『薬屋のひとりごと』(略称『薬屋』)の姚(ヤオ)は、医官を手伝う官女です。猫猫(マオマオ)の同僚で、原作小説7巻から登場します。
ただ、家で用意された結婚より、働いて生きる道を選びたい人でもあります。強気な態度の先にあるのは、誰かに人生を決められたくないという切実さです。
燕燕(エンエン)に大切にされながら、その世話からも一歩出たい。羅半(ラハン)を気にするようになると、今度は周囲が落ち着かなくなります。
仕事を覚えたいお嬢様と、世話をしたい侍女。仲がいいのに、目指す方向がときどき正反対なんですよ。
※原作小説7~14巻に関わる展開とWeb版のネタバレを含みます。場面の細部は媒体を区別し、声優の配役予想は公式情報と分けて紹介します。
この記事でわかること
| 人物 | 読み | 姚との関係 |
|---|---|---|
| 姚 | ヤオ | 医官付き官女。仕事を身につけ、自立したい |
| 猫猫 | マオマオ | 同僚。医薬の知識と現場経験で先を行く |
| 燕燕 | エンエン | 同僚でもあり、姚に仕える侍女 |
| 魯侍郎 | ルーじろう | 姚の叔父で、父の死後に家を継いだ当主 |
| 羅半 | ラハン | 姚たちの滞在先に関わり、姚が気にする相手 |
| 三番 | サンファン | 羅家で働き、羅半を慕う女性 |
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姚とは?原作小説7巻から登場する医官付き官女
姚は、宮廷で医官の仕事を補助する官女です。試験を受けて職を得た働き手で、後宮の妃ではありません。
原作小説7巻では、新しく医官専属の官女になった猫猫の同僚として登場します。職場の中心にいる姚は、猫猫へ何かと突っかかります。
初めから感じのいい同僚、とは言いづらい。それでも仕事そのものを投げ出す気はないのが、姚の大事なところです。
| 比べたい点 | 姚 | 猫猫 |
|---|---|---|
| 学ぶ姿勢 | 勉強熱心で、仕事でも人に負けたくない | 薬と医術への関心が強く、実務経験もある |
| 得意・不得意 | 知識はあっても、道具の扱いなどはこれから | 薬師として身につけてきた経験が使える |
| 新しい職場での反応 | 先を行く猫猫が気になり、対抗する | 仕事ができれば、一人でもあまり気にしない |
Web版「五、縁故採用」では、姚と燕燕もてきぱき仕事をこなします。猫猫に冷たいことと、働く気がないことは同じではありません。
姚の年齢は、初期のWeb版では15歳に当たります。「二十、矢毒」で、縁談が始まった3年前を12歳と説明するためです。物語が進んだ時点の年齢とは分けておきましょう。
まだ若いのに、働ける人として認められたい。その気持ちを、経験豊富な猫猫の隣で毎日試される。姚にとっては、入っただけで満足できる職場じゃないんです。
姚が嫌いと感じられるのはなぜ?対抗心と世間知らずな言動
姚を苦手に感じやすいのは、猫猫へのきつい態度や、相手の事情を知らずに踏み込むところです。向上心があるからといって、嫌な言動まで帳消しにはなりません。
| 引っかかる言動 | 場面で起きること | 見落としたくない点 |
|---|---|---|
| 猫猫への対抗心 | 試験で負けた悔しさから、猫猫に厳しく接する | 転ばせるなどの嫌がらせは、Web版では主に取り巻きの官女が行う |
| 身分への先入観 | Web版「六、変わらぬ後宮」で、宦官である羅門(ルォメン)への態度が悪くなる | 猫猫は養父への扱いに腹を立てている |
| 相手の都合への鈍さ | Web版「三、抜けた数字 前編」で、読書中の猫猫を食事へ連れ出す | 世話を焼く行動も、猫猫の時間を中断させる |
養父・羅門への態度は、特に見過ごせません。宦官だと知ってから態度が変わる相手を、猫猫が好意的に受け取れないのは当然でしょう。
勉強熱心な人でも、相手の身分で態度を変えたらがっかりする。猫猫の知識だけでなく、医官として働く羅門の姿からも、姚には学んでほしいところです。
一方、食事の世話は少し厄介。身体を気遣うのは分かるけれど、夢中で本を読んでいる側からすれば、今ここで中断なのか、となる。親切とありがたさが、必ず同時に届くわけじゃない。
