映像はあれほど華やかなのに、花街との距離がちっとも縮まらないんです。綺麗だな、と息をのんだあとに寂しさが追いかけてきます。
舞に流れる第24話の挿入歌は、アオイエマ。の「想い咲く時」。第1期第2クールのオープニング曲「アンビバレント」とは別の曲です。
本編映像と挿入歌を合わせた公式動画も公開されています。再生してみると、舞を「綺麗な映像」として切り取るだけでは終わらない。直前の再会を思い返した瞬間、衣の動きが見送りの言葉に変わります。
制作側はこの最終話と第12話との対応にも触れています。第12話「宦官と妓女」から第24話「壬氏と猫猫」へ。同じ二人の距離が少し変わったところで、この舞が置かれるわけです。
第1話から仕込んだ締めが、ここで舞になるのは強い。猫猫が言葉にしないものを、最後に映像と曲が一緒に受け取ってくれるようです。
舞のあと壬氏は何を見た?傷と「牛黄」で戻る二人の距離
舞い終えた猫猫の前に壬氏が現れます。あの衣、あの夜空。特別な場面のはずなのに、猫猫が落ちかけて壬氏は心配する側へ回る。華やかな余韻を容赦なく崩し、二人の会話が始まります。
猫猫は第19話で負った足の傷が治りきらず、舞のあとに傷口が開きます。自分で処置しようとする猫猫に、壬氏は気が気ではない。さっきまで舞を見ていたのに、今はけが人を何とかしなければならない。
壬氏に抱えられて運ばれながら、猫猫は改まって大切なことを言いそうな顔をします。そこで出てくるのは、薬の材料として欲しがっていた牛黄。緊張した空気が一気に崩れるのに、猫猫本人だけは真剣です。
鳳仙を送る舞と、牛黄をねだる猫猫は同じ第24話の同じ人。しっとり終わらせず、薬師の猫猫へ戻すところまで含めてこの最終回です。
壬氏だって、綺麗な姿に見とれて終わる余裕はありません。傷を見て焦り、期待を外されてむくれる。第12話では互いの役割に隠れていた二人が、第24話ではひどく素直な顔を見せる。壬氏の方は、とくに。
公式Xには、第24話の壬氏と猫猫のやり取りを切り出した動画もあります。舞の余韻から会話の温度が変わるところを、短い映像でも思い出せます。
牛黄でずっこけるからこそ、壬氏も猫猫も綺麗に飾られた人形にならないんですよね。
猫猫が壬氏へ向ける感情の変化を追いたいなら、猫猫の気持ちと壬氏への描写へ。舞の夜だけで二人の恋の結論を出すより、前後の態度も見た方がずっと楽しいです。
あんな舞を見せた直後に「牛黄をください」ですから。壬氏には申し訳ないけれど、ここで普段の猫猫が帰ってくるのが妙にうれしい。
漫画でこの夜を読み返すなら、華やかな舞と、その直後に薬へ一直線の猫猫を続けて見てほしいです。壬氏が振り回される理由も、そこでよく分かります。
猫猫の舞は何話・何巻?第24話と漫画版8巻が目印
城壁で舞う猫猫を見たいなら、アニメ第1期第24話「壬氏と猫猫」です。羅漢と鳳仙の再会まで続けて見るなら、第23話「鳳仙花と片喰」から入ると、舞へ至る道筋がつかめます。
漫画では、スクウェア・エニックス刊の『薬屋のひとりごと』第8巻が対応の目印。巻の紹介自体が見送りの舞を掲げ、羅漢が選ぶ相手と猫猫の出生の秘密を中心にしています。
| 媒体 | 探す場所 | 先に見ると効く場面 |
|---|---|---|
| TVアニメ | 第1期第24話「壬氏と猫猫」 | 第23話の羅漢との勝負 |
| 漫画・ビッグガンガン版 | 第8巻 | 羅漢と鳳仙の過去、緑青館での再会 |
| 公式公開動画 | 第24話挿入歌「想い咲く時」 | 舞と楽曲を短く振り返る |
アニメだけで振り返るなら、第23話の勝負から。猫猫が何を賭け、羅漢がなぜ緑青館へ行くのかが見えると、踊りの相手を取り違えなくなります。
第24話では梅梅が扉を開く一瞬も見逃したくない。羅漢の足が鳳仙へ向く転機であり、あとで猫猫へ届く衣ともつながります。舞だけを抜き出しても美しいけれど、ここを知ってからだと重みが違う。
なお、冒頭の検索語「猫猫の舞」は、オープニングで踊る姿を指す場合もあります。この記事で扱うのは第24話の城壁での見送り。探している曲も、オープニングではなく挿入歌「想い咲く時」です。
アニメでは衣の動きと歌にまず目を奪われます。漫画では、羅漢が鳳仙を見つけるまでの顔をじっと追える。舞から再会へ、再会から舞へ。往復するほど、城壁に一人で立つ猫猫の後ろに梅梅たちの姿まで浮かびます。
漫画8巻で羅漢と梅梅の場面を読み返してから、アニメ24話の舞へ戻る。この順番、猫猫が踊り出すまでの沈黙がいっそう長く感じられて、かなり来ます。
鳳仙の歌に気づいた羅漢と、扉を開けた梅梅。そこから城壁の猫猫へ続けて読むと、漫画版の見送りが「美しい一場面」で終わらず、三人の選択の着地点になります。
『薬屋のひとりごと』を見返すなら
ここまで読んで『薬屋のひとりごと』の物語を映像でも追いたくなったら、DMM TVなら『薬屋のひとりごと』が見放題です。
Web登録なら月額550円(税込)で利用できます。
さらに、初回14日間無料体験から始められます✨
【こんな人におすすめ】
✅ 気になる話数から見返したい✨
✅ 物語を映像でもじっくり追いたい✨
✅ ほかのアニメもたっぷり見たい✨
➡️ アニメ6,700作品以上を含む、コンテンツ22万本以上を配信中📺
※見放題・TVODを含む配信数(2026年7月時点)
\初回14日間無料体験を試す/
※情報は2026年7月時点のものです。月額550円(税込)はWeb登録時(App Store・Google Playからの登録は月額650円)。初回14日間無料には適用条件があります。最新の配信・キャンペーン状況は公式サイトにてご確認ください。
※3期は10月3日(土) 00:00 より配信開始予定
まとめ|猫猫の舞は鳳仙への見送りで、言葉にしきれない祝福
猫猫の舞は、羅漢に身請けされた鳳仙を花街の習わしで見送るためのものです。第24話で、猫猫は後宮の城壁から花街へ向かって一人で踊りました。
猫猫は鳳仙と羅漢を「父と母」と呼んで抱き合いには行きません。でも再会のあと、届いた衣をまとって一人で舞う。何もなかったことにはできない。そのままでも見送れる。猫猫が選んだ、ぎりぎりの優しさです。
踊り終えれば、牛黄に目がないいつもの猫猫が帰ってくる。でもあの夜だけは、花街で育った娘が二人をちゃんと見送った。その静かな一歩が、ずっと残ります。
※当サイトで使用しているイラストは、記事内容を補足するイメージです。特定の著作物・キャラクター・場面の再現を目的としたものではありません。本記事は作品公式および関係各社とは関係のない非公式記事であり、感想・考察には当サイトの見解を含みます。
※本記事の情報は2026年9月27日時点で確認しています。放送・配信状況、料金、特典、キャンペーン、商品情報などは変更される場合があるため、最新情報は各公式サイト・販売ページをご確認ください。
