『ダンダダン』17話「優しい世界へ」は、アクロバティックさらさら(アクさら)のオーラで愛羅が生き返り、そのアクさらが消えていく回です。
前半は、怪異になったアクさらと幼い愛羅の出会い。後半は、目を覚ました愛羅が崩れていくアクさらを抱きしめ、「お母さん、愛してる」と伝えるまでです。
いちばん効いてくるのは、14話で迫られても口にしなかった「お母さん」を、17話の愛羅は自分から言うところ。同じ一言なのに、言う側の事情がまるで違います。
呼べと迫られた時は黙っていて、相手が何も求めなくなってから自分で言う。14話の答えが、3話越しに返ってきた。
※原作漫画第17話までのネタバレを含みます。第18話以降の展開には触れません。
この記事でわかること
| 人物 | 16話までの状況 | 17話での関わり |
|---|---|---|
| 白鳥愛羅 | アクさらに食べられ、戦いの後に息をしていなかった | アクさらのオーラで息を吹き返し、消えていくアクさらを抱きしめる |
| アクロバティックさらさら | 自分の口を裂き、モモの超能力でオーラを愛羅へ移し始めた | 幼い愛羅との出会いが明かされ、オーラを渡した体が崩れていく |
| ターボババア | 招き猫の姿で、愛羅の死を告げた | オーラを渡したアクさらがこの先どうなるかを告げる |
『ダンダダン』17話のあらすじ|怪異になった母親の記憶から、最後の再会まで
17話は、身を投げた母親のその後から始まります。怪異になった彼女が、愛羅とどう出会ったのか。答えが出た後に、別れが来ます。
- 死んだ母親は怪異になり、何か大切なものをなくしたまま、この世をさまよう
- 母親を亡くしたばかりの幼い愛羅が、その怪異を「お母さん」と呼ぶ
- 子どもを探していたことを思い出し、愛羅を自分の子と思い込んで守ろうとする
- 現在に戻り、アクさらのオーラを受け取った愛羅が息を吹き返す
- オーラを失ったアクさらの体が崩れ始める。ターボババアは、未練を残して消えれば成仏できず「無」になると告げる
- アクさらは愛羅に謝り、子どもを幸せにできなかったと泣く
- 愛羅がアクさらを抱きしめ、「お母さん、愛してる」と伝える
- 最後の場面には、母親と娘の姿。添えられた言葉は「願わくば穏やかな再会を」
16話のラストは、娘を連れ去られた母親が屋上で踊り、身を投げる場面でした。台詞の少ない過去編は16話のネタバレ感想・考察で振り返れます。
第17話「優しい世界へ」は、2021年7月27日の火曜日に少年ジャンプ+で公開されました。単行本では15話、16話と同じ3巻に入っています。
龍幸伸先生も公開当日の0時過ぎ、Xで17話の更新を知らせています。告知はいつもどおり短く、本編の重さには触れていません。
アニメでは、2024年11月放送の第1期第7話「優しい世界へ」にあたります。17話のサブタイトルが、そのまま放送回の題になりました。
15話の頭突きから17話の別れまでを、第7話の一話でまとめて描いています。
幼い愛羅の「お母さん」|娘をなくした怪異と、母親をなくした子の出会い
アクさらが愛羅に執着した理由は、17話でようやく分かります。始まりは、幼い愛羅の呼び間違いでした。
アニメ第7話のNetflix公式クリップは、娘を攫われた母親が、降りしきる雨の中で新しい妖怪になるまでを切り出しています。
14話の冒頭にも、赤いワンピースの裾をつかむ幼い愛羅の回想がありました。17話で分かるのは、その時の二人がどちらも、いちばん大事な相手をなくした直後だったことです。
| 比べる点 | アクさら | 幼い愛羅 |
|---|---|---|
| なくした相手 | 連れ去られた娘 | 亡くなったばかりの母親 |
| 出会った時 | 怪異になり、何をなくしたのかも覚えずにさまよっていた | 母親の死を、まだよく分からないほど幼かった |
| 「お母さん」の一言で | 子どもを探していた自分を思い出し、愛羅を守ろうとする | 知らない女の人を、母親と呼び間違える |
幼い子の呼び間違いです。それでもアクさらにとっては、なくしたものに名前が付いた瞬間でした。
呼んでくれなければ食べる。14話の理不尽な要求も、こうなると別物です。あの一言だけが、彼女に残った母親の証拠だった。
人を丸ごと食べるほど欲しかったのが、呼び名ひとつ。要求の重さと中身が、釣り合ってなさすぎる。
3人が次々に食べられた14話の場面は、14話のネタバレ感想・考察から。17話の後に読み返すと、あの迫り方が必死に見えてきます。
「無」になりかけたアクさら|謝る母親に、愛羅が自分から言った「愛してる」
愛羅が息を吹き返したところで、アクさらの体は崩れ始めます。オーラは命の電池のようなもの。全部渡した側は、もう形を保てません。
しかも、未練を残したまま消えれば成仏もできず、「無」になってしまう。命を差し出した見返りが、それです。
それを告げるのが、招き猫のターボババアです。15話では愛羅の死を、17話ではアクさらの行き先を。悪い知らせを言う役が、すっかりババアの担当になりました。
あの割り切った言い方は、こういう最期をずっと見てきたからだろう、という読者の声も。トンネルの少女たちの話は8話のネタバレ感想・考察で振り返れます。
| 比べる点 | 14話 | 17話 |
|---|---|---|
| 「お母さん」を言い出したのは | アクさら。もう一度そう呼んでほしいと迫る | 愛羅。誰にも頼まれていない |
| アクさらの態度 | 呼ばない愛羅を食べる | 子どもを幸せにできなかったと謝る |
| 愛羅がしたこと | 呼ばずに、食べられる | 崩れていくアクさらを抱きしめる |
| その後 | 3人とも腹の中へ | 未練が晴れ、「無」ではなく成仏へ向かう |
泣いて謝る相手は愛羅なのに、言葉は連れ去られた娘のほうへも向いて聞こえます。そこへ愛羅が返したのが「お母さん、愛してる」でした。
ついさっき自分を食べて、死なせた相手ですよ。それを抱きしめにいく。オカルンを陰で笑っていた10話の愛羅と、本当に同じ子?