「猫猫だけずるい」で終わらず、苦手なことを覚え始める
それでも、姚が実力の差にぶつかった後の動きは好きです。Web版「十三、姚と包丁」では、猫猫だけが外回りへ連れていかれることに不満を示します。
- 姚が外回りを希望すると、劉医官(リュウいかん)から実務経験の不足を指摘される
- 姚は反発する燕燕を止め、包丁の扱いを覚えると答える
- その日の夜には厨房に立ち、実際に練習を始める
- 猫猫に道具と持ち方を教わり、まず野菜を切るところから取り組む
叱られた日の夜には、もう厨房にいる。悔しさを、そのまま練習へ持っていくのがいい。口では負けたくなくても、習わなければできないことから逃げません。
ただ、最初に持ったのは骨を切るための包丁。猫猫に小さなものへ持ち替えさせられます。医学の知識があっても、道具の選び方から習う必要がある。
外回りへ行きたいと訴えた日の夜に、人参一本と向き合っている。姚、思っていたより手前からの出発になりましたね。
Web版「五、個体差と推測」では、虫が苦手でも計測の仕事を続けます。青くなりながら箸で扱う姚と、黙々と測る猫猫。同じ作業でも、姚には越えるものが一つ多い。
姚の出発点は7巻。小説なら、猫猫に突っかかる頃から、仕事で傷つき、それでも戻ろうとするところまで続けて追えます。強気な顔だけで閉じるには惜しい人です。
姚と魯侍郎の関係は?叔父の縁談から離れて働きたい理由
魯侍郎は姚の叔父で、父が亡くなった後に家を継いだ人物です。姚に結婚を勧める叔父と、仕事を覚えたい姚では、将来への望みがかみ合っていません。
- 父が亡くなり、叔父が家を継ぐ
- 母は夫の死後も家の奥方として暮らす(叔父との再婚だと猫猫は推察する)
- 叔父から縁談が持ち込まれる一方、姚は医官付き官女として働き始める
- 休暇にも実家へ戻りたがらず、猫猫を頼って別の滞在先を探す
家が立派なら将来も安心、とは姚には思えない。暮らす場所があっても、次に誰と暮らすかを決める権利が、本人の手にあるとは限らないからです。
Web版「三、抜けた数字 前編」で、燕燕は、姚にとって母は父とともにいなくなったも同然だと語ります。好きだった母をそう呼ぶところに、家への反感の深さがある。
母は生きています。ただ、夫を失った後も、家を継いだ叔父のもとで奥方であり続ける。その事情を燕燕が語り、猫猫は叔父との再婚を読み取っています。
| 立場 | 望む将来 | すれ違うところ |
|---|---|---|
| 姚 | 仕事を身につけ、自分で進路を選びたい | 家の都合で結婚へ進められたくない |
| 魯侍郎 | 姪の縁談を進める | 結婚を勧めるほど、姚には干渉に感じられる |
| 燕燕 | 姚を不本意な相手から守りたい | 守る判断が、姚の希望と一致するとは限らない |
Web版「二十、矢毒」では、姚が働き始めた後も叔父から見合いを勧める文が届きます。職を得たから、それで家の問題が終わるわけではありません。
姚が欲しいのは、家を離れる場所だけでなく、自分で生き方を選べる力です。結婚するかどうかより先に、その選択を本人のものにしたい。
原作小説9巻では、実家へ帰りたくない姚と燕燕が、紹介された羅半の家へ泊まることになります。恋の話へ進む前に、まず帰省先を避けたい事情があるんですね。
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姚と燕燕は主従で同僚|大切に思うほど生まれるすれ違い
燕燕は姚に仕えてきた侍女で、医局では同僚です。仕事上の立場が並んでも、二人の間にはお嬢様と侍女の距離が残っています。
ただ、姚が燕燕を手元に置きたがるだけの関係ではありません。燕燕の能力を認め、別の仕事へ送り出そうとするのは、むしろ姚のほうです。
| 場面 | 姚が望むこと | 燕燕が望むこと |
|---|---|---|
| 燕燕が壬氏(ジンシ)付きに選ばれる | 能力を認められた燕燕を祝福して送り出す | 姚と離れず、そばで働きたい |
| 皆で食事の準備をする | 料理の手伝いに加わりたい | お嬢様には手を煩わせずにいてほしい |
| 姚が仕事を覚える | 苦手な作業もできるようになりたい | 心配で手を出したくなる |
