里樹妃(リーシュヒ)がライオンに襲われるのは、原作小説5巻の西都の宴です。獣を興奮させる香水をかけられた里樹妃を、馬閃(バセン)が救います。
ただ、姉の嫌がらせだけで片付けると、檻が壊れた理由が残ります。小説6巻では香水の入手先を追う調査が続き、あの襲撃に重なっていた別の思惑が見えてきます。
獅子を退けた馬閃の右手、顔を隠した香水売りの足元。救出の勢いに目を奪われますが、その後に残った小さな手掛かりも見逃せない事件です。
小説5・6巻の事件内容に触れます。塔からの救出や、その後の里樹妃と馬閃の恋愛とは別に、西都での襲撃と調査の流れをたどります。
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里樹妃のライオン事件は小説5巻|西都の宴で起きた襲撃
事件の舞台は後宮ではなく、西都の宴です。そこにいたライオンは、作中では「獅子」と呼ばれます。里樹妃と猫猫(マオマオ)が危険にさらされ、馬閃が間に入ります。
小説5巻では、猫猫たちが西都を訪れる旅が描かれます。砂欧から持ち込まれた獅子も宴に関わり、人が集まった場所で檻から逃げ出します。
獅子が里樹妃を追った理由には、身体に付いた強い匂いが関わります。宴の華やかさとは裏腹に、香水を浴びせられた一人の妃へ危険が迫る。あまりにひどい重なり方です。
- 西都の宴で、里樹妃は異母姉側から香水をかけられる。
- 檻から獅子が逃げ出し、香水の付いた里樹妃が危険にさらされる。
- 里樹妃と猫猫が卓の下にいるところへ、馬閃が駆け付ける。
- 馬閃が獅子を退け、獅子使いが鎖でつないで再び収容する。
- 翌日以降、香水の出所と檻への細工をめぐる調査が進む。
この流れで引っかかるのは、香水と檻の二つが重なったことです。匂いだけあっても、獅子が安全に収容されていれば、同じ襲撃にはなりません。
里樹妃は獅子に対して何かを仕掛けたわけではなく、香水をかけられた被害者です。「ライオンに襲われた妃」とだけ覚えると、最初に受けた嫌がらせまで見えなくなります。
また、獅子の騒動は救出で終わるものの、事件の理由がその場ですべて分かるわけではありません。助かった安堵の先に、猫猫が気にする不自然さが残っています。
宴の獅子、卓の下の二人、そこへ飛び込む馬閃。この慌ただしい救出を追うなら小説5巻から。助かった後にも残る香水の匂いが、次の調査へつながります。
香水をかけたのは異母姉側|嫌がらせと獅子の襲撃は同じ意図?
里樹妃の香水は、異母姉の持っていたものです。姉は嫌がらせを認める一方、獅子を襲わせるつもりはなかったと弁解します。行動の意図と、実際の結果にはずれがありました。
姉が香水を手にしたきっかけは、買い物中に声をかけてきた女の商人でした。「虫を引き寄せる」という説明を受け、その品を里樹妃への嫌がらせに使ったのです。
虫を寄せるつもりなら軽い悪戯、とは言えないでしょう。宴に出た妹へ、わざわざ嫌な思いをさせようとしている。その時点で、十分に意地が悪い。
| 人物・品物 | 宴とその後に分かること | 分けて考えたい点 |
|---|---|---|
| 里樹妃 | 異母姉側から香水をかけられ、獅子に狙われる | 香水を選んで使った本人ではない |
| 異母姉 | 香水を嫌がらせに使ったことを認める | 獅子の襲撃を意図したかは、本人の説明と区別する |
| 姉の侍女 | 事件後、興奮した野良犬に追われる | 香水と獣の反応を調べるきっかけになる |
| 香水売り | 虫を寄せる品として姉に香水を渡す | その説明だけでは、本当の効き目が伝わらない |
翌日、姉の侍女を野良犬が追う異変から、香水が獣に作用することが問題になります。馬閃はその瓶を猫猫のもとへ持ち込み、事件の原因を探ろうとします。
姉の説明はあくまで姉自身の言い分です。一方で、猫猫も、姉側だけで獅子の檻に細工するほどのつながりがあるのか、と疑問を抱きます。
嫌がらせをした人と、獅子を逃がす計画を立てた人を一緒にしない。それが、この事件をたどる時の大事な分かれ目です。姉の悪意だけでは埋まらない部分がある。
妹が危険にさらされた後で、そんなつもりではなかったと退く姉に、馬閃は怒りを見せます。実際に救った人の前で、その弁解か。虫を寄せて困らせるつもりならよかった、とはならないでしょう。
里樹妃の家での立場は、父親や異母姉との関係にもつながります。ただ、家族からの冷たい扱いと、宴全体を危険にした仕掛けは別々に追う必要があります。
馬閃はどう救った?鉄格子で獅子を退けた代償
