『ダンダダン』アニメ1期のエンディング曲は、ずっと真夜中でいいのに。の「TAIDADA」です。作詞・作曲はボーカルのACAねさんが手がけました。
曲名は、歌詞に出てくる「怠惰だ」をローマ字にしたもの。ただ、怠ける歌ではありません。
ACAねさんが曲のきっかけに挙げたのは、「敵であることが助け合い」と「四畳半のしあわせ」。
口げんかしながら離れないモモとオカルンの、だるいのにほっとけない距離を歌った曲です。
曲名で「怠惰だ」と言い切っておいて、中身はほっとけない話。タイトルで油断させるの、ずるくないですか。
2025年7月からの2期は、WurtSさんの「どうかしてる」に替わりました。
※この記事はアニメ第2期までの内容と、原作漫画54話までの場面に触れます。
この記事でわかること
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『ダンダダン』アニメのエンディング曲一覧|1期「TAIDADA」と2期「どうかしてる」
エンディング曲は期ごとに替わっています。1期は2024年10月から12月、2期は2025年7月から9月にかけての放送でした。
| 期 | 曲名と歌った人 | 作詞・作曲/編曲 | 配信開始 |
|---|---|---|---|
| 1期 | 「TAIDADA」ずっと真夜中でいいのに。 | ACAね/煮ル果実、100回嘔吐、ZTMY | 2024年10月4日 |
| 2期 | 「どうかしてる」WurtS | WurtS/WurtS、Singo Kubota[Jazzin'park] | 2025年7月11日 |
ずっと真夜中でいいのに。は、作詞・作曲・ボーカルのACAねさんによる、決まった形を持たない音楽バンドです。
WurtSさんは、作詞・作曲から編曲、映像まで自分で手がけるソロアーティストです。2期の曲は、作品のために書き下ろしました。
1期は「怠惰だ」、2期は「どうかしてる」。曲名がそろって、正気の側にいません。
宇宙人と妖怪が毎週押しかけてくるアニメの締めとしては、たぶんこれで正しい。
オープニングのほうは、主題歌「オトノケ」の歌手と歌詞の元ネタで、Creepy Nutsの曲から2期の「革命道中」までまとめています。
TVアニメ第3期は2027年の放送が決まっています。3期のエンディング曲は、2026年11月2日時点でまだ発表されていません。
「TAIDADA」の歌詞のテーマ|ACAねのコメントにある「四畳半のしあわせ」
歌詞のテーマを解く鍵は、ACAねさん本人のコメントにあります。
ED担当が決まった2024年8月、公式サイトに寄せたコメントで、ACAねさんは連載時から『少年ジャンプ+』で読んでいたと明かし、気になる人物に綾瀬モモを挙げています。
続きがまた面白い。オカルンの「朝あいさつの素人」という台詞にハッとして、iCloudにメモしていたそうです。
名曲の種、クラウドに保存されていたんですね。
| ACAねのコメント | 『ダンダダン』で思い当たるもの |
|---|---|
| 「敵であることが助け合い」 | 幽霊派のモモと宇宙人派のオカルンは、口論から始まって、怪異と出会うたびに手を貸し合う |
| 「だるいこともほっとけない」 | 面倒そうな顔をしながら、目の前の怪異や困っている相手を放っておけない二人 |
| 「美味しいカレーに弱るような」 | 原作26話(アニメ1期10話)で、手当てとモモのカレーに泣いたシャコ星人 |
| 「疲労感で眠れるような」「四畳半のしあわせ」 | 大きな勝利ではなく、くたくたで眠る夜のような、狭くて小さな幸せ |
「TAIDADA」のテーマは、敵みたいに張り合う相手と、だるいのに離れられない小さな幸せ。曲名の「怠惰だ」は、その「だるい」の側の言葉です。
