『薬屋のひとりごと』(通称『薬屋』)の紅娘(ホンニャン)は、玉葉妃(ギョクヨウヒ)の侍女頭です。翡翠宮で働く猫猫(マオマオ)にとって、直属の上司にあたります。
年齢は物語開始時に数え年で30歳。高順(ガオシュン)には一時関心を寄せていましたが、妻がいると知って諦めています。厳しい仕事ぶりの合間に、そんな私生活ものぞく人です。
猫猫を叱る印象が強いけれど、境遇を知れば給金の受け取り方まで工夫してくれる。相手をよく見ているから、甘やかすことも、止めることもできる。この手際のよさが好きなんですよ。
※アニメ第1期・第2期と、原作者公開Web版の人物設定・後の展開に触れます。Web版の出来事は、その媒体を示して紹介します。
| 相手 | 紅娘の立ち位置 | 日常で担うこと |
|---|---|---|
| 玉葉妃 | 長くそばに仕える侍女頭 | 身の回りの世話と、宮の仕事の取りまとめ |
| 猫猫 | 仕事上の上司 | 毒見の働きを把握し、給金や作業の条件にも対応する |
| ほかの侍女 | 指導と取りまとめをする年長者 | 来客時などに指示を出し、必要なら自ら動く |
| 高順 | 別の主に仕える実務者同士 | 翡翠宮と壬氏(ジンシ)の側をつなぐ用件で接する |
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紅娘の読み方はホンニャン|玉葉妃に仕える侍女頭
紅娘は「ホンニャン」と読みます。玉葉妃の身の回りを整え、ほかの侍女をまとめる責任者で、猫猫が薬と毒の専門家なら、紅娘はその力を翡翠宮の仕事へつなぐ側です。
壬氏が猫猫に用事を頼み、高順がそれを運ぶ。一方、猫猫の働く翡翠宮を取り仕切るのは紅娘です。顔を合わせる人たちの間でも、誰の仕事を支えているかは違います。
原作者公開Web版の「登場人物紹介」では、紅娘は侍女の鑑であり苦労人とされています。行儀よく立つだけで済まないのが、この宮の侍女頭です。
自分で茶器を用意する、口だけではないまとめ役
Web版「7 媚薬」では、壬氏を迎える準備で侍女たちが小競り合いをすると、紅娘が自ら茶器を用意します。誰がやるかを争っている間に、上司が終わらせてしまう。
叱って仕事を押し返すだけなら、もっと楽でしょうに。場が止まったら自分で動くところに、頼もしさと、仕事が集まってしまいそうな危うさの両方がある。
日向夏さんの「薬屋八巻までの設定」には、額に手を当てる癖も挙げられています。端正な顔立ちに、苦労までちゃんと描き込まれているんですね。
顔ぶれ全体を見たい場合は、玉葉妃の侍女の名前と役割もどうぞ。紅娘の周りには、性格も得意なことも違う仲間がいます。
紅娘と猫猫の関係|厳しい上司は給金の事情も見逃さない
紅娘は猫猫の能力を仕事として評価しながら、本人がなぜそれを隠していたのかにも耳を傾けます。働いた分が誰の利益になるのかまで手を入れる。ここは見逃せません。
猫猫は人さらいに連れてこられたのに、給金の一部がその関係先へ送られる立場でした。能力を明かして給金が増えれば、相手の取り分まで増えてしまう。喜べる昇給ではないんです。
Web版「6 毒見役」で事情を聞いた紅娘は、猫猫の言葉が荒くなっても咎めません。その場で水差しを使い、送金を止める口実を作りました。
- 紅娘が猫猫に水差しを持たせたあと、猫猫の手首に衝撃が走り、落ちた器にひびが入る。
- 高価な器の弁償代として、毎月の仕送り分から差し引く形を取る。
- 猫猫には別途、現在の給料とほぼ同額の危険手当の明細を渡す。
危険手当には、送金で取られる手数料もありません。猫猫の手元に残るお金を増やすところまで、紅娘の段取りは続いています。
やさしい言葉で慰めて終わらず、最後に出てくるのが明細。紅娘さま、気遣いの着地点が具体的すぎる。
猫猫を気にかける方法は、仕事の渡し方にも出る
その後のWeb版「7 媚薬」では、周囲が猫猫の手伝いを断る中、紅娘は簡単な用事を頼みます。暇を持て余す新入りに、ちゃんと仕事を渡す側でもありました。
何もさせない気遣いが、猫猫には落ち着かない。普通ならありがたい厚遇でも、この子には仕事と薬のあるほうが居心地がいい。相手に合う世話の焼き方は、一つではないんですよね。
