『メダリスト』アニメ第3話「たい焼きとケーキ」は、いのりが初めての大会・名港杯へ向けて、自分の戦い方を自分で選ぶ回です。
タイトルの「たい焼き」と「ケーキ」は、大会までの練習プランのたとえ。いのりが選んだのは、基礎を磨きながら余裕があれば2回転を足す「いちごたい焼き作戦」でした。
しかもこの回、ライバルのミケ(三家田涼佳)が初登場し、最後は迷い犬の一回転から逆転の技まで生まれます。30分に詰め込みすぎでは?と言いたくなるほど濃い。
司先生が「どっちがいい?」と聞いて、答えを絶対に言わない。あの場面だけで、この師弟がどういうコンビなのか全部分かっちゃうんですよ。
第3話は2025年1月18日(土)深夜、テレビ朝日系“NUMAnimation”枠で放送。脚本は花田十輝さん、絵コンテはワタナベシンイチさんです。
この記事でわかること
第3話のあらすじ|「中学生まで」を覆すため、いのりは名港杯の初級優勝を宣言する
第3話の出発点は、いのりの母・のぞみがスケートを「中学生まで」と考えていることです。司はそれを覆す材料として、2か月後の名港杯で結果を出そうと持ちかけます。
- 名港杯への出場を決める:級ごとに枠が分かれる大会で、いのりは初級枠での優勝を目標に掲げる
- 曲かけ練習で固まる:ルクス東山FSCの練習で、振り付けの途中から頭が真っ白になる
- 司が一緒に滑る:翌日、司の滑りを間近で見たいのりに「こう滑りたい」という憧れが生まれる
- ミケと出会う:グラビティ桜通FSCの三家田涼佳と仲良くなるが、コーチへの考え方の違いで宣戦布告される
- たい焼きかケーキか:大会まで3週間、2回転に賭けるか基礎を磨くかをいのりが自分で選ぶ
- 4日前の逆転策:2回転が間に合わない中、迷い犬を見た司がフライングシットスピンを思いつく
まず驚くのが、名港杯に光も出ると聞いた時のいのりです。光はノービスBで、いのりは初級。同じ年の子がずっと上の級で競っていると知って、それでも光を「ライバル」として見ている。
そして出てくるのが「なら、初級枠で優勝を目指します」という宣言。差を突きつけられて縮こまるどころか、目の前の一番を取りにいく。司が驚くのも無理はありません。
第1話で「不器用な子」と見られていた子が、ここで自分から目標の高さを決めている。ついこの前まで、クラブに入ることすら許してもらえなかったのに。もう顔つきが選手なんですよね。
放送前に公開された15秒のWEB予告です。本編を見終えてから再生すると、あの名港杯までの3週間がどれだけ濃かったか思い返してしまいます。
TVアニメ公式のSeason 1ストーリーを並べて見ると、第3話は準備、第4話で名港杯が開幕という流れ。この回は、試合の前夜祭にしてはやたら事件が多い準備回です。
第1話からの流れをおさらいしたい人は、第1話の感想とあらすじから読むと、いのりの「ここまで来た感」がより強く効いてきます。
司が一緒に滑った理由|「下手っぴを笑われてる」いのりに生まれた憧れ
いのりの弱点はジャンプでもスピンでもなく、人前で踊ることでした。司は言葉で励ますより先に、同じ氷の上で一緒に滑ってみせます。
クラブの仲間に迎えられ、いのりはシットスピンもサルコウも短期間で身につけます。ところが曲をかけた途端に固まり、1回転サルコウを降りたあと、振り付けが飛んでしまう。
いのり自身の言葉では、スピンやジャンプの練習は平気でも、振り付けを踊っている時は「下手っぴを笑われてる」気がする。技術より先に、見られること自体が怖いんです。