カレーの読みは、当たっていてほしい。原作26話では、合体怪物の腕になって殴りかかってきたシャコ星人が、綾瀬家で手当てされ、モモのカレーを前に泣きます。
敵だった相手が、カレーで弱る。コメントの「敵であることが助け合い」と「美味しいカレーに弱る」が、一つの場面に収まっています。
泣いた理由まで知りたくなったら、26話のネタバレ感想と、シャコ星人の声優・関智一さんの記事へどうぞ。息子のために戦っていた事情が分かると、あのカレーがもっと沁みます。
歌詞が誰の気持ちを歌っているのかは、明かされていません。モモの歌にもオカルンの歌にも聞こえる書き方で、そこがまた「敵であることが助け合い」らしいところです。
「怠惰だ」の歌詞の意味|本音の手前で止まる人が、最後は放っておけなくなる
歌詞は、本音を飲み込む毎日から始まり、サビで相手を煽り、最後は疲れていても放っておけないところへたどり着きます。
- 歌い出し:納得する前に口をつぐみ、傷つく前に笑ってごまかす。本音を出す手前で引いてしまう場面が4つ並ぶ
- 1回目のサビ:本気を出してそれだけか、見栄を張っていないかと相手を煽り、気持ちのぶつけ合いを一緒に練りたいと言う
- 2番:関係は壊れるとあっけなく、返事はだんだん素っ気なくなる。握りしめていた小さな共通点も、どこかへ忘れてしまう
- 最後のサビの前:近づくほど相手が敵に見えてくる。それでも逃げるより、戦うほうを選ぶ
- 締めくくり:眠りたいほど疲れているのに、目の前のことを放っておけない
この曲の「怠惰」は、寝転がって何もしない怠けとは違います。ぶつかる前に、先に引いてしまう癖のほうです。
サビの煽りは、相手に向けた言葉にも、引いてばかりの自分への言葉にも聞こえます。
歌い出しで黙っていた人が、サビに入ったとたん煽る側に回る。黙っていたぶん、言いたいことが溜まっていたらしい。
サビの最後の一行は、1回目・2回目・3回目で少しずつ言葉が変わります。
気持ちをぶつけ合う話が、感じる力を一緒に育てる話になり、最後は感情が動かない時こそ問いただせ、になる。
同じメロディのまま、言っていることだけが一歩ずつ前へ進む。
歌詞の全文は、歌ネットの「TAIDADA」のページで読めます。
お祓いから「ランバダ」へ|音でつなぐ言葉遊びと、作中の言葉
聴きどころは、音の転がし方です。サビの終わりでは、お参り、退治、対談、そして「ランバダ」と似た音の言葉が続いて、「怠惰だ」に着地します。
霊媒師の家のお祓いみたいな言葉から、なぜかラテンのダンスへ。踊り出すまでが早い。
曲の最後の一語は「対駄談」。「たいだだん」と読めて、曲名に「ん」を足すと、ちょっと「ダンダダン」に寄ってきます。
| 歌詞に出てくるもの | 『ダンダダン』で思い当たるもの |
|---|---|
| 念力 | モモの超能力。霊媒師の家系に生まれたモモが、セルポ星人との一件で目覚めた力 |
| お参りと退治 | 霊媒師の祖母・星子と、怪異を相手にするモモたちの日常 |
| 語尾の「じゃんか」 | 1期3話「ババアとババアが激突じゃんか」など、「じゃんよ」「じゃんか」で終わる各話サブタイトル |
| 握りしめている小さな共通点 | モモの理想の男性は高倉健で、オカルンの本名も高倉健 |
いちばん好きなのは、共通点の読みです。モモが憧れる俳優と、オカルンの本名が同じ。原作1話のラストで分かる、ただそれだけのつながりです。
お守りにするには小さすぎる共通点を、それでも握りしめている。歌詞のいじらしさが、名前ひとつで二人に重なって見えてきます。
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ED映像は招き猫のターボババアの日常|5話で正体が分かる前から毎週踊っていた
1期のED映像の主役は、招き猫です。曲に乗って、やけに人間くさい日常が続きます。
- ドライヤーの強すぎる風に吹き飛ばされそうになる