ただし、毒見役には命の危険があり、玉葉妃を守る仕事が最優先です。給金に気を配ることと、猫猫に何でも許すことは別。紅娘は、そこまで甘くありません。
Web版「9 可可树」では、猫猫の作ったものを口にした侍女たちが眠ってしまい、紅娘も高順も後始末へ回ります。猫猫の知識は役に立つ。でも、周りの手間も増える。
紅娘を目当てに漫画を開くなら、謎を解く猫猫の隣で、誰が仕事を受け止めているかも追ってみたい。毒見役の部下と侍女頭、そのやり取りが気になります。
紅娘の年齢は?物語開始時の30歳と後の32歳を分ける
紅娘の年齢は、物語開始時で数え年30歳です。原作者公開Web版では、序盤の人物紹介で「三十路」、後の「侍女頭の責任」では32歳として登場します。
日向夏さんが2019年8月24日に投稿した物語開始時の年齢設定では、紅娘は30歳。全員数え年という条件付きで、現代の満年齢とは数え方が違います。
| どの時点・資料か | 紅娘の年齢表現 | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| 物語開始時の年齢設定 | 数え年30歳 | 日向夏さんの年齢設定。満年齢への単純な置換はしない |
| Web版「登場人物紹介」 | 三十路 | 序盤の人物像を知るための紹介 |
| Web版・壬氏編「二十二、侍女頭の責任」 | 32歳 | その章の時点の数字。序盤へ戻して使わない |
30歳で後宮に残る、必要とされる側仕え
年齢は、後宮に残る立場とも関わります。Web版の後宮では、女官はおおむね三十路になる前に暇を出され、妃の側仕えや位の高い宮官などが例外として残ります。
Web版「十二、診療所」の猫猫は、紅娘も普通なら後宮を出る年齢だと考えます。ただし、本人に言えば叱られる、と口には出さない。年齢の話だけは、猫猫もちゃんと慎重です。
そんな猫猫も、紅娘を必要とされて残る人として見ています。怖い上司の年齢をこっそり気にしながら、働きぶりへの評価はちゃんとあるんですね。
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紅娘と高順の関係は?関心を寄せたものの既婚者と知って諦めた
紅娘は一時、高順に関心を寄せていました。原作者公開Web版では、その好意と、高順に妻がいると知ってきっぱり諦めたことの両方が語られています。夫婦の関係ではありません。
二人には、それぞれの主のそばで実務を支える共通点があります。紅娘が翡翠宮を整える一方、高順は壬氏を補佐する。猫猫の周囲で、用件を実際に動かす人同士でもあるんですね。
Web版「十二、高順」では、苦労の多い二人が時折共感を持つようだと、壬氏の側から描かれます。同じ苦労を察し合える相手がいる、その近さは分かる気がします。
| 接点 | 描かれていること | 関係の受け取り方 |
|---|---|---|
| 仕事 | 紅娘は玉葉妃、高順は壬氏に仕える | 役目の違う実務者同士 |
| 紅娘の関心 | 高順にまんざらでもない様子がある | 紅娘側の好意として読む |
| その後のWeb版 | 高順に年上の妻がいると知り、諦める | 二人の恋が成就した話ではない |
仕事中は隙がないのに、気になる相手がいる。紅娘にも、自分の暮らしをどうしたいかという願いがあるんですよ。上司の顔ばかり見ていると、つい忘れそうになる。
ただ、高順が紅娘へ同じ気持ちを返したとまでは、この描写は語っていません。二人が気の合う苦労人に見えることと、両思いであることは別です。
高順の家族の話と、紅娘の好意は別の経緯
高順の妻は桃美(タオメイ)です。二人の結婚には紅娘の関心とは別の経緯があり、高順と桃美が結婚するまでの話へつながります。
高順自身の年齢や役職を確かめるなら、高順のプロフィールで読めます。紅娘の相手候補だった面だけでなく、主を支える日々まで含めて知ると、接点にも納得です。
紅娘が嫌い・怖いと感じるのはなぜ?猫猫と管理する側の違い
紅娘が怖く感じられるのは、猫猫の好奇心に待ったをかけるからでしょう。猫猫は作れるかを知りたい。紅娘は、主のそばで作ってよいかを考える。同じ実験でも、気にする点が違います。
猫猫の発想を追っていると、実験を許してくれる玉葉妃のほうが話が早い。でも、そのあとに場所を整え、片付けまで終えるのは別の話なんですよね。