ここ、胸がきゅっとなります。跳べる、回れる、なのに曲が鳴ると体が動かない。できないのではなく、人の目の前でやるのが怖い。子どもの頃の発表会を思い出した人、多いんじゃないでしょうか。
最初は逆効果、でも滑り出したら全部持っていく司
翌日、司は「一緒に滑ろう」と提案します。ところが大人の男性が隣に立つと存在感がありすぎて、いのりは余計に注目されている気分になってしまう。
ところが司が滑り出すと空気が一変。なめらかで正確で、どこか品のある動きに、いのりの目が釘付けになります。恥ずかしさが、憧れに押し流されていくんです。
普段あんなに騒がしくてテンション高い司先生が、滑ると急に別人。ずるい。この落差を見せられたら、そりゃ弟子は惚れます。
その後のいのりは、転びながらも見る見る上達し、氷の上で心から楽しそうに滑るようになります。司が褒めようとしたその瞬間、リンクの向こうから怒鳴り声が響く――ミケの登場です。
アニメのスケートシーンは、3DCGと作画を組み合わせて作られています。司の滑りの説得力がどこから来るのか気になった人は、制作会社ENGIの3DCGと作画の工夫も合わせてどうぞ。
教えるより先に、見せる。これが司のやり方です。
アニメで司の滑りに見とれた人ほど、原作漫画のscore3で同じ場面を開いてみてほしい。騒がしい兄ちゃんが選手の顔に切り替わる一瞬を、自分のペースで何度でも止めて眺められます。
「いちごショートケーキ」と「いちごたい焼き」の違い|司が答えを言わなかった理由
タイトルの「たい焼きとケーキ」は、名港杯まで残り3週間の練習プランを指すたとえです。どちらにも「いちご」が乗っていて、そのいちごが2回転ジャンプを表しています。
| 作戦 | いちご(2回転)の位置づけ | 成功・失敗した時 |
|---|---|---|
| いちごショートケーキ | 主役。2回転の習得に全力を注ぐ | 決まれば他が荒くても優勝が見えるが、失敗すると演技全体が崩れる |
| いちごたい焼き | おまけ。基礎を磨き、時間があれば足す | いちごがなくてもたい焼きとして成立する |
このたとえ、うまいのは「いちごがなかった時」まで想像させるところです。ショートケーキからいちごが消えたら寂しい。でもたい焼きは、いちごがなくても十分おいしい。
そもそも2回転の話が出たのは、ミケが初級枠なのにダブルサルコウを跳べると分かったから。勝ちを取りにいくなら2回転がほしい。でも初心者に3週間で2回転は、正直かなりの賭けです。
「俺の意思を読もうとしちゃだめだ」が第3話の核心
いのりは最初、どちらがいいか司に決めてもらおうとします。大人の顔色から「正解」を探してしまうのは、いのりが長く身につけてきた癖でもあります。
そこで司が返すのが「俺の意思を読もうとしちゃだめだ」。そのうえで、どちらを選んでも必ず優勝させると言い切ります。
選ばせるだけなら、ただの放任です。司がすごいのは、選んだ結果の責任は自分が全部持つと先に宣言しているところ。だから、いのりは安心して自分の気持ちだけで選べる。
公式Xも、たい焼きとケーキの絵文字を添えて、この場面を「選手にとって心強い」シーンとしてアフレコ映像で振り返っています。司役は大塚剛央さんです。
自分で決めさせて、しかも「どっちでも勝たせる」と背中を押す。いやもう、こんなコーチに教わるいのりがうらやましい。皆さんなら、あの場面でどちらを選びました?
