『ダンダダン』30話「あきらめるなよ!」は、金色の玉をつけた人体模型を追いかけた先で、その目的が「捨てられる想い人に会うこと」だったと分かる回です。
前半は屋根の上からバスの真横まで、街じゅうを使った追跡劇。後半は粗大ごみ置き場で、人体模型が女性の人体模型・花に思いをぶつけます。
いちばん効いてくるのは、その告白を聞いているのが、29話で「もうモモと会わないようにしよう」と決めたばかりのオカルンだというところです。
金の玉を取り返しに走ったら、恋の手本を見せられて帰ってくる。オカルン、追いかけた相手から受け取る物が違う。
※原作漫画第30話までのネタバレを含みます。第31話以降の展開には触れません。
この記事でわかること
| 人物 | 29話までの状況 | 30話での関わり |
|---|---|---|
| オカルン | ジジとモモの仲を悪いほうへ想像し、もうモモと会わないと決めた | 変身して人体模型を追い、最後は告白を聞く |
| 綾瀬桃(モモ) | 超能力で人体模型をつかんだまま、引きずられていく | 手を離さず追い続け、つかんだ心臓で居場所を探り当てる |
| ジジ | モモの幼なじみ。霊が見えるようになり、29話でモモをかばった | モモと一緒に引きずられ、変身したオカルンを別の化け物と勘違い |
| 人体模型 | 「あきらめてたまるか」と叫んで走り、股に金色の玉 | 粗大ごみ置き場の花に会うため、街じゅうを逃げ回る |
| 花 | 30話で初登場 | 廃棄される予定の、古い女性の人体模型 |
『ダンダダン』30話のあらすじ|屋根の上の追跡から、粗大ごみ置き場の告白まで
30話は、29話のラストで人体模型に引きずられていったモモとジジを、オカルンが追うところから始まります。終わりは、ごみ置き場の告白を聞いたオカルンです。
- オカルンが変身して追う。人体模型はベランダから屋根へ上がって逃げ、ジジは変身したオカルンを別の化け物だと思い込む
- 電線をよけた先で、前から来たバスにぶつかる寸前。オカルンがモモの手をつかんで回避する
- オカルンはモモとジジを乗せて追い続け、三人がかりで人体模型を引き戻そうとする
- 人体模型はバラバラに分解して振りほどき、すぐ元の形に戻って逃げ去る
- 見失ったモモが手の中の物を殴ると、遠くから悲鳴。声のするほうは粗大ごみの集積所だった
- 倒れていた人体模型に、モモが心臓を返すからタマを見せろと迫ると、ごみの山から女性の声がする
- 声の主は、捨てられる予定の人体模型・花。人体模型は花への思いを打ち明け、それを聞いたオカルンの胸に勇気がわく
オカルンが身を引くと決め、その直後に人体模型が走ってきた流れは、29話のネタバレ感想・考察で追えます。
第30話「あきらめるなよ!」は2021年10月26日に少年ジャンプ+で公開され、単行本では4巻に入っています。
龍幸伸先生も、公開直後の0時過ぎに30話の更新を知らせています。
アニメでは第1期第11話「初恋の人」の後半にあたり、人体模型と花の話は最終話の第12話冒頭まで続きます。
キャスト表記では人体模型が太郎で、声は杉田智和さん。花は平野文さんです。
屋根からバスの真横まで|7話とは逆に、今度はオカルンが二人を運ぶ
30話の前半は、ほぼ追いかけっこだけで進みます。人体模型はベランダをよじ登り、屋根を伝って逃げる。モモはその体を超能力でつかんだまま、ジジごと空中を引きずられていきます。
そこへ変身したオカルンが追いつくと、ジジは助けが来たとは思いません。化け物がもう一体増えた、という反応です。
ジジからすれば正しい感想。走る人体模型の横に変身したオカルンが並んだら、どっちが味方か分からない。
山場は、電線をよけた直後。前から走ってきたバスに、モモたちがぶつかりかけます。寸前でモモの手をつかんだのはオカルンでした。
| 比べる点 | 7話 | 30話 |
|---|---|---|
| 運んだ側 | モモが1秒で電車をつかみ、気を失ったオカルンを連れて乗り込む | オカルンがモモの手をつかんでバスをかわし、モモとジジを乗せて走る |
| モモの手 | 体の限界で、封じていたババアを手放してしまう | 人体模型をつかんだ手を離さない。分解された後も、何かを握っている |
7話のオカルンは、電車の上でも気を失っていました。7話のネタバレ感想・考察で追ったあの逃走と比べると、30話は手をつかむ側も、背中に乗せる側もオカルンです。
しかも乗せているのは、モモだけでなく恋敵のジジ。もう会わないと決めた相手と、その原因を両方背負って走っているわけです。
アニメ第11話の公式ショートは、この場面を「走る人体模型、追うオカルン」と題して切り出しています。
モモの手に残った心臓|「返すからタマを見せろ」の交渉
三人で踏ん張って引き戻そうとした瞬間、人体模型は自分からバラバラになります。超能力を振りほどき、すぐ組み直して、また全力で逃げていく。
分かれ道で見失ったところで、モモは手の中に残った物を殴ってみます。すると、遠くから悲鳴。分解の瞬間に、モモは人体模型の心臓だけをつかみ取っていたんです。
