『ダンダダン』72話は、オカルンにキスした少女をモモが蹴り飛ばし、翻訳機で名前「バモラ」と目的「強い人と結婚」が分かる回。最後はセルポ星人が新しい宇宙人に倒されます。
いちばん可笑しいのは、金太が倒したのは自分だと名乗り、オカルンも「強い人ジブンじゃない」と同意して、話がまとまったつもりになるところ。
ところが翻訳機は、バモラの言葉をこちらへ訳す一方通行。こちらの言い分をバモラへ伝える手段が、最初からありません。
題名は「だれか翻訳してくれ」。読み終えると、バモラの言葉より先に訳してほしいのは、オカルンとモモの間のほうでした。
※この記事は原作漫画第72話までのネタバレを含みます。72話はアニメ第2期最終話(第24話)の続きにあたります。73話以降の展開には触れません。
この記事でわかること
『ダンダダン』72話のネタバレ|モモの跳び蹴りから、翻訳機の「結婚します」とセルポ星人まで
72話は、71話のキスを見たモモが少女へ跳び蹴りするところから始まり、廃墟でセルポ星人が倒される場面で終わります。
- キスを見たモモが「ほおわちゃあああ!!」と少女に跳び蹴り。巻き添えでオカルンもひっくり返り、金太はチャックを開けたのが自分だったらと泣く
- 少女に馬乗りで問い詰めるモモ。ところが少女の言葉は、記号のような文字で通じない
- 話を聞こうと止めるオカルンに、モモはキスされたから優しいのだと怒り、家に入ってしまう
- オカルン・ジジ・金太は、オカルンの制服をつかんで離さない少女を連れて、宇宙人のシャコさんのもとへ
- シャコさんも見たことのない宇宙人。鼻メガネのような翻訳機を着けると、少女は「バモラ」と名乗る
- 拾えたのは言葉の切れ端だけ。強い人を探しに来て、戦って負けたら結婚する。その相手として、バモラはオカルンに「結婚します」
- 金太が倒したのは自分だと名乗り出て、オカルンも同意。話がまとまったつもりの一同をよそに、バモラはオカルンに飛びつく
- こちらの言葉をバモラへ伝える翻訳機はないと分かり、シャコさんは仕事へ戻ってしまう
- 場面は変わって山あいの廃墟。縄張りを主張したセルポ星人の3人が、新しい宇宙人に倒される
第72話「だれか翻訳してくれ」は、2022年9月6日に少年ジャンプ+で公開されました。本編は20ページで、単行本では9巻に入っています。
配信の0時すぎには、担当編集の林士平さんが「不意接吻」「混乱嵐の予感」と、画像4枚を添えて告知しています。
混乱嵐の予感、そのとおりでした。キス一つで、蹴りとやきもちと結婚話と手柄争いが一気に起きる。少女がキスに至るまでの流れは71話のネタバレ感想・考察で書いています。
モモの跳び蹴りと「キスしたからさぁ 優しくしてんじゃないの!?」|家に入ってしまった理由
モモが蹴ったのは、キスされたオカルンではなく、キスした少女のほうでした。怒りの矛先がオカルンへ向くのは、少女に優しくしようとした時です。
少女に馬乗りのモモは、開いた着ぐるみを見て「怪獣はテメェかコラァ」。話を聞こうと言い出した金太は、「テメェはモテてぇだけだろうがよ!!」と一喝されます。
金太の返事は「やめて!! バラさないで!!」。初登場の64話でオカルンにモテる秘訣を聞きに来た人です。モモ、下心の読み取りが早い。
オカルンも止めに入ります。戦う気はもうなさそうだし、「何より金玉の事を聞き出さないと」。怪獣は金の玉と一緒に現れたので、筋は通っています。
ところがモモは「嫌だ」。そこから先は、オカルンが口を開くほどこじれていきます。
- モモ「キスしたからさぁ 優しくしてんじゃないの!?」
- オカルンは、普通にしているだけだと否定
- モモは、女の子にキスされたのに普通でいられるのかと詰め寄る
- オカルン「めちゃくちゃ動揺してますよ!!」「すごくカワイらしい人ですし」
- モモは「はあ!?」。「勝手にしろ!!」と言い捨て、呼び止められても「知らない!!」と家へ
普通でいれば怒られ、動揺していると言えば、その理由が相手のかわいさ。嘘をつかない人が、いちばん言ってはいけない順番で正直になりました。
オカルン、そこは「動揺してます」で止めておけば助かったのに。かわいいと思った感想まで、律儀に提出しなくていい。
キスをめぐってモモが怒るのは、これが初めてではありません。ただ9話の時は、モモ自身がキスの当事者でした。
| 比べる点 | 9話 | 72話 |
|---|---|---|
| キス | モモとオカルンが、はずみで唇をぶつける | 着ぐるみから出た少女が、オカルンに |
| 見ていた人 | モモの友達2人 | モモ、金太、ジジ |
| その後 | 二人ともキスを否定し、言い合いでけんか別れ | モモが少女を蹴り、オカルンにも怒って家へ |
9話の事故チューでは否定に回ったモモが、72話ではキスに怒っているのを隠しません。あの時より、ずっと素直です。
