『ダンダダン』60話「がんばれオカルン」は、音楽家たちとの戦いを終えたオカルンが、綾瀬家に帰ってジジの邪視に勝負を挑む回です。
家では、満次郎がお祓いのやり直しを決めていました。オカルンはジジを本名で呼び出し、邪視を受け入れるなんて「おかしいし」「カッケェじゃんよぉ」と言い切ります。
いちばん効いてくるのは、オカルンが腹を立てていた相手が、邪視ではなく自分の弱さだったと分かるところ。56話でジジに背を向けた夜も、ここでつながります。
57話から3話かけた特訓の成果を、邪視を祓う側じゃなく、祓わせない側で使う。修行の使い道、そっちなんだ。
※原作漫画第60話までのネタバレを含みます。第61話以降の展開には触れません。
この記事でわかること
| 人物 | 立場・直前の状況 | 60話での関わり |
|---|---|---|
| オカルン | 本名は高倉健。ターボババアの力で変身して戦う。53話で、強くなって邪視を抑えると申し出た | 音楽家を倒して帰り、ジジを呼び出して邪視に挑む |
| 白鳥愛羅(アイラ) | アクさらの力を持つ同級生。オカルンに恋をして、ふだんは甘えた口調で話しかける | オカルンにお礼を言われ、いつものぶりっ子が出てこない |
| ターボババア | 招き猫に意識が移った怪異。力はオカルンに残り、夜の学校で特訓をつけた | 力はまだこんなものではないと言い、戦いの前にオカルンの肩へよじ登る |
| ジジ | 本名は円城寺仁。冷たい水で邪視、お湯で元に戻る体質。55話で、邪視がモモを襲った | お祓いのやり直しを告げられ、オカルンに邪視を託す |
| 星子 | モモの祖母で霊媒師。53話で、邪視も家族に迎えた | 満次郎の話には黙るが、オカルンの啖呵では満次郎を止める |
| 満次郎 | 星子の弟子の神主。56話で、囃子を呼び戻す話を星子にした | お祓いのやり直しを決め、ジジに告げる |
| 綾瀬桃(モモ) | 霊媒師の孫で、超能力を持つ。55・56話で邪視に襲われた | 勝負を言い出したオカルンを、遊びじゃないと叱る |
『ダンダダン』60話のあらすじ|音楽室の決着から、邪視との勝負が始まるまで
60話は、59話の5連撃で音楽家たちが吹き飛ぶ扉から始まり、オカルンと邪視の勝負が始まったところで終わります。
- 音楽家たちが肖像画に戻り、オカルンたちは夜の音楽室へ戻る
- オカルンにお礼を言われた愛羅が、いつものぶりっ子を出せずに戸惑う
- ターボババアが、自分の力はまだこんなものではないと言い、深夜2時のピアノの話をする
- 綾瀬家では、満次郎がジジにお祓いのやり直しを告げる。ジジも星子も言い返さない
- 帰ってきたオカルンが、ジジを本名で呼び、表へ出ろと呼び出す
- 邪視を受け入れるのは「おかしいし」「カッケェじゃんよぉ」と言いながら変身し、ジジの意志を守ると宣言する
- 止めようとする満次郎を星子が制し、ジジは「頼む」とオカルンに託す
- 愛羅がジジに水をかけて邪視が現れ、オカルンとの勝負が始まる
59話のラストは、「1拍で5拍子」で演奏者5人に頭突きを叩き込む場面でした。愛羅が巨人を引き受けた決着までは59話のネタバレ感想・考察で追えます。
第60話「がんばれオカルン」は2022年6月7日に少年ジャンプ+で公開された19ページの回で、単行本では8巻に入っています。
アニメでは、2025年8月放送の第20話(第2期第8話)が同じ「がんばれオカルン」という題です。60話は、この放送回の終盤にあたります。
音楽室に戻った愛羅とターボババア|出てこない「いつもの私」と、まだ本気じゃない師匠
扉は、頭突きを食らった音楽家たちが宙を舞う一枚。描き文字は「一拍五撃!」です。