いのりがたい焼きを選んだのは「踊りが綺麗」と言われたいから
いのりの選択は、安全策だからたい焼き、という消極的な理由ではありません。基礎を磨く時間を取れば、そのぶん踊りにも時間を使えるからです。
優勝したい。でもそれと同じくらい、「踊りが綺麗だ」と言ってもらえる選手になりたい。それが、いのりが自分で出した答えです。
ここで前の場面がつながります。人前で踊るのが怖かった子が、司の滑りを見て「あんなふうに滑りたい」と思った。その憧れが、そのまま作戦選びの理由になっているんです。
つまりこれは練習方針である前に、いのりが「どんな選手になりたいか」を初めて口にした瞬間です。数日前まで怖くて固まっていた踊りを、今度は自分から取りにいく。こんなの泣くって。
選手を信じて選ばせる司の人柄をもっと知りたい人は、明浦路司の年齢・身長や声優・大塚剛央さんの紹介も読んでみてください。
ミケ(三家田涼佳)初登場|「大人に甘えとる奴には負けん」に込めた自負
第3話で登場するミケこと三家田涼佳は、三河弁を話す小学3年生。いのりと一瞬で仲良くなり、同じ回のうちに宣戦布告までしてくる、とんでもなく忙しい子です。
初登場からして強烈です。コーチの那智鞠緒と子ども同士のような口げんかをしながら滑ってきて、勢い余って司に激突。それでも「ミケ、別に悪くないし」と謝りません。
なのに、いのりを見た瞬間に態度が一変。かわいい、と一目で気に入り、デザートを囲んで友達になります。いのりが2学年上だと知って驚くくらい、二人の背丈は近いんですよね。
謝らないのに、かわいい子には即デレ。ミケの情緒、ジェットコースターすぎませんか。
放送前の2024年8月、公式Xはミケを「同じスケートリンクで出会った小学3年生」「三河弁を話す」と紹介していました。名古屋のリンクに、三河弁の小学3年生。この一点で、もう忘れられないキャラです。
「大人の言うことばっか聞いてるとバカになる」ミケと、大人を頼るいのり
ミケは5歳の頃からオリンピックを目指してきた子です。そして、上手くなったのは自分で決めて自分で練習したからだと信じています。
だから、いのりが「コーチと話さなきゃ」と離れようとした時、ミケは不満を隠しません。友達より大人を優先するなんて、と。そこから出るのが「大人の言うことばっか聞いてるとバカになるだに」です。
ここでミケは反抗期で怒っているだけ、とは言い切れません。自力でここまで来たという自負が、そのまま大人への不信に変わっているのがミケの危うさです。
いのりは正直に、一人でスケートを覚えられる自信がないと答えます。するとミケは一気に敵意を向け、「あんたみたいな大人に甘えとる奴には、絶対負けんから!」と言い放つ。
この前までデザートを一緒に食べていた子が、数日後にはこれです。友達からライバルへの転落が速すぎる。でも、いのりにとって初めて「同じ土俵で負けたくない」と言ってくる相手でもあります。
三河弁の「〜だに」「〜だら」で言われると、きついはずの台詞がどこか可愛い。なのに中身はしっかり刺さる。可愛いのに痛い、ミケはそういう子です。
那智鞠緒とミケは、いのり・司と真逆の師弟
ミケの隣にいるのが、グラビティ桜通FSCのコーチ・那智鞠緒。愛称はナッチン。ミケとは終始、子ども同士みたいに言い合っています。
| 比べる点 | いのり・司 | ミケ・那智 |
|---|---|---|
| 関係 | 選手とコーチとして互いを尊重 | 口げんかが絶えない |
| 大人への考え | 一人では無理だから大人を頼る | 上手くなったのは自分の力 |
| 名港杯の武器 | 基礎と踊り(いちごたい焼き) | 2回転サルコウ+1回転アクセル |
ただ、那智をただの「ケンカ相手」で片づけるのはもったいない。本来ならもっと上の級で戦えるミケを、勝たせるために初級枠へ残るよう説得していたのは那智です。
だからこそ、いのりのスピードと回転を見た那智は青ざめます。いのりが2回転を入れてきて、ミケが負けたら?ミケがクラブを移ると言い出すかもしれない。大人の側にも、大人なりの必死さがある。
そこで那智が用意したのが、2回転サルコウと1回転アクセルのコンビネーション。リンクが空いていない都合で朝4時から練習し、ミケはそれを安定して決められるまで仕上げていきます。
小学3年生が朝4時にリンクへ立ち、コンビネーションを跳び続ける。「自分の努力で上手くなった」という言葉は、口先だけではありません。