応援コメントには、キスされたオカルンではなく、いきなりキスした側を攻撃したのが良い、という声も。昔のラブコメなら殴られるのは男の子だった、と比べる人もいました。
翻訳機でわかった名前「バモラ」と「強い人と結婚」|カズの「バモラァ」とシャンプーの掟
シャコさんの翻訳機で、少女は「バモラ」と名乗り、強い人と戦って負けたら結婚すると話します。71話では一言も話さなかった少女の名前と目的が、ここで分かります。
シャコさんのところへ向かう道でも、少女はオカルンの制服をつかんだまま。ジジが「見て見て ウーパールーパー」とモノマネを見せても、無反応です。
シャコさんは少女を見て「このような宇宙人は見た事が無いでいス」。初めて宇宙人を見た金太の感想は「だいぶ普通のオッサンじゃねぇか…」でした。
シャコさんが出した翻訳機は、丸眼鏡に口ひげの鼻メガネのような形。「私も地球についた頃は重宝したでいス」と言われても、見た目がパーティーグッズです。
シャコさん、地球に来たばかりの頃、あれを着けて人と話していたんですか。そっちの場面も見たい。
オカルンが「ジブンは高倉」「キミは?」と聞くと、少女は一言「バモラ」。すかさずジジが「ヤバ!! カズじゃん!!」と反応します。
カズこと三浦知良選手は、1990年代にサントリー「デカビタC」のCMで「バモラァ!!」と叫んでいました。ポルトガル語で「さあ行こう」という掛け声です。
名前だけで90年代のCMに飛ぶジジ、高校生にしては守備範囲が広い。はてなブックマークにも、どの年齢層から分かるのかと首をかしげる声がありました。
目的は、翻訳機が拾えた切れ端からつながります。「強い…人ププ… 戦って…ピー 負けたら…」。そしてオカルンに向けて、「あなたと…」「結婚します」。
負けたら結婚と聞いて、『らんま1/2』のシャンプーを思い出した読者もいました。女傑族の掟で、男の乱馬に負けたシャンプーは乱馬に求婚します。
ただ応援コメントには、「シャンプーだろってコメだらけと思ってたのにそうでもなかった」と時代の流れを感じる人も。
冒頭のバモラの記号を、楔形文字の一種・ウガリット文字と見た読者もいます。2ページ目を「あなたやめなさい」、3ページ目を「なんでこんなことするの」と読んでいました。
その読みが合っているなら、バモラは蹴られながら、ちゃんと抗議していたことになります。モモには一文字も届いていませんが。
では、バモラは何話から出ていたのか。名前が分かるのは72話でも、姿を変えながら63話から登場していました。
| 話 | バモラの姿 |
|---|---|
| 63話 | 団地に浮かぶ金の玉とともに現れる。姿はまだ見えない |
| 65話 | 透明のからくりが破られ、怪獣の姿が見える |
| 70話 | 大仏ロボのパワーボムで倒される |
| 71話 | 縮んだ怪獣は着ぐるみ。中から出てきた少女がオカルンにキス |
| 72話 | 翻訳機で「バモラ」と名乗る |
着ぐるみの口から顔を出した72話の姿は、アニメ第3期のティザービジュアルにもなっています。2025年12月、2027年の放送決定と一緒に公開されました。
「それオレえええ」の金太と、バモラに本当に勝ったのは誰か
金太は手柄を名乗り出て、オカルンもすぐに譲ります。ただ、そのやりとりはバモラに一言も訳されていません。しかも勝負を並べると、いちばん多く出てくるのはモモです。
金太はこの回、ずっと全力です。冒頭ではチャックを開けたのが自分ならと泣いて「やり直したい!!」。道中では「またの名を疾風のアルベルトだ」と名乗ります。
そして「実は一番最初にチャックを開けたのはこのオレなんだ」。71話で開けたのはオカルンです。泣いて「やり直したい」と言った同じ回のうちに、やり直しを嘘で済ませました。
結婚と聞くと「それオレえええ」「オレがバモラちゃん倒したんだろ!!」。オカルンも「そ そうですね!!」と乗り、強い人はジブンじゃないと言い切ります。
| 話 | 誰が | バモラ(怪獣)に何をしたか |
|---|---|---|
| 65話 | オカルン | 全速力で突っ込み、透明な怪獣をビルの外へはじき出す |
| 70話 | モモ(アイラ) | 金太の操縦を止め、アイラの髪で縛った怪獣に、ロボの腕でパワーボム |
| 72話 | モモ | 着ぐるみから出た少女に跳び蹴り |
表に2回出てくるのはモモだけ。応援コメントでも「バモラ倒したのはモモちゃんなんだよなぁ」とツッコまれていました。パワーボムは70話のネタバレ感想・考察で振り返れます。
強い人と結婚するなら、いちばん条件を満たしているのは、さっき家に入っていったモモ。作中の誰もそこに触れないのが平和です。
ここから、話がまとまったつもりの一同が順番に空振りします。