Web版「十八、選出の基準」で、姚は燕燕の異動を素直に祝います。離れたくない燕燕が助けを求めるほど、姚は晴れやかに送り出す。
燕燕、止めてほしい相手に一番きれいに背中を押されている。
料理では逆に、手伝おうとした姚が燕燕に断られてむくれます。姚は手を貸したいのに、燕燕は休ませたい。相手のために、と先回りすると、この二人はすれ違う。
それでも、姚のそばへ戻りたがるのが燕燕です。仕えるようになった経緯は、燕燕のプロフィールからたどれます。
燕燕の姚への執着には、親切だけでは済まない場面もあります。二人をひとまとめに苦手と感じた時も、誰が何を望んだのかで、引っかかる箇所は違ってきます。
姚は毒見でどうなった?命が助かっても残る仕事への傷
姚は砂欧の巫女をめぐる毒の事件に巻き込まれ、重い症状に苦しみますが、生き延びます。原作小説8巻では、医局へ戻れるようになった姚の様子へ話が進みます。
※ここから毒見事件の結末に触れます。特に事件の表向きの扱いと姚の認識は、Web版「砂欧編」の内容です。
- 姚が毒に倒れ、ほかの被害者より重い症状になる
- 猫猫や羅門らが看病に当たり、姚は危険な状態を脱する
- 事件は政治的な思惑も含めて処理され、巫女は表向き亡くなったことになる
- 姚には、毒見に失敗して要人を死なせたという扱いが残る
Web版「二十四 毒の正体」では、姚は一度落ち着いた後にも容態が悪くなります。新人の失敗談として軽く受け取れるような危機ではありません。
| 知っている人 | 事件後の受け止めに関わる情報 |
|---|---|
| 猫猫 | 巫女の生存と、表向きの決着が違うことを知っている |
| 姚 | 失敗した扱いなのに処分が軽く、仕事も続けられる不自然さに気づく |
| 燕燕 | 姚を守ろうとする一方、姚からは事件の裏に気づかせたくない相手でもある |
そして「二十八 次代の巫女」で、巫女は生存しながら表から姿を消します。命を助けるための決着と、世間に伝わる決着が食い違う。姚はその外側へ置かれます。
姚は、優しく扱われれば納得するほど幼くありません。けれど、相手に事情を明かさせられる立場でもない。その間で口にするのが、ひとりごとです。
Web版「終 夏の終わり、秋の始まり」の姚は、何かが隠れていると察しながら、猫猫へ話し続けます。説明は求められなくても、何も感じなかったことにはできない。
ここはつらい。仕事を覚えたいと踏ん張っていた人が、事情を知らされないまま失敗扱いになる。猫猫には見えている結末に、姚だけがたどり着けないんです。
原作小説8巻は姚が医局へ復帰できる頃から始まります。助かった後にも仕事は続く。その日常へ戻れることまで、姚の物語として追いたいですね。
姚は羅半が好き?三番との関係は「同じ相手を気にする二人」
姚は羅半への恋心を周囲から疑われるようになります。三番も羅半を慕っているため、同じ屋敷にいることが、ただの居候では済まない空気へ変わっていきます。
原作小説13巻では、羅半の家にとどまる友人たちと、ちぐはぐに振る舞う姚の話が進みます。小説9巻で始まった滞在が、ずいぶん長い縁になるわけです。
| 人物 | 羅半をめぐる立場・行動 | 誰の気持ち・見方か |
|---|---|---|
| 姚 | 何かと理由をつけて屋敷にとどまろうとする | 恋心は周囲の見立ても含めて描かれる |
| 燕燕 | 姚を羅半から離したくて、猫猫へ相談する | 姚の望みより先に、相手を否定しがち |
| 猫猫 | 羅半の実力主義が姚の理想に近いと考える | 本人の告白を聞いて理由を確定したわけではない |
| 三番 | 羅半を愛していると明言し、姚たちへ引っ越しを勧める | 姚と同じ立場・同じ望みで争うわけではない |
Web版「八、医官手伝いの休日」では、燕燕が猫猫へ相談します。姚本人がいないところで、恋の相手としての羅半が散々な言われようです。
そこで猫猫が考えるのは、羅半は身分や男女差より実力を見る、という点。家の都合で将来を決められたくない姚にとって、その尺度はたしかに魅力になり得ます。
姚が惹かれる理由として筋は通るけれど、これは猫猫の読みです。本人が好きな理由をすべて語ったわけではありません。