Web版「一、主人」で猫猫は、薔薇水作りに玉葉妃より紅娘の許可のほうが難しかったと話します。許可のあとも、片付けや体に付いた匂いを落とすことが条件でした。
| 猫猫の行動 | 猫猫の側から見ると | 紅娘の仕事から見ると |
|---|---|---|
| 薔薇水作りの許可を求める | 作りたいものがあり、技術を試したい | 主のそばでの作業に問題がないかを考える |
| 別の棟で作業する | 作業に集中できる場所を使う | 主の生活空間との距離を保つ |
| 作業後に片付け、匂いも落とす | 実験が済んでも後の用事が残る | 普段の仕事へ戻れる状態まで整える |
玉葉妃の許可が出ても、紅娘の確認は残る。主に頼めば全部通る、という宮ではないんです。この順番、猫猫には手ごわいでしょうね。
それでも、実験そのものは許可されています。紅娘は猫猫の知識を封じるのでなく、仕事場で使える条件を付けている。止める場面だけを見ると、この余地が見えなくなります。
猫猫、作れるかどうかには夢中だけど、作り終えたあとの匂いまで上司の心配なんだよ。
部下だけでなく、玉葉妃も好奇心旺盛
口うるさく感じる場面はあります。それでも、猫猫が本当に困っていたとき、給金の手続きで助けた相手は紅娘でした。叱る声の厳しさだけでは、拾えない面です。
しかも、仕える玉葉妃も好奇心のある人です。部下の猫猫を止めれば済む、という単純な配置ですらない。紅娘の気苦労、そちらからも来るんですよね。
薬の知識で先へ進む猫猫と、主のそばで働く決まりを守らせる紅娘。原作小説を読むときも、二人の言葉の応酬に注目したい。猫猫に口を挟める相手は貴重です。
玉葉妃を支える紅娘の弱点|仕事を一人で抱えてしまう
紅娘は有能ですが、何でも自分で片付けてしまう面もあります。玉葉妃との関係を追うと、主を支える力が、そのまま紅娘自身の負担になるところまで見えてきます。
※ここからは原作者公開Web版・壬氏編「二十二、侍女頭の責任」の、玉葉が皇后になったあとの内容に触れます。
玉葉が15歳で後宮へ入った時、紅娘も同行していました。周囲の侍女が去ったり毒見で倒れたりする中で残った経験は、仕事を人に任せにくい今の姿へ重なります。
単に手際がよすぎる人、と笑うには、背負ってきたものが重い。誰かに任せて休んでほしいと思っても、その誰かを信じていいかから考える場所だったんですね。
後のWeb版「二十二、侍女頭の責任」では、玉葉がほかの侍女にも仕事を振るよう促します。長く世話されてきた主が、紅娘の将来へ話を向ける場面です。
- 紅娘は、他の侍女に渡された注文の仕事まで引き受けようとする。
- 玉葉は仕事を任せることと紅娘自身の結婚を結び付けて話す。
- 紅娘は若い侍女たちへ、どこまで仕事を任せられるか確かめに行く。
玉葉にも、自分の企みを紅娘に気付かれたくない都合があります。結婚の話へ持っていったのは、その目をごまかすためでもある。主も部下も、紅娘にはうかつなことができない。
ただし、この章で結婚が決まったわけではありません。仕事を任せる方向へ動き、玉葉が縁談の相談の手紙を書くところまでです。期待と成立は分けておきたいですね。
将来の話をされた直後に、まず部下の仕事ぶりを確かめに行く。紅娘さま、そこでも最初の一歩は仕事なんですね。
見送った玉葉も、言いっぱなしにはできません。最後は本当に縁談を探す手紙へ。侍女頭に仕事を任せてもらうための説得が、主の仕事まで一つ増やしてしまうのが、この二人らしい。
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まとめ|紅娘は厳しさと気遣いを仕事で見せる侍女頭
紅娘は、玉葉妃を支え、猫猫たちの仕事を取りまとめる侍女頭です。給金の明細や作業の許可、後片付けまで気を配る。この手の届く広さが、頼もしさでも気苦労の多さでもあります。
猫猫の実験が始まるとき、作り方だけを追うのも楽しい。でも、その作業が終わったあとの部屋や食卓へ目を向けると、紅娘の仕事が残っています。
次に額へ手が行ったら、猫猫が何をしたかだけでなく、玉葉妃が何を許したかも気にしてみたい。その頭痛の種、一人じゃないんですよね。
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