『ダンダダン』アニメでモモ(綾瀬桃)を演じている声優は、若山詩音さんです。第1期から第2期まで、ずっとモモの声を担当しています。
2026年3月には、モモ役などの演技で第20回声優アワードの主演声優賞を受けました。
面白いのは、あの口の悪い話し方が、トーンまで本人の素とほぼ同じだということ。オーディションにも、その素の口調で臨んでいます。
しかも、幽霊を信じて宇宙人を信じないモモに対して、本人が信じやすいのは宇宙人のほう。口調はそっくりなのに、信じるものだけ真逆です。
モモとオカルンの口論、若山さんの頭の中だけで一回できそうですね。
※この記事はアニメ第2期(第24話)までの内容に触れます。
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若山詩音はどんな人?子役出身、劇団ひまわり所属の28歳
若山詩音さんは、劇団ひまわりに所属する声優です。幼い頃から子役として、ドラマにも出てきた人です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 所属 | 劇団ひまわり(東京) |
| 誕生日・出身 | 2月10日生まれ、千葉県出身。2026年11月時点で28歳 |
| 特技 | 歌、デッサン、英語検定2級、エレキベース、ギター |
| 主な受賞 | 第17回声優アワード新人声優賞、第20回声優アワード主演声優賞 |
| 『ダンダダン』の役 | モモ(綾瀬桃)。第1期・第2期 |
子役時代の仕事が、NHK大河ドラマ『利家とまつ』のなつ役。劇団ひまわりのプロフィールでも、主な出演歴の先頭に載っています。モモより、ずっと昔の話です。
2025年に月9ドラマ『119エマージェンシーコール』へ声で出た時も、「子役の時からずっと憧れていた」とコメントしていました。
特技の欄には、エレキベースとギター。劇場アニメ『空の青さを知る人よ』で演じた相生あおいは、大好きなベースを弾いて毎日を過ごす高校生でした。
ベースを弾ける人が、ベース漬けの女の子を演じていたわけです。
モモ役が発表されたのは2023年12月16日。オカルン役の花江夏樹さん、ターボババア役の田中真弓さん、セルポ星人役の中井和哉さんと同じ日でした。
その日のダンダダンステージのあと、公式Xは4人の名前を並べてお礼を伝えています。
本人にとって、ジャンプ作品の主演は夢でした。それも「すごく先の先のまた先」だと思っていた夢です。ルフィの声の人と同じ日に、それが叶ったことになります。
幽霊派のモモを演じる本人は、宇宙人派
幽霊と宇宙人のどちらを信じやすいか、と聞かれた若山さんの答えは「信じられる度合いでいえば宇宙人」。モモとは反対の陣営です。
ところが、霊らしきものには何度か遭っているそうで。小学生の頃、仕事先のスタジオでトイレへ向かう途中、後ろを男の人がついてくる気配がした。
部屋に戻って母親に聞くと「いなかったよ」。しかもそこは、幽霊が出ると噂のスタジオでした。宇宙人派なのに、体験だけは幽霊側に積み上がっています。
その一方で、幽霊がいるなら大好きだった祖母にまた会えるかもしれない、とも話していました。宇宙人派のはずが、ここだけは幽霊にいてほしそうです。
モモ役はどう作った?家の口調で出したオーディションテープ
モモ役の土台にあったのは、若山さん本人の素の口調です。オーディションには、素の自分にモモの人間性を乗せたテープを出しています。
本人いわく、モモの口調はトーンも含めて自分とほとんど変わらない。人前では気をつけていても、家に帰るとモモみたいな喋り方になるそうです。
つまり若山家では、仕事を終えるとモモが帰ってくる。
いつかその一面を芝居で出したい、とずっと思っていた。だからこの役の話が来た時、「これはチャンスだ!」と思った。
- オーディション:素の自分にモモの人間性を乗せたテープを提出
- 役作り:ギャルのYouTubeを見て、電車でギャルの会話を聞き、話し方からマインドまで取り込む
- 第1話のテスト:Aパートで「力が入り過ぎているよ」。音響監督の木村絵理子さんからは「頑張りすぎに聞こえるよ」とも言われる
- 第1話の収録後:不安だったところへ、原作者の龍幸伸先生から「僕が思ったモモです」
- 第8話のころ:ようやく「出来上がってきたかも」と思えるようになる
ところが第8話くらいまでは、毎回悩んでも答えが出ず、ディレクションを受けてやっと分かる。その繰り返しだったといいます。
最初のうちは「継ぎ接ぎのような感じ」。自分のイメージどおりの部分と、指示で変えた部分が、うまくつながらなかった。
素の口調で受かった役なのに、つかむまで8話分かかっている。
最初の収録で緊張をほどいたのは、セルポ星人
第1期の最初の収録で緊張がほどけたきっかけは、セルポ星人でした。中井和哉さんが、A・B・Cの3体を別録りなしで演じ分けていたんです。
驚いていたら、横で田中真弓さんがくすくす笑っている。その空気に「私もここにいて良いんだ」とほっとしたとか。