仕事では追いつけない相手を気にしていた姚が、今度は恋の相手を気にしているらしい。ところが相談しているのは周囲ばかり。肝心の姚にも、その理由を聞いてみたい。
三番の本気は、引っ越し先の間取りにまで出る
Web版「九、恋心」で、三番は羅半への想いを明言します。姚たちに持ちかけるのは、台所や立地まで条件のよい新居への引っ越しです。
恋敵を遠ざけたいにしても、出てくる資料が間取り。感情を言い合う前に、住む場所から変えにくる。三番、手のつけ方がやけに実務的です。
ただし三番は、姚が出ればそのまま妻の座に収まれる、という単純な望みを語ってはいません。羅半を支えたい気持ちと、将来の奥方への条件まで持っている人です。
三番には、妻になる以外の形でも支えたい覚悟がある。一方の姚は、恋心を疑われながらも、まだ周囲へ思いを語り切っていない。二人の本気は、同じ形では出てきません。
羅半の数字へのこだわりや家族の立場は、羅半の人物像と結婚の行方で。姚が気にする相手と、猫猫が見る義兄が、同じ男に思えないのも楽しい。
13巻には、尾丸ポルカさんがナレーションを務めるヒーロー文庫の公式PVもあります。小説の紹介映像なので、ナレーターとアニメの姚役は別の話です。
姚の居候から恋の気配へ続けて読むなら、小説9巻と13巻が気になるところ。家に帰りたくなかった最初の滞在と、屋敷を出ようとしなくなった頃を並べてみたいですね。
姚の声優は未発表|市ノ瀬加那・富田美憂を配役予想
2026年10月21日時点で、アニメの姚役は公式未発表です。まだアニメには登場しておらず、初登場の話数も発表されていません。
第3期の公式キャスト一覧には猫猫や羅半らの配役があり、姚役の掲載はありません。小説の人物紹介とアニメの配役発表は、分けて待ちたいところです。
※以下は役柄から考える配役予想です。出演の内定情報や、制作側から示された候補ではありません。
姚を演じるなら、凛とした言い方の中に、年相応の負けず嫌いがのぞく声を聴きたい。きつく突っかかる声だけでなく、言い切った後に少し揺れるところまで想像してしまいます。
| 予想候補 | これまでに演じた役 | 姚に重ねて聴いてみたい部分 |
|---|---|---|
| 市ノ瀬加那さん | 『葬送のフリーレン』フェルン | 落ち着いた振る舞いと、年頃の少女らしい表情の両方 |
| 富田美憂さん | 『かぐや様は告らせたい』伊井野ミコ | きちんとしたい気持ちと、不器用に強く出てしまう応答 |
市ノ瀬さんなら、世話を焼く時の落ち着きと、猫猫に追いつきたい時の意地をどう分けるか。フェルンをそのまま当てはめるのでなく、もっと背伸びした姚の話し方を想像したくなります。
富田さんなら、言葉が先に強く出た後の照れや悔しさが気になる。堂々と振る舞いたいのに、経験の差が隠し切れない。そんな姚の、意地が先に立つ言い返しが似合いそうです。
どちらが起用されるかを示す材料は、まだありません。今の楽しみは、強気・気遣い・傷ついた時の声を、一人の姚としてどうつなぐかを考えることです。
とりわけ毒の事件後、説明を求められず、それでも話してしまう姚。声が付いたら、強がりに聞こえるのか、諦めに聞こえるのか。あのひとりごとの間を聴いてみたい。
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まとめ|姚は負けず嫌いの先で、自分の生き方を選ぼうとする人
姚は原作小説7巻から登場する医官付き官女です。猫猫への対抗心も、家を離れて働きたい切実さもあり、燕燕や羅半との関係の中で不器用に進んでいきます。
周囲からは、縁談も世話も引っ越し先も持ち込まれる。それぞれの思惑の間で、どの道を歩くかは姚に選んでほしい。その願いと、まだ誰かに教わる必要がある現実が、一緒に残ります。
猫猫に手を直されながらも、姚は包丁を手放さない。苦手なことを誰かに任せ切らないあの姿には、初登場の強気な顔より、ずっと肩入れしたくなります。
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※本記事の情報は2026年10月21日時点で確認しています。放送・配信状況、料金、特典、キャンペーン、商品情報などは変更される場合があるため、最新情報は各公式サイト・販売ページをご確認ください。