馬閃は、檻の鉄格子を使い、獅子を退けて里樹妃と猫猫を救います。鼻を傷めた獅子は鎖でつながれ、再び檻へ。獅子を殺して終わる場面ではありません。
勢いだけ聞くと、馬閃が獅子を一方的に倒した武勇伝のようです。けれど、卓の下には里樹妃と猫猫がいる。守る相手がいる場面で、その力が使われています。
- 馬閃が獅子に立ち向かい、檻の鉄格子を使って危機を止める。
- 獅子使いが、鼻を傷めた獅子を新しい鎖で建物の柱につなぐ。
- 獅子が収容された後、猫猫が卓の下から出る。
- 里樹妃はまだぼうっとしており、阿多(アードゥオ)が駆け寄る。
獅子が退けば、その場は一段落。でも、助かった里樹妃はまだぼうっとしています。馬閃の力から、彼女の様子へも目を戻したくなります。
阿多が駆け寄る姿には、里樹妃を気にかける人がいるとほっとします。獅子を止める力とは違う、助かった妃のそばへ向かう動き。派手な一撃だけで終わらないのがうれしい。
翌日の右手は、救出の重さを残している
馬閃は獅子を殴った勢いで、右手の指を骨折しています。翌日は包帯を巻き、手は赤く腫れた状態。それでも本人は、怪我の深刻さに見合うほど弱った様子を見せません。
獅子を止める力はあっても、手が無傷だったわけではない。この後を知ると、救出の派手さとは別に、あの一撃が身体へ返ってきた重さが残ります。
猫猫が怪我を気にする横で、馬閃は香水の調査を進めます。襲ってきた獅子を止めて、次はその原因を探す。目の前の危険が去った後も、彼の仕事は続いていました。
獅子を止めた人が、翌日は鼻をつまんで香水の調査。腕力で片付かない相手も出てきました。
壬氏(ジンシ)も、里樹妃の危険を止めた馬閃の行動をかばいます。一方、里樹妃の父親は、娘を救った相手に対しても素直に納得していない。この後味は苦いです。
娘を救った相手なのに、父親の反応はそこなのか。獅子の危険が去った後にも、里樹妃と家族の間の冷たさが残ります。助かった喜びだけに浸れないのが、もどかしい。
馬閃は壬氏の従者として動いています。馬閃の性格や立場も知ると、あの強い力を持つ人が、普段は主を支える側にいることまでつながってきます。
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猫猫は香水売りをどう追った?人相書きの足元が手掛かり
猫猫が注目したのは、香水の瓶と、売り手を描いた人相書きです。顔を隠した女の似顔絵でも、足元には情報が残っていました。獅子の騒動から、捜査の焦点が変わります。
馬閃が持ってきた香水は、陶器の瓶に入っています。見た目はありふれており、容器から売り手の出所を追うのは難しい。珍しい瓶が犯人へ直結する、という近道はありません。
匂いはひどく強く、猫猫も馬閃も鼻をつまむほどです。小説6巻の翌日の香水調査では、里樹妃への嫌がらせが、獣の反応を調べる話へと移っていきます。
- 馬閃が香水の瓶を持ち込み、姉側が持っていた品だと話す。
- 猫猫は、ありふれた陶器の瓶だけでは出所を絞れないと考える。
- 姉が見た売り手の特徴を描いた、全身の人相書きを馬閃が見せる。
- 猫猫は、小さな足と装飾のある靴に注目し、纏足の可能性を挙げる。
- 馬閃はその特徴を確かめ、売り手を探す範囲を狭めていく。
顔は隠せても、履物の特徴までは消えなかった
人相書きの女は、顔を覆っていて目しか見えません。服も着替えられます。ところが、足が身体に対して小さく、靴の細かい飾りまで描かれている。猫猫が拾うのはそこです。
纏足(てんそく)は、足を小さくするために縛る習慣です。作中では北方に多く、西都で元から続いていた習慣とはされていません。売り手の出自を探る手掛かりになります。
| 見える特徴 | 捜査で困ること・役立つこと |
|---|---|
| 顔を覆う布 | 顔立ちの情報が少なく、見た目だけでは探しにくい |
| 服装 | 着替えられるため、同じ服を探すだけでは足りない |
| 小さな足と飾りのある靴 | 纏足の可能性と、北方由来の家を探す手掛かりになる |
馬閃が見せたのは、顔だけでなく全身を描いた人相書きでした。もし上半身だけなら、この手掛かりは届かない。靴の飾りまで残してあったのが、猫猫の観察に効いています。
そこを見るのか、猫猫。顔が分からない似顔絵でも、靴が仕事をする。
もう一つ気になるのは、香水売りが姉に近づいた経緯です。女がどこから来たかに加え、なぜこの姉へ品物が渡ったかが、檻の騒動とのつながりを考える材料になります。
姉に嫌がらせの気持ちがあったことは分かっても、それだけでは香水売りの意図は分かりません。猫猫は目の前の悪意で話を止めず、品物を渡した側へたどっていきます。