担当編集の林士平さんは配信当日、この扉と冒頭のページをXへ載せ、「一拍五撃で、荒ぶる巨匠を奮撃したオカルンだったが……⁉️」と添えています。
肖像画が額に戻ると、そこはもとの音楽室。オカルンは愛羅に駆け寄り、白鳥さんのおかげでなんとか倒せました、とお礼を言います。
愛羅の頭に浮かんだのは、いつもの甘えた返し。でも口から出てこない。「あれ…?」と固まって、「いつもの私…」「早く出てきてよ」と、自分の中のぶりっ子を呼んでいます。
自分のキャラを、自分で呼び出し中。愛羅、本人なのに楽屋から出てこないタレントみたいな扱いになってる。
| 話数 | オカルンとの間で、愛羅がしたこと |
|---|---|
| 18話 | 助けてもらった理由を聞き、頬を染めて帰る |
| 59話 | 巨人を一人で引き受け、オカルンを演奏家のほうへ送り出す |
| 60話 | お礼を言われても、いつものぶりっ子が出てこない |
応援コメント欄には、憧れに恋していた愛羅が、等身大のオカルンを見始めたと読む声がありました。取り繕う必要がなくなったから、と自分の経験に重ねる人もいます。
59話で背中を預け合った直後のお礼です。いつもの台本より先に、隣で戦った相手の顔が来てしまったんでしょう。
一方のターボババアは、礼を言うオカルンに、自分の力はまだこんなものではないと返します。音楽家たちは深夜2時にピアノを鳴らすと出てくる相手だったことも、ここで明かされます。
アニメ第20話では、その直後にターボババアが誤ってピアノを鳴らしてしまう場面が足されています。出てくる条件を説明した本人が、すぐ鳴らす。
満次郎が決めたお祓いと、本名で呼ばれたジジ|56話の相談から、黙ったままの星子まで
場面は綾瀬家へ移ります。満次郎がジジに告げたのは、お祓いをやり直すという決定でした。
ジジは言い返せず、星子も黙ったまま。56話で満次郎が星子に持ちかけた話が、ここでジジ本人に届きます。
| 話数 | 邪視をどうするか | 星子 |
|---|---|---|
| 53話 | お祓いを止め、邪視も家族に迎える | ジジの頼みを聞いて、自分で決める |
| 56話 | 満次郎が、囃子を呼び戻して祓う話を持ちかける | 不本意ながら、その話に従う |
| 60話 | 満次郎が、ジジにお祓いのやり直しを告げる | 黙ったまま、言い返さない |
満次郎の言い分にも筋はあります。56話で、邪視はモモの首をつかんでいる。応援コメント欄にも、満次郎も皆を守ろうとしていると認める声が並びました。
そこへ外から、ジジの本名を叫ぶ声。修行を終えたオカルンが、円城寺仁を呼び捨てにして、表へ出ろと呼び出します。
読者が胸を熱くしたのは、この呼び出しを変身後ではなく、素のオカルンが言ったこと。久しぶりの本名を聞いて、「ジジ」というあだ名の由来に気づいた人もいました。
「白鳥さん」「綾瀬さん」とさん付けの男が、ジジだけはフルネームの呼び捨て。果たし状の宛名、きっちり書くタイプ。
アニメ第20話のこの場面は、MBS animation公式チャンネルのショートが「円城寺 仁!!表に出ろ!!」の題で切り出しています。
「カッケェじゃんよぉ」の前後|「おかしい」と同じ口で言った言葉と、腹が立った本当の相手
外へ出てきた皆の前で、オカルンは今から邪視と勝負すると言い出します。モモはすぐに、遊びじゃないんだからねと叱りました。
そこから先の言葉は、順番に並べると向きがくるくる変わります。
| オカルンの言葉 | 向いている先 |
|---|---|
| 綾瀬さんが邪視に襲われた時、すごく腹が立った | 邪視 |
| 邪視は獰猛で狡猾で、放っておけるようなヤツじゃない | 邪視 |