- 自分の子猫を迎える
- 音楽に乗ってリズムを刻み、踊る
- 料理に挑んで、失敗する
元になったのは、単行本の巻末に描かれた招き猫のターボババアのおまけです。本編ではオカルンのタマを奪った妖怪が、巻末ではこの愛嬌を振りまいています。
中身がターボババアだと本編で分かるのは、1期第5話「タマはどこじゃんよ」。視聴者は正体を知らないまま、5話より前から毎週この猫を眺めていたことになります。
ED映像は、1話の放送が終わった2024年10月4日に、MBSの公式チャンネルで公開されました。再生は、2026年11月2日時点で560万回を超えています。
曲が「怠惰だ」と歌っている横で、ドライヤー、子守り、料理。この映像でいちばん怠けていないの、招き猫ですよね。
ババアが招き猫に入るまでの経緯は、招き猫の正体はターボババアで追えます。猫の姿でも声はトンネルの時と同じで、ターボババア役の田中真弓さんです。
「TAIDADA」の反響とMV|ED映像を元にした「公式MAD」と、ライブの定番
「TAIDADA」は、ED映像を土台にした公式MVで一段と広まり、ライブの定番曲にもなりました。
- 2024年8月20日:ずとまよのED担当と、ACAねさんのコメントが発表される
- 2024年10月4日:1話の放送後に曲の配信が始まり、ED映像も公開される
- 2024年10月:Billboard JAPANの総合チャート「JAPAN Hot 100」の10月21日付で、54位に初登場
- 2024年10月23日:ミニアルバム『虚仮の一念海馬に託す』に収録
- 2024年12月5日:「ダンダダン MAD」と名乗る公式MVを公開
- 2026年3月25日:4枚目のフルアルバム『形藻土』にも収録
- 2026年4月:連載5周年にACAねさんがお祝いのコメント。「TAIDADA」がライブの定番曲になったことにも触れる
中でも目を引くのが、2024年12月のMV。ずとまよ自身が「ダンダダン MAD」と名乗る一本です。
動画の説明には、EDが好きなのでMAD MVを作った、と書かれ、続けて「Respect ターボババア」。公式が、ファンの作るMADの形をわざわざ名乗っています。
MADは、既存の映像や音楽を切り貼りして作る二次創作動画のこと。このMVはED映像の原画素材を一部そのまま使いつつ、新しい話を足しています。
監督とキャラクターデザインは、アニメの原画も担当したゴルさん。中身は、ずとまよのキャラクターのうにぐりくんたちとターボババアが出てくる、オリジナルのオカルト話です。
サビでは、ターボババアとうにぐりくんが並んで走ります。再生は2026年11月2日時点で5,400万回を超え、元のED映像の10倍近くまで来ました。
元ネタより再生されているMAD。ターボババア、本編の外でもよく走ります。
放送中には、ACAねさんがXに弾き語りも上げています。添えた言葉は「今日はダンダダン リアタイできる」。作り手が、ふつうに放送を楽しみにしていました。
ライブでも定番になりました。2026年10月には、奈良・平城京で開かれた野外ライブ「文禍伝雷」でも披露されています。
Xには、サビでみんなで3連ジャンプした、親子連れの子どもが踊っていた、という声。曲をきっかけにアニメを見始めた、という人もいました。
締めの曲が、本編への入口にもなっている。
連載5周年のお祝いコメントで、ACAねさんは「モモのバイト先で気功砲習いたい」と書きました。
原作者の龍幸伸さんがお礼を返すと、ACAねさんは、ダンダダンがあってTAIDADAを作れて本当によかった、と応えています。
この気功砲、実は2期のエンディング曲にも出てきます。
2期のエンディング曲「どうかしてる」|WurtSが書いた不器用な恋と、メイドカフェの気功砲
2期のEDは、WurtSさんの「どうかしてる」です。テーマは、気持ちを伝えたいのに不器用で、会いたいのに拗らせてしまう恋。