ここから先は、小説6巻で明かされる事件の背景にも触れます。里樹妃の異母姉だけを追っていては見えない、獅子を逃がした側の目的に関わる話です。
獅子を止めた馬閃が、今度は猫猫へ人相書きを見せる。小説6巻は、救出後の二人の連携も追いたい巻です。靴の特徴から香水売りの行き先へ、謎が少しずつ絞られていきます。
里樹妃だけが標的だった?檻への細工に重なった別の企み
獅子を逃がす企みには、砂欧の花婿へ責任を負わせる狙いがありました。香水は宴の参加者へ渡され、その一人となった里樹妃の異母姉が、妹への嫌がらせに使ったのです。
檻への細工と香水は、獅子を逃がし、花婿の責任を問うために組み合わされていました。里樹妃の家を追っていたはずが、別の婚姻へ話がつながっていきます。
背景には、砂欧の相手との婚姻から花嫁を守ろうとする、一族側の動きがあります。香水を受け取った花嫁側の侍女は、檻を壊すよう勧められたことも認めます。
| 事件に関わる動き | 対象・目的 | 里樹妃への危険との関係 |
|---|---|---|
| 姉の嫌がらせ | 里樹妃に嫌な思いをさせる | 獣を刺激する品が、里樹妃の身体に付く |
| 檻と香水を使う企み | 獅子の管理責任を花婿へ向ける | 宴にいる人まで危険へ巻き込む |
| 里樹妃の救出 | 馬閃が目の前の危機を止める | 裏の目的が何であれ、守るべき命は変わらない |
計画の目的は花婿の責任追及でも、襲われたのは里樹妃でした。事情を知ったところで、彼女から見た理不尽さが減るわけではありません。
花嫁を守ろうとした事情があっても、宴の客を獅子の危険にさらしたことは残ります。守りたい誰かのために、無関係の里樹妃が傷つきかねなかった。そのねじれは苦い。
しかも、姉の嫌がらせが、その企みに都合よく重なりました。意図が違えば責任が消えるわけではありません。里樹妃に香水をかけた事実も、馬閃が助ける必要があった事実も残ります。
馬閃が動いた時点で、こうした背景をすべて知っていたわけではありません。それでも危険な里樹妃を守った。後から理由が明らかになっても、救出の価値は揺らがないと思います。
事件を読むなら小説5巻から6巻へ|塔の救出や結婚とは分ける
獅子の襲撃と馬閃の救出を読むなら小説5巻、香水や檻の事情を追うなら6巻です。一つの事件でも、危機を止める場面と、その理由を解く場面が巻をまたいでいます。
まず救出が気になるならヒーロー文庫の小説5巻から。猫猫たちの西都への旅を経て、宴での事件へ進みます。数字だけ見て、漫画版の5巻を選ばないようにしたいところです。
| 知りたいこと | 読む場所・範囲 | 注目する点 |
|---|---|---|
| 獅子からどう助かったか | 原作小説5巻 | 卓の下の二人、馬閃の行動、獅子の再収容 |
| 香水はどこから来たか | 原作小説6巻 | 瓶と人相書き、売り手の足元、檻の細工の目的 |
| 別の救出や二人の将来 | 塔の事件や、馬閃との関係を扱う話 | 西都の獅子事件の結末と分けてたどる |
続く小説6巻では、「西都四日目」の章へ。猫猫の朝食時に、馬閃が香水を持ち込んできます。前夜の騒動から翌朝の調査へ、そのまま続けて追えるのがいいですね。
小説と漫画には同じ作品名が付いていますが、巻数の対応は同じではありません。事件の所在として挙げている「5巻・6巻」は原作小説の番号です。
漫画を選びたい時は、二種類ある漫画版の違いも先に知っておくと迷いにくくなります。獅子事件の小説の巻数を、そのまま漫画へ当てはめないのが大事です。
また、里樹妃が塔から救われる出来事は、この獅子事件とは別の危機です。里樹妃自身の処遇や、その先の暮らしが気になるなら、里樹妃のその後へ話が続きます。
獅子の救出をきっかけに二人の距離を追いたくなったら、馬閃と里樹妃の関係・結婚の進展へ。あの救出が、二人にとってどんな転機になるのか。事件が落ち着くと、そちらも気になってきます。
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まとめ|里樹妃のライオン事件は、救出後の香水調査までつながる
里樹妃を襲った獅子の事件は、小説5巻の西都の宴で起こります。馬閃の救出で危機は去りますが、香水と檻に重なった思惑は、小説6巻の調査までつながっています。
鉄格子を使う馬閃の力に驚き、香水売りの靴で猫猫の目に驚く。大きな獅子の騒動から、捜査を動かす小さな足元へ。このつながりが、救出の先まで追いたくなるところです。
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