| それなのに綾瀬さん達は、邪視を受け入れようとしている。そんなのすごくおかしいし | モモたちの選択 |
| そんなのすごく、カッケェじゃんよぉ | 同じ、モモたちの選択 |
| だから腹立ってよぉ、ジブンの弱さによぉ | オカルン自身 |
| テメェの邪視を守りたいって意志はよぉ、絶対守るぜ | ジジ |
「おかしい」までは、受け入れることへの反対。ところが同じ「そんなのすごく」の続きが「カッケェじゃんよぉ」。反対意見のつもりで聞いていたら、最後の一言でひっくり返る。
その一言のコマで、オカルンの顔はもう変身後。そこから口調も「〜よぉ」へ変わっていきます。
林士平さんはアニメ第20話の放送直後、この2ページをXへ載せて、変身しながら口調が変わるけど「本音が滲みまくってるシーン大好き」と書いています。
「オカルンさ、それブーメランなんよ」。邪視を守る人たちをカッケェと言うオカルンが、いちばんカッケェという読者の声です。
腹が立った相手も、途中で入れ替わっています。最初は、綾瀬さんが襲われた時に腹が立ったと言う。それが変身の後には、「ジブンの弱さによぉ」へ着地します。
これを聞いた後だと、56話の夜がもう一度引っかかります。謝るジジを押しのけ、背中合わせで眠れなかったオカルン。
あの夜を、ジジが嫌になったのではなく、自分が嫌になっていたんだと読み直した読者もいます。
- 53話:ジジは友達だから、強くなって邪視を抑えると申し出る。直後、雨粒で出てきた邪視に殴り飛ばされる
- 56話:モモを襲った邪視からジジに戻ると、謝るジジを押しのけ、その夜は背を向けて眠れない
- 56話:パンチを習いに行って断られ、ターボババアに、パンチを打ちたいのか強くなりたいのかを問われて連れ出される
- 57〜59話:夜の音楽室で、1拍のうちに何回動けるかを鍛え直す
- 60話:お祓いが決まった家の前で、ジジの意志を守ると自分から勝負を挑む
53話の申し出は、邪視を祓わずに済むように自分が強くなる、というものでした。60話はその続きを、お祓いの日が決まった後で取り返しに来た回です。
止めに入ろうとした満次郎を制したのは、星子でした。男が啖呵を切っているのに恥をかかせるな、という一言です。
56話で満次郎の話を飲み込み、60話の初めにも黙っていた人です。その星子が、オカルンの啖呵では口を開く。
啖呵と聞くと、オカルンの本名の持ち主も浮かびます。俳優の高倉健さんは「網走番外地」「昭和残侠伝」など任侠映画に多く出演し、東映任侠映画の看板になった人です。
当たり役は、義をもって悪を制する〈辛抱立役〉。耐えに耐えて、最後に立ち上がる役どころです。
「これは高倉健だわ」という書き込みにも納得。殴り飛ばされ、パンチを断られ、修行してから表へ呼び出す。辛抱してから切る啖呵まで、名前の持ち主に寄ってきました。
43話では「萎えるぜぇ」で沸かせた男が、60話は「カッケェじゃんよぉ」。萎える代わりに、相手の覚悟を褒めてから殴りに行く。
強くなると申し出た日は53話、ジジに背を向けた夜は56話のネタバレ感想・考察で読み返せます。
53話の申し出も56話の夜も、単行本7巻に入っています。「ジブンの弱さに」を聞いてから読み返すと、背中合わせで眠れなかった夜が、怒りより悔しさの夜に見えてきます。
「頼む」と「あいよ」|ブリーフ一丁の邪視と、黙って肩に乗るターボババア
啖呵の後、ジジがオカルンに向けたのは「頼む」。オカルンは短く「あいよ」と返します。
お祓いを受け入れきれないまま、自分ではもうどうにもできない。ジジの「頼む」を、そんな最後の一言として読んだ人もいます。
アニメ第20話のこのやり取りは、公式ショート「オカルン頼む!!邪視を!!」で見られます。