愛羅がなぜそこまでできたのか、17話ははっきり言葉にしません。母親を亡くした子だった、という一点が見えているだけです。
金の玉でモモを祓おうと騒いだ愛羅は、13話のネタバレ感想・考察から。あの騒がしさを知っていると、17話の抱擁がいっそう静かに見えます。
最後の場面と「願わくば穏やかな再会を」|16話のワンピースが、娘のもとへ
17話の最後には、母親と娘が一緒にいる姿が描かれ、「願わくば穏やかな再会を」という言葉が添えられます。
連れ去られた娘がその後どうなったのかは、17話でも描かれません。生きているのか、もう亡くなっているのか。「願わくば」の一語が、そこを確定させずに残しています。
コメント欄の読者が見ていたのは、娘の服です。最後の場面の娘が、怪異になったアクさらと同じ服を着ている。16話で母親が買ってあげた、あのワンピースだと読めます。
| 話数 | ワンピースの見え方 |
|---|---|
| 13話〜15話 | 愛羅の前に現れる、赤いワンピースの大女の不気味な衣装 |
| 16話 | 母親が娘に買ってあげた服。娘はそれを着た日に連れ去られる |
| 17話 | 最後の場面で母親と一緒にいる娘が、同じ服を着ていると読者が気づく |
13話で愛羅の前に現れた不気味な服が、17話では娘が母親の隣で着ている服になる。同じワンピースが、ようやく元の持ち主のところへ戻ったようにも見えます。
赤いワンピースの大女が怖かった頃のこと、もう思い出せない。あれ、娘とおそろいの服だったんですよ。
アニメ第7話でアクさらを演じたのは井上喜久子さん。怪異の怖さから母親の声まで演じ分けた人の経歴は、アクさら役の声優の紹介記事で読めます。
コメント欄の17話|「これが金玉争奪戦なの悲し過ぎる」と、親たちの涙
17話の応援コメントは5,800件超。いちばん支持されたのは、こんな綺麗な話なのにこれが金玉争奪戦なのが悲しすぎる、という声でした。
掲載直後の書き込みに、7万件を超える「いいジャン」。泣きながら我に返った人が、それだけいたわけです。
そう、これ9話からずっと、オカルンの玉を探している途中なんです。もう1個、まだ見つかってません。
| 場面 | 読者の受け止め |
|---|---|
| 「願わくば穏やかな再会を」 | 娘はもう亡くなっているのか、と借金取りへの怒りまじりに問う声が2万件超の支持 |
| アクさらの後悔 | 「買ってあげればよかった」ではなく「買ってあげたかった」と言うところが刺さった、という声 |
| 母子家庭の描写 | 一人で育ててくれた母の大変さを思い出した、という書き込みに1万5,000件超 |
| 子を持つ読者 | 同じ年頃の娘がいる、と親の立場から泣いた書き込みが続く |
| 最後の娘の服 | 娘の服がちゃんといい服になっている、アクさらの衣装と同じだ、と気づく声 |
アクさらの「私のところに生まれて来なければ」という後悔を挙げて、こんなに愛情深い人なのに、と書く読者もいました。自分を責める言葉ほど、娘への愛情の深さが出てしまう。
アニメ放送後の2024年11月にも、アニメを見て原作を読み返し、また泣いたという書き込みが付いています。掲載から3年たっても、17話のコメント欄は動いていました。
17話は単行本3巻に入っています。15話の頭突き、16話の過去編から続けて読むと、笑った戦いの相手が母親として見送られるまでを一気に追えます。
まとめ|17話は、呼び間違いの「お母さん」が本当の別れの言葉になる回
『ダンダダン』17話「優しい世界へ」は、アクさらのオーラで愛羅が生き返り、「無」になりかけたアクさらを、愛羅が「お母さん、愛してる」と見送る回でした。
幼い日の呼び間違いを、最後は呼び直しで終わらせた愛羅。アクさらが聞きたかったのは、たぶんこっちの「お母さん」です。
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