- バモラが「あ」と声を出し、ジジは「気付いたっぽくね」。金太は「勘違いが晴れてー」と大喜び
- ジジが「何言ってんのオカルン 超強いから!」と口をすべらせ、オカルンに止められる
- オカルンは「これで綾瀬さんの誤解も解けますよ!」。金太は両手を広げて「あらためて受け入れるぜ バモラの唇を」
- バモラが飛びついたのはオカルン。空を抱いた金太は「オレのこの手のやり場を教えろ」
- オカルン「こっち側の翻訳機無いんですか!!」。シャコさんは「無いでいス」と仕事へ戻る
金太の名乗りも、オカルンの「ジブンじゃない」も届かないまま。「気付いたっぽくね」は、ジジの見立てにすぎませんでした。
通じない相手の前で、手柄の譲り合いだけが日本語で丁寧にまとまっていく。金太、その嘘は誰に向けてついたんですか。
翻訳機の改良は「今度来るまでには」。オカルンの「今度っていつですか!?」が、そのまま72話の題名の叫びです。
ラストの廃墟|セルポ星人をねじ伏せた「ジャイアン」の宇宙人
72話の最後は、バモラたちとは別の場所です。山あいの廃墟にいたセルポ星人の3人が、入り込んできた宇宙人にまとめて倒されます。
同じ顔の3人のうち1人が、侵入者に「地球ははじめてですか?」と声をかけ、「この区域は我々のテリトリーですよ」と追い返そうとします。
1話でUFOが出るという病院に現れ、モモを捕らえたのも、同じ顔のセルポ星人の3人組でした。人をさらいに来た側が、今は地球の先輩として縄張りを語っています。
「地球ははじめてですか?」って、観光地の案内係みたいな聞き方。あなたたちも来た側でしょう。
次のコマでは、左右の2人が頭を壁にめり込ませています。残った1人の顔に長い首のようなものが巻き付き、最後のページで宇宙人が言い放ちます。
「おまえの物はオレの物」「オレの物もオレの物」。72話の最後の言葉は、ジャイアンの名台詞そのままでした。
『ドラえもん』のジャイアンは「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」で知られ、そこから「ジャイアニズム」という言葉まで生まれています。
応援コメントは「ジャイアン星人さん!?!?」で持ちきり。「ジャイアニズムってグローバルな価値観なんだなぁ...」と、宇宙規模で感心する人もいました。
読者スレには「セルポが咬ませになる日がくるとは」という声も。1話であれだけ怖かった宇宙人が、最後の数ページで前座に回りました。
この宇宙人の名前も目的も、72話ではまだ明かされません。セルポ星人との最初の遭遇は1話のネタバレ感想・考察で書いています。
前半は「強い人と結婚」したい宇宙人、ラストは人の物を全部取る宇宙人。72話は、欲しいものがはっきりした宇宙人を2人連れてきました。
72話の読者の反応|いいジャン上位はウーパールーパーとジャイアン星人
ジャンプ+の72話の応援コメントは4,300件を超えます。いいジャンの多い順に並べると、上位はジジのモノマネと、最後の宇宙人でした。
| 書き込み | いいジャン |
|---|---|
| 「ウーパールーパーおもろすぎだろwww」 | 42,612 |
| 「ジャイアン星人さん!?!?」 | 35,074 |
| 「綾波の次はジャイアン来て草」 | 28,760 |
| 「おめでとう疾風のアルベルト、お前はもうレギュラーメンバーだ」 | 26,515 |
| 「最後の宇宙人カッコ良すぎてびびった」 | 15,684 |
3位の「綾波」は、71話の白いスーツの少女を『エヴァンゲリオン』の綾波レイに重ねた読者の連想。その翌週に来たのがジャイアン、という落差です。
4位は金太への祝福。71話でオカルンに「いや いいです」と協力を断られた金太が、72話では一行の一員として歩いています。
金太の受け止めは割れます。読者スレには「オタクいい感じにバカで段々好きになってきた」という声と、チャックの嘘への厳しい声が並びました。
72話は、アニメ第2期最終話(第24話)の続きにあたる回です。第24話の放送直後には、林士平さんが「続きはこちらからどうぞ」と72話へ案内していました。
第2期の続きは原作9巻の72話「だれか翻訳してくれ」から。モモの跳び蹴り、鼻メガネのバモラ、金太の空振りの両手まで、アニメ第3期より先に9巻のコマで確かめられます。
まとめ|72話は、キスの後始末が結婚話になり、最後にジャイアンが来る回
『ダンダダン』72話は、モモがキスした少女を蹴って退場し、翻訳機で分かった名前「バモラ」と目的「強い人と結婚」に、オカルンと金太が振り回される回でした。
「何より金玉の事を聞き出さないと」で始まった聞き取りは、結婚の申し込みを聞いて終わりました。金の玉のこと、まだ一言も聞けていません。
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