そして愛羅がジジに水をかけ、邪視が出てきます。服も靴も弾け飛んで、残るのはいつものブリーフ一枚。
読者が見逃さなかったのは、その直前、ターボババアが何も言わずにオカルンの肩へよじ登るところ。オカルンが袖をまくると、ババアも袖をまくっている、という声まであります。
力はまだまだと言った師匠が、本番では弟子の肩の上。本気の置き場所、そこなんですね。
オカルンと邪視の勝負は、これが初めてではありません。43話では地下で、ジジの体を使う邪視とぶつかっています。
| 比べる点 | 43話 | 60話 |
|---|---|---|
| 始まり | 地下で、ジジの体を使う邪視とぶつかる | 綾瀬家の前で、自分からジジを呼び出す |
| 怒っている相手 | モモを傷つけ、ジジの体を乗っ取った邪視 | ジブンの弱さ |
| 守るもの | 42話で引き受けた、ジジ本人 | ジジの、邪視を守りたいという意志 |
43話は、友達の体から邪視を引きはがすための戦いでした。60話は、その邪視ごと友達の願いを守るための戦い。相手は同じで、守る範囲が邪視の側まで広がっています。
呪いの家に閉じ込められた地下の戦いは、43話のネタバレ感想・考察で振り返れます。
43話は、41話から続く単行本6巻に入っています。邪視を引きはがしに行った地下の戦いを読んでおくと、同じ相手に「あいよ」と言うまでの距離が測れます。
応援コメント欄の60話|「カッケェじゃんよぉ」で鳥肌と、「これは高倉健だわ」
60話の応援コメントは4,700件を超えます。最も多くの「いいジャン」を集めたのは、「カッケェじゃんよぉ」の所で鳥肌が立った、という書き込みでした。
| 書き込みの中身 | 1件への「いいジャン」 |
|---|---|
| 「カッケェじゃんよぉ」の所で鳥肌が立った | 5万5,000件超 |
| 男前すぎる、これは高倉健だ | 4万600件超 |
| 一番の化け物は、これを週刊でできる作者 | 3万4,000件超 |
| 邪視には仲間になってほしい | 2万4,000件超 |
| おい、オカルン……カッケェじゃんよぉ | 1万9,000件超 |
| 「おかしいし」「かっけぇじゃんよ」、オカルンそれブーメラン | 1万2,000件超 |
| 肩に乗ってサポートしようとするターボババアがかわいい | 9,200件超 |
| 「テメェのグッバイは決定済みだぜ」、本日も名言 | 7,800件超 |
上位に並ぶのは、啖呵への鳥肌、高倉健、作者への驚き。4番目には邪視を「仲間に」という声。オカルンが邪視を守ると言った回に、読者も仲間の側へ邪視の席を用意していました。
まとめスレでは、正直、満次郎の言うことがもっともだという書き込みに、「だが友達だからだ」と返す声も。60話の対立を、そのまま二行に縮めたようなやり取りです。
ブーチューバーを目指して倒立していた神主が、いちばんの常識人だった。2024年になって、そう振り返った読者もいます。
60話は単行本8巻に入っていて、59話の5連撃から続く2話目です。音楽室の決着から本名での呼び出しまでを続けて読むと、3話の修行が邪視戦への助走だったと分かります。
まとめ|60話は、自分の弱さに腹を立てたオカルンが、ジジの意志を守りに行く回
『ダンダダン』60話「がんばれオカルン」は、修行を終えたオカルンが自分の弱さに腹を立てていたと明かし、ジジの「邪視を守りたい」意志を守るために勝負を挑む回でした。
「おかしい」と「カッケェ」を一息で言った男に、ジジは「頼む」の一言で返した。この二人、言葉が少ないほど話が早い。
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