作中ではセルポ星人にさらわれる側なのに、現場ではセルポ星人に救われている。
本人はギャルではないけれど、ギャルに憧れている
ギャルの研究について、本人ははっきり「私自身は全然ギャルではない」と言っています。そのうえで、憧れはすごくある。
憧れたのは、言いたいことははっきり言うのに、間違っていたら「そうだよね、ごめんね」と言える素直さ。その素直さも、モモに盛り込んでいます。
役を固める時は、キャラクターに一問一答をする。作品と関係なさそうな「紅茶とコーヒーだったらどっちが好きかな?」まで考える。
モモなら紅茶か、コーヒーか。本人の頭の中には、たぶんもう答えがある。そこまで決めてから、あの早口の掛け合いに入っている。
モモの声に違和感?低めの声と、オカルンの前だけ高い声
モモの声が「低い」と感じたなら、それはかなり狙いどおりです。若山さんは、みんなの前とオカルンと2人の時で、話し方を意識して変えていると明かしています。
第1期の放送が始まってすぐ、知恵袋にはオカルンとモモの声に「違和感しか感じません」という質問が立ち、ベストアンサーも「モモはちょっと低いな」でした。
| 場面 | モモの話し方 | 本人の言葉 |
|---|---|---|
| みんなと話す時 | 少し低め | 「少し低めにちゃんと伝える」 |
| オカルンと2人の時 | 少し高め | 「乙女らしい雰囲気をまとったような話し方」 |
| 第1話、オカルンが宇宙人の話を始めた時 | わざとローテンション | 「オカルンに引っ張られないように気をつけていました」 |
第1話の二人には、まだ心の距離があります。オカルンのUFO話にモモまで乗っかると、仲良しに聞こえてしまう。だから、ちゃんと聞いていない感じで返した。
第2期の公式インタビューでは、この切り替えを「バトルからラブコメになる」と例えています。
第1話で生返事をされていたオカルンが、第2期では自分にだけ高い声を向けられている。これ、本人は気づいてるんでしょうか。
もう一つ、耳に引っかかりやすいのがイントネーション。ギャルがノリよく話す感じを出すために、普通とは違う抑揚をわざと入れたそうです。
収録でも監督や音響監督と話し合いながら、「ぶち込めるところはぶち込んでやるぞ!」の勢いで変えていった。聞き慣れない抑揚に引っかかった人ほど、作戦にはまっています。
声が合うかどうかは、好みの問題です。ただ、低さも抑揚も、偶然ではなく本人が選んだ声です。
放送当時の「面白い」「微妙」という評判には、声以外の受け止めも並んでいます。ほかのキャストの役作りは、アニメ声優一覧で並べて読めます。
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叫ぶモモは命がけ|声を張れなかった人が覚えた叫び方
いまのモモからは想像しにくいのですが、若山さんは『ダンダダン』まで、1話の中でずっと声を張ったことがなかったそうです。声を張れないのが、コンプレックスでした。
それが、声を張る場面を毎週録るうちに、少しずつ声に響きが出てきた。本人は「できるようになった!」と嬉しくなったと話しています。
- ここまで叫んだり、ドスの利いた声で喋ったりする役は初めて
- 殴られた・蹴られた体の部位で出る音が違うと考え、先輩たちの芝居を観察した
- 第1話冒頭、お腹に蹴りを入れられる場面は何度かリテイクした
- 思い切り叫んだ直後に、首の付け根から頭が痛くなり、目眩がした
- 慣れたかと聞かれて「まったく変わっていません」。収録は「まさに命がけ」
頭痛が来るのは、叫んでいる最中ではなく叫んだ直後だそうです。終わってから来るの、いちばんきついやつです。
第1話の蹴りも、完成映像を観たら思っていたほどやられていなかったとか。全力でやられた声を作ったのに、画面のモモは割と平気でした。
本人の感想は「目指す先はまだまだ遠いな」。
聞き比べたい場面と話数
見返すなら、本人が裏話を明かしている場面から。
| 話数 | 場面 | 聞きどころ |
|---|---|---|
| 第1話「それって恋のはじまりじゃんよ」 | 冒頭の蹴り、オカルンの宇宙人話 | 録り直した被弾の声と、わざと低い生返事 |
| 第4話「ターボババアをぶっ飛ばそう」 | ターボババアとの鬼ごっこ | 対人戦よりかなり力が入る、と本人が話す妖怪とのアクション |
| 第8話「なんかモヤモヤするじゃんよ」 | アイラの恋とセルポ星人の再来 | 本人が「出来上がってきたかも」と思えたころの声 |
| 第2期 | モモとオカルンが2人で話す場面 | 少し高めの「乙女らしい」話し方 |
| 第2期 | ジジと邪視が2人で話す場面 | 若山さんが「本当に見どころ」と挙げた場面 |
見逃さないでほしい場面に、自分の出番ではなくジジと邪視の会話を挙げる。主演なのに。本人は、ジジの根底にある優しさを「何にも代え難い」と言っていました。