言い合いばかりなのに、ミケが決めるたびに那智が本気で誇らしそうなのもいい。形は違っても、こっちの師弟もちゃんと一緒に戦っているんです。
公式チャンネルでは、ミケ役・木野日菜さんが第3話のミケ初登場シーンを収録する様子も公開されています。あの強烈な第一声の裏側を、収録現場の側からのぞけるのがうれしい。
ミケや那智のほか、第3話に出てくる人物の声優を確かめたい時は、登場人物&声優一覧と相関図が便利です。
デザートを囲んだ数日後に「絶対負けんから!」。この落差のスピードも、那智の青ざめ方も、原作漫画のscore3で追い直すとまた笑えます。ミケの三河弁を文字で読むのも、ちょっと新鮮です。
迷い犬が救った大会4日前|フライングシットスピンで基礎点が2回転を上回る
第3話のラストは、2回転が間に合わない中で司が見つけた逆転策です。答えは、いのりが得意なスピンを難しくするフライングシットスピンでした。
大会4日前、演技の大半は仕上がっているのに、ダブルサルコウだけが決まりません。瞳は、1回転ジャンプで表彰台を狙う現実的な道を提案します。
そこで悔しさを隠せないのが司です。やっぱりショートケーキを選ばせるべきだったのか――。「どちらでも優勝させる」と言い切った本人が、一番追い詰められている。
ここで「表彰台でいいか」と引かないのが司なんですよね。約束したのは優勝。その一点だけは絶対に下ろさない。
しっぽを追いかけてくるくる回る犬が、答えをくれた
調べものに図書館へ向かう途中、司は迷い犬に出会います。その犬が自分のしっぽを追いかけて回る姿を見た瞬間、ひらめいてしまう。
しかも司、興奮のあまり犬を抱えたままリンクへ駆け戻ります。いや、まず飼い主を探して。一番大事な作戦会議に、なぜか犬が同席している。このシュールさがたまりません。
フライングシットスピンは、跳び上がってから空中でしゃがんだ姿勢をつくり、そのままシットスピンに入る技。犬はあとで無事に飼い主のもとへ戻っています。
司に言われて試したいのりは、初挑戦でほぼ完璧に決めてしまいます。シットスピンが得意だった下地が、ここで一気に花開くんです。
なぜ2回転より強い?司の計算は5.18対4.78
司はすぐに演技構成の点数を計算し直します。答えは、2回転を入れた構成よりも、フライングシットスピンを入れた構成のほうが基礎点が高いというものでした。
| 演技構成 | 司が出した基礎点 |
|---|---|
| 2回転サルコウを入れた構成 | 4.78 |
| フライングシットスピンを入れた構成 | 5.18 |
つまり、決まらない2回転に賭けなくても、得意なスピンを一段難しくするほうが点が取れる。いちごがなくても、たい焼きはちゃんと勝負できるんです。
ここでタイトルが見事に回収されます。いちごは乗らなかった。でも、いのりが自分で選んだたい焼きには、ちゃんと別の中身が詰まっていた。鳥肌が立ちました。
派手な2回転ではなく、得意なスピンと踊りで勝ちにいく。いのりの実力がこの先どう伸びていくかは、結束いのりは天才なのか、成績から見た分析を読むとつながって見えます。
次の第4話で、いよいよ名港杯が開幕。スケートに反対だった母と、憧れの姉も見守る中での初滑走です。
朝4時から2回転コンビネーションを磨いてきたミケとの勝負、気にならないわけがない。決着は第5話の感想:ミケといのりの明暗へ。たい焼きの答えが、そこで出ます。
まとめ|第3話は、いのりが「自分で選ぶ」ことを覚えた回
『メダリスト』アニメ第3話は、いのりが名港杯へ向けて、自分の戦い方を自分で選ぶ回でした。選んだいちごたい焼きは、最後にフライングシットスピンという形で勝負できる中身に変わります。
大人を頼るいのりと、大人を信じないミケ。どちらが正しいかを決める回ではなく、同じ初級枠に正反対の二人が並んだことで、名港杯が一気に面白くなりました。
第3話を見返したくなった人は、『メダリスト』アニメの配信先もチェックしておくと、司の手本の滑りやミケの三河弁をすぐ確かめられます。
「俺の意思を読もうとしちゃだめだ」で選ばせて、4日前に犬を抱えて帰ってくる。格好よさとおかしさが同居する司先生、やっぱり最高のコーチです。
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