WurtSさんにとっては、さまざまな生命体が突然現れる作品の世界そのものが「どうかしてる世界」。
アニメ公式に寄せたコメントでは、その中で揺れる気持ちのワクワクもドキドキも詰め込んだ、と話しています。漫画もアニメも大好きだという人の書き下ろしです。
| 比べどころ | 1期「TAIDADA」 | 2期「どうかしてる」 |
|---|---|---|
| 作り手が挙げた出発点 | 敵であることが助け合い、四畳半のしあわせ | 伝えたいのに不器用、会いたいのに拗らせる |
| ED映像 | 招き猫のターボババアの日常 | 文化祭を見下ろすパノラマと、自撮り風のダンス |
| 映像まわりの人 | MV監督のゴル(アニメの原画も担当) | ED映像のこむぎこ2000(ずとまよのMVも制作) |
| 曲の外の映像 | ED映像を元にした公式MAD MV | 2期13〜17話のハイライトを使ったコラボMVと、スペシャルMV |
1期EDは招き猫が主役の日常、2期EDはみんなで踊る文化祭。映像に出てくる顔ぶれが、一気に増えました。
2期のED映像を描いたこむぎこ2000さんは、ずとまよの「勘ぐれい」のMVなども手がけてきたアニメーターです。1期の歌い手とも、映像の側でつながっています。
歌詞では、気になり出した相手に向けて気功砲を撃ち、バイトをほったらかして想いを撃ちます。
原作54話で、壊れた家の修理代のためにモモが始めたのが、メイドカフェのバイトでした。最後の記念写真は、店のおまじない「モエモエ気功砲」。
アニメでは2期18話の後半から19話の冒頭。ACAねさんが5周年で習いたがっていたのも、モモのバイト先のこの気功砲です。
1期と2期のED担当が、そろってメイドカフェの気功砲に食いついている。モモのバイト先、音楽家に人気すぎませんか。
もう一つ、歌詞には自分は不器用だと名乗る一節があります。オカルンの本名は高倉健で、WurtSさんのコメントにも「不器用」が入っている。
高倉健さんの「不器用ですから―」は、日本生命のCMの台詞として知られ、のちに本人の代名詞になりました。
狙ったのかどうかは分かりませんが、偶然にしては出来すぎです。
メイド服のモモの接客から気功砲の記念写真までは、54話のネタバレ感想で細かく追っています。曲を聴いてから読むと、おまじないの場面に勝手に音が付いてきます。
54話は単行本7巻に入っています。モモが顔を赤くしながら接客する、あのコマから気功砲までをどうぞ。
3期のエンディング曲を待つあいだに|2期の続きは原作9巻の72話から
3期のEDは、まだ誰が担当するのか分かっていません。放送は2027年です。
第2期の続きは原作9巻の72話「だれか翻訳してくれ」から。9巻は68話から始まるので、巻の頭から読むと68〜71話はアニメ2期23・24話と重なります。
2期の最終話は、オカルンへのキスをモモが目撃したところで幕。72話はその直後から始まるので、あのあとのモモを2027年まで待てない人は9巻からどうぞ。
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まとめ|「TAIDADA」は、だるいのにほっとけない二人のエンディング曲
『ダンダダン』1期のエンディング曲は、ずっと真夜中でいいのに。の「TAIDADA」。曲名は「怠惰だ」で、張り合いながら離れない二人の小さな幸せを歌った曲です。
だるいと言いながら、相手のことは最後まで放っておけない。そう聞くと、曲名の「怠惰だ」がちょっとした照れ隠しに聞こえてきます。
1期が「怠惰だ」、2期が「どうかしてる」。3期のED曲も、ぜひ正気じゃない側の名前でお願いします。
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