そのジジを演じるのは石川界人さんです。モモがオカルンと口論を始めた原作の1話は、原作1話のネタバレ感想で場面ごとに追えます。
第1話のモモは原作1巻の1話です。キャスト発表の時に本人が言った「皆さんの頭の中で話していたモモ」と、読みながら頭で鳴る声を比べてみてください。
若山詩音の代表作|たきなもナナホシも、モモと同じ人
モモで若山さんを知った人が驚くのは、ほかの役との差です。最近のXでも、たきなやナナホシと同じ人だと知って驚く投稿が目立ちます。
- 『リコリス・リコイル』井ノ上たきな
- 『SSSS.DYNAZENON』南夢芽
- 『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』ナナホシ(サイレント・セブンスター)
- 『負けヒロインが多すぎる!』焼塩檸檬
- 劇場アニメ『空の青さを知る人よ』相生あおい
なかでもたきなは、合理的で無駄を嫌う性格。感情も態度も素直に全部出すモモとは、出し方が正反対です。
家での口調は、モモまで芝居で出したことのない一面だったと本人が話しています。冷静なたきなの声の人に、ずっと出番を待っていた別の声があったわけです。
| 順位 | キャラクター(作品) | 支持率 |
|---|---|---|
| 1位 | 井ノ上たきな(リコリス・リコイル) | 約46% |
| 2位 | モモ(ダンダダン) | 約22% |
| 3位 | エレン・ジョー(ゼンレスゾーンゼロ) | 約10% |
2026年の誕生日記念アンケートで、モモは2年連続の2位。上にいるのは、出し方が真逆のたきなです。同じ人の役同士で、1位と2位を分け合っています。
声優アワードは新人声優賞から主演声優賞へ
賞で並べると、モモの前と後がはっきり分かれます。2023年に第17回声優アワードの新人声優賞、そして2026年3月15日に第20回の主演声優賞です。
第20回で評価されたのは、『ダンダダン』のモモ役などの演技。対象期間の2024年10月から2025年9月には、第1期と第2期の放送がどちらも入っています。
受賞のコメントでは「感無量」と言いながら、歴代の受賞者を思うと「まだまだ未熟なんじゃないかな」とも。
しかも第20回の助演声優賞には、ターボババア役の田中真弓さんの名前があります。モモとターボババアが、同じ授賞式で賞を受けています。
第1話でオカルンを襲っていたババアと、1年半後に同じ授賞式。招き猫になってからのターボババア、出世が早すぎる。
ターボババア役の田中真弓さん本人は、招き猫になってから体が小さくなったぶん、声を高くしても大丈夫になったそうです。
モモの声が高くなる理由は恋で、ターボババアは体の縮み。同じ高い声でも、上がる理由がずいぶん違います。
第3期は2027年放送|素の若山さんは公式ポッドキャストで
アニメ『ダンダダン』の第3期は2027年放送です。ティザービジュアルには、片膝を立ててしゃがみ、怪しむような目を向けるモモが描かれました。
真ん中には、宇宙怪獣を“着た”謎の美少女。モモはといえば、しゃがんだまま怪しむ目つきです。誰を疑っているのかは、まだ分かりません。
素の若山さんを聞くなら、公式ポッドキャスト「ダンダ談話室」がいちばん近い場所です。MCはモモ役の若山さん本人で、第1回は2024年10月4日に公開されました。
第1回のゲストは、第1話から掛け合いに「何とか食らいついていくぞ」と挑んだ相手、オカルン役の花江夏樹さんです。
モモとほぼ同じ口調だという本人が、MCとしてゲストを迎える番組です。役のモモと素の若山さんの距離を、耳で確かめられます。
第2期の収録前は、間が空いて勘を取り戻せるか不安だった。それでも掛け合いが始まったら、すぐに『ダンダダン』の世界に入れたと話していました。
第1期と第2期の間は約7か月でした。第3期までは、それよりずっと長い。次は掛け合いが始まって何秒でモモに戻るのか、そんなところまで待ち遠しい。
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まとめ|モモの声は、若山詩音の素の口調から始まった
『ダンダダン』アニメのモモ役は若山詩音さん。家での素の口調を土台に、みんなの前とオカルンの前で声を変えています。叫ぶ場面の収録は、本人いわく「まさに命がけ」。
低く聞こえた声も、耳慣れない抑揚も、選ばれた声でした。第1話の継ぎ接ぎから第8話の手応えまで、出来上がっていく途中も画面に残っています。
素の口調で受かって、主演声優賞まで。家でモモの口調を聞いていたご家族は、いちばん早いモモのファンだったのかもしれません。
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※本記事の情報は2026年11月1日時点で確認しています。放送・配信状況、料金、特典、キャンペーン、商品情報などは変更される場合があるため、最新情報は各公式サイト・販売ページをご確認ください。