心臓を殴って、悲鳴で居場所を探す。発信機の使い方が、だいぶ乱暴。
悲鳴をたどった先は、粗大ごみの集積所。大の字に倒れた人体模型に、モモは心臓を返すからタマを見せろと迫ります。
モモの目的は、あくまでオカルンの玉。9話でないと気づき、12話のネタバレ感想・考察でババアが霊や妖怪に取られたかもと言っていた、あのもう1個です。
ただ、30話の中で玉の正体は確かめられません。交渉の途中で、ごみの山から別の声が割り込んでくるからです。
ごみ置き場の花|「作られた年代が違う」と言われても離さない人体模型
声の主は、廃棄される予定だった女性の人体模型、花でした。人体模型が「あきらめてたまるか」と叫んで走っていた先に、捨てられる想い人がいた。
なぜ危ないことをしてまで来たのか、と花は尋ねます。答えは、愛しているからに決まっている。花に出会ってから、灰色だった世界に色がついたとまで打ち明けます。
| 話した側 | 言ったこと(要旨) |
|---|---|
| 花 | 作られた年代が違う。住む世界が違う。このままでは、あなたまで粗大ごみにされる |
| 人体模型 | かまわない。今ここで何もしなかったら一生後悔する。自分が好きになった相手だから、何があっても離さない |
花の言い分は真っ当です。古い模型と新しい模型で、しかも花は、これから捨てられる側。
ただ、人間なら年の差と言うところを「作られた年代」と言われると、どうしても笑ってしまう。
年の差じゃなくて、製造年の差。しかも言われた側は、ついさっき心臓を殴られて大の字だった男です。
笑える設定なのに、人体模型の答えには一つも冗談がありません。一生後悔するから今動く。その一言が、隣で聞いている誰かにいちばん刺さります。
人体模型に背中を押されたオカルン|29話の「もう会わない」と2話の「友達が欲しかった」
告白を聞きながら、オカルンは人体模型と花に、自分とモモを重ねます。そして胸の中に、恋の勇気がわいてくる。30話はそこで終わります。
| 話数 | オカルンの言葉・決断 |
|---|---|
| 2話 | 「ずっと友達が欲しかった」と、モモに必死で話しかけた理由を明かす |
| 29話 | ジジとモモの仲を悪いほうへ想像し、もう会わないようにしようと決める |
| 30話 | 「灰色の世界に色がついた」と告げる人体模型に、自分を重ねる |
人体模型の「灰色だった世界」は、オカルンにも覚えのある話です。2話のネタバレ感想・考察で読んだとおり、彼はずっと友達が欲しくて、モモに話しかけ続けた少年でした。
その色をくれた相手から、29話では自分で離れようとした。「あきらめてたまるか」と走る模型を追いかけて、あきらめかけた本人が引き止められた形です。
サブタイトルの「あきらめるなよ!」も、こうなるとオカルンへの声に聞こえてきます。誰が言ったかより、誰に効いたかのほうがはっきりしています。
失恋しかけた男子高校生の恋の師匠が、ごみ置き場の人体模型。そんな相談相手、たぶんほかの漫画にはいない。
応援コメント欄の30話|「普通に返してやれよ」と「人体模型に恋の後押し」
30話の応援コメントは2,500件を超えます。公開直後の上位二つは、ほぼ同じ数の「いいジャン」で並びました。
| 場面 | 読者の受け止め |
|---|---|
| 金色の玉 | 早く玉が戻ってくるといい、普通に返してやれよ、に3万6,000件超 |
| 花への告白 | 人体模型に恋の後押しをされるとは誰も思わない、に3万5,000件超 |
| 追跡劇の絵 | 効果音が「見える」、絵の迫力がすごい、に2万2,000件超。バスの乗客側から見たカットへの声も多い |
| 「作られた年代」 | 年齢ではなく作られた年代が違いすぎる、という言い回しへのツッコミ |
| 変身したオカルン | ジジに向けた「ちょっとやだなー!!離れてほしいなー!!」がほっこりする、という声 |
玉を返せという声と、恋の後押しに驚く声。同じ人体模型を、片方は泥棒として、片方は恋の先輩として見ているんです。
細かいところでは、追跡の最中にオカルンの肘がジジの顔に入っている、という指摘も複数ありました。もう会わないと決めても、恋敵への遠慮は特にないようです。
背景の看板「おいしいジジイ」が何の店なのかも、2021年の公開直後から2025年になっても書き込まれている小さな謎です。
30話は単行本4巻に入っています。29話から続けて読むと、「あきらめてたまるか」の叫びが、ごみ置き場で恋の言葉に変わるまでを一気に追えます。
まとめ|30話は、身を引きかけたオカルンが人体模型に引き止められる回
『ダンダダン』30話「あきらめるなよ!」は、金色の玉を追った先で人体模型の恋を知り、29話で身を引きかけたオカルンが勇気をもらう回でした。
モモが追っていたのは最後まで玉で、オカルンが持ち帰ったのは勇気。同じ人体模型を追いかけて、二人の収穫がまるで違う。
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